⑥ 「IR情報ページ」にも“見せたいのに見られにくいページ”がある
⑥ 「IR情報ページ」にも“見せたいのに見られにくいページ”がある
「IR情報ページ」でもっとも多く見られるページは、「決算短信」「決算報告書」といったデータである。投資家の行動としては当たり前だし、多くの株主が決算報告をネット上で見てくれてそれで用事が済むとなれば、それだけでホームページは役立っていると言っても良いだろう。
ただ、「IR情報ページ」にも、もっと見せたいメッセージ性を持ったページがある。たとえば「年次報告書」(アニュアルレポート)や「IRメッセージ」といったページだ。環境報告書などもIRページからリンクされていてもっと見せたいページになっている場合も多い。
また、機関投資家ばかりではなく個人投資家を集めたいと考える企業も多いだろう。そうした場合には「個人投資家の皆様へ」というページがどれぐらい閲覧されるかが当然重要だ。その場合、個人投資家に人気の「株主優待のページ」も閲覧を増やしたいページと考えられる。豪華な自社商品詰め合わせを年2回プレゼントすることで知られている食品会社などもあるが、IRコーナーのなかで株主優待が目立つ場所に掲載されていることは少ない。そうしたページがどれぐらい見られているかは、目標ページと位置づけ管理するべきかもしれない。
⑦ 「CSRページ」は、重要な閲覧型目標となる
「CSR」のコーナートップは、「CSRってどんなものだろう?」と思っている人が多くアクセスするページになっている。しかし、ここには多様なページがあって、「企業市民活動」「文化・芸術活動」「スポーツ活動」「環境保護活動」などが並列で書かれている。
「スポーツ活動」のなかの有名な実業団チームのページなどはそれ自体リピーターをたくさん集めるコンテンツだったりするが、そうしたページにアクセスする人は、CSRのトップから入ってきたりしない。チームが出している広報物に掲載されたURLを見たり、チーム名で検索したりして直接そのチームのページにやってくる。企業としては、
- 「チームのことを先に知った」 → 「サイトを見に来てその会社に好感を持った」
という流れは大歓迎である。しかしもう1つ、
- 「サイトを見に来て、会社とチームの関係を理解した」 → 「会社の好感度が高まった」
という流れもホームページの重要な役割となるはずだ。こうした結果を生む流れのページ閲覧が増えることは大きな目標と位置づけられるだろう。
多くの会社が環境保護活動に力を入れている。しかし、CSRのなかに入ってしまうとなかなか閲覧が増えなくて困っているようだ。それは、多くの人がまだ「CSR」という言葉に慣れていないため、「CSR」というボタンを見ても関心を持つことができないためにクリックしてくれないのである。
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この記事の筆者
石井 研二(MILS)
株式会社ミルズ 主任研究員
雑誌編集、通販カタログ企画を経て、95年からウェブプロデューサ。Web黎明期からアクセス解析を使い、多くの企業サイトを成功に導く。「直帰率」という言葉の生みの親として知られる。
Webそのもののコンサルティングから、Webを絡めた売上向上やコスト削減など経営全般に関わるコンサルティングが増えてきたため、企業分析と企業Web分析を組み合わせて「すべてを見る」ことをコンセプトとした分析会社「ミルズ」を設立。株式会社ミルズ主任研究員。
著書に『ウェブ立地論 ~“来てほしい人にアプローチする"集客につながる顧客目線のウェブの作り方』『ガッチリ成果を出すWeb担当者の教科書 ~便利テンプレートデータで実務を効率化!』(技術評論社)、『改訂新版アクセス解析の教科書』(翔泳社)等がある。
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