アクセス解析的な視点でのチェックポイント
アクセス解析的な視点でのチェックポイント
最後にアクセス解析的な視点で見るべきポイントをまとめておこう。
- トップページでクリックされている場所を確認
Webサイトの目的が何かという根本的な問題にかかわるが、NHKであれば、確かにポータル的なコンテンツを用意することはできるだろう。しかしISPのサイト(@nifty)を取り上げた第12回でも触れたと思うが、ユーザーが何を求めているのかということに立ち返りたい。
確かに中高年ユーザーにとって、NHKのイメージはニュースということで、意外とニュース系のコンテンツが見られているのかもしれない。これはデータを見てみないとなんとも言えないが、それなりのボリュームがあり、ユーザーが求めているものであることが確認できているのであれば、あえてやめることはないだろう。
あとは、やはり様々なリンクやナビゲーションの塊があるので、どこがクリックされているのかは、クリックマップやヒートマップなどで表示できるツールなどで確認してみたい。これは現状把握しかできないので、気がつけばもっと利用されると想像できる、「番組表」のリンクなどは、位置や大きさを含めて変更したページでA/Bテストなどをして、ニーズのありそうなリンクの利用を顕在化させるためのテストをやってみたい。
- 番組表のユーザーテストを行う
今回は番組表をじっくり見ることはしなかったが、恐らくテレビ局サイトやテレビ番組情報サイトなどではこの番組表がよく利用されるはずだ。チャンネル、日時、番組名など、様々な検索軸があり、毎日利用するようなものでもないので、使い方で少し迷ったりすることもあるだろう。
ここは実際のタスクを与えて実行してもらうユーザーテストなどを行って、わかりにくいインターフェイス、ナビゲーション、言葉使い、色使いなどのチェックをするのがよいだろう。
- サービス案内や支払い手続きのコンテンツの離脱率をチェック
特に受信料関係のコンテンツは手続きをオンラインでしてもらうようなものも多数あった。NHKオンデマンドの無料会員登録はそれほど面倒な部分もなかったが、支払い手続き系のコンテンツも含めて、途中で断念する割合が多くないか、各ステップでの離脱率などは見ておきたいポイントだ。
- 番組紹介コンテンツのカテゴリー分けやリンク構造の最適化のために
今回はそれほど多くのページを見て回らなかったが、番組は多く、コンテンツも多彩だ。どのカテゴリーのコンテンツが見られているのかは基本だが、そこからカテゴリー分けや、リンク構造の最適化などを考えるヒントにしたい。
各番組のコンテンツはそれぞれの世界観が違うためか、同じNHKのサイトに見えないというか統一性がないコンテンツも多いのは仕方がないことかもしれないが、番組によっては、例によってスキップボタン付きのFlashコンテンツもけっこう目についた。スキップボタンの利用が多いかどうかなどが把握できるようにしておくとよいだろう。アニメーションや動画がすべてダメだとは言えないが、ユーザーが求めてないものであれば、過度なアニメーションや動画表現は避けるようにしたい。
あと複数のサブドメインを利用しており、どのようなURL構造になっているのか掴みにくいが、アクセス解析もURL構造がわかりにくいとデータの整理がしにくいので、その辺りは気になった。
さて、約1年のあいだご愛読いただいたこの連載も、今月(2012年3月)いっぱいをもって終了することになった。2012 年4月からは、新たにGoogleアナリティクスの解説を行う連載を始める予定なので、ぜひ期待していただきたい。
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