[コラム]長谷川恭久のCGM海原と共に

CGMクチコミを成功させる「コミュニティに貢献する」姿勢

今回は、トヨタのコンパクトカー「イスト」の米国版である「サイオン」のユーザー巻き込み展開を見てみましょう。
CGM海原と共に

Scion XD(サイオン)は日本ではイストというブランド名で展開しているトヨタの小型乗用車。日本でも2007年夏にフルモデルチェンジをし、CMやスペシャルサイトを立ち上げるなど精力的な宣伝を行っていますが、米国ではここ一年間、Scion XD を含めた Scion シリーズに関しては独自の展開を行っています。

従来のようなテレビコマーシャルやイメージを伝えるためのブランドサイトを立ち上げて発信していくだけではなく、オフィシャルサイトを中心に、オンライン/オフライン関係なく長期的に、CGMを意識したさまざまな展開を同時進行しているのです。

Scionオフィシャルサイト
Scionオフィシャルサイト
http://www.scion.com/
他メーカーでもよく見かけるプロモーションサイトのように見えますが、RSSを提供していたり、カーオーナーが集まるイベント用カレンダーがあったりなどコミュニティセンターとしての機能もあります。

オフィシャルサイトでは、自分のカスタムカーを作るオンラインツール、スクリーンセーバーや壁紙のダウンロードといった他メーカーのサイトにもあるようなおなじみのコンテンツがありますが、それだけではありません。たとえば Scion ウィジェットは CM や投票といったさまざまなコンテンツを自分のブログや SNSで表示できるようになっています。

広告バナーも自分が好みのモデルを選んで、それに合ったコンテンツを得ることができるという少し変わったタイプのものもあります。もちろん、RSSフィードも提供されているので、頻繁に更新される情報も逃さずキャッチできるようになっています。

バーチャルワールドにも Scion を見つけることができます。トヨタがセカンドライフサイオンシティ という街を作り、バーチャルカーを購入できる場を作ったことで話題になりました。他にも WhyvilleThere.comGaia といった日本ではあまり知られていないバーチャルワールドでも Scion を“試乗”できます。There.com では「クラブ・サイオン」と呼ばれる3階建てのナイトクラブを建築し、利用者同士が楽しめる空間を作りつつ Scionシリーズの露出にも貢献しました。

scionware
scion session
関連グッズやオンライン/オフラインで DJ イベントを開くなど、Scion のイメージを利用者に訴えつつ彼等が主人公になってもらえるようなプロモーションを幾つか行っています。

オンラインでの展開だけでなく、オフラインでもさまざまな試みがされているのが Scion プロモーションの特徴です。

全米を回っている「サイオン・セッション」は、There.com の「クラブ・サイオン」のオフライン版とも呼べるパーティーイベント。他にも 3on3のバスケットボールイベント、Scion を使ったカスタムカーコンテスト、オーナーが集まる機会と場所を提供するエクスポーズド など、積極的にオーナーや興味を持っている利用者たちと接触する機会を増やしています。こういったイベントが1~2回あるのではなく、長期的に何度も行われているのが、他のプロモーションと少し違うところでしょう。

Scion シリーズのターゲットは、コンパクトで個性のあるクルマを探している20後半~30代男性です。この世代はネットにも強いですが、積極的に外に出て活動する層でもあります。オフラインとオンラインをうまく組み合わせて展開したことで、ブログスフィアでも話題になっていますし、イベントにも毎回多くの方が訪れており、リアルのクチコミも機能しているようです。

CGMというものは、単に別の場所でも利用できるコンテンツを提供しておけば勝手に利用者が広めてくれるというわけではありません。ターゲットにしている利用者コミュニティに貢献することで、初めて1つのムーブメントになるのです。オンラインだけでなくオフラインでも長期的に展開しているこの Scion の一連のプロモーションは、トヨタという会社が、一方的にイメージを売り込んでいるのではなく、コミュニティに貢献したいという姿勢が形になっているのだといえます。

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