もしネットショップのサイト内検索が0件だったら……、検索のミスマッチをなくしておもてなしを改善/ビジネスサーチテクノロジ
売上を左右しうるサイト内検索の重要性
さまざまな検索技術を軸に事業展開をしているビジネスサーチテクノロジ。主力の製品・サービスは、サイト内検索のパッケージソフトウェア「WiSE(ワイズ)」と商品検索ASP/SaaSの「probo(プロボ)」で、中央省庁や大手金融機関のサイトのほか、セシール、ファンケル、ベルーナ、ドクターシーラボなどのECサイトでも利用されている。
セッション冒頭で川邉氏は、ネットショップ担当者にとって「サイト内検索の導入によって目指すゴールは“売上アップ”」と定義したうえで、サイト内検索の重要性を次のように説いた。
ユーザーは、欲しい商品が明確にあるからこそ、サイト内検索で探そうとします。その結果が0件ということは、それまで高まっていた期待や購入意欲を検索結果によって下げてしまうと言えるのではないでしょうか。これは、リピーターや新規顧客に関わらず、コストを掛けて集客施策に手を尽くして、ようやくサイトを訪れてもらったお客様をおもてなしできていない行為であり、ネットショップ側にとっては大きな機会損失です。
もちろん、実際に当該商品がない可能性もあるが、ユーザーが適切なキーワードで検索していないために0件という結果が返ってきている可能性もある。よくあるのが、商品名そのものではなく、効果・機能や素材、利用シーンなどから連想される“フレーズに近い”キーワードで検索されるようなケースだ。そういった場合、0件という検索結果とともに「検索結果0件でした。」といった不親切なメッセージを返すだけのネットショップも多いが、「キーワードそのものではヒットしなくとも、それに近い条件でヒットさせたり、不親切な0件ヒットのメッセージだけでなく再検索を促すようなコンテンツを表示したり、そもそもキーワード入力時に候補語を表示させるサジェストサービスで0件を未然に防ぐような支援を行うといった工夫があるべきではないでしょうか」と川邉氏は語る。
さらに川邉氏は、サイト内検索のレスポンスも重要であると説いた。サイト内検索をしても結果が返ってくるまでに非常に時間かかったという経験は、だれでも持っているだろう。Amazonの場合、表示速度がたった100ミリセカンド遅くなるだけで売上が1%減少したというデータもある。
また、サイト内検索は、ユーザーニーズの発掘にもなるという。サイト運営者はサイト訪問前の流入キーワードの分析はしていても、サイト内検索のログには注目していないことが多い。ネットショップであれば、ユーザーが入力した「買い物メモ」でもあるサイト内検索ログを分析しないのは非常にもったいない。
実際に同社が提供しているサイト内検索サービスの導入効果について、川邉氏は事例を交えながら紹介した。
某大手通販サイトでは、サイト内検索利用者が230%にまで伸びた。レスポンスの向上とカテゴリや価格帯、カラーバリエーションなどのファセットの効果でウィンドウショッピングのようなユーザー体験を提供できるようになったことが評価され、サイト内検索利用者による売上は120%に増加したという。更に、検索部分はビジネスサーチテクノロジのサービスを利用することによってシステム負荷を外出しできたため、サイト全体のレスポンスが改善された。検索機能が強化され、サイト全体のパフォーマンスも上がるという、相乗効果が生まれたわけだ。
コンテンツやデータを効率良くクロールし、その収集したデータをユーザーに対して検索結果として返す。ユーザーとネットショップの間でハブ的な役割を果たすのが、ビジネスサーチテクノロジが提供するサービスだ。
クローラを利用してハブ的な仕組みを提供するケースは最近注目されている。以前から、日本国中の企業サイトより求人情報だけを抽出して、大手求人サイトにデータ提供する求人クローラの開発や、3,000サイト以上の公共機関の入札情報の収集を元にした入札検索ポータルサイトの構築などを行なっていたが、ソーシャル・メディアの普及に伴うクチコミ・評判情報の収集や、マーケティング目的の外部サイトクローリングといったケースも増えている。
また、ネットショップ関連では、収集した商品データをサイト内検索だけで利用するのではなく、アフェリエイトやレコメンドサービス、アドネットワークへ広告の出稿データとしてデータフィードすることもできるそうだ。
これは、サービス毎に出稿データの管理を行うネットショップ運営者の負荷軽減になるとともに、クローラにより商品データが常に最新の状態に反映されるため、広告データの品質維持とユーザーへの訴求といった面からも今後重要になっていくと思われる。
一物多価商品の検索を可能にする「2D検索」
同じ商品であっても、売る相手やタイミングによって価格を変えることは珍しくない。名入れなどのパーソナライズによって価格が変動することもあり、サイズや色などのバリエーションによって価格が変わるケースも考えられる。
このような「一物多価」の商品を適切に検索するためのアプローチの1つとして、川邉氏は「2D検索」という手法を提示した。2D検索とは、すべての商品・価格の組み合わせを記したデータを用意するのではなく、X軸に顧客、Y軸に商品を置き、必要なデータのみを参照する仕組みである。
この2D検索を実装することで、従来は難しかった「顧客×価格」による顧客ごとの価格出し分けや、「サイズ×在庫」によるSKU単位での在庫状況の表示が容易に実現できるようになる。
この手法は、「○○別○○」といったきめ細やかな対応を行う場合に有効で、ユーザー軸やアイテム軸だけでなく、時間軸や位置情報を元にした情報出し分けにも応用が可能だ。
本セッションで最後に発表したのが、「probo入力アシストガジェット free」というフリーツールだ。これは、今まで大手通販サイトでも利用されてきた、検索窓へ候補語を表示するサジェスト機能をガジェット形式で簡単に導入することができる無料のサービスだ。検索のミスマッチを無くすことによるユーザビリティの改善や、キーワード想起からのレコメンドによる購買促進など、これまでなかなか手が回らなかった検索機能面からのサイト内施策を、ネットショップの運営者が自分で行える。
サイト内検索の改善により、売上がアップしたネットショップをたくさん見てきました。サイトの改善施策の中で、ユーザーのニーズが“キーワード”として直接目に見えるサイト内検索にも是非目を向けてみてください。我々は、これからも、ネットショップ運営者の為のサービスをリリースし続けてまいります。
ビジネスサーチテクノロジ株式会社
Tel:03-3526-6141
Mail:probo-sales@bsearchtech.com
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