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アフィリエイトマーケティングにおける法的リスク管理の方法(後編)

この記事は前後編の後編となる。前回に引き続き、アフィリエイトマーケティングにおけるリスク管理についてお伝えしていく。前回と同様に、英語記事の翻訳のため、法律に関しては米国のものが扱われていることに注意してほしい。

オンラインにおける子供のプライバシー マーチャント

子供を対象にした商品(付随的にそうなる場合でも)のマーケティングを行ってるのなら、情報を収集する場合には、アフィリエイトが児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)を理解していることを確認し、必ず遵守させること。COPPA法では、子供たちの個人情報について、その収集、利用、開示にあたり、立証可能な形で保護者から同意を得るようウェブサイトに求めているわ。ここで、COPPA法違反を犯した業者に対するFTC(米証券取引委員会)の追及が、いかに厳しいかを示す訴訟事例を少し挙げておくわね。

  • 米国連邦政府(FTC)対Xanga訴訟:No. 06-CIV-6853 (SHS)(ニューヨーク州南部地区連邦地裁、2006年9月7日)
    ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)のXanga.comは、登録した生年月日から計算して、登録者が13歳未満の児童とわかっていたにもかかわらず、同サイトにおいて合計170万件以上のアカウント開設を許していたとして、民事罰による罰金100万ドルの支払いを命じられた。
  • FTC対UMG Recordings訴訟:No. CV-04-1050 JFW (Ex)(カリフォルニア州中部地区連邦地裁、2004年2月17日)
    音楽会社のUMG Recordingsは、事前に保護者の同意を得ないまま、意図的に児童の個人情報をオンラインで収集した件と、子供向けのサイトで同様の行為を行っていた件について、民事罰による罰金40万ドルの支払いを命じられた。
  • FTC対Mrs. Fields Cookies訴訟:No. 2:03 CV205-JTG(ユタ州中部地区連邦地裁、2003年2月26日)
    Mrs. Fields Cookiesは、8万4000人を超える児童から、保護者の同意を得ないまま個人情報の収集を行ったとして、民事罰による罰金10万ドルの支払いを命じられた。

マーチャントは、成績優秀なアフィリエイトに報奨を与えるべき マーチャント

リスク管理は、禁止するばかりが能じゃないわ。優秀な成績を収め、信頼できるパートナーと長期にわたる関係を築くこともまた重要よ。アフィリエイトが優秀な成績を収めたときは、それを認め、功績に応じて報奨を与えること。

自分が良い仕事を高く評価するマーチャントなのだとアフィリエイトに知ってもらえるように、パフォーマンスボーナスは気前よく出してね。同じ人物あるいは会社と何度も手を組むのは、リスクを軽減する上ですばらしく効果的な方法なの。

アフィリエイト・オン・アフィリエイトの危険に注意 マーチャント

残念なことに、優秀な成績を収めてくれるアフィリエイトは、アフィリエイト・オン・アフィリエイト(AOA)の犠牲になることが多いの。成功を収めたアフィリエイトがいれば、たちまちそのランディングページの無許可コピーが出回り、そのアフィリエイトが使用しているキーワードの競争率が上がる。

結果として、大きな利益を生み出すランディングページがますます改善されるから、中にはAOAを見て見ぬふりをするマーチャントも存在するわ。だけど、こうした見方には長期的な視野が欠けているわね。これでは、非常に優秀な成績を収めてくれるアフィリエイトに敬遠されちゃうわ。

本当に優秀なアフィリエイトは、自分たちの仕事の価値を護ってくれないマーチャントのために、無駄な時間を費やしてくれないのよ。マーチャントは、アフィリエイトの苦情に耳を傾け、他人の仕事を自分の仕事にみせかけようとする悪質なアフィリエイトとは縁を切らなくちゃだめ。

アドウェア マーチャント

アドウェア(をはじめとするアプリケーション)は、マーチャントおよび広告主に責任が及ぶリスクの1つよ。米司法省および米国の連邦裁判所は、データ保護違反およびプライバシー侵害について、企業側に責任があるという判断を示しているわ。その事例をいくつか挙げてみるわね。

