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Amazonで3年連続カテゴリー1位の「タオル研究所」が圧倒的なブランド力を築いたワケ。成功のカギは“伊澤プラットフォーム”の構築とAmazonとの“密な協業”

1ヶ月 ago
Amazonで3年連続カテゴリー1位の「タオル研究所」が圧倒的なブランド力を築いたワケ。成功のカギは“伊澤プラットフォーム”の構築とAmazonとの“密な協業”fujita-h2026年7月13日単発記事

1970年創業、50年以上にわたって「タオル製品」などの企画・製造を手がけている伊澤タオル(東京都渋谷区)。コスパの良さを追求したタオルが人気を集め、自社ブランド「タオル研究所」のタオルは、Amazonのホーム&キッチンカテゴリーにおいて3年連続で売上1位を獲得した。成功の裏にはAmazonとの密な協業関係もあるようで、累計販売数は2026年2月に4000万枚を突破。2025年8月には米国の「Amazon.com」でも販売を開始した。その成長の源泉は、企画から販売までを一気通貫で管理する「伊澤プラットフォーム」。業界の“革命児”として研究開発にも熱心に取り組み、圧倒的なブランド力を築いた数々の施策と成果を聞いた。

業界の常識を打破し、「伊澤プラットフォーム」を確立

大阪市で、伊澤正美氏によって創業された伊澤タオル(当時は伊沢タオル)。ODM(Original Design Manufacturing、委託者のブランドで製品を設計・製造)が主力事業で、自社ブランド「タオル研究所」の展開、「キャラクターIP製品」の製造も手がける。「タオルのグローバル・スタンダードを創出し、世界市場で存在感を示す」をビジョンに掲げ、米国向けにも製品を販売する。

販売チャネルは「ODM生産」「キャラクターIP製品」「EC販売」の3つ(画像は伊澤タオルの2026年2月期 決算説明資料より)
販売チャネルは「ODM生産」「キャラクターIP製品」「EC販売」の3つ(画像は伊澤タオルの2026年2月期 決算説明資料より)

伊澤タオルは、“革命児”として、これまでの常識を打ち破ってきた。広報の島村悠理氏は、最大の強みとして、企画・開発・製造委託・販売までを一気通貫で管理する「伊澤プラットフォーム」をあげた。

従来、タオルを含むテキスタイル業界では、製造・流通・販売が分断された「縦割り構造」が常識とされていました。製造を担う「工場」、世界中で製造されたタオルを届けるための情報を持っている「卸売業者」、タオルを消費者に届ける「小売業者」が、それぞれ縦割りの役割を担っていました。この場合、製造ノウハウの蓄積がされにくく、消費者ニーズが反映されにくい。つまり進化を妨げてしまう問題がありました。

そこで、伊澤タオルは流通全体を管理できるプラットフォームを構築し、自社ノウハウを活用して製造業者に技術を提供したり、消費者ニーズを踏まえた新製品の開発を手がけたりしています。(島村氏)

企画・開発・製造委託・販売までを一気通貫で管理する「伊澤プラットフォーム」を構築(画像は伊澤タオルの2026年2月期 決算説明資料より)
企画・開発・製造委託・販売までを一気通貫で管理する「伊澤プラットフォーム」を構築(画像は伊澤タオルの2026年2月期 決算説明資料より)

もう1つの戦略として、自社工場を持たない「ファブレス経営」を選択。その理由は、「設備投資コストを抑制し、イノベーションに注力できる環境を維持するため」だという。

私たちは、遠い先の未来まで見越して経営判断を下しています。特定の設備を持った場合、それらを最大限活用することを念頭に置いた戦略を優先せざるを得なくなりますが、それではイノベーションが起こりにくくなってしまいます。そこで、紡績(動植物などの繊維を処理・加工して糸にすること)から加工まで1つの工場で一気通貫できるフローを持った工場と協業することで、高品質・適正価格を維持しながらイノベーションを加速させています。(島村氏)

将来的には、タオルは現状の四角い形ではなくなるかもしれない。そういった可能性も念頭に置き、特定の設備に縛られない柔軟なアプローチを取っているそうだ。

研究開発と豊富な実績により「高品質」と「適正価格」を両立

この「伊澤プラットフォーム」を原点として、伊澤タオルでは「研究開発」に投資して武器に育ててきた。2005年には、社内に技術開発部を設置。2016年には、信州大学の大学構内に共同研究ラボを開設し、同大学との共同研究を進めてきた。さらに、京都工芸繊維大学や福井大学とも共同研究を続けている。社員の多くがタオルの専門アドバイザーである「タオルソムリエ」資格も取得しているという。

創業当初から「研究開発」に熱心に取り組んでいるという(画像提供:伊澤タオル)
創業当初から「研究開発」に熱心に取り組んでいるという(画像提供:伊澤タオル)

たとえば、信州大学との共同研究では柔らかさの客観評価、福井大学とはサステナブルな製造技術の専門的な研究を行うなど、研究開発に注力しています。さらに、大手繊維メーカーなどとも連携を深めて、品質を高めています。現在、糸の製法やタオルの製造工程に関する21件の特許を保有しています。(島村氏)

また、年間数千件を請け負うODMを通じて、日々ノウハウを蓄積している。協業先は、コンビニ、ホームセンター、総合スーパー、ドラッグストアなど多岐にわたる。代表的な事例には、「セブン-イレブン」で販売しているヒット製品「極ふわタオル」シリーズや、デイリー使いしやすいコストコの「タオル」、2026年2月にビックカメラが発表した新オリジナルブランド「ビックアイデア」で利用シーン別に開発した「ためのタオル」などがある。

ビックカメラのPB製品として共同開発した「ためのタオル」シリーズ(画像提供:伊澤タオル)
ビックカメラのPB製品として共同開発した「ためのタオル」シリーズ(画像提供:伊澤タオル)

各小売店によって、耐久性、吸水性、デザイン性など重要視する点が大きく異なります。それを数十年にわたって積み重ねているため、各社のレシピを厳密に把握しており、正確かつ迅速なスケジュールやコスト管理が可能です。海外工場との交渉力も高く、市場における高品質と適正価格の両立を実現できます。これは、経験値が浅い企業には非常に難易度が高いのです。(島村氏)

Amazonに一極集中、どのようにファンを拡大したのか

ODMで実績を上げてきた伊澤タオルは、2019年から自社ブランド「タオル研究所」の販売をAmazonで開始した。速乾性、やわらかさ、軽さ、手触り、耐久性など、機能性やニーズに合わせて選べる10カテゴリーに加え、ウォルト・ディズニー・ジャパン、およびサンリオとのコラボ製品も展開する。

最も売れ行きが良いのは、贅沢なボリュームと優れた吸水性がウリの「ボリュームリッチ」だ。たとえば、バスタオルの1枚あたりの価格は945円~で、まとめ買いやセールを利用すると、より低価格となる。累計販売数は4000万枚を越え、ホーム&キッチンカテゴリーでは2022年から3年以上も1位を獲得している。

「タオル研究所」では10カテゴリーの多様なタオルを販売(画像は伊澤タオルの公式ホームページからキャプチャ)
「タオル研究所」では10カテゴリーの多様なタオルを販売
(画像は伊澤タオルの公式ホームページからキャプチャ)
一番人気は、吸水性とボリュームを兼ね備えた「ボリュームリッチ」(画像提供:伊澤タオル)
一番人気は、吸水性とボリュームを兼ね備えた「ボリュームリッチ」(画像提供:伊澤タオル)

自社ECサイトを立ち上げるのではなくAmazonを選んだのは、今まで黒子に徹してきたため、ECに関するノウハウやリソースが不足していたためです。Amazonが持つチャネル力や物流網、データ管理システム、顧客対応力などを活用することで、当社が強みとする「研究開発やものづくり」にリソースを集中させながら、老若男女問わず広くリーチできる点をメリットだと感じました。他にも大手ECモールはありますが、まずはAmazonに一極集中してECの基盤を作ろうと考えました。(島村氏)

