Q.『ウェブ進化論』を読んで得たものは?
回答の多くは、「ウェブの全体像が把握できた」「Web 2.0的世界が理解できた」「グーグルのすごさ、やろうとしていることがわかった」といったもの。ユニークな回答としては、以下のようなものがあった。
- ウェブの未来についてポジティブになれた
- エスタブリッシュ層の出し抜き方が参考になった。そして、自分がエスタブリッシュ層になったときに、出し抜かれない方法を考えるようになった
- ポジティブ過ぎて、かつての「未来はバラ色」的発想に感じた。非常に平易に理解しやすく書かれているので好感は持っているが……
- 今まで上手くいえなかったことが、言葉になっていた。誰かに伝えられる言葉で
- 得るもの、というのとはちょっと違いますが、なにしろ著者のポジティブ・シンキングにいたくアテられた記憶が鮮明に残っています
- インターネット利用方法の新しい考え方に挑戦している人々をうまく現している
- すでに当たり前と自分が思っていることも、こうした本で説明されないとわからない人たちがたくさんいることを納得した
- これからの社会やビジネスの動向に自分がただ踊らされるのではなく、冷静に見る視点ができた
- 今まで考えていたビジネスモデルが通用しない世界があることを感じた
- 今後の仕事の進め方を考えるうえでの参考と刺激になった
- 自分のやっていることを人に説明するときに、「『ウェブ進化論』を読め」で済むようになった
- 自分の現状把握の妥当性をわかりやすく裏付けてもらえた感じはあるかな
- みながWeb 2.0で騒ぎ始めて話が通じやすくなった
- シリコンバレーが仮想の世界政府としてネットを中心に世界の中心を担っている。それに比べるとまだまだ保守的でネット世界に対してネガティブなイメージしか持っていない本国は取り残されている状態にある。世界一元化を進めるためには成熟した思想を持って本国も積極的に推し進めるべきである
- このアンケートから判断して、この本に興味を持ちました。是非読んでみたい
Q.『ウェブ進化論』のなかで仕事に具体的に活かせる要素は?
回答の多くは、「Web 2.0的な取り組みのヒントになった」「人に説明するときに役立った」「ロングテールの考え方がいろいろ応用できる」といったもの。ユニークな回答としては、以下のようなものがあった。
- Web 2.0的な発想の心構え。性善説。二次利用できるコンテンツをオープンにする
- 「こういう言葉を使うと受けるんだ」とわかった。また、そういう言葉を使っている人は「なんか怪しいかも」と思うことができるようになった
- あちら側に行こうと思ったことだと思います
- 何もない! すでに何年も前から他社に先んじて実行していることばかりで、「何をいまさら……」という思いが強い
- そのまますぐに現在の仕事には活用できない。「こちら側」の企業論理にまだ強く縛られているため
- アマゾンやグーグルなどの事例を並べるだけで特にない
- アマゾンのビジネスモデル。データベースの無料開放は日本の風土からすれば問題外とは思いますが、多種多様な業界から無数の有益なデータベースがある程度でも開放され、これまで接点のなかった業界同士が柔軟につながるような社会を想像するだけでもワクワクします
- 『ウェブ進化論』がとても売れていて、一般の人の目に触れるようになったことが大きいと思う。上司も読んでいた
- アマゾンをよく利用するようになった。マイナーな(テールの部分にあるような)書籍を簡単に探せるようになりました。また、そのようなマイナーな書籍も、アマゾンを利用して手ごろな値段で売れるようになりました
- 「次代の担い手」という一節。なるほどさもありなんと思い、ちょっとでもそういう空気に近いものを自分も身につけておかなければ変革が訪れたときに慌てることになるんだろうなあと
- 私自身は、何となくわかっていたことを再確認できた、というレベルだったが、職場のメンバーにはかなり勉強になったようだ。ネットに直接携わっているメンバー(あちら側)と、そうでない部署のメンバー(こちら側)との乖離を招いたかもしれない。
Q.『ウェブ進化論』を読んで疑問に思った部分は?
多岐に渡った内容で特に傾向というものは見受けられなかったが、「グーグルを手放しで評価し過ぎているのではないか」という回答が目に付いた。ユニークな回答としては、以下のようなものがあった。
- 「あちら側」のサーバーに蓄えられた個人データが悪用されないという保証はない。暗黒面(笑)についても詳しく解説されたらもっといいと思った
- グーグルの中国展開がすでにネガティブに言われ始めていた時期にもかかわらずその言及が無かった部分
- IBMがPC事業をレノボへ売却した本質をきちんと見るべきでは?
- YouTubeのこと書いてない。おかしい!
