モバイルWebにソーシャルボタンは不要なの? だって、ぜんぜん使われてないじゃん!
今日は小ネタです。Webページに設置しているソーシャルシェアのボタンが、モバイルではデスクトップと比べて非常に使われる率が低いという調査データがありました。さて、モバイルではソーシャルボタンは不要なのでしょうか?
「ソーシャルシェアボタンをモバイルで使ってる人なんているの?」という記事を、Moovwebが公開(リンク先は英語記事)し、ソーシャルシェアのボタンがモバイルではかなり使われていないことを調査データで示しました。
同社のサービスを利用しているECなど250サイトのデータ(の一部)を調査したところ、モバイル環境でソーシャルシェアボタンを利用しているのは訪問数比率で0.2%だったということです。
ユーザー数比率でみると、デスクトップ環境と比べてシェアボタンの利用率は35%も低かったということです。
同社によると、ソーシャルシェアボタンを使うユーザーよりも、広告をタップするユーザーのほうが11.5倍多かったとのことです。
さて、このデータはどう読んで、どう利用するのがいいのでしょうか。
このデータ、反応率が低すぎない?
Web担の「ソーシャル反応数(いいね!・シェア・ツイート・ブクマなどの合計) ÷ ユニーク訪問数」のデータと比べると、非常に低いエンゲージメント率です。もしかして、この調査結果は特殊なデータなのでしょうか。
というわけではなさそうです。この調査データは「ソーシャル反応率」ではなく、「ページ上のボタンの利用率」ですから。
ソーシャル上の反応は必ずしもサイト上で起きるものではありません。ページからのシェア(一次シェア)はあくまでもスタート地点であり、シェアされたプラットフォーム上で「拡散」していくのが本質ですからね。
そもそも、ページにすら来ない「お付き合いいいね!」「接待いいね!」「ブラインドいいね!」「人に反応しただけいいね!」などの多さを考えると、一次シェアがセッション比で0.2%というのも不思議ではありません。
じゃぁ、なぜモバイルでソーシャルボタンの利用率が下がるんだろう?
となると、モバイルではシェアボタンの利用率がなぜ低くなるのか、それを考えてみましょう。
自分の行動を考えてもわかると思いますが、スマホのブラウザではソーシャルメディアにログインしてないからという理由が大きいのではないでしょうか。
モバイル端末でソーシャルメディアを利用するときは、主にアプリを使いますよね。ですので、ブラウザではソーシャルメディアにログインしていない状態なんですよね。
なので、PCの感覚でシェアボタンやいいね!ボタンをクリックしたらFacebookやTwitterへのログイン画面が表示されてしまいます。そして、わざわざログインするのが面倒で閉じてしまい、それ以降はブラウザでソーシャルボタンを触らなくなるというのは、あなたも経験があるのではないでしょうか。
そして、それ以降はブラウザのシェア機能やURLのコピペでアプリからシェアするようになるんですよね。
んじゃ、モバイルWebページにはソーシャルボタンは意味ないんじゃ?
では、モバイル向けWebページでは、ソーシャルボタンは設置する意味がないのでしょうか? どうせ使われないのなら、置いておくだけ無駄ですよね。ページ表示も遅くなるし。
しかし、私はそうは思いません。理由は次の3つです。
- ボタンがあることでシェアしようという気持ちを喚起できる
- 一次シェアがなければその後の拡散も起きない
- ボタンはソーシャル反応数が多いことを訪問者に提示できる
記事がおもしろいと思っても、必ずしもシェアやツイートをしてくれるとは限りません。しかし、ボタンが目に入ったことでシェアする気持ちが喚起される可能性はありますよね。
そうした行動喚起という意味で、記事下やスクロール追随型でボタンを設置するのは、有用だと思います。
そうして1つでも一次シェアを増やすことが、その後のソーシャルプラットフォーム上での拡散のチャンスを増やすことになるのですから。
そして、忘れてはいけないのが、記事先頭部分で「この記事、こんなにソーシャルで評価されてるんだよ!」と強調できる効果です。
いまのユーザーさんは、なかなか興味をもってコンテンツを読み進んでくれません。でも、ランディングした時点で「おー、1500いいね!も付いてるのか」とわかれば、興味をもって記事を読んでくれる可能性が上がるのではないでしょうか。
いずれも数値での裏付けがあるわけではないのですが、私はそんな風に考えて、モバイルでもソーシャルボタンは必ず設置しています。
みなさんは、どうでしょうか?
ソーシャルもやってます!