Amazonで製品を販売する場合、Amazonと直接取引を行う「ベンダー」とAmazon上に出品者として登録し、自ら出品や販売を行う「セラー」の2モデルが存在する。豊富な実績を持つ伊澤タオルは、「ベンダー」でECに参入。この場合、発送業務や在庫管理、決済や返品対応などの手間が最小限に抑えられる。また、Amazonの顧客基盤を活用できる利点もある。

Amazonでは、セラーより利益率が高いベンダーに注力しており、伊澤タオルの参入当時、タオルブランドでベンダーを採用している企業はいなかった。Amazonから「タッグを組んで取り組みたい」との依頼があり、Amazonの専属スペシャリストによる伴走支援を受けたという。

成果につながったのは、「商品力」の基盤があってこそだと思います。それに加えて、専属スペシャリストの方のアドバイスをもとに「広告運用(スポンサープロダクト広告やDSP広告)」を行い、初期段階で「ベストセラーバッチ」を獲得したことでアクセス数が倍増しました。Amazonはとにかく品数が豊富なので、検索時にまず上位に表示させることが欠かせません。(島村氏)

Amazonの「タオル研究所」には、多くの製品に「ベストセラー」のバッチが付いている(画像はAmazonの「タオル研究所」ページからキャプチャ)
Amazonの「タオル研究所」には、多くの製品に「ベストセラー」のバッチが付いている(画像はAmazonの「タオル研究所」ページからキャプチャ)

広告では、「タオル研究所」という名前と各シリーズの特長を押し出したキャッチコピー、価格を全面に出し、「ブランド名」と「タオルの多様な種類」の認知向上に注力。反応を見ながら即座にワードを調整したことも功を奏したそうだ。

さらに、「適正価格の維持」も売り上げに直結する要素となっている。「タオル研究所」はコスパの良さを強みとしているが、単純に安売りをしているわけではない。常に市場調査を行い、あらゆる製品を分析し、重量や機能性に対しての平均値を割り出したうえで、適正コストを見極めているという。

このような施策により、Amazonでの総レビュー数は15万件を超えました。当社の売上高は過去15年で約12倍に増えており、Amazonでの「タオル研究所」の販売が成長を牽引しました。(島村氏)

膨大なデータを管理する独自システム「IOPMS」

さらに、ODMの実績とAmazonで得た膨大なノウハウやカスタマーレビューのデータ活用も、伊澤タオルの成長を支える重要な施策だ。

当社では、「Izawa Original Production Management System」、通称「IOPMS」というデータ分析システムを独自で構築しています。膨大な開発レシピを取り込んでいて、糸の素材や工程などの諸条件を入力すると見積もりが表示されます。これまでは、代表伊澤の頭の中にしかなかった知識をシステムに落とし込むことで、担当者レベルでも同等のアウトプットができるようになりました。データ自体は創業時から溜めていたのですが、約5年前から組織での本格活用がスタートしました。(島村氏)

ノウハウを蓄積した独自システムやカスタマーレビューは、伊澤タオルのものづくりを支えている(画像提供:伊澤タオル)
ノウハウを蓄積した独自システムやカスタマーレビューは、伊澤タオルのものづくりを支えている
(画像提供:伊澤タオル)

伊澤タオルでは、Appleやユニクロのように自社で膨大なデータを扱いながら、製造業者と連携する企業をベンチマークとしており、このようなアプローチを取っているのだという。今後は本格的にAIを導入するなどして、より利便性を高めてしていく方針だ。

また、膨大なカスタマーレビューも地道に吸い上げながら、新製品の開発や既製品の改善に生かしているそうだ。

たとえば、「洗濯したときに生乾き臭がした」「乾燥機で乾かしたらゴワつきが気になった」などの声を1つひとつ確認し、そのご指摘だけでなく、まだお客さまが気づいていないような課題も抽出しながら製品に反映しています。(島村氏)

実際に、そうした声から生まれた製品は多くある。耐久性がウリの「タフネスPRO」や驚きの速乾性をもたせた「スピードドライ3D」、乾燥機対応の「ドライキープ」などだ。直近では、髪への摩擦を約30%低減するヘアタオル「ヘアケアタオル研究 回答は綿でした」も誕生した。

2026年1月に誕生したばかりの「ヘアケアタオル研究 回答は綿でした」(画像提供:伊澤タオル)
2026年1月に誕生したばかりの「ヘアケアタオル研究 回答は綿でした」(画像提供:伊澤タオル)

実店舗での販売と米国展開もスタート

しばらくはAmazonのみで販売していたタオル研究所だが、2026年1月に国内小売店での取り扱いを開始した。「実際に見てみたい」「店頭で購入したい」という声が多く聞かれていたことに加え、ECでは取り込めない層にリーチすることが狙いだという。結果として、約4か月で導入数が1000店舗を突破した。

実店舗での導入は、約4か月で1000店舗を突破(画像提供:伊澤タオル)
実店舗での導入は、約4か月で1000店舗を突破(画像提供:伊澤タオル)

以前から、多くの小売店から「『タオル研究所』を取り扱いたい」というニーズがあがっていました。結果として、想定通りに導入が進んでいます。当社の取引先でいうと5~6万店舗にのぼるため、まだまだ拡大することが見込まれます。(島村氏)

Amazonとは異なる客層をターゲットにしていることもあり、今のところAmazonへのネガティブな影響はないとのこと。むしろ、実店舗で購入した人がAmazonでリピート購入するという相乗効果が見られているそうだ。

また、2025年8月には米国展開も開始した。日本でベンダーモデルを通じてタオルカテゴリーで成功した事例が大きく評価され、Amazonの米国チームから「米国展開」の打診があったという。

世界的にもタオルカテゴリーにおいてベンダーモデルで成功している事例は、レアなのだそうです。米国のバスタオル市場は、日本の約5倍にあたる1.7兆円規模にもなります。現地では、高温での洗濯・乾燥機がスタンダードなことから、重くてゴワつきがあるタオルが多く販売されています。ただ、現地の人がそうしたタオルを好んでいるわけではありません。軽量でふわふわしたタオルを見てもらったところ、非常に好反応が得られました。(島村氏)

すべてを満たしつつ極限まで軽量化した米国基準のタオルを開発(画像提供:伊澤タオル)
すべてを満たしつつ極限まで軽量化した米国基準のタオルを開発(画像提供:伊澤タオル)

そこで、吸水性・弾力性・ボリューム感・耐久性・肌なじみ、すべてを満たしながら、極限まで軽量化した米国基準のタオルを開発して、販売を開始した。すでに4つのラインアップを展開しており、今後もラインアップを増やしていく予定だ。販売開始当初は、バスタオルランキングで1031位だったところ、2026年3月には388位まで順位を上げるなど、順計に成果を上げているという。

伊澤タオルでは、「タオルのグローバル・スタンダード」の創出に向けて、引き続き取り組んでいくという。「ユニクロの『ヒートテック』や花王の『アタック』のように、消費者が『これを選んでおけば安心』と思えるような製品をめざします」と島村氏は締めくくった。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 小林 香織

フリーライター/北欧イノベーション研究家

「自由なライフスタイル」に憧れて、2016年にOLからフリーライターへ。【イノベーション、キャリア、海外文化】などの記事を執筆。2020年に拠点を北欧に移し、デンマークに6か月、フィンランド・ヘルシンキに約1年長期滞在。現地スタートアップやカンファレンスを多数取材する。2022年3月より東京拠点に戻し、北欧イノベーションの研究を継続する。

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ファミマが挑む“わざわざ行きたくなるコンビニ”作り。クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創

