セカンドライフの知らなきゃ恥ずかしい常識

セカンドライフの“知らなきゃ恥ずかしい”常識3 2008年夏、日本でも大ブレーク?

PCの前に座っている「セカンドライフ」のユーザーは、オンラインゲームにログインしているのと同じような状態に置かれる。ただし、ゲームのようにストーリーやクリアすべきミッションがあるわけではない。ユーザーが好きな格好をして好きなときに好きなところへ行って好きなことをすればいいという点が、ゲームとは大きく異なる。

ゲームではないにしろ、3D画像の世界を歩き回るというバーチャル世界が、なぜビジネスで利用できるかもしれないという期待を持たれているのか。当初はITリテラシーの高い個人の趣味人のものだったブログやSNSが、今ではさまざまな手法でのマーケティングに利用されているのと同様のことが起こると考えられているからだ。

セカンドライフで第二の人生を送る団塊の世代が?

感覚的に理解できるテレビと連動した紹介が始まる

現在、日本人の登録数は約5万人だが、実際に中で活発に活動している人は1万人弱程度と見られている。だがそのユーザー像は、いわゆるアーリーアダプターでブログなどによる情報発信を活発に行っている場合が多い。つまり、セカンドライフ内で話題になると、それをウェブでさらに多くの人に伝えてくれるというクチコミ効果も期待できるのである。ただし、広告媒体として期待するのであれば、やはりユーザーの絶対数が増えることは必須だ。

話題になっているわりにまだユーザー数が少ない原因の1つは、オンラインゲームをやったことのない人にはなかなかイメージが掴みにくいということだろう。これについては、今年の夏以降にテレビとの連携で感覚的にセカンドライフを理解できるようなプロモーションが準備されている。

1〜2年のうちにはメディアとしての価値が高まる

デジタルハリウッド大学院 教授 三淵 啓自氏

セカンドライフが世間一般にブレークする時期について、デジタルコンテンツ関連の教育機関でありセカンドライフでのプロジェクトを推進しているデジタルハリウッド大学院の三淵 啓自教授は、あくまでも楽観的な予想としながらも「2008年の夏頃」だと言う。その理由として挙げたのは、コンシューマのアクセス環境、特にユーザーインターフェイスの変化である。まず、今後主流になっていくウィンドウズビスタは3D対応であり、これによりモニタ上で3D映像を見ることに違和感のない人が増えるだろう。さらに、文字中心のときにはキーボードだったPCのインターフェイスが、GUIになってマウスが追加されたのと同様に、3D操作用の新しいインターフェイス用デバイスが出てくると考えられている。実際、ゲーム機Wiiのインターフェイスをセカンドライフで使うというアイデアがすでにある。

メルティングドッツ クリエイター兼CEO 浅枝 大志氏

また、セカンドライフでのコンテンツ制作などを手がけるメルティングドッツの代表取締役 浅枝 大志氏も、2007年末頃までには「セカンドライフをやりたいためにPCを買い換える人が増える」と見ている。そして、企業による利用という面では「ユーザー主導のコミュニティに企業スポンサーがつく」だろうとも考えている。

3Dを楽しむことが一般的になる日は遠くない

マーケティング効果として考えると、さまざまな分野と同様に「団塊の世代」というのがキーワードになりそうだ。

現在、家電業界の業績を引っ張っている液晶テレビやDVDといった製品は、そろそろ頭打ちになり、各メーカーとも次の戦略製品を考えている。それが、バーチャルリアリティになる可能性はかなり高い。リビングルームをミニシアターにするようなAV好きの心をくすぐると期待できるからだ。それが広がれば、セカンドライフのような3D空間で遊ぶことに違和感を覚えない大人たちが増えてくるに違いない。

時間やお金に余裕のある人たちならば、たとえば「プラモデルを作るように船を造って、それに乗ることができる」といったことに夢中になることも考えられる。そういった人たちが増えれば、セカンドライフ内でのプロモーションの効果はかなり期待できそうだ。

※この記事は、『Web担当者 現場のノウハウ Vol.6』 掲載の記事です。

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