前ページで紹介したセミナー「サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法とは」(2/1開催、東京)への参加申込みは済んだだろうか。
では、セミナーに参加する前の予習として、アクセス解析でのセグメント活用の基本を理解しておこう。
解析担当なら押さえておくべき基本セグメント設定×10
ほとんどのアクセス解析ツールは、標準では「全体平均」のデータを表示する。サイト全体でのアクセス数の増減を見たいだけならばそれでもいいが、データからユーザー行動を把握し、サイトを改善しようとすると、全体平均データではらちがあかないことが多い。
そこで、「セグメント」の出番だ。「セグメント」とは「区別」を意味する言葉。アクセス解析では、特定の条件でデータを分けて分析することを意味する。最近のアクセス解析ツールには、そうしたセグメント設定の機能が搭載されている。
このセグメントをうまく使いこなせれば、アクセス解析から「本当のユーザーの姿」が浮かび上がってきて、より適切にユーザーを理解でき、効果の出る改善につなげられるのだ。
以下に、記事の冒頭で紹介した「アクセス解析担当者ならば必ず押さえておくべき、10の基本セグメント設定」について、それぞれ解説していく。
※各項目の下の「解説を見る」をクリックすると、そのセグメントの解説をその場に表示。
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コンバージョンユーザー・非コンバージョンユーザー(購入者・未購入者)
基本中の基本だといえるセグメント設定だ。
解説を見る»»解析ツールでコンバージョン設定をしていれば、特定のコンバージョン(ゴール)に至ったユーザーと、サイトには来たけれどもコンバージョンには至らなかったユーザーでセグメントを分けてみる。
たとえばECサイトならば、あるカテゴリの商品を購入したユーザーだけに絞って閲覧数の多いコンテンツページを調べる。そのコンテンツはユーザーの「よし買おう」という気持ちを後押しする役割を果たしている可能性が高いだろう。となると、他のページからそのページへとリンクして、その「買う気にさせる」ページをより見てもらえるようにするとコンバージョンが増えると考えられる。
ただし、コンバージョンに至るまでの時間が長い商材の場合、セッション単位でのセグメントしか切れない解析ツールではこの分析は難しくなる。最初の訪問からコンバージョンまでに間が空いても、その訪問をつなげてセグメント設定できるツールを使う必要があるだろう。
««解説を閉じる新規訪問・再訪問(訪問回数別)、または、直帰ユーザーと非直帰ユーザー
まさに「人」の行動で分けるセグメントだ。
解説を見る»»あなたのサイトを初めて訪れた人と、過去に何度もサイトに来ている人では、サイトの理解に大きな違いがあるはずだ。
となると、サイトのメニューがどう使われているか、サイトにわかりづらい点がないかといったチェックをするには、まずは新規ユーザーと再訪問ユーザーで分けてデータを見るのがいいだろう。
また、訪問回数別でセグメントを切ってみるのもいいだろう。過去に2回サイトを訪れている人と、過去に50回サイトを訪れている人では、また違った傾向が見えてくるはずだ。
さらに詳しく調べたい場合は、直帰した(サイトに入ってきた最初のページから他のページを見ずにサイトから離れた)ユーザーと直帰しなかったユーザーに分けてみるといいだろう。さらに新規訪問でも直帰したユーザーと直帰しなかったユーザーに分けるという手もある。どの経路でサイトに来た人が直帰しているのか、どの検索キーワードでサイトに来たユーザーはサイトに残ってくれるのかなど調べられる。
««解説を閉じる流入元(キーワード、メルマガ)、ランディングページ別
サイトを訪問したユーザーがどんな人なのか、どんなニーズをもっているのかによって、サイト上での行動は変わってくる。
解説を見る»»商材に対する理解度はどれぐらいあるのか、どんな立場の人なのか、自社とこれまでどんな関係にあったのかといったことは、どんな検索キーワードを使ったのか、どのサイトから来たのか、メルマガのリンクから来たのか(流入元)や、どのページに来たのか(ランディングページ)からわかる。
ということは、そういった情報でセグメントを分け、ニーズ別や立場別に分けて分析すると、よりユーザーの状態を理解しやすくなるだろう。
特に、メルマガから来たユーザーやソーシャルメディアから来たユーザーは、特別に分けて見てみるといいだろう。メルマガからの流入は、そのユーザーが既存顧客であり、メルマガを開封するぐらいの興味をもっていることを示す。ソーシャルメディアからの流入は、知人の情報に興味をもっているが、比較的せっかちな傾向がある。
ほかに、検索キーワードでは「ブランドキーワード」とその他のキーワードを分けるのは良い方法だ。ブランドキーワードとは、サイト名(Web担なら「Web担当者Forum」「Web担」「ウェブ担当者フォーラム」など)や社名といった「指名キーワード」を指す。ブランドキーワードで検索してくるユーザーはサイトを知っているがブックマークなどはしておらず、サイトにたどり着くのに検索エンジンを使っている人たちだ。そうしたユーザーは、何らかのニーズをもって検索し、たまたまサイトにたどり着いた人とは分けて考えるのがいいのだ。