1ヶ月 ago
ファミマが挑む“わざわざ行きたくなるコンビニ”作り。クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創
ファミリーマートは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創し、“次のコンビニ”を追求する新たな取り組み「FAMIMA」を始動した。初の旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」を東京・麻布台にオープンし、空間デザインや限定商品、IP展開を通じて“わざわざ行きたくなるコンビニ”の実現をめざす。
furukawa2026年7月13日

ファミリーマートは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創し、“次のコンビニ”を追求する新たな取り組み「FAMIMA」を始動した。その象徴となる初の旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」を7月10日に東京・麻布台でオープン。空間デザインや限定商品、IP展開を通じて、“わざわざ行きたくなるコンビニ”の実現をめざす。

ファミマが挑む“わざわざ行きたくなるコンビニ”作り。クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創
「FAMIMA PARK AZABUDAI」の外観とNIGO氏

ファミリーマートは7月9日、“次のコンビニ”の可能性を追求する「Next FamilyMart Project」を始動し、新たなコンセプト「FAMIMA」を立ち上げたと発表した。2026年の創立45周年を機に、利便性や効率性だけでなく、日常の中で新たな発見や楽しさに出会える「わくわくするお買い物」体験の創出をめざす。

「FAMIMA」は、従来のコンビニエンスストアの枠組みにとらわれず、“わざわざ行きたくなるコンビニ”をめざすプロジェクト。立地や客層に合わせた店舗・空間デザイン、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を活用した店舗体験、“次のコンビニ”らしいIPビジネス、ライフスタイル提案型の商品開発などを通じ、新たなコンビニ体験の創出に挑戦する。

プロジェクトでは、NIGO氏との共創の下、その世界観や発想力を具現化するクリエイターチームの企画力を取り入れる。「FAMIMA」で生まれた取り組みの一部は、今後全国のファミリーマート店舗にも展開し、新たなコンビニ体験を広げていく方針だ。

私たちは、新たな取り組み「FAMIMA」を通じて、コンビニエンスストアの可能性を最大限に引き出し、形にしていきたい。コンビニは日本が世界に誇る業態であり、独自の文化でもある。未来を見据えた変革と進化が不可欠だ。(ファミリーマート 小谷建夫社長)

「コンビニに、こんなモノがあったらいいのになぁ」という発想から始まり、ファミリーマートのチームとミーティングを重ねてきた。「FAMIMA PARK AZABUDAI」を通じて、日本のカルチャーとライフスタイルを国内外に体現できればうれしい。(NIGO氏)

「FAMIMA PARK AZABUDAI」は街のランドマークをめざす旗艦店

「FAMIMA PARK AZABUDAI」の所在地は東京都港区虎ノ門五丁目2番10号。売場面積は217.05平方メートルで、7月10日10時にオープンした。

店舗は麻布台の街並みに調和する建築デザインを採用し、従来のコンビニとは一線を画す空間づくりをめざす。店舗外には、店内に入らず利用できるテイクアウトカウンター「FAMIMA STAND」やベンチを設置(=写真左下)。さらに、建物のコーナーや屋上には公式キャラクターを配置し、“屋上の森”も整備(=写真右上)するなど、街のランドマークとなる店舗づくりを打ち出す。

ファミリーマートは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創し、“次のコンビニ”を追求する新たな取り組み「FAMIMA」を始動した
「FAMIMA PARK AZABUDAI」の屋上には森を整備

店内では、ファサードガラス面に沿ったカウンター席、ポップアップストアのような高揚感を演出する什器配置(=写真右下)、キオスク型レジカウンター(=写真左下)などを採用。コンビニエンスウェア売り場は独立した空間として展開(=写真右上)し、試着室やタッチパネルに加え、商品案内を行う専門スタッフも配置する。建築・売り場デザインには、片山正通氏率いるWonderwallが参画した。

ファミリーマートは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創し、“次のコンビニ”を追求する新たな取り組み「FAMIMA」を始動した
 

限定商品や中食、コーヒー、ティーで新たな来店価値を提案

商品面では、旗艦店限定のアイテムに加え、中食、コーヒー、ティーを展開する。
中食では、都市部で働く・暮らす20〜40代をターゲットに、素材本来のおいしさと健康への配慮を両立したメニューを用意。こだわりの野菜やナチュラルチーズを使用し、食物繊維やたんぱく質を摂取できる商品をそろえる。

コーヒーは、WORLD BREWERS CUP 2016優勝者の粕谷哲氏と共同開発。「ベースブレンド」「スペシャルブレンド」「エチオピアモカ」などを展開し、その日の気分に合わせて選べる高品質なコーヒーを提案する。一部メニューは他店舗でも展開する予定だ。

ティーは、エスプレッソマシンで抽出するスタイルを採用。ストレートティー、ミルクティー、フルーツティーを展開し、茶葉はアールグレイとジャスミンを用意する。タピオカのトッピングにも対応し、「FAMIMA STAND」で提供する。

IPビジネスも強化。限定雑貨やオンライン販売も展開

ファミリーマートは、IPビジネス強化の一環として「FAMIMA」の公式キャラクターも新たに開発した。コンビニらしい親しみやすさと「FAMIMA」の世界観を象徴する存在として位置付け、旗艦店ではキャラクターをデザインした限定雑貨やコンビニエンスウェアを先行販売する。今後は全国のファミリーマート店舗への展開も予定している。


「FAMIMA」公式キャラクターのグッズ

また、旗艦店限定商品の一部は「ファミマオンライン」でも数量限定で販売する。販売受付は7月14日10時に開始する予定。

オープン記念施策として、購入者先着2026人への限定シール配布に加え、7月10日~12日の期間中に税込5000円以上購入した先着2000人へオリジナルエコバッグをプレゼントする。さらに、NIGO氏を特集したムック本「Casa BRUTUS By NIGO SPECIAL ENGLISH VERSION(特装版)」も、旗艦店とファミマオンラインで数量限定販売する。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

トライアルがEC事業拡大に着手、福岡県内でネットスーパーを展開へ

1ヶ月 ago
トライアルホールディングスは、子会社TRYUを通じて展開する「TRIALネットスーパー」を福岡県内で本格展開する。西友のネットスーパー運営ノウハウを活用し、札幌で始めた体制を福岡へ広げ、8月には福岡市内の配送エリアを大幅に拡大する予定だ。

トライアルホールディングスは7月7日、グループのEC事業を担う子会社TRYU(トライユー)を通じて展開する「TRIALネットスーパー」について、福岡県内でサービスを本格展開すると発表した。2026年2月に札幌市内で立ち上げた運営体制を福岡へ横展開し、8月には福岡市内の配送エリアを大幅に拡大する予定。2025年にグループ入りした西友のネットスーパー運営ノウハウを活用し、全国展開を加速させる。

トライアルがEC事業拡大に着手、福岡県内でネットスーパーを展開へ
「TRIALネットスーパー」を福岡県内で本格展開する

福岡県内では2026年5月末から順次、「TRIAL smart今宿店」と「メガセンタートライアル福岡空港店」のネットスーパーサイトを刷新。あわせて、「メガセンタートライアル新宮店」「TRIAL smart筑紫野店」でもサービスを開始した。さらに、7月7日から「メガセンタートライアル中間店」、7月14日から「スーパーセンタートライアル東篠崎店」で受注を開始し、8月には福岡市内への配送エリアを大幅に拡大する計画だ。

これにより、これまで郊外型店舗が中心だったため利用しづらかった福岡市内の生活者にも、トライアルの低価格商品や豊富な品ぞろえを届けられる体制を整える。

札幌で構築した運営モデルを福岡へ横展開

今回の福岡展開は、グループのEC事業再編を具体化する取り組みの一環。トライアルHDは、グループ横断でEC事業の企画・運営を担う新会社TRYUを設立し、西友が25年以上にわたり培ってきたネットスーパーの運営・収益化ノウハウと、トライアルの店舗網や商品力を組み合わせ、「TRIALネットスーパー」や「西友ネットスーパー」を一体的に推進する体制を整えてきた。