- グーグルを持ち上げ過ぎ
- グーグルへの過信とも思える褒めちぎり。ここだけは正直、引きました。超エリート主義の、グーグルの企業体質が受け付けられないだけかもしれませんが
- SNSに関しては弱いのでは。あと、ロングテールというのは、昔から「ネットでは少数派もある程度のマスを形成できるよね〜」と言っていたのを単にうまく言い換えただけだと思う
- 夫婦共稼ぎ(ダブルインカム)→夫婦アバター共稼ぎ(4倍インカム)は大風呂敷だと思います。日本の知的階級(発想・思考がエスタブリッシュ寄り)は、ネット世界という海千山千に自分の知的資源を投入しないと思います
- 日本でベストセラーばっかりに群がる人たちもウェブをいっぱい使っているはずなのに、なぜ「あちら側」への動きが生じないのか
疑問というより、日−欧米−アジア諸国のIT格差をもっと明確にしてほしかった - 老人対応がない
- 言い切っていいのだろうか?ということは多々ありました
- 衆愚についての観点が少し甘い気がします
- 集団知はどこまで信用できるかということが気になります。ネットを見ていると、一部の悪意ある意見の排除がうまく行われているように思います。しかし、一部のカリスマ的な人間の発言がその集団知を左右しているようにも見え、結局一部のマスメディアの与える情報が人々の考えを左右する従来の構造と変わらないように思います
Q.著者の梅田望夫さんに聞いてみたいこと、言いたいことは?
回答の多くは、「○○年後のウェブの世界はどうなっているか」「異なるテーマの“進化論”を読んでみたい」といったもの。ユニークな回答としては、以下のようなものがあった。
- 「ゼロ」から「1.0」の変化は世界が変わるほどのものでしたが、「1.0」から「2.0」への変化もそのくらいの規模になると思いますか?
- mixiは実はダメなんじゃないかと思いませんか?
- この視点で、バージョンアップして出版してほしい。おそらく5年タームぐらいでしょうか?
- 「はてな」は最近停滞気味に思えます。日本からもっと新しいものがどんどん出てくることを期待してます。グーグル並みに世界に影響を与えるサービスは生まれるでしょうか
- もっとNGNを含めたネットワークコンピューティングの将来イメージを固めたほうがよいと思うが、いかがでしょうか
- コンピューター関連以外の企業、特に中小企業が活用するための利用法など
- 日本の煽動装置でしかなくなったマスコミの存在感をなるべく早く薄めてしまう方法
- 日本では「群衆の英知」は有効に働かないと思う。少なくても10年単位の未来では。群集を引っ張るマスコミが“愚”で、群集も“愚”であるマスコミに依存する構図ができあがっているから。団塊Jrまでの世代の大半はそうではないでしょうか。その辺り、どうお考えでしょうか?
- もともときくべき内容を持っていないのが「Web 2.0」だと考えている。それを解説した梅田氏に、いったい何をきけと?
- 社会経験のない子供がバーチャル上で経験もしくは疑似体験、知識をオトナよりも先に積んでしまっている状態での子供と大人の立場はどのようになるのが望ましいと思われるか?
- 私も「はてな」は評価するが、グーグルを持ち上げて、少し落として、最後を「はてな」で締めるという構成は、ちょっと出来過ぎでは?
- グーグルやYouTubeの賞賛ばかりしているが、著作権やプライバシーを侵している可能性が高いサービスが多い。あちら側が儲かってこちら側が儲からなくなる。この闇の部分はどう考えているのか?
※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウVol.3』 掲載の記事です。
コメント
このアンケート意味なし
「読んでいる/いないにかかわらず全員による回答のため「『大変化』とか言われても何のことだかわからない」が多くなってしまったようだが」
言葉の定義を確認することなくアンケート自体をすることは無意味。こういうアンケートは載せないほうがまだまし。
しっかり日本語の勉強をしてください。担当者は、少なくともマーケティングをやる以上仮説思考であってほしい。まあ新人が請け負っている感が否めない。労力がかかったものはとりあえず載せるという方向性かあ。
アンケートに関わった人がかわいそう。
ちなみに本書ではこういうコメントは消されてしまうようなチェックが入るサイトのことを、はやらないサイトというらしいけれど、さてこのサイトはどうなんだろう。
辛口コメントありがとうございます
編集部の安田です。
編集部としては、この記事は厳密な調査統計の資料としてではなく、以下の点で読者にとって有益なコンテンツたり得ると思って掲出していますので、そういう視点で読んでいただけると助かります。
(1)ウェブ関係では当然のように語られている「大変化」や「ロングテール」や、それこそ「Web 2.0」に関して、世間一般はほとんど気にしていないということを改めて提示できたこと
(2)「『ウェブ進化論』のなかで仕事に具体的に活かせる要素は?」や「『ウェブ進化論』を読んで疑問に思った部分は?」の自由回答の文章によって、各個人が感じたもの以外の『ウェブ進化論』のとらえかたを提示できたこと
とはいえ、母数のとりかたや処理などは、しっかりとした統計的な処理がされていない情報なのはおっしゃるとおりです。
編集部の記事としては、今後、現在よりもさらに内容に関して質(コンテンツという意味でも統計調査という意味でも)を高める方向で内部でも精進いたします。
> ちなみに本書ではこういうコメントは消されてしまうような
> チェックが入るサイトのことを、はやらないサイトというらしい
> けれど、さてこのサイトはどうなんだろう。
とんでもない。こういった辛口のコメントは、「いいサイトですね」といった手放しのほめ言葉よりも編集部をより育てていただけますので、このうえなくありがたいです。
これに懲りず、今後ともWeb担当者Forumを応援いただければと存じます。