質問: 「ページA」から「ページB」へのリンクを張っていないのに、アクセス解析ツールで経路分析をすると、「ページA」から「ページB」への移動があったと表示されます。これはなぜですか?
答え閲覧者が「ページA」からいったん計測対象サイトの外に出て、セッションが切れる前(たとえば30分以内)に、外のサイトのリンクをクリックするなどして「ページB」に戻ってきた場合に起こり得るケースです。アクセス解析ツールが、ページの閲覧開始時間の情報を使って、単純に時系列に並べることで経路をつなげて集計していることが原因だと考えられます。
解説次のようなセッションの場合、このセッション内のページ移動はどうなるでしょうか?
この場合、計測対象サイト内の該当セッションのページ閲覧は、次のようになります。
では、次のような閲覧パターンの場合はどうなるでしょうか?
この場合、計測対象サイト内のページ閲覧経路は、計測対象サイト内の
のように、時系列で並べられます。いったんサイト外部へ出ていますが、ページBとページCの閲覧開始時間の間隔がセッション期限時間(たとえば30分)を超えていなければ、ページAからページCまでの閲覧行動を1セッションと見なすのが普通です。アクセス解析ツールは、あくまでも「対象サイトにおけるユーザーの行動」を記録するものですから、サイト内での動きだけを取りだして見ると、そうなるのです。
リンクを張っていないページ間の移動が記録されているという今回の質問のケースは、この2番目のケースに当てはまるわけです。
このように、いったん計測対象サイト外に出たり、あるいは計測対象サイト内であっても、リンクではなく「お気に入り」やURLの直接入力などで別のページに移動したり、タブブラウザで同じサイトの何ページかをそれぞれタブで開いた状態で、タブを交互に閲覧し、クリックしてページ移動したりといった行動をとれば、ツールの集計上は、このような変な動きをすることになります。
このようなケースを防止するために、アクセス解析ツールによっては、経路分析のメニューでは、参照元をきちんと紐付けして合致したものだけを経路図に載せるといったことを行っているものもあります。そういったツールでは、上の2番目の例は、「ページB」の参照元が「ページA」であるか、また、「ページC」の参照元が「ページB」であるかを確認します。そして後者が確認できないので、前半と後半は別のセッションと見なし、ページ移動は「ページA → ページB」と「ページC → 直帰」に二分されることになります。
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この記事の筆者
衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)
1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社へ。調査部、インターネット視聴率センター長などを経て、2000年ネットレイティングスへ。視聴率サービスやアクセス解析サービスの立ち上げに尽力。2006年株式会社クロス・フュージョンを設立し代表取締役に。2023年活動停止。
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