[特集] 好感度上昇で人が集まる! 評判管理の技術SMO実践テクニック
PRにも応用できるソーシャルブックマーク
ソーシャルブックマークやソーシャルニュースへ登録を促すには、ページごとに、「登録ボタン」を設置するのがいいでしょう。登録ボタンを設置しておくことで、ユーザーはワンクリックで自分が利用しているソーシャルブックマークやソーシャルニュースのサービスに、登録することができるようになります。例えばアイレップのプレスリリース掲載ページやαSEOのページでは、図の通り「はてなブックマーク」「Buzzurl」「ライブドアクリップ」の各サービスの登録ボタンを設置しています。
ソーシャルブックマーク(ソーシャルニュース)のサービスを提供している会社はいくつもありますが、すべての登録ボタンを掲載するのはユーザーの混乱を招きかねません。上記の3つのサービスに加え、「Yahoo!ブックマーク」と米国の「del.icou.us」を押さえておけば十分でしょう。ボタンを簡単に作成するツールも配布されているので、利用すると作業が楽になります。
ちなみに、前述のプレスリリースへの登録ボタン設置は、米国では「ソーシャルPR」などと呼ばれるPR手法の1つとして、企業に広がりつつあります。今日のプレスリリースは、メディアや企業だけでなく、ブロガーをはじめとする一般のネットユーザーも発信対象となってきており、幅広いユーザーに情報を伝播させる手法としても、注目を集めています。
ソーシャルブックマークボタンを設置する利点としては、そのコンテンツに対するユーザーの反応を知ることができる点も見逃せません。コンテンツに対する注目度を、ソーシャルブックマーク登録者の数で数値化できるからです。またソーシャルブックマーク登録時に、簡単なコメントを書き込むユーザーも少なくありません。そうしたコメントを読み取ることで、ユーザーの反応を具体的に知ることができます。
登録ボタンの設置はトラフィックの流出を招く?
最近では、Yahoo!ニュースや毎日新聞などの大手も、ニュース記事に対するソーシャルブックマーク登録ボタン導入を行っています。これはもちろん、ソーシャルブックマーク利用者の利便性を高めるなど、ソーシャルメディアに対応するための施策でしょう。というのも、従来のWebマーケティングでは、自分のサイトに、わざわざ外部へのリンクを張るのは好ましくないという考え方もありました。せっかく呼び込んだトラフィックを、流出させてしまう可能性が生じるからです。しかし現在では、自分のサイトからソーシャルメディアへの誘導を上手に行ってあげることで、ソーシャルメディア内でコンテンツが話題となり、自分のサイトへの流入が増加する可能性が高まります。いったん自分のサイトを離れてしまった訪問者が、不特定多数のソーシャルメディア・ユーザーとともに、戻ってくるケースも考えられるのです。Yahoo!ニュースや毎日新聞が、登録ボタンを設置しているのも、そうした効果を狙ってのものだと考えられます。
SEOにも好影響を与えるソーシャルブックマーク
ソーシャルブックマークボタンの設置は、SEOの施策としても優れています。被リンクを得られやすくなり、かつ検索エンジンにインデックスされやすくなる効果があるからです。
一例を挙げると、米国に「digg」という、ソーシャルニュースのサービスがあります。ユーザーが記事等を自由にブックマークでき、その結果を記事へのリンクとともに一覧表示するサービスです。従来は、「digg」にブックマークされたとしても、diggのトップページで紹介されない限り、トラフィックもあまり増えず、効果がないと考えられてきました。しかし、SEOの実験をした結果、トップページに掲載されていなくてもdiggに登録されることでインデックスがされやすくなっていることがわかりました。diggからの動線を確保することによって、ユーザを誘導を強化するだけでなく、検索エンジンのクローラビリティも向上させているのです。
現在のGoogleは、Webページをインデックスするサイクルが極めて早くなっています。かつてはインデックスまでに約1カ月を要しましたが、今年に入ってから24時間以内へ大幅に短縮され、現在は英語(US)では10分程度、日本(JP)でも記事公開後、1時間程度でWeb検索に反映されるようになっています。
また3章でも紹介した通り、Yahoo! JAPANでは、2007年4月からWeb検索の結果に、同社が運営するソーシャルブックマークサービスである「Yahoo!ブックマーク」のブックマーク数を表示しています。現時点はともかくとして、将来的にこのブックマークの数が、クリックの判断基準として影響する可能性も、十分に考えられます。
ライブドアが運営するソーシャルブックマーク「livedoor clip」とECナビが運営する同サービス「Buzzurl」はそれぞれ、ソーシャルブックマークスパム対策の一環として全ての外部リンクにnofollow属性を追加したことを発表しました。
はてなブックマークやlivedoor clip、Buzzurl、del.icio.usといったソーシャルブックマークは、外部リンクを獲得するというSEO業者による施策の一環として悪用されるケースが後を絶えません。例えば、新規に開設したWebサイトの全ページを1つずつソーシャルブックマークに登録したり、複数のアカウントから検索上位に表示させたいキーワードをタグとして、適当な文章をコメント欄に入れて大量登録するといった手口が代表的です。タグとコメント欄にリンク先と関連性のある文言を入れることで少しでも(リンクの)品質を高めようとしていますが、これはソーシャルブックマークサイト利用者から見ればノイズに過ぎません。
こうしたSEOを狙ったスパム業者排除として、nofollow属性が外部リンクに追加された。GoogleやYahoo!などのnofollow 属性をサポートする検索会社は、nofollowのリンク先ページにリンクスコアを渡しません。この措置により、スパム業者がどれだけ多くのページをブックマークしてもSEOには一切貢献しないことになります。
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