競合ドメイン分析(後編):レポートに含めるべき3つの分析と提言
この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後編となる今回は、競合ドメイン分析に盛り込むべきに内容について詳しく見ていこう。→前編を読んでおく
SEOを行う者にとって、競合ドメイン分析は、依頼者に正しいSEOを啓発し、現在の順位や順位向上のためにどんなSEOを行うべきかを理解してもらう機会が得られる重要なタスクだ。
前回は競合ドメイン分析が重要な背景とデータ取得の段階を解説した。今回は具体的な分析レポートの作成を解説する。
きちんと整理する
私たちの競合ドメイン分析は通常10ページ程度だ。とはいえ序文と用語集だけで2ページにはなるし、スクリーンショットが多いからその分ページ数が多くなるだけの話だ。
この文書は、次の4つのセクションに分けて整理するとわかりやすい。
- SEOとは何か?
- ドメイン分析
- 対策の提言
- 用語集
それでは、それぞれのセクションについて、どのような内容にすべきかを詳細に説明していこう。
セクション1:SEOとは何か?
文書の冒頭部分には、2~3段落の簡単な説明を持ってくる。ここでは、グーグルの現状と、このところ検索で上位を取るために本当に必要な要素について記述する(私たちは普通、ここにクライアントに読んでもらいたいWeb記事へのリンクを含める)。
この作業は、これまでにクライアントと話し合ってきたことを繰り返すに過ぎないが、クライアントが後で参照できるように書面に残すという意味合いもある(クライアントが忘れがちだから)。
このセクションでは、クライアントのWebサイトを成功に導くと考えられる要素をいくつか必ず指摘しておく(各要素について少し詳しく説明してもいいだろう)。
- すぐれたコンテンツ
- すぐれたユーザー体験
- よい企業であること、パーソナリティを備えること、顧客の役に立つということの意味
- SEOの適切な導入(ページ内、ページ外)
- ソーシャルメディアの効果的な活用
あるいは、文章で説明する代わりに、次のようなインフォグラフィックスを使うのも良い方法だ。
さあ、これで舞台が整った。競合相手とクライアントを比較したドメイン分析を披露する準備ができたわけだ。
セクション2:ドメイン分析
このセクションでは、OSEから持ってきたチャートのスクリーンショットを使う。ここで重要なのは、ただスクリーンショットを配置するだけではなく、それらを分析するということだ。
この文書の目的は、チャートで示されたメトリクスを細かく分析し、それぞれについてどのような意味があるのかを説明することにある。このため、個々のメトリクスについて、時間をかけて丁寧に解説していこう。
リンクに関するメトリクス
リンクの重要性について述べる。OSEから得た各メトリクスについて細かく説明し、クライアントがメトリクスの意味を理解できるようにする。技術知識が豊富なクライアントでさえ、えてしてこれらの用語が何を意味するかを理解していないものなので、業界用語を使わずに細かく説明し、リンクの数と多様性の両方について述べよう。
信頼性に関する要素
MozTrustの意味をしっかりと説明しよう。この概念については、この動画の中でランドが見事に説明している。MozTrustは、「信頼できるサイト」として認知されているオーソリティの高い著名サイトからの「リンク距離」に基づいて算出される。そういったサイトに直接リンクしているか。直接リンクしているサイトにリンクしているか。そうでなければ、そのサイトに直接リンクしているサイトにリンクしているサイトにリンクしているか、などなど。
これは、いわゆる「ケビン・ベーコン・ゲーム」だ。ここでケビン・ベーコンに該当するのは、whitehouse.govやharvard.eduといったオーソリティサイトであり、自分のサイトからこうしたオーソリティサイトまでの距離はできるだけ短い方がいい。私たちは、この数字をオーソリティ全体に寄与する要素だと説明している。
ソーシャルメディアの影響
ページのオーソリティレベルにおけるドメイン分析結果を調べるには、Facebook、Twitter、Google+における共有回数と「いいね!」(や「+1」)がクリックされた回数を示すメトリクスを見る。
ソーシャルのシグナルが検索順位の向上に関係するかもしれないため(検索順位の向上がソーシャルのシグナルに起因するかどうかについてはまだ結論は出ていないけれど)、分析でソーシャルの要素を無視してはいけない。サイトがソーシャルメディアでまったく言及されていない場合は、対策を提言することになる(後述のセクション3を参照)。
クライアントにドメイン分析を詳しく解説する際、DA(ドメインオーソリティ)は対数スケールで測定されるため、51から100に変化するよりも、1から50に変化する方が容易であることを繰り返し伝えよう。
かなりうまくやっているクライアントと仕事をしている場合であっても、先方が検索順位をもっと向上させたいと本気で願わなければ、二人三脚でやっていくことはできないだろう。むしろ、そういうクライアントこそ、より一層努力しなければならないかもしれない。クライアントの検索順位を上げるためにすべきことを控えめに伝えたりしたら、君の仕事は誰の役にも立たなくなる(とは言え、クライアントがこれまでに上手くやれた部分を褒めてあげる時間も必要だ。誰だって悲観的なことばかり言われたら嫌になってしまうから)。
ドメイン分析は、君の知識やプロとしての技術をクライアントに示すチャンスだということをお忘れなく。ここでクライアントとの間に信頼関係を築き、君に仕事を依頼するとどんなにすばらしいことが起きるか、という感覚を持ってもらおう。
ソーシャルもやってます!