TRYUが最初に手がけたのは、2026年2月末に開始した札幌市内での「TRIALネットスーパー」。4月時点で札幌市内の複数店舗から順次出荷体制を整え、配送エリアを拡大してきた。現在は札幌市内5店舗から出荷し、市内のほぼ全域をカバーする配送体制を構築。注文数も順調に推移しているという。

トライアルにとって福岡は本拠地であり、全国で最も店舗数が多いエリアでもある。札幌で構築したネットスーパーの運営モデルを地盤である福岡へ展開することで、今後の九州、関西、関東へのサービス拡大に向けた基盤を固める狙いがあるとみられる。

約1万3000品目を取り扱い、PBや西友PBも販売

「TRIALネットスーパー」では、生鮮食品、加工食品、日配食品、惣菜、飲料、日用品など約1万3000品目を取り扱う。トライアルのプライベートブランド(PB)商品に加え、西友のPB「みなさまのお墨付き」も購入できる。

注文はスマートフォンやパソコンから24時間受け付ける。配送時間帯は10時〜22時までの2時間ごとに1日6枠を設定し、当日配送にも対応する。最低注文金額は税抜2000円以上で、配送料は330円(税込)。商品購入金額が税抜5000円以上の場合は送料無料となる。入会費・年会費は無料で、決済方法はクレジットカードに対応する。

クイックコマースやギフト通販の展開も視野

トライアルグループは、猛暑などの気候変動やライフイベントの変化に伴い、日常の買い物負担を軽減するネットスーパーやオンライン販売への需要が高まっているとみている。今後は九州の他県に加え、関西、関東などへ「TRIALネットスーパー」の展開を進める方針だ。

また、TRYUはネットスーパー事業に加え、クイックコマースやギフト通販事業の強化にも取り組む考えを示している。西友の運営ノウハウとトライアルの店舗網を掛け合わせたEC基盤を活用し、食品宅配にとどまらないECサービスへと事業領域を広げていく構想だ。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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動画制作会社はどこがおすすめ?大手・中堅・個人の違いと失敗しない選び方

1ヶ月 1 週間 ago

「自社のプロモーション動画を作りたいけれど、動画制作会社が多すぎてどこに頼めばいいかわからない……」 「見積もりを取ってみたら、会社によって金額が違いすぎて困惑している」 このような悩みを抱えているビジネスパーソンは少な […]

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水口 仁志

アスクルの資源循環プラットフォーム発「Matakul」シリーズに新展開。使用済みストレッチフィルムから生まれた「再生材配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」を販売開始

1ヶ月 1 週間 ago
物流センターで使用したストレッチフィルムに着目し、3年にわたる試行錯誤を経て製品化を実現した。その第一弾は、使用済みストレッチフィルムを活用したゴミ袋

アスクルは7月10日から、事業所向け(BtoB)通販サービス「ASKUL」で、「アスクル資源循環プラットフォーム」の取り組みから誕生したオリジナルシリーズ「Matakul」の新商品「使用済みストレッチフィルムからつくった再生材40%以上配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」の販売を始めた。

使用済みストレッチフィルムという再生資源を40%以上使用。100%新たな石油資源を使用する従来型ゴミ袋と比較してCO2排出量を8.7%削減し、従来型ゴミ袋と同水準の価格を実現した。

アスクルの資源循環プラットフォーム発「Matakul」シリーズに新展開。使用済みストレッチフィルムから生まれた「再生材配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」を販売開始
「使用済みストレッチフィルムからつくった再生材40%以上配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」

近年、資源循環に関するさまざまな法律が制定され、企業の取り組みを後押しする機運が高まっている。アスクルは2022年から「アスクル資源循環プラットフォーム」を始動し、限りある資源の有効活用とCO2削減、販売者としての責任を果たすため、使用済みクリアホルダーの再資源化・再製品化による資源循環を推進。再資源化したクリアホルダー由来の商品を多数展開してきた。

物流センターで荷崩れ防止などに使用したストレッチフィルムに着目し、3年にわたる試行錯誤を経てスキームを構築し製品化を実現。その第1弾として、使用済みストレッチフィルムを活用した70Lと90Lサイズのゴミ袋を商品化した。

用途に応じた品質を実現するための分別・管理基準を設計し、自社で回収から再製品化までを一元管理する体制を構築。物流センターでの回収・分別工程で、生産性に影響する紙やラベル、強度に影響するストレッチフィルム以外の樹脂などを中心に分別している。製品の基準では、ちりや埃などは品質に支障がない範囲で一定程度許容し、実用性と見た目のバランスを重視。複数回にわたる試作と評価に加え、試作品を物流現場で使用して製品の強度や運用適合性を検証し、3年にわたる試行錯誤を経て商品化を実現した。

アスクルの資源循環プラットフォーム発「Matakul」シリーズに新展開。使用済みストレッチフィルムから生まれた「再生材配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」を販売開始
製品イメージ

商品情報

  • 使用済みストレッチフィルムからつくった再生材40%以上配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L 厚さ0.03mm:1パック(20枚入)/税込550円
  • 使用済みストレッチフィルムからつくった再生材40%以上配合ゴミ袋 低密度タイプ 90L 厚さ0.03mm:1パック(20枚入)/税込704円

この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

ohshima

アパレルのTSI、台湾ECサイトを刷新。複数ブランドを単一プラットフォームで統合運営

1ヶ月 1 週間 ago
TSIは、台湾で展開する公式ECサイト「tw.mix.tokyo」を刷新し、複数ブランドを単一プラットフォーム上で統合運営する体制を整えた。台湾市場向けのローカライズやCRM強化を進め、若年層を中心とした新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤルティ向上をめざす。

TSIはこのほど、台湾法人の台湾蒂斯愛股份有限公司(TSI台湾)が台湾で展開する公式ECサイト「tw.mix.tokyo」を刷新し、複数ブランドを単一プラットフォームで統合運営する体制を構築した。台湾市場向けに最適化したEC基盤を整備することで、若年層を中心とした新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤルティ向上を図り、EC売上の拡大につなげる。

アパレルのTSI、台湾ECサイトを刷新。複数ブランドを単一プラットフォームで統合運営
「tw.mix.tokyo」を刷新、複数ブランドを単一プラットフォームで統合運営する体制を構築

TSIは、台湾でもオンラインでの購買が拡大するなか、日本の「mix.tokyo」の世界観を維持しながら、台湾市場に合わせたデザインやコンテンツを提供。加えて、複数ブランドの集約や、オンライン・オフラインを横断した顧客データの統合・活用を重要課題としてきた。今回の刷新は、こうした課題への対応を目的としている。

サイト刷新にあたり、TSIは現地ドメインの取得や台湾向け決済への対応、物流システムとの連携など、台湾市場に適したEC基盤を整備した。

あわせて、商品説明の翻訳や画像素材の管理など、複数ブランドを横断して発生する運用負荷の高い業務についても見直しを実施。台湾市場に合わせた商品登録やコンテンツ制作の運営フローを構築し、業務効率の向上をめざす。

また、これまで十分に活用できていなかったLINE公式アカウントの管理権限を台湾法人へ移管。SNSやKOL施策と連携しながら、台湾市場に特化した集客やCRM施策を展開する。新規顧客の獲得からリピーター育成までを一貫して進めることで、現地でのブランド接点の強化を図る。

TSI台湾は、まず4ブランドを集約した「tw.mix.tokyo」の運営を開始し、今後は参加ブランドの拡大に加え、各ブランドの世界観の表現や台湾の顧客ニーズに合わせたコミュニケーション施策を強化していく方針としている。

今回のリニューアルでは、W2が提供する海外・越境EC向けソリューション「W2 Commerce Asia」を採用した。

TSI台湾は、多言語・多通貨対応や現地決済への対応、税制への配慮に加え、日本で培ったEC運営ノウハウを海外でも短期間で再現しやすい点を評価したという。

採用理由としては、台湾市場を含む現地商習慣に対応したサポート体制、中長期運用を見据えたコストパフォーマンス、導入企業からの推薦などを挙げている。特に、日本語・中国語の双方に対応できる支援体制や、立ち上げ初期のリスクを抑えやすい料金体系を評価したとしている。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

