CMS製品を評価する28個のチェックリスト
今日は、CMS(コンテンツ管理システム)を比較/評価する際に使える機能のチェックリストを紹介します。
海外の情報サイトですが、CMS Watchというサイトがあります。ウェブCMS(WCMS)やエンタープライズCMS(ECM)を中心とした情報や調査データを提供しているサイトです。ここの一番のコンテンツはWCMSやECMSの各ベンダーが出している製品に関して調査を行った結果をまとめた「The Web CMS Report」や「The ECM Report」などの有料レポートです。
10万円~30万円というお高いレポートなのですが、今日は、このレポートで使われているウェブCMSの評価チャートの項目を紹介します。
- テクノロジー&管理
- アクセス制御&レポーティング
- アクセス制御&権限付与
- システムレポーティング
- 開発
- カスタマイズ&システム統合
- テンプレート化
- パフォーマンス
- バックエンドパフォーマンス
- 配信パフォーマンス
- アクセス制御&レポーティング
- コンテンツ作成
- 作成者向けエクスペリエンス
- 全体のユーザビリティ
- ユーザーインターフェイスのアクセシビリティ
- ユーザーインターフェイスの各国語対応
- 作成者向け機能
- コンテンツ作成&変換
- タグ付け&カテゴリ付け
- コンテンツの再利用
- デジタルアセット管理
- リポジトリサービス
- コンテンツライフサイクル
- ワークフロー管理
- 複数サイト管理
- 多国語展開
- リテンションサービス
- 作成者向けエクスペリエンス
- コンテンツ配信
- オンライン
- パーソナライズ
- フレンドリー出力
- アクセス解析
- 拡張サービス
- サイト内検索
- 複数チャンネル配信&シンジケーション
- UGC&ソーシャルサービス
- オンライン
- ベンダー評価
- サービス&チャンネル
- サポート&コミュニティ
- 戦略&ロードマップ
- 透明性&安定性
Web担でもCMS製品の一覧を設けていて機能の有無を示す項目を設けていますが、ここで紹介したCMS Watchの項目のほうがイマドキでシンプルですね。
実際のところ、CMSの機能の有無を○×で表にしていっても、多くのベンダーさんがとりあえず機能を用意して「○」にしてしまいますし、最近はモジュール形式での機能拡張ができるCMSも多いですよね。そのため、細かい機能のチェックリストを用意してCMS選定に使おうとしても、うまくいかないことが多いようです。
CMSを選ぶ際には、こういったチェックリストによる(帰納的な)選定に加えて、そもそもそのCMSは何を実現するためのものとして作られているのかという開発の方針(CMSの哲学)とあなたがCMS導入で実現したいことが何なのか(導入の目的)の対照による(演繹的な)選定をうまく組み合わせることが重要です。
また、CMS導入は製品を買ってインストールして終わりというものではないので、現状のサイトを調査して適切な実装を考えてくれる制作会社さん(パートナー)も重要です。そのCMSに慣れている制作会社がどれくらいいるのか、その制作会社は自社と相性が良いのかといった点も、選定の際には考慮するのが重要でしょう。
CMS選定のポイントでいうと、ほかにも「CMIS」という仕様があります。コンテンツ管理システム同士でデータやコンテンツのやりとりをするための共通仕様としてOASISが策定しているものです。
CMISはまだドラフト段階なのですが、すでに対応を表明しているベンダーもあります。2010年以降のCMS選定では、CMISに対応しているかどうかも、ポイントの1つとして考慮していくことになるかもしれません。
・Content Management Interoperability Services (CMIS) Version 1.0
http://docs.oasis-open.org/cmis/CMIS/v1.0/cd04/cmis-spec-v1.0.html
CMSというと、久しぶりのWeb担ムック『Web担当者 現場のノウハウ CMS入門号』が11月28日に発売されました。CMSを導入するプロジェクトでどんなことが起きるのかをわかりやすく理解できる小説「CMS導入奮闘記」や、おなじみのマンガ「Web担当者 三ノ宮」が全編収録されている、少し異色の1冊です。
どちらも、印刷された状態のもののほうが、ウェブで見るよりも読みやすくなっていますので、ぜひお手元に1冊どうぞ。
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