Webサイト運営に必要なスキルは「ヒト・モノ・カネ」をマネジメントする力 #9
この記事は、書籍『いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。
オウンドメディアは、日常的な顧客対応や社内対応のほか、臨時・定期のリニューアルなど長期にわたる運用・管理が肝心です。最近ではWebサイトを企業経営上の重要な戦略として捉える企業も増え、プロジェクトマネジメントに長けたWeb担当者が求められています。
Chaper 2 オウンドメディアを正しく運用しよう
Lesson 14 [オウンドメディアのマネジメント]
オウンドメディアの運営体制とプロジェクトマネジメントの重要性
○Webサイト運用のための「プロジェクトマネジメント」とは
プロジェクトマネジメントとは、平たくいえば業務上の「ヒト・モノ・カネ」を管理することです。Web担当者にとっては、Webサイト制作・運用に関わるすべてのヒト(依頼先・スケジュール)、モノ(サイトのクオリティ)、カネ(予算)を管理すること、となります。
Webサイト運営は、ユーザーに喜ばれる内容をWeb担当者が考えるだけでなく、会社全体の都合、および戦略に沿って内容を決めなければなりません。また、関連の他部署、外部委託会社などと十分コミュニケーションを取り、協力しあう必要があります。
Web担当者は、これら多くの関係者の中心に立ち、チームとしてまとめながら、プロジェクトを進めていくプロジェクトマネージャーだといえるでしょう。
○「ヒト」「モノ」「カネ」をマネジメントする「依頼と承認」
オウンドメディア運営のゴールは、更新を通じてユーザーに求められている情報を充実させ、Webサイトの価値を向上させることです。そのためには、関係者(ヒト)と十分にコミュニケーションを取り、内容(モノ)を管理しながら進めていく必要があるでしょう。
しかし、Webサイト制作プロジェクトにはトラブルや失敗はつきものです。プロジェクトがつまずく要因には、「業務範囲の誤解」「承認の有無」「タスク遅延」「予算管理」など、さまざまなものがあります。これらの失敗を防止するには、「依頼と承認」をタスクごとに意識することです。
依頼する相手は適切なのか、スケジュールは適切なのか。
依頼する内容は適切なものなのか、上がってきたものは企業として公にすることが承認されているのか。
進めているプロジェクトの予算(カネ)は当初の予定通りなのか、依頼したものは予算の範囲内で進められる内容なのかなど、「依頼と承認」のどちらかもしくは両方が欠けている場合に、プロジェクトが立ち行かなくなりがちです。
成功するプロジェクトマネジメントには、あらゆる場面で「依頼と承認」の意識が欠かせません。
○「依頼」とあわせて必ず「タスクの確認」を
プロジェクトマネジメントの極意は、プロジェクトを完了させるために「やるべき業務(タスク)」を正確に洗い出し、「希望の完了日までに終わらせること(スケジュール管理)」です。
タスクとスケジュールの両輪を回すことで、スムーズにプロジェクトが進みます。この両輪は絡み合っているため、キーになるタスク(業務)が漏れていたり終了していないと、プロジェクト全体の進行が遅れることがあります。
「依頼」を行うときは「スケジュールの確認」だけでなく「タスクの確認」を必ず行い、依頼者から「承認を得る」ことを忘れないようにしましょう。承認を得ないままずるずると進めると、何かが発生した際に、全体の進行が遅れていくことになります。笑い話のようですが、実際にはわりと頻繁に発生するトラブルです。
タスクを認識せずに「商品写真は商品開発担当が依頼してくれるだろう」と思い込んでいると、撮影の依頼が遅れてしまいます。
○タスクとスケジュールを可視化して管理する
プロジェクトマネジメントにおいて、スケジュール管理は腕の見せ所です。スケジュールの管理には、「ガントチャート」と呼ばれる手法がよく使われています。
プロジェクトの段階をタスクに落とし込んで縦軸にリストアップし、横軸にはスケジュール日程を取ることで、作業の流れや進捗が一目瞭然になります。ボトルネックになる作業やスケジュール変更時の必要な営業日の確認もしやすく、プロジェクトマネージャーやメンバーが状況管理する際に有効な手段です。
確実に伝わるコミュニケーションを重視しよう
Webサイト制作では、外部制作協力会社のような専門家と門外漢の社内の部署とが一緒に作業することになります。ビジネスとは無関係の技術的な用語や専門知識が増え、一方が当然と思っていることを他方が理解できないこともめずらしくありません。
メールを転送して依頼完了したつもりが、認識違いや理解不足で、プロジェクトが滞る場合もあります。プロジェクトマネージャーは、チームとしてスムーズなコミュニケーションが取れるように配慮しなければなりません。オンラインのグループウェアを使うのもひとつの手ですが、時にはフェイストゥフェイスや電話も使い、理解を促すための丁寧な説明を心掛けましょう。
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