評判管理の技術――ソーシャルメディア最適化の実践テクニック

リンクしやすいサイトを用意する

[特集] 好感度上昇で人が集まる! 評判管理の技術SMO実践テクニック

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リンクしやすいサイトは、SEOにも好影響を与える

ユーザーがインターネット上で、あるコンテンツを紹介するときは、元記事に対してリンクを張ったり、参照リンクを明示したりすることが、一般に行われています。前節で、ユーザーに受け入れられるコンテンツを提供することがSMOの要諦だと述べましたが、リンクのしやすさに配慮することは、基本中の基本といえます。

というのもリンクのしやすいWebサイトを構築することは、SEOの施策としても大きな意味があるからです。例えば、Googleでは、検索順位の決定アルゴリズムにおいて、外部リンクの「時間」の概念を評価していることが明らかになっています。リンクのしやすいWebサイトを構築することにより、ソーシャルメディアをはじめとする外部リンクが、自然発生的に増えていけば、長期的に見てSEOにも効果をもたらします。

リンクのしやすさを向上させる2つの施策

リンクのしやすさを向上させるには、次の2つの施策が有効です。

まず1つは、Webサイトの構造の整理です。一昔前までは、ユーザーはWebサイトのページ単位ではなく、トップページに対してリンクを張るケースが目立ちました。しかし検索エンジンが膨大なWebページをインデックスし、サイトの下層ページが検索結果に表示するようになるにつれ、ユーザー側もWebサイトのトップページではなく、個別のページにリンクを張るように変化してきています。

この「リンクの仕方」の変化に対応するためには、あるテーマに対し1つのWebページを用意するなど、ワンテーマ・ワンページの視点で情報を整理し、ユーザーが目的の情報があるページに、ダイレクトにリンクを張れるようにWebサイトを構築しておくことが大事です。

2つ目は、いわゆるパーマリンク、つまり1つのコンテンツに対し、1つのユニークなURLを永続的に与えることです。

例えば、フレームを使用していたり、動的にURLを生成し、アクセスするたびに異なるURLを表示するWebサイトがあるとします。このようなWebサイトでは、ユーザーが適切にリンクを張れなかったり、時間が経過すると全然関係ないコンテンツが表示されたりする問題といったが生じるおそれがあります。こうした事態を避けるには、パーマリンクの導入が1つの解決策になります。

リンクしやすいプレスリリースを配信する

企業がWebサイトから配信する情報のうち、最も更新頻度が高いのはプレスリリースだ、という会社もあるかもしれません。SMOの観点からは、このプレスリリースの配信でも、特に配信頻度の高い企業は、リンクのしやすさを追求しておくとよいでしょう。例えば、PDF形式だけでなく、HTML形式でもリリースを配信することなどは基本と言えるでしょう。

アイレップのプレスリリースページ
アイレップのプレスリリースページ

ソーシャルブックマークを閲覧してみると、プレスリリースをブックマークしているユーザーは意外に多いことに気づきます。ところが、そうしたユーザーのうち、PDFのページをブックマークしているユーザーは、少数派なのです。プレスリリースをすべてPDFで掲載しているWebサイトでは、本来得られるはずのリンクを得られなかったという“機会ロス”が発生している可能性があります。

少し話がずれますが、従来は、プレスリリースの発信対象は、マスメディアを中心とする企業や組織が中心でした。ところが現在では、不特定多数のブロガーがプレスリリースを読み、自分のブログで取り上げることも多くなっています。参照リンクを貼りやすいようにするには、やはりプレスリリースもHTMLで用意したほうがいいでしょう。

プレスリリースに関しては、より積極的に、ユーザーのリンクを促す方法もあります。例えば、調査に関するリリースであれば、数値データやグラフを、ブログなどで引用しやすいようにHTMLコードを発行してあげるのです。こうすることで、ブロガーは各種データを直接引用しながらエントリーを作成できるようになり、参照リンクも得られやすくなります。

また前述のワンテーマ・ワンページを基本にWebサイトを構築する手法は、プレスリリースにおいても有効です。

プレスリリースを、新しい情報から順に、同じページに掲載していく企業は少なくありません。しかしリンクのしやすさという観点からは、こうした掲載方法は不利になります。ある特定の記事だけに対しソーシャルブックマークをしたいというニーズに応えることができなくなってしまうからです。

ワンテーマ・ワンページでプレスリリースを作成したいと思っても、利用しているCMSによっては情報の分類が繁雑になるケースもあるかもしれません。場合によっては、タグで情報を分類できるようにするなど、CMSレベルでの改善が必要なケースが生じる可能性もあるでしょう。しかし、できるかぎりワンテーマ・ワンページでWebサイトを構築していくことが、SMOにおいては欠かせない考え方です。

この記事は、書籍『SMO実践テクニック』の内容をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているものです。内容に興味を持った場合、ぜひ書籍を購入して全体を読んでみてください。

書籍『SMO実践テクニック』表紙

SMO実践テクニック
好感度上昇で人が集まる! 評判管理の技術

ソーシャルブックマーク、ブログに代表されるソーシャルメディアは、今や検索エンジンと並んでネット集客に多大な影響を及ぼす存在です。このソーシャルメディアからのトラフィック誘引力を最適化するための実践的な手法をSEMのプロ達が徹底的に解説します!

  • ISBN 978-4-7973-4330-4
  • 1,764円(税込)
  • 紺野 俊介、渡辺 隆広 著
  • ソフトバンククリエイティブ
用語集
HTML / SEM / SEO / SMO / インデックス / クリエイティブ / ソーシャルメディア / パーマリンク / プレスリリース / マスメディア / リンク / 外部リンク / 検索エンジン
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