  • DirectRevenue LLCの事例:C-4194(2007年2月16日)
    DirectRevenueは平明かつ明確な説明をしないまま、アドウェアを消費者のコンピュータへインストールさせ、しかもアンインストールを妨害した。同社は、この不公正で欺まん的な行為による不当利益150万ドルの返還を求められた。
  • Sony BMG Music Entertainmentの事例:C-4195(2007年1月30日)
    Sony BMG Music Entertainmentが販売するCDには、楽曲を再生できる機器を限定するとともにコピー可能な回数を制限するソフトウェアが含まれ、さらに、消費者の音楽的嗜好を監視し、マーケティング用の情報として送信する技術も搭載していた。同社はこのことを消費者に告知していなかったため、その行為の正当性を疑われている。
  • FTC対ERG Ventures訴訟案件:No. CV-005-7777CAS (AJWx)(カリフォルニア州中部地区連邦地裁、2006年9月6日)
    ERG Venturesは、無料の歌詞ファイルやブラウザのアップグレード、着信音の提供を通じて、消費者のコンピュータにスパイウェアおよびアドウェアをダウンロードさせたほか、ブログ用の無料バックグラウンドミュージック提供を通じ、アフィリエイトにも同様の行為を行わせていたとして、200万ドルの賠償金支払いを命じられた。
  • FTC対Seismic Entertainment Productions訴訟案件:No. 04-CV-0377-JD(ニューハンプシャー州連邦地裁、2006年5月4日)
    Seismic Entertainment Productionsは、スパイウェア対策ソフトウェアと偽り、消費者のコンピュータを乗っ取ってその設定を変更し、大量のポップアップ広告を仕掛け、消費者のネットサーフィン活動を監視するアドウェアなどのソフトウェアプログラムをインストールしたとの追求を受けて、400万ドルの賠償金で和解した。

ここまで来ると、もうだれ一人としてアドウェアを軽々しく使おうなんて考えは浮かぶはずもないわね。契約書には、アフィリエイトがアプリケーションの目的を明示し、消費者の同意を得た上でなければ、いかなる広告配信アプリケーションも、消費者行動の監視アプリケーションも、インストールしたり使用しないと記述した条項を含めなければならないわ。欺まん行為の禁止について、詳しくはFTCのドットコム企業向け規則(PDF)を見てちょうだい。

窃盗ウェア マーチャント アフィリエイター

窃盗ウェアとは、アフィリエイト追跡コードを改変したり、ユーザーのコンピュータ上にあるアフィリエイトのクッキーを置き換えるソフトウェアで、その結果、広告手数料が他人や他社に渡ってしまうの。

残念ながら、この問題に関してまともなアフィリエイト側が取るべき手だては、ネットワークに参加しているアフィリエイトと良好な関係を保てないマーチャントとの仕事を避ける以外には、ほとんどないわ。

これに対してマーチャント側は、窃盗ウェアを使用するアフィリエイトがいた場合、先手を取ってこれらの悪質アフィリエイトを切り捨てることができるから、この問題を解決するには有利な立場にいる。

キーワード広告 マーチャント

残念なことに、キーワード広告を取り巻く法的リスクは、まだ未解決のまま。裁判所の中には、他人の商標を検索広告に使うことが、商標の保護を謳ったLanham法に違反するとの判断を示しているところもあるけれど、そうでない裁判所もある。

第9巡回控訴裁判所は、商標をキーワードとして広告目的で競合相手が購入することを認めれば、顧客に混乱をもたらし、結果として「おとり販売」になるとの判断を下したわ。また別の法廷では、製品の販売元に関して顧客の間に混乱が生じているかどうかは、その都度事例に応じて判断すべきで、関連広告および該当の広告を掲載しているコンテンツ全体について、精査しなければならない、と判断しているの。今まさにこの瞬間、だれもがリスクに晒されているってわけ。