インターファクトリーが始めたAIサービス「EBISU AGENT」とは? AI活用で生産性を高める「AI活用EC運用代行サービス」を提供

1ヶ月 1 週間 ago
インターファクトリーは、AIサービス「EBISU AGENT」を立ち上げ、第1弾として「AI活用EC運用代行サービス」の提供を開始した。商品登録や画像加工、LP制作など幅広いEC業務を支援し、AIとプロによる品質管理を組み合わせることで、生産性向上とコスト最適化を図る。

クラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」を展開するインターファクトリーは7月9日、新たなAIサービスブランド「EBISU AGENT」を立ち上げ、第1弾サービスとして「AI活用EC運用代行サービス」の提供を開始した。EC事業者の人手不足や運用負荷の増大に対応し、商品登録や画像加工、LP制作など幅広い業務の効率化を支援する。

インターファクトリーが始めたAIサービス「EBISU AGENT」とは? AI活用で生産性を高める「AI活用EC運用代行サービス」を提供
商品登録や画像加工、LP制作など幅広い業務の効率化を支援

「AI活用EC運用代行サービス」は、EC事業者向けの伴走型EC/DX支援サービス「EBISU GROWTH」の新たなラインアップとして提供する。最新のAI技術とEC運用のプロフェッショナルによる品質管理を組み合わせることで、従来比で最大60%のコスト削減を実現するという。

インターファクトリーによると、事業規模の拡大やマルチチャネル展開を進めるEC事業者の多くは、人手不足や採用・育成コストの上昇、固定費負担の増加、投資対効果の改善といった課題を抱えている。特に、販促企画やデータ分析などのコア業務に注力したくても、商品登録や画像加工などの定型業務に多くのリソースを割かれているケースが少なくないという。

こうした課題に対し、新サービスではAIを活用した独自のオペレーションを採用。単純な作業の自動化にとどまらず、経験豊富なプロジェクトマネージャーが全工程の品質を管理することで、ブランドイメージを維持しながら業務効率化とコスト最適化を両立す。

サービスの特長の1つは、利用企業側にAIに関する専門知識や複雑な操作を求めない点だ。一般的なAIツールのように、プロンプト作成やAIの操作方法を習得する必要はなく、インターファクトリーの担当者がAIの活用を担う。そのため、利用企業は従来と同じように業務を依頼するだけで、AIを活用した業務効率化のメリットを享受できるとしている。

対応業務は、商品登録やデータ管理をはじめ、バナー・クリエイティブ制作、商品説明文の作成、LPや特集ページの制作など多岐にわたる。大規模案件からスポットでの大量処理まで対応し、EC運営業務全般を支援する。

インターファクトリーが始めたAIサービス「EBISU AGENT」とは? AI活用で生産性を高める「AI活用EC運用代行サービス」を提供
「AI活用EC運用代行サービス」の提供サービス一覧

「AI活用EC運用代行サービス」で作成されたバナーのサンプル
インターファクトリーが始めたAIサービス「EBISU AGENT」とは? AI活用で生産性を高める「AI活用EC運用代行サービス」を提供
「AI活用EC運用代行サービス」で作成されたバナーのサンプル

また、「EBISUMART」だけでなく、他社製ECカートシステムや、「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」など主要ECモールにも対応。既存のシステム環境や業務フローを大きく変更することなく導入できる点も特徴としている。

インターファクトリーは今後、「EBISU AGENT」のもとで、EC運用代行にとどまらないさまざまなAIサービスを順次展開する予定だ。将来的には、EC事業者が直感的かつシームレスに高度なAIソリューションを選択・活用できる包括的なプラットフォームへ発展させる構想を掲げている。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多

1ヶ月 1 週間 ago
エムフロが実施した調査によると、ECサイト運営者に関する情報の確認方法は「ネットで検索する」が最多だった。確認後に購入をやめた経験がある人は76.4%。

エムフロが実施した「ネット販売の運営者情報に関する意識調査」によると、約8割がネット購入・申込時に運営者情報を調べた経験があることがわかった。サイトの運営者情報で信頼できると判断するポイントは、情報の多さやポジティブな口コミなどがあがった。

調査対象はインターネットでの購入経験がある500人(女性342人/男性158人)。調査期間は2026年1月14~15日。

約8割がネット購入前に運営者情報を確認

ネット購入・申込時に運営者情報を調べるかどうかについて、「ほぼ毎回調べる」が20.4%、「調べたことがある」が60.0%で、合計80.4%が調べた経験があることがわかった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
ネット購入・申込時に運営者情報を調べるか

男女別に見ると、男性は「ほぼ毎回調べる」が29.1%、「調べたことがある」が53.8%。女性は「ほぼ毎回調べる」が16.4%、「調べたことがある」が62.8%だった一方、「調べたことがない」が20%を超えた。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
男女別:ネット購入・申込時に運営者情報を調べるか

運営者情報の確認方法は「ネット検索」が最多

サイトの運営者情報の確認方法は、「ネットで検索する」が63.0%、続いて「公式サイトを見る」が33.2%、「SNSで探す」が15.0%だった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
サイトの運営者情報の確認方法(複数回答可)

男女別に見ると、「AIに聞く」について男性は10.8%、女性は6.4%。「SNSで探す」は男性は10.8%、女性は17.0%だった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
男女別サイトの運営者情報の確認方法(複数回答可)

男性が信頼できると判断するポイント

男性がサイトの運営者情報で信頼できると判断するポイントは、最多が「情報が多い」で28.5%、続いて「ポジティブな口コミがある」が15.8%、「メディアで紹介されている」が11.4%、「情報が更新されている」が10.8%、「実績がある」が9.5%だった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
男性:運営者情報で信頼できると判断するポイント(複数回答可)

「情報が多い」と答えた回答者からは、「運営している人や会社の名前のほか、『住所』『連絡先』がきちんと書かれているサイトは、信頼できると思う」「Xで検索をしたときにたくさんヒットする」といったコメントがあがった。

「ポジティブな口コミがある」と答えた回答者からは、「個人ブログなどに良いレビューなどがある」「口コミサイトの星の数を参考にする」といった声があった。

「メディアで紹介されている」と答えた回答者からは、「テレビや雑誌に取り上げられていると信頼できる」「メディア掲載歴が確認できる場合は信頼度が高いと感じる」というコメントがあがった。エムフロは「どんな企業やどんな商品でも取り上げられるわけではないという前提があるため、評価の客観性を補強するという意味で、メディア掲載は大きな意味を持つ」と解説している。

「情報が更新されている」と回答した人からは、「SNSでの更新回数が多い」「公式サイトが長期間更新されている。SNSを公式運用していて、活動が見える」といった意見が寄せられた。「実績がある」と答えた回答者からは、「今までの販売実績の良さ」「長期的に運営している実績がある」といった声があがった。

女性が信頼できると判断するポイント

女性がサイトの運営者情報で信頼できると判断するポイントは、「情報が多い」が最多で30.1%、続いて「ポジティブな口コミがある」が20.2%、「情報が更新されている」が15.2%、「メディアで紹介されている」が13.5%、「知名度が高い」が6.7%だった。

エムフロは「女性ランキングの特長として、口コミや情報の更新状況など、リアルあるいはリアルタイムの情報を重視する傾向が、男性よりもやや強い」と考察している。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
女性:サイトの運営者情報で信頼できると判断するポイント(複数回答可)

「情報が多い」と回答した人からは、「会社情報や運営者情報が明確で、顔や実績が公開されていること」「調べて会社名までちゃんと出てくる。口コミがある」「製品に対する細かな情報や企業の詳細がわかると、信頼感がもてる」といったコメントが見られた。

