セッション時間を10分で区切ることは可能か? [アクセス解析Q&A]
質問:利用回数を表す指標としてセッションがありますが、セッションを区切る時間は30分だと聞きました。自分のサイトは長期滞在するようなサイトではなく、このセッションを区切る時間は10分でよいので、短い間隔で集計しなおしたいのですが、ツールは対応してくれるのでしょうか?
答えサーバーログを集計するタイプのアクセス解析ツールでは、セッションの時間間隔を集計時に自由に設定することができるものがあるので、設定時に変更すれば可能です。Webビーコン(JavaScript)型のASPツールでは、原則この30分ルールで集計されることになると思いますが、ベンダーによっては対応しているかもしれませんので、問い合わせてみましょう。
解説現在の世界の標準的なルールでは、ページの閲覧開始時間の間隔が30分以上開いている場合に、閲覧をやめて中断していると判断して、別の利用行動としてカウントしようという決まりになっています。たいていのアクセス解析ツールでは、この時間が標準に設定されているはずです。
下記の例では同じ利用パターンでも、セッションのルールを30分とするか10分とするかで、どのように違ってくるかを見ていきましょう。
例:あるサイトにおけるある人のページ閲覧記録だとしましょう。各ページの閲覧開始時間が次のようになっていたとします。
ページ名 | 閲覧開始時間 |
---|---|
ページA | 12:00 |
ページB | 12:08 |
ページC | 12:15 |
ページD | 12:30 |
ページE | 12:37 |
ページF | 13:20 |
それぞれの閲覧開始時間の差分が単純にそれぞれのページの滞在時間だとして算出すると、次のようになります。
ページ名 | 滞在時間 |
---|---|
ページA | 8分 |
ページB | 7分 |
ページC | 15分 |
ページD | 7分 |
ページE | 43分 |
ページF | 不明 |
最後の閲覧ページは次がないため差分が計算できません。こちらはすぐに閲覧を止めたかもしれませんし、20分見続けたかもしれませんので「不明」としておきました。
通常通りセッションの区切りを30分とした場合のセッションは、30分を超える時間差があるページEでセッションは切れると考えます。よって下記2つのセッションから構成されるとみなします。
ページ名 | 滞在時間 |
---|---|
ページA | 8分 |
ページB | 7分 |
ページC | 15分 |
ページD | 7分 |
ページE | 不明 |
最初のセッションはここまで | |
ページF | 不明 |
次にセッションの区切りを10分とした場合のセッションは、10分を超える時間差があるページCでもセッションが切れると考えますので、下記3つのセッションから構成されるとみなします。
ページ名 | 滞在時間 |
---|---|
ページA | 8分 |
ページB | 7分滞在 |
ページC | 不明 |
最初のセッションはここまで | |
ページD | 7分滞在 |
ページE | 不明 |
次のセッションはここまで | |
ページF | 不明 |
通常の30分ルールでは2セッションとカウントしていたものが、上記の例では10分と設定変更することで3セッションにカウントされることになります。同じ元データからでも、集計の定義や設定を変更することで、週単位や月単位での集計結果の数字も変わってきますので、過去にさかのぼって集計しなおす際には注意が必要です。
ソーシャルもやってます!