企業ホームページ運営の心得

客の声とクレーマーの分岐点。コメント欄が寂しい理由

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の伍十八

ホームページにモノクロを求める

「年末の30日に来たら閉まってた」と新年早々、行列ができる焼き肉屋「スタミナ苑」に苦情が寄せられました。営業日は月単位のカレンダー形式で、定休日を赤地に白文字で日付を表示し、平日は白地に黒、土曜日は青に黒、日曜日はピンクに白です。12月30日から新年3日までは定休日として表示していました。

「わざわざプリントをしてきたのに休みだった」と口を尖らせるので実物をみせてもらうと、日曜日がグレーで定休日が黒で印刷されています。モノクロプリンターの出力結果では定休日がわかりにくく、その結果無駄足を踏んだというのです。

文章として定休日も入れていますので、独り合点と片付けるのは簡単ですがこれは「客の声」です。早速、定休日はそのままに、土日を背景ではなく枠の色を変えて「モノクロ対応」としました。

どうしてコメント欄に誰も書き込まないのか

「客の声」は商売用を完成させるのに不可欠です。その声が改善を促し顧客ロイヤリティを高め、売上につながります。しかし、実際はというと、多くのWeb担当者が「客の声」の少なさに不安を覚えるものです。CMSやブログ型を導入した場合の「コメント」も同じです。

客の声が聞ける(反応を見られる)と意気込んでいたのに月に数件のコメントもなく、アクセス数が少ないためか、記事やコンテンツが悪いのかと頭を抱えます。確かに記事の書き方1つで「反応」を上げることはできますし、書き込みを誘発する「仕掛け」だってありますがご安心ください。客は控えめなものです。だって日本人ですから。人目に触れる「コメント」など恥ずかしいのです。

コミュニティサイトや人気ブロガーへの書き込みが多いのは、匿名という仮面舞踏会を楽しんでいるからで、商売用とではモチベーションが違います。

サイレントカスタマーというメビウスの輪

コメントが少ないことはそれほど気にすることはなく、勇気を出して書き込んでくれた客の声に真摯に対応することが大切だということです。但し、少ないにも限度があります。

クレーマーよりも恐ろしいのが、何も言わない「サイレントカスタマー」です。物言わぬ消費者の彼らは、満足を得られなければ文句も言わずにその場を立ち去り、二度と訪れることはありません。SEOに予算を割き、広告費を投入してもたった1回限りの付き合いしかできません。おまけに不満もリクエストもいってくれないので、反省することもできません。

クレームがないから客は満足していると判断し、反省も改善もないままに同じ方法論でアプローチし続け、いつまでもメビウスの輪のように表と裏を回り続けます。

クレーマーと客の見極め方

客の声が「まったく」聞こえないサイトは必ず問題があります。クレームはともかく満足していれば「良かった」「ありがとう」というメッセージは必ず届くものだからです。

まったく聞こえてこなければ、営業マンや店頭のスタッフに協力して貰い「ウチのホームページはいかがですか」とリアル社会のお客さんに尋ねてください。客の声を訊くのはメールやコメントだけというルールはありませんから。

客の声を聞きなさいというと、「クレーマー」を理由に難色を示す人がいます。枝葉末節の揚げ足を取り、見当外れの自説を展開し、利益誘導を露骨に迫る輩などさまざまで本当に迷惑です。しかし、クレーマーに付き合っていられないと、「客の声」まで無視したとしたらそれこそクレーマーの思うつぼです。

FAX版からメール版へ

どんな高尚な理屈をこねていても「意見」が自分だけの(自己満足を含めた)利益を目指していれば、それはクレーマーと断じていいでしょう。代金を返してでも即刻縁を切ってください。「世界中で自分だけが得をしたい」というものは客でも何でもありません。取引は「お互い様」なのですから。取捨選択が客の声を活かす大切なポイントです。

自社サイトにて「伸びる会社は知っている」というメルマガを発行しています。ITや営業改善をテーマにしており、もともとはクライアントや知り合いの経営者だけにFAXで配信していたものです。提案や情報を届けることで、こまめな営業廻りをサボる……効率化できるという目論見から始めたので公開の予定はありませんでした。

しばらくして経営者の知人から「メールで送って貰えない?」と依頼がありました。売り込みFAXが多いので、個人のメールアドレスに送って欲しいというのです。

これも「客の声」だと検討することにしました。

客の声で12倍の読者をゲット

「メルマガ」なら1人でも100人でも送る労力は同じです。通信費も削減でき、公開によって「見込み客」のメールアドレスを収集することができます。しかし、メールアドレスを直接ゲットするには配信システムを自社開発する労力が必要でした。有料のサービスを利用しても良かったのですが、その後のカスタマイズを考えると自分で作るほうがよいという判断です。

メリットと労力を秤にかけました。そして今、メルマガ版はFAXの12倍の読者にお読みいただいております。余談ですが、この連載も安田編集長との雑談の中でメルマガのバックナンバーが「サンプル」となり始まったものです。

客の声を聞くことはとても大切です。そして次に大切なことは、検討した上で「メリット」が上回った時だけ取り組むということです。そして、本当に愛情溢れるご意見だったとしても、取り組む労力が負担となる時は丁重にお断りすることを忘れてはなりません。

スタミナ苑の「モノクロ対応」ですが、スタイルシートのわずかの修正ですからメリットは明らかです。そしてなにより、年末の30日に無駄足を踏み、年が明けてすぐに「リベンジ」に来てくれたほどに、スタミナ苑を支持してくれている「客の声」に応えなければホームページ屋の名折れというものです。

♪今回のポイント

客の声とクレーマーの取捨選択。

ワガママとも思えるリクエスト思わぬ効果をあげることがある。

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