なぜ商品は売れないのか。消費者が買わない3つの理由とは? #3
この記事は、書籍『いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
Lesson 04ではマーケティングの課題である「売上」を構成する要素を分解して理解しました。しかしそれだけでは簡単に売上は上がりません。消費者は、なかなかものを買ってはくれません。そこで、消費者が買わない主要な3つの理由について理解しておく必要があります。
Chaper 1 デジタルとマーケティングの関係を改めて整理しよう
Lesson 05 [マーケティングの課題]
売上を上げるために、「消費者が買わない理由」を考えよう
○買わない理由1:「商品を知らない」
買わない理由の最も大きなものは「商品を知らない」ことです。
皆さんは、ハイテク製品や日用雑貨など、年間にどのくらい新商品が発売されているのかを知っていますか? 例えばスマートフォンは各携帯電話会社からは半期に5~10機種発売され、主要な3キャリアだけでも年間30~60機種発売されています。
また、ビール会社4社のビール類新商品は88種類にのぼり(2015年)、それに加えて期間限定や地域限定なども発売されています。
企業では企画開発の段階から、過去の商品や競合企業の商品、マーケットを徹底的に調査研究した上で製造販売を行っていますが、消費者からみれば、自分の興味のある商品やカテゴリー以外についての知識はあまり持っていません。
次から次へと新製品が出ては消えていくマーケットでは、ほとんどの商品の名前も特徴も、消費者には存在にすら気が付いてもらえないままなのです。
「商品が知られていない」ということがまずは課題になるでしょう。
○買わない理由2:「商品に魅力を感じない」
ブランドや商品名を消費者に知ってもらえていたとしても、品質や機能、特徴や信頼性などについてはきちんと伝わっているでしょうか。消費者が商品を選び購入するときには、必ず理由があるのです。
例えば、衣類用洗剤を購入するときにも「子供の体育着の汚れが酷い」「おしゃれ着をよりきれいに仕上げたい」「梅雨時期の洗濯で乾きにくく生乾きが気になる」といった問題意識があり、その意識が商品の選択基準につながっています。
消費者にとってわかりやすい方法で問題解決を提案できなれば、商品は選んでもらえないのです。また、品質や機能的以外にも「これを買ったのだ」と消費者自身が満足できるように、ブランドや商品名などを魅力的であると感じてもらう必要もあります。
○買わない理由3:「評判が悪かったり、わからない」
最近では一般的な価格の何倍もするトースターが、ソーシャルメディアを中心に「世界一おいしいパンが焼けるトースター」と評判になり大ヒットしています。
また、美容院での口コミやSNSでの評判から、通常価格の5倍~10倍の高価なヘアドライヤーも髪の傷みに悩む女性を中心に大ヒットしています。
普通なら見向くことはない高価なものも、評判から興味が出はじめ、さらにさまざまな口コミや体験談を通じて商品理解が進み、今までとは異なる評価基準で価値を見出して購入の決断をするケースがあります。
逆に評判が悪いもの、評判がわからないものは売れません。皆さんも、自分なりにいろいろと調べて購入しようと思った商品であっても、評判をSNSで見かけて急に買う気がなくなってしまったことがあるのではないでしょうか。
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