企業ホームページ運営の心得

彼女を名前で呼ぶタイミングから学ぶビジネスメール基礎心得

入社したばかりの新人Web担当者向け、ビジネスメールの心得について
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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の307

ネット選挙における危惧

本稿が公開されるころには、衆院を通過していると思われる「公職ネット選挙法(仮)」。いわゆる選挙活動でネット利用を解禁する法律です。メールの利用について各党で意見がわかれていましたが、そもそも何を持って「メール」とするのか、その議論への踏み込みは甘いと言わざるを得ません。

Facebookのメッセージ機能はもちろん、mixiから届く近況報告に政治的メッセージを織りこみ、電子メールと同等の機能を持たせることは造作のないことです。規制も抑制も不十分な「ザル法」となりそうで、夏の参議院選挙における混乱が、いまから楽しみです。もちろん、イヤミです。

今回は「公職ネット選挙法(仮)」でも争点となった「メール」について。4月も半ばを過ぎ、新しく配属されたWeb担向けのメール基礎心得です。

当たり前が故の作法

電子メールはすでにコモディティツールとなりました。20世紀の頃、下書きしたメールをプリントアウトし、部下を捕まえ読み合わせしてから「送信」ボタンをクリック。さらに先方に電話をかけて電子メールに記述した内容を説明する、というサラリーマンは実在しました。時は流れ、いまや言葉足らずで送っても、受け手は「誤変換」だと受け流してくれるでしょうが、ビジネスの現場でそれは甘えです。

プリントアウトまでして校正しろとはいいません。しかし、ビジネスで送信する文章なら、一度は読み直し、誤字脱字を、少しでも減らす努力をしなければなりません。特に初めてメールを送る相手には細心の注意が必要です。おまけに、

「(ノ^^)ノ(やった)」「<m(__)m>(ぺこり)」

などは送るなとはいいませんが、段取りを踏まなければあなたの人間性はもちろん、そんな社員を雇った会社の信用を毀損します。そこでビジネスメールの基礎心得。

一、ビジネスメールは公式文書と思え

宛名に現れる礼儀

今年に入り、面識も接点もない2つの上場企業から届いた、それぞれのメールにガッカリしました。1つは、当社で管理している地域サイトに掲載している写真を、自社のサイトで使いたいという申し出です。私が断りもせずに、放置した理由は差出人の「苗字」しか記載されていなかったからです。

「たかがそれぐらい」だと思うなら企業のWeb担失格です。取引の有無、組織個人を問わずとも、面識も接点もない初対面の相手に対して、苗字を名乗るだけで許されるのは「電話」や「対面」のときだけです。メールとは書面であり、書面とはいくらでも改ざんできるものです。だからこそ社名、所属部署、肩書き、そして氏名(姓と名前)といった、可能な限りの個人情報を記すことで、相手の信頼を勝ち取らなければならず、それは最低限の「礼儀」なのです。

一、個人を特定できる情報を必ず添える

ちなみにもう1社はさらに酷く、所属も担当者名も名乗っていないので、こちらも同じく放置しています。

自筆を装う礼儀

一般的なメーラーは署名(シグネチャ)を自動的に挿入することができます。自己紹介はこれで十分でしょうか。

確かに情報としては十分ですが、おざなり感は隠しきれません。そこで私は、大切と思う相手へのメールには日付と社名、そして氏名をシグネチャの前に入力します。

合理性を最優先に考えるなら、まったくもって無駄な作業です。しかし、わざわざ打ち込む数秒間の心遣いを、誠意と敬意の表れと理解する相手は必ずいます。これを「心得」とはしませんが、小技の1つとして記しておきます。ちなみに日本語変換ソフトのATOKなら「きょう」で変換すると、その日の日付が表示され、あまり手間がかかっていないことは秘密です。

彼女を名前で呼ぶタイミング

メールだから気楽に

という主張はその通りです。しかし、いきなり「<m(__)m>」は論外です。ビジネスと恋愛は似ており、ビジネスメールにも通じます。段階を踏んで親しくなっていくのです。

つきあい始めたころは相手の苗字に「さん」を付けて呼ぶ人が多いのではないでしょうか。そして、より親しみをこめてファーストネームで呼びたいと願っても、切り替えのタイミングは難しく、理想とされるのは「自然」に呼び替えることです。

「自然」さの演出はグラデーション。彼女をファーストネームで呼ぶであろう、父母や友人とのエピソードを聞き出し、そこで登場する彼女のファーストネームを「○○って呼ばれていたんだ」「○○だよね」「○○はさぁ」と復唱し、可能な限り繰り返します。そして、相手のファーストネームを自分が口にする行為そのものの違和感をなくしてしまうと自然に……というのは別の話。

でも、メールで親しみを演出するのも同じです。

人間関係と同じ

まず、手始めに「(笑)」や「(涙)」など、わかりやすい文字による感情表現を、一度の送信で一箇所を限度として挿入します。相手が同様に返してくれば、文字表現への許容度が高いと見ることができます。すると多少、砕けた文体でもOK。反対ならしばらく様子見です。

次に「お世話になっております」と紋切り型の挨拶文も、頻繁にメールをやり取りするタイミングによって使い分けます。これは感覚の問題ですが、一週間に数回以上のやり取りがあれば「お世話様です」と簡略化するなど、意図的にくだけた表現の分量を増やしていくのです。

さらに話は前後しますが、初めてメールを差し出すときは、冒頭に会社名、所属、肩書き、先方の氏名を記し、だれ宛てなのかを明示します。メールアドレスで区別されているだろう、とはいいません。作法とは敬意を表すためにあり、合理性で応えるものではないからです。そして、冒頭の宛名も徐々に減らしていきます。社名を削り、所属を削り、最後は氏名も削ります。そこで最後の心得。

一、だんだん砕けていく

いつまでも固い文書のまま。も間違いではありません。しかし、すっかり普及し浸透した電子メールには、電子メールだけに通じる「親近感」が存在します。Web担当者なら、これを上手に利用して、社外はもちろん社内との人間関係を構築してください。

今回のポイント

ビジネスメールは会社を代表することもある

くだけるのは信頼関係ができてから

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