「ポジティブな口コミがある」と答えた回答者からは、「口コミで『対応が良かった』などいいことが多く書かれていれば、信頼できると強く感じる」「他の利用者の口コミ評価が高いと信頼できると判断する」「SNSなどで良い口コミをたくさん見かけたとき」といった声があがった。エムフロは「女性は情報収集の際に、男性よりもSNSを活用する傾向がある。ECサイト上の単なる『星の数』『評価件数」だけでなく、自分と似たユーザーがどう感じたかという、より具体的な体験談を求めている」と推測している。

「情報が更新されている」と回答した人からは、「公式サイトの更新がしっかりされている、常に新しい情報も書いている。『Instagram』が定期的に更新されている」「公式サイトやSNSの更新度が高い」「定期的に、運営者自らが自分の言葉で情報を発信している場合」といった意見が寄せられた。

「メディアで紹介されている」と答えた回答者からは、「メディアでの紹介があると、説得力がある」「テレビや雑誌などで紹介されていた。YouTubeで複数の人気YouTuberが紹介していた」といった声があがった。

「知名度が高い」と回答した人からは、「身の回りで耳にするサイトは信じている。基本それ以外は信じない」「名の通っているところでしか買わない」といったコメントがあった。

男性が信頼できないと判断するポイント

男性がサイトの運営者情報で信頼できないと判断するポイントは、最多が「情報が少ない」で22.5%、続いて「ネガティブな口コミが多い」が10.2%、「情報が曖昧」が5.6%だった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
男性:サイトの運営者情報で信頼できないと判断するポイント(複数回答可)

女性が信頼できないと判断するポイント

女性がサイトの運営者情報で信頼できないと判断するポイントは、男性と同じく「情報が少ない」が最多で53.5%、続いて「ネガティブな口コミが多い」が21.1%、「情報が曖昧」が9.9%。「情報が少ない」は男女ともに1位だったが、男性の22.5%に比べて女性の割合は53.5%と高かった。


女性:サイトの運営者情報で信頼できないと判断するポイント(複数回答可)

運営者情報の確認後、76.4%が購入を見送った経験あり

運営者情報を確認した後に購入をやめた経験があるかを聞いたところ、「よく」が14.6%、「たまに」が61.8%で、合計76.4%が「運営者情報を確認した後に購入をやめた経験がある」と回答したことがわかった。


運営者情報を確認した後に購入をやめた経験

男女別で見ると、「よくある」は男性が13.9%、女性が14.9%。「たまにある」は男性が64.6%、女性が60.5%。「ない」は男性が21.5%、女性が24.6%だった。


男女別:運営者情報を確認した後に購入をやめた経験

調査概要

  • 調査期間:2026年1月14日~15日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 調査対象:インターネットでの購入経験がある500人(女性342人/男性158人)
  • 回答者の年代:10代 1.2%/20代 20.0%/30代 31.4%/40代 27.2%/50代 17.2%/60代以上 3.0%

この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

ohshima

日本郵便が「ゆうパック」を平均10%値上げ/クレカ決済代行会社「全東信」が破たん【ネッ担アクセスランキング】

1ヶ月 1 週間 ago
  1. 日本郵便、「ゆうパック」を平均10%値上げ、「ゆうパケット」は全サイズ360円の新運賃、「クリックポスト」は185円→240円に改定へ

    日本郵便は10月1日、「ゆうパック」「ゆうパケット」の運賃などを改定する。ゆうパケットは全サイズ一律360円に、クリックポストは185円から240円に引き上げ、引受条件も見直す。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月7日 7:00

    日本郵便、「ゆうパック」を平均10%値上げ、「ゆうパケット」は全サイズ360円の新運賃、「クリックポスト」は185円→240円に改定へ
  2. クレカ決済代行会社「全東信」が破たん、飲食店中心に大きな影響

    クレジットカード決済代行の全東信が破産し、加盟店向けサービスを停止した。未入金売上の焦げ付き懸念に加え、決済端末が使えなくなることで、飲食店を中心に資金繰りや販売機会への影響が広がっている。食団連は資金繰り支援や保証制度の活用を案内し、被害状況の把握を進めている。

    鳥栖 剛[執筆]

    7:00

    クレカ決済代行会社「全東信」が破たん、飲食店中心に大きな影響
  3. 「LINE」と「PayPay」が2026年夏にアカウント連携。送金や割り勘、ポイント統合、友だち連携などを実現

    LINEヤフーとPayPayは2026年夏、「LINE」と「PayPay」のアカウント連携を開始する。LINEのトーク上で送金や割り勘が可能になるほか、LINEポイントとPayPayポイントの統合も順次進める。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月3日 8:30

    「LINE」と「PayPay」が2026年夏にアカウント連携。送金や割り勘、ポイント統合、友だち連携などを実現
  4. 日本郵便、越境EC向けに「EMS」と同等以上の速さで配送する「UGX プライム」をスタート+「UGX 越境 EC配送サービス」の取扱国・地域を拡大

    全国の郵便局で差し出し・集荷に対応する「UGX プライム」を提供する。越境EC配送サービスは英国やドイツなど欧州5カ国へ対象を拡大する

    大嶋 喜子[執筆]

    7月7日 9:00

    日本郵便、越境EC向けに「EMS」と同等以上の速さで配送する「UGX プライム」をスタート+「UGX 越境 EC配送サービス」の取扱国・地域を拡大
  5. イオンが夏の大型セール「イオン 超!ナツ夏祭り」を7/17から実施、ECサイトの「ネット限定先行セール」は7/10から先行スタート

    イオンは7月の大型セールで、「チーズ4倍 てりやきチキンL&ポテトベーコンL」などの大容量企画や、値段据え置きの増量企画、半額商品などを展開する。

    大嶋 喜子[執筆]

    7月3日 10:00

    イオンが夏の大型セール「イオン 超!ナツ夏祭り」を7/17から実施、ECサイトの「ネット限定先行セール」は7/10から先行スタート
  6. Squareが「ChatGPT」「Claude」と連携、AI経由での店舗発見と直接注文を実現

    Squareは「ChatGPT」向けアプリと「Claude」向けプラグインを公開し、AIとの会話を通じた店舗発見と直接注文に対応した。まずは米国の飲食事業者を対象に、追加開発なしでAI経由の新たな受注チャネルを提供する。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月6日 9:30

    Squareが「ChatGPT」「Claude」と連携、AI経由での店舗発見と直接注文を実現
  7. 中小EC実施企業が使うAIツールは「ChatGPT」が47%、「Gemini」が33%、「Copilot」が22%。導入・活用の課題は「業務が属人化している」「導入前の業務整理が必要」が約2割

    ECを実施する中小企業の約7割がAIを導入しており、利用ツールは「ChatGPT」が47.6%で最多だった。一方、導入企業の87.1%が課題を感じており、「業務の属人化」や「導入前の業務整理」が活用定着の壁となっている。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月6日 9:30

    中小EC実施企業が使うAIツールは「ChatGPT」が47%、「Gemini」が33%、「Copilot」が22%。導入・活用の課題は「業務が属人化している」「導入前の業務整理が必要」が約2割
  8. しまむらが公式ECサイトの返品体験の改善に着手。返品対応のオンライン化など返品フローを再設計

    しまむらは、公式オンラインストア「しまむらパーク」の返品体験の改善に着手した。返品対応のオンライン化や返品フローの再設計を進め、購入後体験の向上と運用負荷の軽減を図る。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月6日 9:00

    しまむらが公式ECサイトの返品体験の改善に着手。返品対応のオンライン化など返品フローを再設計
  9. 視覚から「触覚」へ進化するAmazonの物理的AI。アマゾンの次世代フルフィルメント最前線

    Amazonは、触覚センサーを備えた物流ロボット「Vulcan」を発表した。視覚に加えて“触れる”ことで力加減を調整しながら商品を扱えるのが特徴で、高所・低所作業の負担軽減や物流効率の向上につなげる。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月6日 7:00