契約書には、アフィリエイトのコンテンツに起因する、商標および著作権侵害を含むすべての知的財産権(IP)問題に対して、そのアフィリエイトのみが全責任を負うのだと明記しなければならないわ。そうすれば、そうしたリスクに対してどの程度の準備をするかは、アフィリエイト次第ってことになるわ。一部のマーチャントは、E&O保険をかけるようアフィリエイトに要求するかもしれないわね。

結局のところ、訴訟になった場合に、アフィリエイトに全責任を引き受けると約束させていたところで、そのことを裏付ける資産がなければ意味なんかないもの。

不正クリック マーチャント

不正クリックは、アフィリエイトマーケティングにおいて、おそらく最大の懸念材料よね。アフィリエイトとマーチャントのどちらが、最も多くの不正クリックの横行を許しているかについては、訊ねる相手によって意見が異なるわ。とはいえ不正クリックは、

  1. 独立した追跡システムを持つアフィリエイトネットワーク(Pepperjamなど)の増加
  2. 自然なクリックパターンによる行動モデルを高度化した、検索エンジンの技術的な進歩

にともなって、減少しているように見える、というのが共通認識になってるみたいね。

不正クリックが、経済システム全体に及ぼす影響について興味があるのなら、1つすばらしい記事を紹介ておくわね。それは、南カリフォルニア大学のケニス・ウィルバー氏とイー・チュー氏が書いた『不正クリック』という記事。両氏は経済のモデル化を用いて、不正クリック詐欺を防ぐことが、検索エンジンの利益になるかどうか調査しているの。その結果、中立的なサードパーティが検索エンジンの不正クリック検知アルゴリズムを監査すれば、広告業界に利益をもたらす可能性があるという結論に達したわ。

マーチャントとアフィリエイトにとって、不正クリックは契約違反に当たるのが普通だわ。だから、契約書では支払いの仕組みを明記し、不正および偽装行為を禁じるとともに、賠償について詳しく示しておくことがとっても大事なの。たとえば、CX Digital Media Networkのサービス規約には、以下のように、不正調査の対象となる可能性のある行為を概説した記述があるわ。

広告掲載契約者が警告対象となるのは:

  • 業界平均に比べクリックスルー率が極端に高く、CX Digital Mediaが十分に納得できるだけの、確かな要因が明らかにならない場合。
  • サイトが報告どおりのクリック数を維持できるだけのトラフィックを獲得している様子がなく、クリックプログラムだけが広告クリックを生成している場合。
  • 広告主が詐欺的だと判断する記事を掲載している場合。
  • 業界平均に比べて、クリックあたりのコンバージョン率が極端に高く、CX Digital Mediaが十分に納得できるだけの、確かな要因が明らかにならない場合。
  • 偽のリダイレクト、自動化ソフトウェア、かつ/または不正なイベント発生プログラムを使用した場合。

アフィリエイトを切り捨てる場合は、ビジネスライクに断固たる態度で マーチャント

もし、アフィリエイトを切らなければならないときは、相手が手ごわい敵になることを忘れないように。契約打ち切りの話は、ビジネスライクにきっぱりと伝えること。オンラインマーケティングの価値命題を護るためには、最高の仕事をしてくれる信頼できるアフィリエイトを支持し、オープンかつ公正な広告という点から見て、州法や連邦法に違反するようなアフィリエイトと手を切ることが重要なの。このことを忘れないでね。

結論

アフィリエイトマーケティングは、CAN-SPAM法施行以前のいかがわしいイメージから抜け出し、ようやく社会的地位を得るに至ったわ。マーチャントとアフィリエイトのオープンかつ公正な関係を目指して、この進歩を維持することが重要なの。この業界が前進するには、潜在的リスクの認識と、完璧な契約書作成が絶対条件となるわ。

マーチャントとマーケターが、あらゆる利害関係やコミュニティに対する提言を共有し合うこと、それが私の願いよ。この2週間に、私に電子メールやプライベートメッセージを送ってくれた皆さんにお礼を言うわ。特に、洞察に満ちた話をしてくれたハムレット・バチスタ氏には、心から感謝したいと思っているの。

いつものように、皆さんからの質問やコメントを楽しみにしてるわね。

では、ごきげんよう。

サラ

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