また、一部のランディングページは除外して考えるべき場合もある。たとえば、「和菓子のネットショップが菓子の背景を説明するために日本の気候を解説するページを作っていたら、そのページに天気の用語を知りたい人が検索エンジンからたくさん来るようになった」といったような場合だ。どれだけ訪問数が多くても、そうしたユーザーはコンバージョンにはつながらないため、除外するセグメントを作るべきだろう。
««解説を閉じるコンテンツ別(事業別やブランド別コンテンツ)によくアクセスするユーザー別
どのコンテンツをよく見ているかをサイト上のコンテンツをカテゴリやディレクトリから判断してセグメントを分けるのもいいだろう。
解説を見る»»同じファッション系のECサイトでも、ジャケットやコートなどのアウターの商品をよく見ている人と、帽子や手袋といったアクセサリの商品をよく見ている人では、行動が異なってくるだろう。
こうした情報は、オススメの商品やコンテンツを提示するレコメンデーションの仕組みでもよく利用されるものだ。
««解説を閉じる閲覧・購入商品(ブランド)別
特にECサイトでは、どの商品(どのブランド)のページを見て、購入したのかによってセグメント分けするのは効果的だ。
解説を見る»»「コンテンツ別(事業別やブランド別コンテンツ)によくアクセスするユーザー別」のセグメント分けに近いが、こちらはECサイト向けだ。
特に商品点数が多く、多岐にわたるカテゴリやブランドの商材を扱っているのならば、想定している購買対象ユーザー層ごとに商品やブランドをグループ化して、その情報をもとにセグメントを分けるのがいいだろう。
このセグメント手法は、購買データベースや商品データベースをもとにセグメント分けするため、そうしたシステムと連携してセグメントを設定できるツールを使うことになる。
««解説を閉じるデバイス別(PCからの訪問とスマートフォンからの訪問)
訪問者を、どんな端末からアクセスしているかで分ける方法だ。
解説を見る»»スマートフォン(画面が小さくて通信速度が遅い)でアクセスしている人と、PC(画面が大きくて通信速度が速い)でアクセスしている人では、サイトへの反応も変わっているはずだ。
もしかしたら、PCでは問題がないが、スマホから見るとユーザーを離脱させているページがあるかもしれない。遅くてストレスになっているのかもしれないし、PCで見るとバッチリ訴求できている画像がスマホではファーストビューから外れているのかもしれない。
««解説を閉じる会員・非会員
過去にサイトを利用したことがあり会員登録しているユーザーと、そうではないユーザーを分けるのもいいだろう。
解説を見る»»ECサイトなどでは、会員登録をして、利用時にログインするようになっているサイトも多いだろう。そうしたサイトでは、(セッションの後半ででも)会員としてログインしたユーザーなのか、会員ではないユーザーなのかでセグメントを分けて調べるといいだろう。
会員になっているということは、すでに過去にサイトを利用したことがあり、少なくとも会員登録するだけのサイトへの信頼や親しみをもっているということだ。そういった登録ユーザーと、そのサイトがどんなサイトで信頼できるものなのかも判断できていない未登録ユーザーでは、サイトへの慣れも違えば、ひっかかる点も違ってくるだろう。
ただし、このセグメント設定をするには、サイトのコンテンツ管理システムでユーザーがログイン状態か非ログイン状態かを区別してアクセス解析ツールと連携させなければいけない。
««解説を閉じる会員属性(性別、年代など)や顧客ランク別(購入回数、売上金額)
顧客情報と連携させられるなら、詳細な情報で強力にセグメント分けできる。
解説を見る»»ECではほとんどの場合は購入時に顧客情報を取得していて、さらに購買履歴もとっているだろう。そうしたデータを利用してセグメントを設定すると、単純なアクセス解析では見えてこないユーザーの姿が見えてくるはずだ。
性別や年代でデータを分けるのは、実店舗のPOSシステムでも行っていることだ。顧客ランク別にデータを調べるのも、通常の顧客管理で行っていることだろう。そうした切り口でセグメントして、ユーザーのサイト上の行動を見るのだ。
もちろん、こうした分析をするには、アクセス解析ツールと会員情報をひもづけなければならないため、そうした機能をもっているツールを使う必要がある。
««解説を閉じるカート投入(フォームに到達)したがCVしていないユーザーとCVしたユーザー、特定のコンテンツを見たユーザー
「あと一歩」のユーザーを分けて見るのもいい。
解説を見る»»コンバージョンの手前であるショッピングカートや入力フォームまでは来るが、そこからオンバージョンに至らない人もいる。多少なりとも興味はあったものの、何らかの理由でコンバージョンしない「あと一歩」のユーザーだ。
それならば、カートやフォームまで来た人のなかで、最終的にコンバージョンに至ったユーザーと至らなかったユーザーでセグメントを分けて調べることで、コンバージョンしなかった原因が見えてくる可能性がある。
