[戻る]ボタンで閲覧したページを計測するには? [アクセス解析Q&A]
質問:サーバーログ型のアクセス解析ツールでは、ブラウザの[戻る]ボタンで見られた閲覧ページはカウントされないと聞きました。ユーザーが見た通り正確に計測することはできないのですか?
答えサーバーログ型やパケットキャプチャ型の計測手法では難しいですが、JavaScript型のアクセス解析ツールであれば、[戻る]ボタンで閲覧されたページも計測できます。
解説まずユーザーの行動とサーバーログ、パケットキャプチャ型、JavaScript型のデータ取得方法について図解してみよう。
ブラウザからユーザーがあるWebサイト(Webサーバー)にアクセスしたとする。これは下図の「①コンテンツのリクエスト」に該当している。会社のパソコンであれば、会社の代理サーバー(プロキシサーバー)を経て、様々なネットワークを経由して目的のWebサーバーへコンテンツの要求を行う。次にWebサーバーがそのリクエストに対して、コンテンツであるHTMLファイルその他をリクエストのあったユーザーへ届ける。
さて次にアクセス解析のデータという視点から見ていこう。Webサーバーは要求のあったファイルの記録として、サーバーログを自動的に貯めている。それを集計するのがサーバーログ型のアクセス解析ソフトだ。パケットキャプチャ型のツールは、このWebサーバーに出入りするパケット情報から、アクセス解析に必要なデータだけを抜き出してデータを貯めて集計するような仕組みになっている。この2つの手法は、Webサーバー側でのデータを収集していると言える。
次にJavaScript型のツールの場合は、ユーザーがリクエストしたHTMLファイルの中にJavaScriptのタグを実装している。JavaScriptタグはブラウザ側で動作する小さなプログラムで、いちいちWebサーバーにリクエストしなくても動くものだ。例えば、何かの入力フォームで入力ミスがあった場合、[送信」ボタンを押して送信されてからサーバーがエラーを返すのではなく、ブラウザ側の画面上で間違った入力形式を指摘するような使い方ができるのだ。そして、このJavaScriptが、どのページを閲覧したかといったデータを別のサーバーに送り、そこでデータを集計するのがJavaScript型のアクセス解析ツールの仕組みなのである。つまりこちらはユーザー側を計測しているということになる。
さて、質問に戻るが、ブラウザの[戻る]ボタンで見たページは、恐らくパソコンのキャッシュから読み込まれて表示されているはずで、わざわざ大元のサーバーに再度リクエストを投げることはないと思われる。インターネットでは、なるべくネットワークのリソースを無駄にしないように、効率的に情報を管理するようになっているからだ。
この場合、ユーザーの見たページは再びサーバーに要求が伝わっていない。だからユーザーがページを行ったり来たりして迷っていたとしても、サーバーログ型やパケットキャプチャ型のアクセス解析ツールでは、ユーザーのページ遷移を正確に辿るようなことはできないというわけだ。
一方JavaScript型の場合は、このユーザーの行ったり来たりしている動作の情報をそのままデータとして取得することになるので、このようなユーザーの迷いなどを発見することができるようになる。
というわけで、[戻る]ボタンで閲覧されたページまでを正確に計測したい場合は、JavaScript型のアクセス解析ツールの使用を検討されたい。
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