15万円でゼロから始める動画マーケティング

動画SEOに各社が注目

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動画SEOに各社が注目

動画を見てもらうための導線対策が重要であることは第3回でも話しましたが、ここ数年、各企業が注目しているのが動画コンテンツの検索エンジン最適化「VSEO(Video Serch Engine Optimization)」です。動画をWeb上における資産として有効活用し、他社との差別化につなげようというのが狙いです。

VSEOの考え方は、通常のSEOと同じですが、動画コンテンツは通常のWebページと比較してインデックス化しにくいという問題があります。たとえば、検索クローラーは動画にどんな登場人物が出てくるか、どんな楽曲、音声が使われているのかといった、動画コンテンツの中身や動画の目的を識別できません。そこでGoogleをはじめとした検索エンジン各社は、最適化支援ツールなどの提供を始めています。

動画SEOとは、簡単に言えばこれらのツールを使って、動画コンテンツを検索エンジンが認識できる文字情報に置き換えてあげることです。参考までにGoogleのウェブマスターツールに動画コンテンツの情報を記載した動画サイトマップ(Videoサイトマップ)作成のガイドラインが示されています。最近では、動画サイトマップを自動的に生成することのできるサービスなどがでてきましたので、それらを有効活用するのも1つの手です。

事例を1つ紹介すると、釣り具メーカーの株式会社シマノが運営している「SHIMANO TV」のコンテンツに対して動画SEOを始めています。たとえば、Googleで「磯釣り」と動画検索すると、動画共有サイトの次に「SHIMANO TV」のサムネイルが表示されます(2012年1月20日現在)。

Googleで磯釣りを動画検索した結果
Googleで磯釣りを動画検索した結果

検索して能動的に情報を探しているユーザーを、「動画」というコンテンツをフックにしてダイレクトに自社サイトへ誘導できる、動画資産の有効活用ができているケースといえるでしょう。

動画配信プラットフォームで基本的なSEOに対応

ここ数年、検索エンジン各社は動画コンテンツの取得に力を入れていますが、それと同時に動画配信プラットフォームサービス各社も動画SEOに力を入れてきています。そのため、動画SEOで一番手っ取り早いのは「YouTube」などのプラットフォームへの登録と最適化の対策でしょう。当然、Googleの運営するYouTubeであれば動画SEOの基本を押さえていますから、手順に沿って動画をアップしていくだけで、基本的な対応が可能です。

上記、動画サイトマップを検索エンジンに送る方法以外では、mRSS(media RSS)のフィードを活用する方法もあります。また、2009年にGoogleは動画の登録方法として、「Facebook Share」と「Yahoo! SearchMonkey」で利用されるRDFaのサポートを開始しました(Google Webmaster Central Blog)。

マルチデバイス対応が鍵になる

最後に、今後の動画マーケティングにおいて重要となるマルチデバイス対応についてお伝えします。MM総研が発表した市場調査(2011年7月)によると、2015年にはスマートフォンの契約数が50%を超えると予測されており、スマートフォン、タブレットPCの存在はやはり見逃せません。

今後は、マルチデバイスでの動画配信が主流に
今後は、マルチデバイスでの動画配信が主流に

Jストリームが行ったユーザー調査(2011年11月発表)では、スマートフォンのネット利用によってこまめなネット利用が増大し、1日の総ネット利用時間が増えたと回答する人が約半数ありました。ネット検索の利用状況では、PCが96.2%、スマートフォンが81.3%と併用して利用している状況です。

コンテンツ視聴関連では、「よく見る」「たまに見る」の合計で「動画視聴」63.3%)、「音楽視聴」(56.0%)、「ゲーム」(39.5%)、「電子書籍」(25.8%)という回答結果でした。別の質問では、スマートフォンの利用によって「動画の視聴時間が増えた」と20.3%が回答しています。スマートフォン閲覧において、企業サイトや商品サイトに求めることをたずねたところ、「手軽に見られる」(53.7%)、「情報を短時間で理解できる」(35.1%)という回答結果でした。

ユーザーの利用状況からも、スマートフォンのインターネット動画視聴の需要の高まりを感じ取ることができます。一方で、日本ではまだまだフィーチャーフォン(ガラケー)の存在を無視することはできません。このように今までのデバイスに取って代わるというわけでなく、より多種多様に端末が増加し、それにあわせて企業側も対応していくことが迫られている状況です。

前述のドクターシーラボでは、PC、フィーチャーフォン、スマートフォンの各サイトで動画対応をしていますが、スマートフォン同様フィーチャーフォンへの対応を重要視しています。なぜなら、ユーザーが化粧をしたり、コスメ用品を使ったりするのは、机の上でなく鏡の前であり、鏡に向かっているときに動画再生するデバイスとして重宝するのは、省スペースでも置くことができるモバイル端末だという発想です。もちろん、じっくり構えていろいろな動画を見るという点で、PCも重要視している点は変わりません。

また、Jストリームが行ったオンラインショッピングに関する調査(2012年1月発表)では、オンラインショッピングサイトでの動画視聴経験について、「ある」との回答が8.5%とまだまだ少数ながらも、52.2%は動画があれば視聴したいと回答しています。オンラインショッピングにあるとよいと思う動画のジャンルでは、「製品の特長を解説したビデオ」(50.4%)、「使い方を説明したビデオ」(50.2%)がそれぞれ過半数を占めており、動画の役割としては「商品の理解が深まると思う」(56.9%)、「探している商品かどうか判断するのに役立つと思う」(49.1%)が上位に挙げられました。

調査結果からは、オンラインショッピングでの掲載情報の不足を感じるユーザーが多い一方で、動画視聴に対して、商品詳細やイメージ、正しい知識を理解しやすくなるという期待があることがうかがえます。

スマートTVにも注目

マルチデバイスと同時に注目しておきたいのがスマートTVの動向です。テレビは昔もこれからも動画と一番親和性の高いデバイスです。ネットとテレビの融合は昔からいろいろな形で提唱、実践されていますが、スマートTVの普及が大きな波を起こすことは間違いないでしょう。

ネットに対応したテレビ端末を利用し、テレビとネットのコンテンツの垣根を感じさせることなく、双方にシームレスにアクセスできるようになれば、ユーザーはその両方を意識せずに、必要な情報を取得するためのデバイスとして利用するようになるでしょう。これからのデバイスニュートラルな時代に、動画は強力なコンテンツになっていくと考えています。

◇◇◇

全5回にわたり動画マーケティングの活用方法を伝えしてきました。これから動画マーケティングに取り組む企業、フェーズを検討している企業、それぞれにおいて活用促進のきっかけ作りになれば幸いです。

動画は自社サイトでの有力なコンテンツになることは間違いなく、メディアニュートラルな時代では、自社サイト以外のメディア(マスメディア、ソーシャルメディアなど)でも顧客との接点を強化するツールにもなります。また動画に最適なデバイスの登場、配信環境の高性能化など動画を後押しする要素が今後もたくさんあります。筆者が所属するJストリームとしても、動画をとりまく環境の変化にいち早く対応し、企業の動画マーケティング実践のパートナーとして活動してきます。

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