ユニーク数(UU)とは? 「訪問者」を表すアクセス解析頻出の言葉の違い
質問:現在使っているアクセス解析ツールに「訪問者(数)」と「ユニーク訪問者(数)」という似たような指標があるのですが、その違いは何ですか?
答えアクセス解析ツールでは「訪問者(数)」という指標は曲者です。お使いのツールでは以前に本連載で解説した「セッション(数)」と同じ意味で「訪問者(数)」という用語が使われている可能性があります。
解説「ユニーク訪問者(数)」とは、「日」「週」「月」といった集計期間ごとに、ユニークな(一意な)サイト利用者が何人いたかを集計する指標です。「ユニーク」とは、同じ人(ブラウザ)が集計期間中に何回訪問しても「1人」とカウントするということです。「ユニーク訪問者(数)」は他にも、「ユニークユーザー(Unique User。UUと略される)」「ユニークビジター(Unique Visitor。UVと略される)」「ユニークブラウザ(Unique Browser。UBと略される)」などとも表現されます。
ユニーク訪問者 | すべて同じ意味 |
---|---|
ユニークユーザー | |
ユニークビジター | |
ユニークブラウザ |
「ユニーク訪問者(数)」が、集計期間における重複を除く訪問者数を意味するのに対し、「セッション(数)」は、集計期間におけるサイトへの総訪問回数(のべ訪問回数)を意味します。
では、「ユニーク訪問者(数)」と「セッション(数)」が、それぞれどうカウントされるかを、具体手例で見てみましょう。「○」がついているのが、その日における1セッションを示しているものとします。6月、7月中は、この他の訪問はなかったと仮定します。
6月30日 | 7月1日 | 7月2日 | |
---|---|---|---|
Aさん | ○ | ○○ | |
Bさん | ○ | ||
Cさん | ○○ | ○ | |
Dさん | ○ | ○ |
6月の月次セッション(数)は「3」、ユニーク訪問者はAさんとCさんの2人なので「2」となります。7月の月次セッション(数)は「6」、ユニーク訪問者(数)は、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人なので「4」となります。
6月 | 7月 | |
---|---|---|
月次のセッション | 3回 | 6回 |
月次のユニーク訪問者 | 2人 | 4人 |
一方、日別で集計してみると、6月30日は月次と同じで、セッション(数)が「3」、ユニーク訪問者(数)が「2」。7月1日の日別データではセッション(数)が「4」でユニーク訪問者(数)が「3」、7月2日の日別データではセッション(数)が「2」でユニーク訪問者(数)が「2」です。
6月30日 | 7月1日 | 7月2日 | |
---|---|---|---|
日別のセッション | 3回 | 4回 | 2回 |
日別のユニーク訪問者 | 2人 | 3人 | 2人 |
ここで注意が必要なのですが、日別のユニーク訪問者(数)を合計した数値は、必ずしも月次の数値に一致しません。7月1日の「3」と7月2日の「2」を足すと「5」になりますが、月次のユニーク訪問者(数)は「4」です。ユニーク訪問者は下位の期間を合算するのではなく、求める集計期間ごとに1回1回算出する必要があります。
さて、では問題の「訪問者(数)」(ユーザー、ビジターなども含む)という表現です。私の調べた範囲では、ツールによって「セッション(数)」の意味で使っているケースと「ユニーク訪問者(数)」の意味で使っているケースの2つがあるようです。
「訪問者(数)」を「セッション(数)」の意味で使っているケースでは、「のべ訪問者数」(=セッション数)を略して「訪問者(数)」と言っているのでしょう。確かにデパートや映画館の入場者数はのべ訪問者数を数えるのが普通で、重複を除くユニーク訪問者数をカウントするということはしません。
一方「ユニーク訪問者」を「訪問者」の意味で使っているケースは、「訪問者」は「ユニーク」が前提なのだ、と考えているのでしょう。
いずれにしても、訪問者(数)という言葉がセッション(数)の意味で使われているのか、ユニーク訪問者(数)の意味で使われているのかは要注意です。質問いただいたケースでは、「ユニーク訪問者(数)」と別の意味で「訪問者(数)」と言っているようなので、「セッション」を意味していると類推できます。あくまでも「類推」に過ぎないので、ベンダーに確認していただいた方がいいでしょう。
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