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幸せの新しいものさし
週末に読んだもう一冊の本。
● 『幸せの新しいものさし』(博報堂大学幸せのものさし編集部著・PHP)
この本は、昨今の「必ずしもお金が多ければ多いほど幸せとは限らない」という先進国・日本の新しい価値観について考察しているものです。
このブログでも繰り返し書いてきていますが、世界はいま、経済的豊かさと精神的な幸福が反比例する、人類初の出来事に直面しています。
これまでにも、かつてのIT長者のライフスタイルやリーマンショックなど、様々な社会的事象と共に語られてきたこのテーマについて、それぞれの世界で断片的に出てきている新たなライフスタイルの「芽」をマーケティングの観点からまとめた良著だと思います。
本は、新たな幸福のものさしの「芽」を予感させるそれぞれの世界で活躍する方々へのインタビューをまとめる形で進行していきます。
1.競争のものさし
アパレルショップにおいて「個人別の売上目標を定めない」ことを実行して驚異的なセールス記録をたたき出した北山さんの事例
2.会社のものさし
『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者である法政大学大学院 坂本教授によるビジョナリーカンパニーのススメと、社員の働き方について
3.消費のものさし
「食べる人を、つくる人のパートナー」にした大地を守る会 会長 藤田さんのチャレンジについて
4.住まいのものさし
二拠点生活というライフスタイルを提案する東京R不動産 馬場さんによる房総R不動産のチャレンジについて
5.読書のものさし
人と本が新しく出会う場所を柔軟な発想で実現するブックディレクター幅さんの取り組みについて
6.寄付のものさし
「自分のための一食が、誰かのための一食になる」TALBLE FOR TWO International代表 小暮さんによる社会起業について
7.学校のものさし
渋谷の街全体がキャンパス、誰もが先生になるシブヤ大学 学長 左京さんによる予約が取れない授業ができるまでのお話
8.感覚のものさし
「暗闇のあたたかさは、人のあたたかさ」 感覚のものさしを変えたDialog in the Dark Japan代表 金井さんの取り組みについて
9.子育てのものさし
「パパ力で連帯する男たち」を支援するファザーリング・ジャパン代表 安藤さんの奮闘について
10.時間のものさし
仕事をしながら2児の子育てをする祐子さんによる「失われた自然の時間を取り戻す方法:コズミック・ダイアリー」について
11.大人のものさし
「こどもごころが日本を変える」を旗印に日々奮闘する博報堂 こどもごころ製作所 所長 軽部さんのチャレンジについて
高度成熟社会を迎えた現代社会において、今までの既成概念にとらわれず、新しい幸せのものさしや価値観を考察するのに最適な一冊です。自らの人生を考えるにも、最適な一冊かもしれませんよ。
夏休みのお供にぜひ。
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うらおもて人生録:9勝6敗を狙え
先日、人生の先輩であり、10年来の友人でもあるグロービス経営大学院生から課外勉強会に誘われ、僭越ながら講師めいたことをしてきました。
みなさんとっても勉強家で、どなたも、専門外のことを学んで、広い視野を持ったビジネスマンに成長したい!という強いモチベーションの方ばかり。
で、当日は僕だけじゃなく、同じく人生の先輩であり、10年来の友人である手島大輔( @
teshimadaisuke )さんも講師に呼ばれていました。この手島大輔さんについてはまた別途詳細を書く予定です(壮絶な人生、というか、熱い情熱の持ち主なので)。
今日、紹介したいのは、手島さんが当日の講演の中で紹介していた、この本。
● 『うらおもて人生録』(色川武大著・新潮文庫)
※壮絶な人生を歩んだ、色川武大氏の解説はこちら(Wikipedia)
色川氏は、22歳で「ばくち」の世界から足を洗ったそうですが、その後の人生においても「ばくち」の世界で学んだ社会・人間・人生の本質が活きていたそうです。
その中でも大きな考え方が、「9勝6敗を狙え」というもの。一場所ごとに区切られる相撲の世界であれば、15勝0敗もあり得る。でも、人生は長い。いまは15勝0敗でも、明日から負け続けて最後は15勝30敗になっちゃうかもしれない。
長い人生の中で、15勝全勝で上がれる奴なんていない。「ばくちの世界」でも、どんなに強い奴だって全勝なんてあり得ない。勝てば負けるし、負ければ勝つ。その繰り返しだ。強い奴はずっと勝ち続ける奴ではなく、「平均的」に勝ち「続ける」奴。それが9勝6敗という塩梅なんだな、と著者の色川氏は言う。
なるほど、確かに毎日を普通に生きていると、いつのまにか「できる限りエラー(失敗)しないように」 「負けずに勝ち続ける」ように生きている。それは当然でしょうが、当然ながら勝ち続けることは難しい。
だからいい加減に生きればいいじゃん、ってことじゃない。一生懸命生きる。でも、人生勝つときもあれば負けるときもある。だから、負けるときはちゃんと負けようよ。そして何よりも15勝0敗の人生を心のどこかで志向することを、一度やめてみようよ(だってそんなのそもそも始めっから無理なんだから)。というメッセージを強く感じたのです。
自己啓発意欲が強いと、とかく勝ち続けて成り上がる人生を志向してしまいがち。一生懸命生きるけど、社会や他者との関係や、人生の真理も考える。そして、9勝6敗の人生が「ちょうどいい塩梅」と捉えてみる。
色川氏の教えには、妥協とか負け組とか、そんな尺度じゃない、古くて新しい本質が語られている気がしました。
言うまでもなく良著です。みなさんに読んでもらいたい本ですが、人よりも「一生懸命生きている」自己啓発好きの方に、特にオススメです(少し考え方が変わるかも)
ぜひ。



