【ビッグデータvsプライバシー】パーソナルデータ取得時の説明・同意とUIのガイドラインを経産省が策定
今日は、ちょっと堅い「プライバシー」の話題を。個人情報だけでない「プライバシーデータ」「パーソナルデータ」を取得するときに、消費者に対してどう説明してどう同意を得るかのガイドラインを経済産業省が策定しました。
あ、「なんだビッグデータか、うちには関係ないや」とブラウザのタブを閉じようとしたあなた、ちょっと待ってください。
これはたしかに「ビッグデータ」として消費者のいろんな情報を取得してそれを第三者に提供する事業者向けのように見えますが、それだけではないのです。
EUを筆頭に世界的に伸びてきている「プライバシー」に関する話題であり、「個人情報保護法」を守っていればよかった時代から少し状況が変わってきていることを意味するからです。
経産省が策定したのは、昨今、企業が取得しているさまざまなユーザーのデータに関して、
こんな情報まで取られているとは思わなかった
自分のプライバシーデータがこんな使われ方をされるとは思ってなかった
という状況を避け、“個人識別可能情報”データの取り扱いに関して、取得段階で適切に説明し、意思確認し、同意してもらうことで、消費者との信頼関係を構築するための指針。
ガイドラインでは、次のようなことが定められています(ここに示したのは項目名だけコンパクトにまとめた版ですが、「消費者向けオンラインサービスにおける通知と同意・選択のためのガイドライン」のPDFでは、具体例も含めて説明しています)。
- 通知方法
- 本人が認識できるように通知すること
- 本人にとって分かり易い表現で通知すること
- データを取得する前に本人に通知すること
- 本人が気付き易い箇所で通知すること
- 通知内容を、通知後も本人が容易に参照できること
- 通知内容
- サービスの概要
- 取得及び利用主体
- 取得するデータの項目
- 取得方法
- 取得理由(取得の必然性)
- 取得するとき
- 利用目的
- 利用方法(加工して使うのか、無加工で利用するのか、など)
- 第三者への提供
- 保存期間、廃棄
- 本人による関与(開示等の請求ができること及びその手段)
- 問合せ先
- 同意及び選択の方法
- 同意主体が誰(どのID)であるのか表示すること
- 本人に選択の機会を与え、明示的にまたは黙示的な許可を得ること
- プライバシーに関する事項は他の事項と独立して許可を得ること
- プライバシーへの影響が異なる事項については個別に意思確認をすること
- 適切な頻度で意思確認をすること
- 適切なタイミングで意思確認をすること
- 通知内容の変更時の同意取得
- 通知内容に変更があった場合は、通知又は同意を取得すること
また、データ取得時の意思確認のためのユーザーインターフェースに関しても、次のようなガイドラインを定めています。
- 表示方法
- 通知における通知事項の表示順序は、「2. 通知内容」記載の順序とすること
- 本人ができるだけ短時間で読むことができる内容を少ない画面数で表示することとし、当該画面に全てを表示できない場合には、まず要約表示を行うこと。また、記載を省略した情報がある場合は、それを含む詳細を参照できるようにすること
- 同意及び選択の方法
- 明示的許可の取得に当たっては、消費者の能動的な行動によること
これだけだと「ふーん、なるほどね」となるかと思いますが、ガイドライン本体には、それぞれの項目についての内容や注意事項、画面例なども示されています。
サイトやオンラインサービスの作成時に、どんな内容をどう表示するかを決める際に、この資料があれば助かるのではないでしょうか。
事業者としては「うーん、面倒だな」というものなのですが、ガイドライン策定の根本にある「利用者との信頼関係を構築する」という点は、忘れないようにしてください。
消費者は、企業がデータを取得していることに気づいており、その情報がどう利用されるのかを不安(または不審)に思うようになってきています。そういう時代なんです。
このガイドラインで策定されているような項目をちゃんと提示することで、「あ、この会社は信頼していいんだ」と安心してもらうためのものだと考えておくほうが良いのではないでしょうか。
- 消費者向けオンラインサービスにおける通知と同意・選択のためのガイドライン
http://www.meti.go.jp/press/2014/10/20141017002/20141017002a.pdf - オンラインサービスにおける消費者のプライバシーに配慮した情報提供・説明のためのガイドラインを策定しました
http://www.meti.go.jp/press/2014/10/20141017002/20141017002.html
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