たとえば、送料やプライバシーポリシーのページを確認したがそこに書かれている内容に不安を覚えたのかもしれない。「よくある質問と答」のページで情報を探しても見つからなかったのかもしれない。「あと一歩」だったユーザーがほかにどんなページをよく見ていたかを調べることで、「コンバージョンを阻害する要因」を見つけて改善するのだ。
また、コンバージョンに至らなかったユーザーにフォローアップメールを送信するのもいいだろう。もしかしたら、「あと一歩」だったユーザーにプレゼントキャンペーンのページや既存顧客の声のページを見てもらえれば、あと一歩を進んでもらえたのかもしれない。
««解説を閉じる業種・企業別
特殊なデータに思えるかもしれないが、B2Bでは有効だ。
解説を見る»»アクセスしてきた人のIPアドレスを調べることで、その訪問者がどの企業に所属しているかわかる場合が多いことをご存じだろうか。そうした情報を使って、訪問者をセグメント分けするのもいいだろう。特にB2B向けのサイトで有効な手法だ。
IPアドレスから企業名やその業種などを調べられるツールやサービスを利用すれば、そうしたことは意外と簡単にできるものだ。
もしかしたら、特定の業種や特定の企業規模の人が欲しがる情報が、サイトに不足していたり見つけづらかったりするのかもしれない。
««解説を閉じる
どうだろう。あなたのサイトで有効そうなセグメント設定はあっただろうか。
アクセス数がそれなりにあるサイトならば、ここで紹介したセグメントをいくつか組み合わせて深掘りするのもいいだろう。
アクセス解析で活用できるセグメント例は、ここまでに挙げた基本10セグメントだけでない。御社のサイトの対象ユーザー層、何を知りたいのか、ユーザーの行動に対してどんな仮説をもっているのかによって、役に立つセグメントは変わってくる。
試してみる価値のあるその他のセグメント設定の例をいくつか紹介しておこう。
- アドネットワーク上で自社広告を見た(インプレッション)ユーザーとみていないユーザー
- 1回の訪問で10ページ以上閲覧したユーザー
- 自社のFacebookページのウォールに投稿したリンクをクリックしてきたユーザー
- サイト内検索を利用したユーザー ……などなど
また、「自動セグメンテーション」の機能をもっているアクセス解析ツールもある。ここまでに紹介したセグメントは、解析担当者がユーザーのタイプを分けて設定するものだが、「自動セグメンテーション」というのは、似た行動をとる訪問者を自動的にグループ分けしてくれる機能だ。
データマイニングの技術で大量のデータを自動的に処理して自動的にセグメントを作る技術は、画像や映像の分類などでよく利用されている技術だ。
こうした技術を利用することで、今まで把握していなかったユーザーのニーズを探ったり、また、時とともに変わっていくユーザー行動にも対応できるようになったりするのだ。
あなたも、「平均データ一辺倒」なアクセス解析から卒業して、こうしたセグメント設定を使いこなしてみてはどうだろうか。ワンランク上の解析担当者としてのスキルが磨かれ、サイトの成果アップに繋げられるはずだ。
もし、紹介した2月1日開催のセミナーにまだ申し込んでいないようなら、参加してみるといいだろう。セグメント設定について、さらに詳しく理解できるようになるはずだ。
セミナー情報 (2月1日開催、参加無料)サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法とは
~アクセス解析+ユーザ行動分析による顧客価値最大化
株式会社アクティブコアが、「サイト訪問者をセグメント化して成果に繋げる手法とは」セミナーを2012年2月1日に丸の内で開催する。参加費は無料。
この記事で紹介したような「セグメント設定」を活用してアクセス解析を行うことに興味のある方に、そのノウハウや、それをうまく実現するツールを紹介し、さらにアクセス解析を活用してサイトの成果をアップさせた事例を解説する内容のセミナーだ。
高度なセグメント設定をできる解析ツール「ac cruiser」
アクティブコアの解析ツールで高度なアクセス解析&サイト最適化を
この記事で紹介しているような、高度なセグメント設定をできるアクセス解析ツールを探している人は、株式会社アクティブコアの提供する「ac cruiser(エーシー・クルーザー)」をチェックしてみてほしい。
セッションをまたがるユーザー行動を分析する機能(アトリビューション、間接効果測定)を以前から搭載するなど、その機能や使いやすさには定評があるアクセス解析ツールだ。最新バージョンでは、ソーシャルメディア分析も可能になっている。
大手企業の導入も多く、利用企業のなかには「併用している他のアクセス解析ツールの利用を止めても、ac cruiserは使い続ける」と言うところもあるほどだ。
株式会社アクティブコアは、ネット上でのユーザー行動を調べ、管理し、その情報によってサイトを最適化するためのサービスを自社で開発し提供している日本企業。主力製品には、次の3つのものがある。
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