なぜ毎日の訪問者数の合計が、週間データと一致しないのか？ [アクセス解析Q&A]

質問：毎日の訪問者数が100なので、週間データの訪問者数は700だと思ったのですが、550しかありません。これはなぜですか？

答え「訪問者数」という指標が曲者です。今回のご質問のケースでは、「訪問者」を「ユニーク訪問者」と同じ意味に使っているようです。「ユニーク訪問者数」は単純に足せる指標ではないのです。

解説「ユニーク訪問者」は、集計期間中に同じ人が何回訪問しても「1人」とカウントする指標です。「日」「週」「月」といった集計期間に、ユニークな（一意な）サイト利用者が何人いたかを集計します。

例を挙げて説明します。下表でセッション数とユニーク訪問者数がどうカウントされるかを見ていきましょう。●がその日における1セッションを表示しているものとします。

6月の月次セッション数は、この期間の●の数に相当するので「8」となります（延べ数）。

6月のユニーク訪問者数はAさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人なので「4」となります（一意の数）。

7月の月次セッション数は「12」（延べ数）。7月のユニーク訪問者数は「3」（一意の数）となります。

注目してほしいのは、日別／週次／月次のユニーク訪問者数です。6月の日別ユニーク訪問者数を単純に合計すると「6」ですが、実際には6月の月次ユニーク訪問者数は「4」です。同様に7月の日別データのユニーク訪問者数を単純に合計すると「8」ですが、実際には7月の月次ユニーク訪問者数は「3」となっています。

セッション数は日別集計の合計が週次や月次の数と一致しているのに対し、ユニーク訪問者数は必ずしも単純合計と一致していないのがわかると思います。「ユニーク訪問者数」は、集計期間における重複を除く訪問者数（一意の数）を意味します。そのためユニーク訪問者数は日別の数値を合計しても週次や月次の集計の数字には合致しません。

一方、セッション数は、集計期間におけるサイトへの総訪問回数（延べ数）を意味します。ページビュー数やセッション数は、基本的に重複を除くということはありませんから、日別の数値の合計が週次や月次の数値に合致するのが普通です（ただし、日をまたぐセッションなどの処理などによっては、少し食い違いが出るといったことはあり得ます）。

今回のご質問のケースでは、毎日の単純合計が700で、週次のデータが550になるということなので、「セッション」の意味合いではなく、「ユニーク訪問者」の意味で使っているということがわかるわけです。

ツールによっては「訪問者」（あるいは「ユーザー」「ビジター」など）を、「セッション」の意味で使っているケースと「ユニーク訪問者」の意味で使っているケースの2つがあるようですので、どちらの意味で使われているのかは要注意です。この使い分けについては、「『訪問者（数）』と『ユニーク訪問者（数）』はどう違うのか？」で詳しく説明してあります。