    視覚から「触覚」へ進化するAmazonの物理的AI。アマゾンの次世代フルフィルメント最前線
  10. 楽天の「Rakuten AI Optimism」では何が楽しめる? 展示エリア「エキシビション」の最新AIやテクノロジーを体験できるコンテンツも用意

    「楽天モバイル」「フィンテック」「スポーツ」などのブースを展開するほか、AIや低軌道衛星通信、「Future Tree」などの体験コンテンツを用意している

    大嶋 喜子[執筆]

    7月6日 7:30

    楽天の「Rakuten AI Optimism」では何が楽しめる? 展示エリア「エキシビション」の最新AIやテクノロジーを体験できるコンテンツも用意

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 藤田遥

ネッ担編集部

保険系SE→ECサイト運営を経て、編集未経験でインプレスに入社し、ネットショップ担当者フォーラム編集者に。趣味は音楽を聴く、ゲーム、ショッピング。ライブと買い物に行くとき以外は基本的にインドア派。カレーとコーラが好き。

fujita-h

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ

1ヶ月 1 週間 ago
LINEヤフーは、15周年を迎えた「LINE」の次の進化構想を発表。2026年9月に「ショッピングタブ」を正式リリースするほか、「PayPay」とのアカウント連携やAIエージェントの活用を通じて、買い物や決済、情報接点を「LINE」上でシームレスにつなげていく。

LINEヤフーは7月2日、コミュニケーションアプリ「LINE」のサービス開始15周年を記念した発表会「LINE 15th Anniversary Event -Connect the Next-」を実施し、次の15年に向けたサービス構想を発表した。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
LINEヤフーは「LINE」のサービス開始15周年を記念した発表会を開催

今後のキーワードに掲げたのは、AIエージェントを日常生活に取り入れ、生活のさまざまな接点をつなぐ「Life on LINE with AI Agent」。ショッピング、決済、情報提供、店舗体験、コミュニケーションなどをAIで横断的につなぎ、「LINE」をライフプラットフォームとしてさらに進化させる考えを示した。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
LINEの進化イメージ

「LINE」はこの15年間で、人と人とのコミュニケーションだけでなく、企業・自治体・店舗、コンテンツ、購買、決済など生活のさまざまな接点を結ぶサービスへと発展。その上で、今後は「拡張」「深化」「最適化」の3つを軸に、AIエージェントを活用した新たなユーザー体験を提供していく方針を示した。

「ショッピングタブ」を2026年9月に正式リリース

EC・コマース領域で最も注目される発表が「ショッピングタブ」の正式リリースだ。LINEヤフーは、「LINEギフト」を起点に拡大してきたコマースサービスをさらに発展させるため、「LINE」の「ショッピングタブ」を2026年9月に正式リリースすると発表した。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「ショッピングタブ」の画面イメージ

正式リリース後は、「LINE」上でLINEヤフーグループのショッピングサービスが取り扱う3億点以上の商品から、自分に合った商品を探し、比較・検討から購入、ギフト、配送までをシームレスに利用できるようにする。

また、特定商品の先行・限定販売や「PayPayポイント」の付与、AIエージェントによる接客なども展開し、「LINE」ならではのショッピング体験の実現をめざす。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
ショッピング領域の進化イメージ

「LINE」と「PayPay」の連携を2026年夏に開始

決済・送金機能も強化する。

LINEヤフーは、「LINE」と「PayPay」のアカウント連携を2026年夏に開始すると発表した。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「LINE」のトークルーム上で「PayPay残高」の送金・受け取りや割り勘などが可能に

連携後は、「LINE」のトークルーム上で「PayPay残高」の送金・受け取りや割り勘が可能になるほか、「LINE」からPayPayの登録や残高・ポイントの確認も行えるようになる。一方、「PayPay」アプリでは、設定に応じて「LINE」の友だちが表示されるようになり、よりスムーズな送金を実現する。

さらに今後は、「LINEポイント」を「PayPayポイント」に統合し、「LINE」上でもPayPayポイントをためる・使う体験を順次拡大する予定。コミュニケーション、購買、決済を「LINE」上でシームレスにつなぐ構想を打ち出した。

AIエージェントで情報収集や店舗利用も支援

AI関連では、「Information」「Life」「Talk」の3領域で新機能や今後の構想を発表した。

Information領域

「ホームタブ」を、ユーザー1人ひとりに最適な情報と出会える場へ進化させる。リニューアル版は2026年夏ごろに正式リリースする予定。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「ホームタブ」はユーザー1人ひとりに最適な情報と出会える場へ進化

AIエージェントとの連携により、ニュースや天気、友だちに関する情報、好きなアーティストやコンテンツの最新情報などを、ユーザーの興味・関心や行動に合わせて提案する「My Home Agent」や「Proposer Agent」の提供も予定している。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
新機能「My Home Agent」「Proposer Agent」のイメージ

Life領域

「LINE公式アカウント」と「LINEミニアプリ」を軸に、企業や店舗との接点を強化する。今後は「ミニアプリタブ」とAIエージェントを連携し、店舗検索や予約、順番待ちなどをAIが支援する「Agentic UX/CX」の実現をめざす。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「LINE公式アカウント」と「LINEミニアプリ」を軸に企業や店舗との接点を強化へ

Talk領域

トークルームを単なる会話の場ではなく、会話を起点に行動を支援する場へ発展させる。その中核となるのが、トークルーム内でAIエージェント「Agent i」を呼び出せる「Agent i in chat」で、2026年内の提供を予定している。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
トークルーム内でAIエージェントを呼び出せる機能を拡充

会話内容に応じた回答だけでなく、ToDoリスト作成、カレンダー登録、アルバム作成、メッセージ要約などにも対応し、コミュニケーションやタスク管理を「LINE」上で完結しやすくする。

「LYPプレミアム」に新機能を追加

このほかLINEヤフーは、メンバーシッププログラム「LYPプレミアム」の新たな特典として、

  • メッセージ編集
  • プレミアムブロック
  • メッセージ予約
  • 通話レコーディング(仮称)

の4機能を2026年秋以降に提供すると発表した。これらの機能は、2026年8月から順次「LINEラボ」で先行提供する予定としている。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「LYPプレミアム」に新機能を追加

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

楽天、ヤフー、メルカリが警察庁と情報連携で協定を締結、ネット販売の安心・安全な環境づくりを実現

1ヶ月 1 週間 ago
楽天グループ、LINEヤフー、メルカリは7月9日、警察庁との情報連携に関する協定を締結した。ECやフリマサービスで不正取引の可能性が高いと判断した情報を迅速に共有し、捜査への協力と被害の未然防止を通じて、安心・安全な取引環境の整備を進める。

楽天グループ、LINEヤフー、メルカリは7月9日、ECサービスやフリマサービスにおける不正取引対策の強化に向け、警察庁との情報連携に関する協定を締結したと発表した。各社は、不正な取引が行われている可能性が高いと判断した情報を警察庁へ迅速に共有する体制を構築し、犯罪捜査への協力や被害の未然防止につなげる。

楽天、ヤフー、メルカリが警察庁と情報連携で協定を締結、ネット販売の安心・安全な環境づくりを実現
楽天、ヤフー、メルカリが警察庁と情報連携で協定を締結

今回の取り組みは、政府の「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」に掲げられた、ECサイトなどにおけるID・パスワードやクレジットカード情報の不正利用対策の一環。各社は、従来の不正検知やモニタリング体制に加え、警察庁との連携を強化することで、安心・安全な取引環境の実現をめざす。

楽天、「楽天市場」「楽天ラクマ」で運用開始

楽天は警察庁との協定に基づき、7月9日から運用を開始した。対象サービスは「楽天市場」と「楽天ラクマ」。不正な取引が行われている可能性が高いと判断した情報を、従来より迅速に警察庁へ共有する体制を整えた。

