無料メルマガに登録した人は、どこから来て何がポイントで登録したのかを分析するには?(第52回)
ユーザーがメルマガに登録したときの行動を分析して、常連さんをヘビーユーザーにするためのサイト改善に役立てたい
メディアサイトでは無料のメールマガジンを発行していることが多い。ユーザー側としては、定期的にまとめて関心分野の記事のリンクを提供してもらえるし、B2Bサイトのメルマガのように、サービスの売り込みが中心ということも少ない。発行側としては固定のユーザーリストが取得できて能動的に情報提供を行うことができるし、広告メディアとしても活用できる。
この無料メールマガジンは、一度登録してもらえば比較的長くユーザーとの関係を持つことができるので、このきっかけは非常に重要だ。では、「メルマガに登録する」という行動をしたユーザーに絞り込んで調べることで、登録数を増やすヒントが得られるのではないか。
そこで今回は次のセグメントを利用してみよう。
- メルマガ登録をしたユーザー
- メルマガ登録をしたセッション
メルマガ登録をしたユーザー(またはセッション)セグメントを使うための設定
今回は、メルマガ登録ユーザーを判別するために、「メルマガ登録完了ページ」を表示した(つまりメルマガに登録した)ユーザーというセグメントを使う。
もしトランザクション(eコマースの販売データ)を計測しておらず、かつメルマガ登録完了ページだけを目標設定しているなら、標準に用意されているセグメントを利用しよう。
そうでなければ、新しいセグメントを作成していく必要がある。
標準で用意されているセグメントを使う場合
まずは標準に用意されているセグメントを利用する場合から説明しよう。
レポート画面の上部にある「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックしよう。ブラウザ表示の横幅が狭い場合は、すべてのセッション(図1青枠部分)の下に並んで表示される。
「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックすると、図2のようなセグメントの機能が表示される。すでに自分でセグメントを作成していたりすれば見た目は違うだろう。各セグメントの表示方法はリスト(一覧表形式)とグリッド(タイル型の表示形式)の2つ(図2赤枠部分)があって、直前に選択していた状態になるようだ。ちなみに図2はリスト表示した場合だ。
またデフォルトではすべてセグメントが表示される「すべて」(図2青枠部分)が選択された状態になっているので、自分で作成したセグメントが多数あると、今回選択したいセグメントが探しにくいので、その下の「システム」(図2緑枠部分)を選択しよう。そして表示方法はグリッドを選択(図3赤枠部分)したのが図3だ。
今回選択したいセグメントは「メルマガ登録をしたユーザー」と「メルマガ登録をしたセッション」だが、メルマガ登録が目標設定されており、メルマガ登録がすなわちコンバージョンを意味するので、「コンバージョンしたユーザー」と「コンバージョンしたセッション」と言い換えられる。
表現は異なるが、これに対応するセグメントは「コンバージョンに至ったユーザー」と「コンバージョンが達成されたセッション」の2つだ(図3青枠部分)。セグメントを掛けて見たいレポート画面で、この機能を表示して選択して適用(図3緑枠部分)すればよい。
新しくセグメントを作る場合
続いて新しいセグメントを作成する方法に移ろう。セグメント機能の左上にある「+ 新しいセグメント」(図2あるいは図3黒枠部分)をクリックして新規セグメントを作成していこう。
新しいセグメントを作成する初期画面では「ユーザー属性」(図4赤枠部分)が選択されているが、今回作成するセグメントでは「条件」(図4青枠部分)を選択しよう。図4はその「条件」を選択した画面だ。
今回のセグメントの条件設定は、図4緑枠部分で行う。
今回作成したいセグメントは「メルマガ登録をしたユーザー」「メルマガ登録をしたセッション」の2つだ。図5、図6のように条件指定しよう。
「メルマガ登録をしたユーザー」セグメント
まず、ユーザーベースのセグメントの「フィルタ」は、
- 「ユーザー」「含める」(図5赤枠部分)
を選択する。その下の条件は、
- 「ページ」「完全一致」「/mail/register.php」(図5青枠部分)
などとする。「/mail/register.php」がメルマガ登録完了ページという想定で、そのページを通過したという意味合いになる。つまりメルマガ登録したということだ。
「メルマガ登録をしたセッション」セグメント
セッションベースのセグメントの「フィルタ」は、
- 「セッション」「含める」(図6赤枠部分)
を選択する。その下の条件は、
- 「ページ」「完全一致」「/mail/register.php」(図5青枠部分)
などとする。「/mail/register.php」は同じくメルマガ登録完了ページという想定で、そのページを通過した、すなわちメルマガ登録したという意味になる。
これでそれぞれのセグメントの名前を「メルマガ登録ユーザー」「メルマガ登録セッション」とでも名付けて、「保存」ボタン(図4黒枠部分)をクリックする。これで新規セグメント作成作業は終了だ。
メルマガに登録したとき、ユーザーはどれぐらい熱心に見てくれていたのか確認するには?
