BITA デジマラボが機械学習を用いた『アイドルTwitterアカウント運用代行実証実験』に参画
唐突ですが、SNS運用ってなんだかんだ結構大変ですよね。
今やユーザーとのメインエンゲージメントポイントの1つですし、下手なこと書いて炎上…なんてリスクもあったりなかったり。
なので、完全な代行…とまでは言わずとも、例えば『その人らしさ』を過去Tweetから機械学習 ⇒ 『○○っぽい書き方で言いたいことを上手くまとめる』みたいなことができないもんかなー…とか考えたんですね。
で・・・やってみました。
機械学習でできるかやってみよう!という実証実験
まぁ、そこからはいつものデジマラボのノリです。
- SNS運用代行サービスもたくさんあるけど、あれはアレで高いし管理大変
- もちろん各人が気をつければ良いけど、人間だしリスクはゼロじゃない
- ・・・?じゃあ『人間じゃない』ならイケるんじゃないか?
対象となる人物の過去Tweetをディープラーニングで学習。口調や書き出しパターン、言い回しなどを重み付けして、そこからさらに対象の口調や投下時間、絵文字の配列や内容を学習させました。
で、本人のTweetを上手いことマネた文章をある程度意図通りに生成できるAI Twitter botを作成。実際に動かしてみました。
参画していただいたのはなんと現役アイドル、PREDIANNAの侑杏(ゆあ)さん
PREDIANNA:平均年齢14歳のガールズユニット。2015年4月15日にデビューシングル「TRAP」をリリースしフジテレビ系「ミューサタ」エンディングテーマに抜擢。2015年には「SUMMER SONIC 2015」出演。デビューCD「DESTROY」でオリコンデイリー15位、ウィークリー24位、インディーズウィークリー2位を獲得。(※ちなみに侑杏さんは左から二番目の方)
ファンの方々にはなんというか本当申し訳ない… て話ですが、『 ” 本人らしさ ” をAIが学習し演じることができるのかどうか?』という実験に今回賛同いただいた。という感じですね。侑杏さんありがとうございます。
で、実際にディープラーニングの結果 生成されたTweet文章はこんな感じ。
改行の位置がちょっと少なめ?と、見比べればわかるものの、ライブ前後には感想やワクワク感などを出力していて、ちょっと見分けがつかない感じ。
(※実際ファンの方のみならず開発側すら『あれ?ちゃんとbot動いてる?本人書いてない?』と混乱してしまったほど。)
こちらはなんとまだ稼働中。なので、ご本人のアカウントを見ていただければ確認が可能です。ぜひフォローしてくださいな。
構造はシンプルにしつつ汎用性を高めた『短文オーダー』仕様で文章生成を設計
今回も、以前大きな話題となった『AI記者』と同様データセクション株式会社さんが実際の開発を担当。僕らビットエーのデジマラボチームは全体プロデュースとデータ設計部分などを担当させていただきました。
AI記者エンジンに「日本語としてありえる単語のつながり」を学習させ、そこから単純に文章を生成してしまうと、それっぽいんだけど意味の無い文章の羅列になりやすい。
ので、今回は『おはよう』や『疲れた』『明日はライブ』など。極めて短い文章を命令文とし、”全体として命令文と同様の意味合いを持つ数十文字程度のTweet文を自動生成” するよう設計しています。
つまり『人が要点を指示』する形。
なので、ある程度人による監修が必要にはなっていますが、その分 MS tey なんかの事例に見るような「管理不能で何言い出すかわからない」という難点をすり抜けられる構造にしてある感じですね。
開発チーム体制について
今回はHAKUHODO THE DAY、株式会社ニューピース、BITA デジマラボチームで企画・設計、エンジン部分はデータセクション株式会社…ってな座組でした。
可能であれば自撮り写真を自動生成して『自撮らないけど自撮ってる』みたいな事もやってみたかったんですが、こちらは今回テストまで。
開発は進んでいるので、ひとまず次回…ですかね。難しい…
※以下はGANによる実験段階の自動生成『自撮らない自撮り写真』サンプル
今後の可能性についてのマジメな話
実際運用してみた期間はわずか数週間。技術的な実証実験…てな意味合いの強い試みでしたが、改めて感じたのは「その人らしさを学習しその人を演じる」というアクションは、AI設計において『実はあまり難しくない』ということ。
これはもしかすると『芸能やエンタメなどのジャンルでも機械学習って役に立つかも?』という1つの可能性を見れたような気がしています。
- 例えば『作詞家のクセ』を学習したり
- それこそ楽曲そのものを○○風にしあげたり
- やりとりまで学習してファンとの交流を勝手に広げたり…?
ちょっと前なら『日本語はそういうの難しくて…』なんて言われていたジャンルにも、ようやく手を出せる企画として見えてきた?という印象ですかね。
我々デジマラボも、まだまだ見えにくい可能性に次々トライできるよう、あっちゃこっちゃ手を出していきたいな思っています。
こんなんやってみたい!という突拍子もない発想をお持ちの方、問い合わせでも求人応募でも、お待ちしております。
ではまたー。
「BITA デジマラボ」掲載のオリジナル版はこちらBITA デジマラボが機械学習を用いた『アイドルTwitterアカウント運用代行実証実験』に参画2017/05/26
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