衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

Googleアナリティクスオタクの私が、毎日見ているたった1つのレポートの、本当の見方を教えよう[第60回]

忙しいWeb担当者が、限られた時間の中で、どのようにGoogle アナリティクスを活用したらよいかのヒント

ページ

ここまでGoogleアナリティクスの導入と基本設定、代表的な指標など言葉の意味、各レポートをどのように利用するかといったことを解説してきた。

しかし忙しいWeb担当者の皆さんは、毎日Googleアナリティクスのデータを見て、Webサイトの改善に役立つようなヒントを探し出す時間はそれほど持ち合わせていないだろう。

限られた時間の中で、どのようにGoogleアナリティクスを活用したらよいかというヒントを、今回はご紹介しよう。

導入時は、課題解決・問題発見のための分析

Googleアナリティクスを導入したところならば、まずはさまざまなデータを見てサイトの問題発見のヒントを探す「課題解決あるいは問題発見のための分析」をしてほしい

その際に、次の3つのポイントに注力して分析すれば、大きな問題点はこのデータ分析初期の段階で比較的容易に発見できるだろう。

  • コンバージョンなど成果に近い部分でのボトルネックを見つけて改善することで成果を増やす
  • 主な入口ページ(ランディングページ)の直帰率を改善して閲覧ページを増やす
  • 集客などお金を掛けている施策の費用対効果を改善する

もちろん時間があれば、連載で今まで紹介してきた各レポートなどを駆使して分析や改善の活動に活かしてほしい。

しかし、改善を進めるにつれ、データから問題点を発見して細かい改善活動をするのはだんだん難しくなっていく。初期段階での改善活動に比べて問題点がどんどん細かくなっていくのならば、同じ時間を掛けても、成果が上げにくくなるのは当然だ。

私はこれを「分析改善のラーニングカーブ」と言っている。分析のROIは残念ながら下がってくるので、分析オタクになってはいけない。分析に掛けた時間以上に効果が上がらなければ、本末顚倒だ。

定点観測フェーズの分析

このようなことからも、潤沢な予算でもない限りは、時間を掛けた深い分析は、現実的にはリニューアルなどの限られた機会にしかできないだろう。

初期段階の大きな問題点発見のためのデータ利用のフェーズが終わったのちは、それなりに効率的にデータを活用するフェーズに移行する。それをここでは定点観測のフェーズと呼ぶことにする。

定点観測なので、一定のサイクルでデータをまとめて定期的に見ていくということだ。どういうサイクルでデータを見るべきかは、事業全体に対するWebサイトの重要度合や集客規模、日々の集客や成果の変動規模などによって異なるので、毎日の場合もあれば月に1度で十分な場合もあるだろう。

Webサイトのタイプ別解析レポートの作り方

では、どのようなデータを定点観測すればよいのだろうか。それもWebサイトのタイプや成熟度などによって変わる。こちらについては、以前に書いたこちらの記事を参照してほしい。

Webサイトはすべてユニーク(唯一無二)なので、こういった定型のパターンを参考に、各サイトの事情に合わせて定点観測すべきデータを考えていただきたいが、例として私の毎日のデータの見方をご紹介しておきたい。

具体的に、私は毎日、どのレポートをどのように分析しているか?

私、衣袋宏美は、『Googleアナリティクス完全マニュアル』という700ページもある超マニアックな解説本を上梓したせいか、毎日毎日、日がな一日、Googleアナリティクスで解析に明け暮れているのではないかと思われがちだが、実際はそんなことはない

そんな私が、自分のサイトを毎日どのように解析しているかを、例としてご紹介しておきたい。

例として取り上げるサイトは、集客を積極的に行っているわけでもなく、訪問数の上下動も少ないサイトなので、あくまでそういうサイトの1ケースとして参考にしてほしい(多くのサイトはそんなレベルではないだろうか)。

毎日見るのは[ユーザー]>[サマリー]レポートだけ

データは毎日見ているが、特に大きな変動がなければ、ある1つのレポートを表示して、3秒ほど一瞥して終わる。見るのは[ユーザー]>[サマリー]レポート。ログインして、見たいプロファイルを選択すると、最初に表示されるレポートだ。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする
  3. メニューが開くので、[サマリー]をクリックする
図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート上部
図1:[ユーザー]>[サマリー]レポート上部

朝一でレポートを見ると、前日から過去31日までさかのぼった1カ月のデータがまとめて折れ線グラフで表示されている。このレポートで前日の訪問数の規模(図1赤枠部分)を見るだけだ。いつもと同様の折れ線グラフになっていれば、そこで終わり。それ以上の深入りはしない。

このサイトは、

  • 土日の利用が少なく、平日が中心の訪問になっている
  • 平日の中では火曜日がメルマガの影響で多少の上昇が見られる

というのが基本的な特徴になっている。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール

用語集
Googleアナリティクス / アクセス解析 / グローバルナビゲーション / コンバージョン / ソーシャルメディア / リンク / 検索連動型広告 / 直帰率 / 訪問

ページ

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

Python
「Python」(パイソン)は、プログラミング言語の1つ。プログラマのグイド・ヴ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]