衣袋宏美のデータハックス

検索ワードと検索フレーズはどう違う? [アクセス解析Q&A]

検索キーワード解析のメニューにある「検索ワード」と「検索フレーズ」の違いは何か?
衣袋宏美のデータハックス

質問:新しいアクセス解析ツールでは、キーワード解析のメニューに「検索ワード」と「検索フレーズ」という2つがあるのですが、違いは何ですか?

答え「検索ワード」の方は、検索ボックスに入力された文字を空白前後で分解したものを集計し、「検索フレーズ」は、検索ボックスに入力された文字(空白含む)すべてをそのまま集計しているのです。

解説「検索フレーズ」とは、検索エンジンに入力されたキーワードそのものです。いっぽう「検索ワード」とは、検索フレーズが空白で区切られていた場合に、空白の前後で分割したものを表します。

たとえば検索エンジンで「画像処理ツール」という入力パターンが3件、「画像処理 ツール」という入力パターンが2件、「画像処理 ソフト」という入力パターンが4件あったとします。

この場合、入力パターンをそのままカウントするのが検索フレーズなので、「検索フレーズ」レポートの表示は下記のようになります。

検索フレーズ検索件数
画像処理ツール3件
画像処理 ツール2件
画像処理 ソフト4件
表1:検索フレーズのレポート表示

次に、検索ワードは空白が入っているものを前後で分割するので、「画像処理ツール」はそのままで、「画像処理 ツール」は「画像処理」と「ツール」に、「画像処理 ソフト」は「画像処理」と「ソフト」に分解されることになります。

※1 Web担編注:技術的には空白で区切られていなくても単語に分解することは可能で、実際に検索エンジンは入力された検索フレーズが空白で区切られていなくても単語に分解して処理しています。しかし、アクセス解析ツールが行う単語分解と検索エンジンが行う単語分解がまったく同じとは限らないこともあり、アクセス解析ツールでは空白を基準にした分解に留めているのだと思われます。

ほとんどの場合、意味のある単語で区切って分けるということではないので、「画像処理ツール」を、「画像処理」「ツール」あるいは「画像」「処理」「ツール」と分解するような形態素解析が自動的に行われるわけではありません。英語と違って日本語の場合、単語と単語の間に空白はないので、空白のない場合にコンピュータが自動的に単語に分解することはできません※1。ですので、明らかに空白がある「画像処理 ツール」と「画像処理 ソフト」だけが分解されるのです。よって「検索ワード」レポートの表示は下記のようになります。

検索フレーズ検索件数
画像処理ツール3件
画像処理6件(2件+4件)
ツール2件
ソフト4件
表2:検索ワードのレポート表示

何をもって区切るかは各ツールによって微妙に違いがあるかもしれません。通常は半角空白と全角空白が区切り文字として定義されていると思われますが、各ツールでの正確な扱いを確認しておくとよいでしょう。

検索語に関するレポートが1つしかないアクセス解析ツールは、ほとんどの場合「検索フレーズ」のレポートを提供していると考えられます(たとえばGoogle Analyticsの[トラフィック]>[キーワード]は検索ワードではなく検索フレーズのレポートです)。「検索フレーズ」と「検索ワード」といった2つのレポートを提供している場合は、入力した文字列そのまま(検索フレーズ)と、文字列を分解したもの(検索ワード)の2つを提供していると考えて間違いありません。

またツールによっては「画像処理 ツール」と「ツール 画像処理」のように、キーワードの順番が違うものを別の「検索フレーズ」と見なすツールと、同じと見なして文字列のセットで見せるような提供の仕方もあり得るでしょう。いずれにせよ、これで解決しないような疑問があれば、ツールベンダーに詳細を聞いてみましょう。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

インデックス
検索エンジンがWebページをデータベースに保存しているデータベース。データベース ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]