次にこのセグメントの活用方法を見ていこう。
まずは[ユーザー]>[サマリー]レポートに「メルマガ登録セッション」のセグメントを追加で掛けよう(図7赤枠部分)。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする
- メニューが開くので、[サマリー]をクリックする
- 今回作成したセグメントのうち、「メルマガ登録をしたセッション」のほうを選択して「適用」する(図7赤枠部分)
ここでわかるのは、メルマガに登録してくれた人は、登録したそのセッションでどう行動していたかだ。
サイトの立ち上げ当初でもない限り、そうそうメルマガ登録してくれるものではないので、当然ボリュームはわずかだろう(図7青枠部分、黒矢印先のオレンジの折れ線部分)。
ここではどれくらい濃いページ閲覧をしていたのかが確認できればよい。具体的には「ページ/セッション」や「平均セッション時間」の指標(図7緑枠部分)を見較べておこう。
当然メルマガ登録のプロセスのページは余計に見ることになるので、それは差っ引いて考えておく必要はある。それなりにヘビーユーザーっぽい状況になっていれば想定どおりと言えよう。
メルマガに登録したユーザーはどこからやって来たのか、どういう特徴があるのかを分析するには?
次はメルマガに登録してくれる人を連れてくるチャネルはどこか、特徴はあるのかないのかを見ていく。[集客]>[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]レポートに該当の2つのセグメントを追加で掛けよう(図8赤枠部分)。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面左側にあるメニューで、[集客]をクリックする
- メニューが開くので、[すべてのトラフィック]>[参照元/メディア]を順にクリックする
- 今回作成した2つのセグメントを選択して「適用」する(図8赤枠部分)
上位の「参照元/メディア」で全体と比較して相対的に高い割合(図6青枠部分)になっている「参照元/メディア」がないかを確認しよう。また、
- メルマガ登録する人を連れてきたチャネルに何か特別な傾向はあるか
- メルマガ登録したセッションと、そのメルマガ登録ユーザーの普段の利用チャネルが異なるか
などの行動の特徴も確認しておこう。
メルマガ登録済みユーザーが熱心に見ているコンテンツは何か、その傾向を分析するには?
次に[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートに該当の2つのセグメントを追加で掛けよう(図9赤枠部分)。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面左側にあるメニューで、[行動]をクリックする
- メニューが開くので、[サイト コンテンツ][すべてのページ]を順にクリックする
- 今回作成した2つのセグメントを選択して「適用」する(図9赤枠部分)
全体と比較してメルマガ登録ユーザーが見ているコンテンツに違いはないだろうか、まずは上位のページの閲覧割合(図9青枠部分)を比較してみよう。もし違いがあるのであれば、それは確かに最近のユーザーの関心をひきつけるような記事だろうか。
メルマガ登録セッションは、メルマガ登録をするための各種ページも多く存在しているはずなので、それらを除いて実質的に見ていた記事が何なのかに注目しよう。それが最終的にメルマガ登録を決意したコンテンツだとひとまず想定してみる。
その上で、メルマガ登録ユーザーのセグメントは、メルマガ登録前後の閲覧コンテンツも含んでいるので、その人の関心は、メルマガ登録時に見ていた記事のカテゴリーと同じなのか、さまざまなカテゴリーに関心を寄せているユーザーなのか、把握できるだろう。
ソーシャルもやってます!