Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の十

ブログ殺人事件なんて起こらないことを

タレントの眞鍋かをりさんは、昔の恋人のことを「検索する」と、テレビ番組「踊る! さんま御殿」で言っていました。

検索エンジンで昔の恋人を検索している画像イメージ
一度くらいは、自分や家族、知人の名前を検索してみた経験があるのではないだろうか?

最近は一般の人であっても、検索するとブログや会社のホームページなどに本人の情報が見つかることがあります。以前のインターネットは「便所の落書き」と揶揄され、検索という作業も「あるかな?」という、不確実なものを「探す」行為でした。それが今では、ネットに情報が必ず「あるはずだ」という確信に近いものになりつつあります。さらに言えば「検索できない」ことは存在していないということです。

「恋愛検索」について拙著『Web2.0が殺すもの』のPDF特典に記したのですが、秘め事をしたためたブログは、次の恋では不発弾的な存在となります。だから恋愛が終わるたびに「抹殺」しておかないと、自らが「抹殺」されるという悲劇が起こらないとも限りません。その時ワイドショーはセンセーショナルに「ブログ殺人事件」と、ネットの負の側面を喧伝することでしょう。

SEOは技術の品評会か? 置いてけぼりの素人たち

「検索」がライフスタイルとして定着したことは、SEOが必要不可欠となったことを意味します。SEOの笑い話としてある「社名検索」も、「できていない」ところは存在していないに等しいということです。

しかし、書店にあふれるSEO関連本、「SEO屋さん」のホームページ、週に何通も届く「FAXDM」で謳われているSEOは、「技術論」が重視されノウハウとハウツーの品評会のようです。一定水準の技術を理解できるWeb担当者でないと理解できないSEO論や、最新SEOのトレンドに重きが置かれているため、「ネットで完結しない商売」に従事している担当者では役立てるのが難しいのです。

少しの予算で探されやすくする方法

「どうすれば客が集まるかを教えてくれない」と不満を口にするある競売業者は、ビジネスセミナーに参加しなくなったと言います。商売の神髄は「人を集めること」ですが、一般的なビジネスセミナーでその欲求を満たしてはくれるものは多くありません。

「集客」からアプローチしているSEO論も同様です。

私はSEOを「少ない予算で探されやすくする方法」と超訳しています。残酷な話ですが、「金があれば何でもできる」という言葉は真実の一面を的確に表しており、これは商売用ホームページにも当てはまります。しかし、頭を使い少しの工夫と努力で勝ち抜けるのが、ネット社会の大きな魅力でありSEOの旨味だと考えるからです。

客の関心空間から考えるSEO

眞鍋かをりさんの「検索話」はもう1つ重要なことがあります。人は「(昔の恋人という)自分の知っている情報からしか探せない」ことを示しており、これを「関心空間」と呼びます。

目的と意識によって関心空間の外に飛び出すこともできますが、多くの人にとっての検索で知りたい情報とは、知っている情報の補足や補完だということです。

「商売用」はここに着目します。知っている情報を補足、補完して欲しいと願っているのですから、「知りたい情報」を軸にしたコンテンツを「SEO様式」に則って作れば、客の関心空間へ看板を出す=SEOを施すことができるようになるのです。もちろん「勝ちやすい市場」を狙ってです。

今や情報だけの市場は中小企業に不利な戦場

ホームページの必勝法として、レシピ集や家庭の医学的な「情報コンテンツ(捨て/遊びページ)」を作って顧客ロイヤリティを高めるという方法があります。この方法は確かに効果はありますが、「集客」としては微妙です。大資本を投下できる大企業の参入が相次いだことにより、生半可な情報では相手にされなくなったからです。また、「コピペの氾濫」から、心血注いで作ったコンテンツもあっという間に広まってしまいます。もはや「情報だけ」の市場は大企業による寡占化と、コピペによる陳腐化が起こる「激戦区」となっているのです。

しかし、ネットの中で完結しない「店舗」を持っている商売になら勝ちやすい市場が残されており、そのままSEOとして使えます。

それが「地域情報」です。

近所の公園で地元客をゲット

日比谷公園や代々木公園ほど有名でない「近所の公園」が検索されるということをご存じでしょうか。

弊社で運営している足立区だけの情報サイト「足立生活どっとこむ」は、連休前になると公園名での検索が増え、ザリガニ釣りの季節になると「見沼代親水公園 ザリガニ」でヒットされます。有名でない公園でも探す人は確実にいるのです。

「足立生活どっとこむ」の画面イメージ
足立区限定の情報サイト「足立生活どっとこむ」
http://www.adachiseikatsu.com/

東京都練馬区のトモエハウジングが「練馬大鳥神社」というコンテンツを追加したところ、11月のお酉様の日にアクセス数が急増しました。

もちろん、すぐに顧客になるわけではありませんが、ホームページは「見られてナンボ」で、検索されなければ存在していないことと同義です。「練馬大鳥神社」という地元の情報を探していた人が、地元不動産屋さんの客となる確率は高いでしょう。

地域情報で取り組むSEOは商売に直結します。それは、地元情報を探している訪問者は高い確率で「地元客」と見込めるからです。

地元客の関心空間に看板を出すメリット

「地域情報」の旨味に気がついたのは「桜」でした。地元足立区の区花は「桜」で沢山の桜の名所があります。しかし、数年前までネットで見つかるのは上野公園などの有名どころばかり。そこで区内の名所を公開したところ、春ごとに爆発的にアクセスが増えたのです。

すぐに散ってしまい、わずかな時期しか集客できないことからか、大手の「地域サイト」でも手抜きしているコンテンツが多いことも勝ちやすい理由かも知れません。

地域情報は地域の宝です。店舗を持っている商売用ホームページだからこそ、地元の花見や祭りの情報でSEOを施し、地元客の関心空間に看板を出し商売に結びつけることができるのです。

ただし「ザリガニ」で弊社に仕事の依頼は来ません。あまりにも本業と「ミスマッチ」な地域情報でSEOしても徒労となるだけです。私の「ザリガニ」は趣味ですが。

♪今回のポイント

地域情報は地域の宝!

本業と絡めた地域情報で地元客をゲット。

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