商品ページのキャッチコピーは「刺激・理由・限定」をスパイスにグッとくるものを
この記事は、書籍『楽天市場公式 ネットショップの教科書』の内容を、Web担当者Forum用に抜粋してオンライン版として公開するものです。本書は楽天市場に出店するネットショップの運営ノウハウ、繁盛する秘訣を楽天スタッフ自らが書き下ろした、唯一の公式解説書です。
『楽天市場公式 ネットショップの教科書』
- ISBN9784844324607
- 1,600円(税込 1,680 円)
- 楽天大学 編 /三木谷 浩史 監修
接客力の高い売り場を作る
――買いたくなる商品ページの秘訣10
「一番商品」の特性を把握したら、それを「グッとくる」フレーズでアピールすることを考えます。
そこで、チーズケーキのサンプル事例を少し離れて、特性を効果的にアピールする手法の概要を押さえておきます。まずは商品ページを訪れたお客様の「心理」を推察しましょう。
インターネットショップを訪れるお客様が商品を購入する動機には、「必要度」と「欲求度」という2つの視点があります。
2つの視点を軸として、マトリクスを描いてみたのが図1です(参考文献『あなたの会社が90日で儲かる』神田昌典著、フォレスト出版、75ページ)。
必要性がなく、また欲しいとも思わないというAのゾーンにお客様がいるときは、当然販売には結びつきません。逆に必要度、欲求度とも高いDのゾーンにいれば、お客様は即購入します。
商品に対する必要性を感じているものの、欲求度が低いBのゾーンは、「機会があれば買おう」という心理状態です。その商品を今すぐ欲しいとは思わないのですが、たまたま安くなっていたなど、よい機会に恵まれればその商品を買うはずです。
逆に、「それほど必要ではないが、とにかく欲しい」という状況が、Cのゾーンです。いわゆる「衝動買い」です。
Aゾーンにいるお客様の気持ちを、いかにB、C、Dのゾーンにまで高められる接客ができるかが問題です。
では、具体的にお客様の必要度や欲求度を高めるための仕掛けとは何か――それが接客3原則であり、その中でも第3の「行動を起こしやすくする」という仕掛けです。
その1つである「用途提案」(89ページ)は、必要度をアップさせることができる手法です。それまでお客様が知らなかった用途を示すことで、お客様を「こんな使い方ができるなら欲しい」という気にさせます。
ウリを買い手のメリットまで落とし込む
欲求度を高める仕掛けの中でもっとも基本的なのが、商品のウリをグッとくるフレーズでアピールすることです。購入決定の背中を押すスパイスとなるのは、次の3要素です。
- 刺激
- 理由(安い理由または高い理由/その商品が「買い!」な理由)
- 限定(期間、数量、対象)
第1の要素の「刺激」でポピュラーなものとしては、価格があります。
「超特価」「大盤振る舞い」「全品半額」「店長真っ青! こんなに安くていいの?」といったフレーズによって、お客様の目を引きます。楽天市場で、1円から入札できる「1円オークション」が盛り上がっているのも、「1円」というキーワードが刺激になっていることが一因と考えられます。また安さだけでなく、たまにニュースなどで取り上げられている「世界一高いダイヤ」のようなものも刺激となります。
2番目の要素は、「理由」です。理由には2つの意味合いがあります。1つ目は、「刺激」の理由づけです。例えば前述の「激安」だけでは、お客様は「安かろう悪かろう、かもしれない」という不安が残ります。そこで「安いのはなぜか」を示すことで、お客様に納得・安心して買い物をしてもらうことができます。「オープンセールだから」「アウトレットだから」「直販で流通コストを削減したから」というような理由です。
2つ目の意味合いは、その商品が「買い!」の理由です。これは、「商品の魅力を引き出す」ということと重なっているわけですが、ここでは、「理由」を「お客様にとってのメリット(ベネフィット)まで落とし込む」ことの重要性を指摘しておきたいと思います。
つまり、単に商品の優れた点をアピールするだけではお客様の心には響かないということです。お客様が「欲しい」と思うのは、自分にとってメリットがありそうだと考えたときです。例えば「この商品はアルミ製です」というアピールと、「この商品は丈夫なので、一般的なものより3倍寿命が長く、○○円の節約になります」というアピールの違いです。後者は買い手のメリットにまで落とし込んだ訴求になっています。
第3の要素は、「限定」です。限定には、「期間限定」「数量限定」「対象限定」などがあります。前2者は、「今、買わなきゃ」と思わせる効果があり、対象限定は、お客様に優越感を持ってもらうことで心をくすぐる効果があります。
なお、本項で紹介した3要素を活用して商品紹介をする場合、あくまでもいわゆる不当表示に該当しない範囲の表現に限られることはいうまでもありません。
コメント
読みにくいな
買いたいとおもうページと読みたいとおもうページ。
正直、横幅がせまくて、改行が多いので読みにくいと思いました。
Re: 読みにくいな
編集部の安田です。コメントありがとうございます。
これは、Web担のページ表示が読みにくい、というご意見ですよね。
いやぁ、コンテンツエリアの幅は悩むところなのです。
あまり幅をとりすぎると、1行の文字数が多くなって、逆に読みづらくなったりしますので。
とはいえ、現状の表示が最善だと思っているわけではないので、今後の改善の参考にさせていただきます!