企業ホームページ運営の心得

グーグルとオーバーチュアは双子? 歴史の必然の相似形

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の十壱

SEOスパムはオレオレ詐欺?

「ばあちゃん、オレだよオレオレ。忘れちゃったの?」公衆電話から電話をかける怪しい男の画像

プログラムにすべてをゆだねて「自動化」を目指すグーグルの潔さは、サイエンティストはかくあるべしという矜持すら感じさせてくれます。プログラムは「あらかじめ決められた手順」に従って動くので、その手順が解析できればたやすく勝利できることは、「ストリートファイターII」のハメ技と同じです。SEOは、検索エンジンのルール(評価アルゴリズム)を解析し、たやすく勝利=アクセス数を増やすために編みだされました。

「SEOスパム」と呼ばれる手法も、検索ルールを逆手に取って検索結果と無関係なページに誘導するものです。「検索結果の信頼性を損なう」ことから、検索エンジン各社は対策を採り続けていますが、すぐに新しい手法が編み出されるので「オレオレ詐欺」のようないたちごっこになっています。

「SEOスパム」がグーグルの評価を高めた?

大村昆のオロナミンC看板のように見かけることの少なくなった手法ですが、無関係な文字情報を「背景と同じ色の文字(=画面上で見えない)」で埋めこみます※1。人力登録では「見えない文字」は無視されますが、ロボット型検索エンジンの調査官である「ボット」はその昔、HTMLに記された文字が見えるか見えないかの区別がつきませんでした。「あらかじめ決められた手順」を逆手にとったSEOスパムの1つです。

※1:「隠しテキスト」などとも呼ばれる。たとえば、背景色と同じ文字色で人気芸能タレントの名前をずらっと書き並べると、検索エンジンのロボットには、「多くの芸能タレントについて書かれたページ」として認識される。その結果、芸能タレントの名前が検索されたときに、結果一覧の上位に表示される。しかし、実際のページにあるコンテンツは芸能タレントとは関係のない内容(=人が読める)ということになる。商品の宣伝などのために、とにかくページへのアクセス数を増やしたいといった場合に使われていた手法。検索エンジンにどう評価されているかはともかく、現在でも少なからず存在する。

この手口の普及により、無関係なアダルトサイトが表示されたりして「検索」の信頼性が揺らぎました。そこにグーグルは「リンクポピュラリティ」と「ページランク」という標準装備で登場し、高い検索精度を背景にネットを席巻したのです。

格付けしあうサイトたち。グーグルの美人投票

ザックリとした説明になりますが、「リンクポピュラリティ」は言ってみれば美人コンテストのようなものです。「リンクが貼られる」ことを「投票」とし、さらにその投票は、パンピー(一般民間人)よりも著名人や識者の票が重くなる(評価が高い)という考え方です。著名人や識者としての格付け=評価が「ページランク」です。この格付けも同様に決められるといいます。

つまり、格付け(ページランク)の高いサイトがリンクを貼ると、グーグルは「より美人」だと判断するわけです。

「外部SEO」は「格の高いサイト」からのリンクによって、「推薦」してもらうことでグーグルに美人だと認識させるテクニックです。

外部SEOで「クール」という評価を購入

グーグルに美人と認められるための近道として、「格(ページランク)の高いサイトを持っている業者」をパートナー(リンク元)に選ぶのも良いでしょう。お金はかかりますが効果的ですし、ネットで完結するビジネスなら検討に値します。グーグル利用者の多くがネットリテラシーが高く、「上位に表示されている意味」を理解しているからです。そして、ページランクをチェックしている割合も高く、格付が高い方を評価する傾向があります。

ところが、これがグーグル利用者「以外」となると事情が違ってきます。ヤフー利用者層には「検索連動型広告」による表示を、「純粋な検索結果」と思う人がいるのです。

ド素人様にピッタリの「集客ツール」

本連載の「其の九 リアルビジネスのSEOは営業戦略から考える」で紹介したように、勝ちやすい市場を探して適切なキーワードで考えるSEOという戦略を選ぶ場合、最初から激戦区を避けたキーワードを探しすため、格(ページランク)の高い有力者の投票を使って、検索結果を底上げする必然性がありません。

元々ライバルの少ない市場ですから、グーグルによる「格付け」よりも「集客」のほうが大切なのです。

その「集客」の手段として「検索連動型広告」を使います。利点は広告ですから「金」を払えば出稿できますし、また非常に安価なことも「ド素人」様にはピッタリです。

検索連動型広告をSEOとして使う

検索連動型広告はキーワードに沿った広告を表示してくれるもので、「興味のある人向け」に出稿できることから高い広告効果が期待できます。「仕掛けることのできるSEO(超訳)」とイメージしても良いでしょう。

SEOが検索エンジンの解釈と競合とのバランスで表示される順番が決まる不確定要素を多く含む「受け身」の手法に対して、「こんなキーワードで探している人に出稿する」と仕掛けて広告が出せるのです(広告サービス提供会社の審査基準によっては不受理となる場合もあります)。

検索連動型広告は「入札制」のため、入札した広告費により表示順位は変動しますが、経費を数字で確認できることは「商売」として重要です。広告費として予算組みができるからです。

「商売用」において「仕掛ける手段」を持っていることは売り上げを安定させる大きな要素となります。

攻めることにより売り上げは100%伸びる

検索連動型広告は仕掛ける=攻める営業です。攻撃は最大の防御で、攻めれば売り上げは必ず伸びます。迷惑な話ですが「ホームページ業者」によるスパムメールが無くならないのも、待っているだけよりは儲かるからです。

バナー、メルマガ、ブログ、そしてRSSも攻撃ですし、ネットの外に飛び出してチラシやDM、雑誌、ラジオ、テレビCMという方法もあります。しかし、1クリック1円からという安価で手軽に取り組めるのは「検索連動型広告」だけです。

メルマガやブログは無料でできますが、いかんせん「文章力」が求められます。しかし、検索連動型広告に出稿するならさしたる手間はかかりません。ましてSEOを施すなら同じアプローチでできる、「仕掛けられる手段」を放っておく手はないのです。SEOで十分な集客が見込めるようになればいつでも広告は止めることができるのだから。

SEOの代名詞とまで言われたグーグルと、検索連動型広告がほぼ同い年だというのは歴史の必然ではないかと考えるときがあります。グーグルの創業と、ゴートゥードットコム(後の米オーバーチュアであり、現在の米ヤフーサーチマーケティング。ただし、日本においてはオーバーチュア株式会社)が検索連動型広告を発表したのは、ともに1998年です。

インターネットが拡大して「検索」の重要性が高まったことにより、求められて誕生した双子のように見えるのです。

♪今回のポイント

検索連動型広告とSEOは合わせ鏡の裏表

費用対効果を計算して一石二鳥を狙え!

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