BOOK REVIEW Web担当者なら読んでおきたいこの1冊

『ウェブ仮想社会「セカンドライフ」ネットビジネスの新大陸』

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『ウェブ仮想社会「セカンドライフ」ネットビジネスの新大陸』

山川 健(ジャーナリスト)

ネット上に出現した未知の可能性を秘めた新しい経済圏
日本の伝道師が語る新大陸のビジネスチャンスとは何か

  • 浅枝 大志 著
  • ISBN:978-4-7561-4916-9
  • 定価:本体720円+税
  • アスキー新書

セカンドライフと聞いて、もはや定年後の第2の人生のことをイメージする人は少数派になった。それほどまでにここ1、2ヵ月で、その名は広く知られるようになった。テレビのワイドショーや、流行には鈍感とされている一般紙までが取り上げ始めたからだ。

インターネット上の仮想空間サービス、セカンドライフ。今さら説明は不要だろう。操作法や楽しみ方を解説する書籍も複数出版されている。本書はそうしたマニュアル本とは趣が異なり、セカンドライフをネット上に新たに現れた経済圏ととらえ、企業が参入する意義を説いたネットビジネス書の性格を持つ。

日本でブレイクするのかしないのか、IT関係者の意見は分かれている。かつてVRMLや仮想空間のモールなど酷似したサービスがあった。いずれも成功しなかったことが、懐疑的な考えの根拠だ。しかし著者は「過去の事例や経験に関係なく、私には『これだ!』と感じられる瞬間がありました」と言う。1983年生まれ。ウィンドウズ95の登場でインターネットの普及が始まった時は12歳。過去の失敗例を実体験していない新鮮な感覚で、セカンドライフの魅力と可能性を語っている。

著者はセカンドライフを知って3ヵ月で会社を立ち上げ、セカンドライフのコンテンツ制作をはじめ、セカンドライフをベースにビジネスを展開。日本でのセカンドライフ伝道師の1人でもある。それだけに本書では、セカンドライフを大航海時代の米大陸のような未知の大きなビジネスチャンスを秘めた場所、と位置付け、「チャレンジに躊躇していては、いざというとき、後手に回るしかありません」と早期の参入を企業に促している。

全世界のユーザー数は6月下旬現在、800万人前後、うち日本人は30万人程度とされる。今年中に日本語サービスが始まれば、日本人のユーザー数は一気に爆発する、と期待が持たれている。だが、ミクシィが主に日本人だけでユーザー数1,000万を超えていることを考えると、セカンドライフという新大陸の日本人市場にどれだけのポテンシャルがあるか、疑問でもある。

それでも著者は、今年9月には「セカンドライフはマスユーザーの手に渡り、ビジネスにおいては、本格的な競争が始まります」と予測し「先手を打てるのは、今参入を果てしている企業」と強調する。

参入のメリットとして著者は、セカンドライフのユーザー向けビジネスというより、参入しただけでニュースになる点を挙げている。実際6月中旬に、三越が国内の百貨店として初めて7月に出店する、という記事が経済紙に載った。先進的なイメージを広く一般にアピールすることを目的に、企業の参入は加速している。しかし、PR的効果以外は実験の域を出ず、セカンドライフ内ではまだ直接的なビジネスにならないことも事実だ。

参入の可否も含め、セカンドライフでのビジネスチャンスを考えてみるには、貴重な一冊だと言える。ただ、セカンドライフ普及がビジネスである著者によるマーケット分析で、ひいき目に予想しがち、という背景を念頭に置く必要はある。

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