楽天はこれまでも、「楽天市場」「楽天ラクマ」で24時間365日体制のモニタリングや、不審なログイン・不正注文への対策、ユーザーへの注意喚起を実施してきた。今回の協定締結により、EC領域における不正対策をさらに強化するとしている。

また、楽天グループは各事業で公的機関との連携を進めており、警視庁とは2017年からサイバー犯罪対策で協力。楽天銀行でも2026年から、特殊詐欺被害金への対応に関する警察庁との枠組みを運用している。

LINEヤフー、透明性レポートも公開

LINEヤフーも、ECサービスにおける不正取引対策の強化を目的に、警察庁との情報連携協定を締結した。

「Yahoo!ショッピング」をはじめとするECサービスでは、クレジットカードの不正利用などを防ぐため、24時間365日体制でモニタリングを実施している。不正な取引が行われている可能性が高いと判断した取引に関する情報を、必要な範囲で警察庁へ迅速に共有し、利用者の財産保護や被害の未然防止につなげる。

協定の運用開始にあたっては、警察庁や個人情報保護委員会と意見交換を行い、有識者の意見も踏まえて制度を検討したという。また、捜査機関への情報提供に関する方針や実績については、透明性レポートとして公開している。

メルカリ、AIによる不正検知も高度化

メルカリも同日、警察庁と「不正取引等に関する情報共有に関する協定」を締結したと発表した。

同社は、インターネット上での詐欺や不正取引が年々深刻化し、フリマサービスを悪用した犯罪も社会問題となっていることを踏まえ、正しくサービスを利用するユーザーが安心して取引できる環境づくりの一環として協定を締結したと説明している。

これまでも警察などの捜査機関からの照会には法令に基づいて対応してきたが、今後は警察庁との情報連携を強化し、不正行為の未然防止や悪質利用の抑止を図る。

協定に基づき、不正な取引が行われている可能性が高いと判断した取引に関する情報を、法令に基づき警察庁へ提供する場合があるとしている。あわせて、AIを活用した不正検知の高度化や本人確認の強化、外部機関との連携などを進め、より実効性の高い不正対策を推進する方針だ。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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furukawa

オルビスとZOZOが中学生向けに特別講座、テーマは「もったいない」

1ヶ月 1 週間 ago
オルビスとZOZOが実施した講義では、生徒が「もったいない」を減らす行動について発表したほか、学校施設やSNSの使い方など日常生活に結び付けたアイデアを共有した。

オルビスはZOZOと共同で6月17日、千葉大学教育学部附属中学校の学年混合の生徒25名を対象に、「もったいない」をテーマとした特別講義を実施した。

オルビスとZOZOが中学生向けに特別講座、テーマは「もったいない」
講義の様子1

講座は千葉大学教育学部附属中学校の探究学習の一環として実施。ビューティーとファッションを題材に、「つくる」側のオルビスと「売る」側のZOZOそれぞれの視点から、持続可能な生産・消費について学ぶ機会を提供。環境配慮の取り組みを紹介し、生徒が未来に向けたアクションを考える機会とした。

オルビス商品企画部・プロダクトデザイングループグループマネジャー小林洋巳氏は、デザインの力で資源の「もったいない」を減らす工夫を紹介。「オルビス リンクルブライトUV プロテクター」などを例に、パッケージを従来品より一回り小さく設計し、資源使用量の削減や配送時の段ボール箱のサイズ最適化につなげたプロダクトデザインの考え方を解説した。見た目の美しさや機能性だけでなく、環境配慮も叶えるものづくりの姿勢や、本当に必要なものを見極める「引き算の視点」の重要性を伝えた。

ZOZOソーシャルフレンドシップ部 FFYブロック李銀珠氏は、計測技術の活用や衣料品循環の仕組みづくりを通じた「もったいない」を減らす取り組みを紹介。「ZOZOMAT」による靴のサイズ選びのサポートや、下取りサービス「買い替え割」による新品と古着が「ZOZOTOWN」上で循環する仕組みなどを紹介し、企業が消費者のより良い選択を支える役割について説明した。

オルビスとZOZOが中学生向けに特別講座、テーマは「もったいない」
講義の様子2

講義では、生徒から積極的な質問や意見が寄せられたほか、「自分たちにできる、もったいないを減らす行動」について発表する時間を設け、日常生活の中で実践できる工夫や新たなアイデアが共有された。また、商品を「つくる」側への理解を深めたことや、「売る」側の役割を知り、自身の消費行動を考えるきっかけになったといった声が寄せられた。

さらに、「使用頻度が少ない学校施設を有効活用する方法」や、「SNSに費やしてしまう時間を有意義に使う方法」など、モノだけでなく空間や時間にも視点を広げたアイデアが発表された。講義を通じて、生徒自身が生活と結びつけながら、持続可能な消費について考える機会となったという。

オルビスは、持続可能な社会の実現に向けて、企業単独ではなくサプライチェーンや異業種との連携が重要とし、今後も多様なパートナーとの共創を通じて、生活者に身近なテーマからサステナビリティを考える機会を創出し、持続可能な未来づくりに取り組むとしている。

講義では「引き算の美」という考え方にもふれたが、本当に必要なものを見極める視点が、これからの暮らしの選択につながっていけば嬉しく思う。生徒たちの声を、今後の商品づくりにも生かしたい。(オルビス商品企画部・プロダクトデザイングループグループマネジャー小林洋巳氏)

ZOZOとオルビスが、それぞれ異なる立場から「もったいない」について考えることで、商品が生まれてから生活者の手に届くまでの過程や、その背景にある工夫を伝えることができた。生徒からは日常生活の中で実践できるさまざまなアイデアが寄せられ、私たちにとっても新たな気づきや学びを得る貴重な機会となった。(ZOZOソーシャルフレンドシップ部 FFYブロック李銀珠氏)

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[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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漫画作品の海外向けECサイト「TOKYO MANGA BASE」、トランスコスモスがオープン。「葬送のフリーレン」「犬夜叉」「BANANA FISH」「うる星やつら」などを販売

1ヶ月 1 週間 ago
トランスコスモスは、日本の漫画作品関連商品を海外ファン向けに販売する越境ECサイト「TOKYO MANGA BASE」を開設。第1弾として「葬送のフリーレン」「犬夜叉」「BANANA FISH」「うる星やつら」など小学館作品の関連商品を販売する。

トランスコスモスは7月7日、日本の漫画作品関連商品を海外ファン向けに販売する越境ECサイト「TOKYO MANGA BASE」を開設した。第1弾として、小学館の漫画作品を原作とする関連商品の販売を開始した。

漫画作品の海外向けECサイト「TOKYO MANGA BASE」、トランスコスモスがオープン。「葬送のフリーレン」「犬夜叉」「BANANA FISH」「うる星やつら」などを販売
越境ECサイト「TOKYO MANGA BASE」のトップページ

「TOKYO MANGA BASE」は、米国、カナダ、韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナムの10の国・地域を対象に、日本の漫画作品関連商品を販売する越境ECサイト。出版業界の企業が保有する商品を、海外のファンへ届ける販売基盤として展開する。

販売を開始した作品は、「葬送のフリーレン」「犬夜叉」「BANANA FISH」「うる星やつら」「こっち向いて!みい子」「チ。―地球の運動について―」「ふしぎ遊戯」「モブサイコ100」「らんま1/2」「負けヒロインが多すぎる!」「雷雷雷」「アオアシ」「マロニエ王国の七人の騎士」「うずまき」など。取扱商品は、アクリルスタンド、クリアファイル、缶バッジ、タペストリーなどとしている。

ECサイトはECプラットフォーム「Shopify」で構築した。トランスコスモスは、越境ECサイトの構築・運用に加え、受注管理、問い合わせ対応、物流までをワンストップで提供する。英語によるカスタマーサポート窓口も設け、海外の漫画ファンが利用しやすい環境を整えた。

漫画作品の海外向けECサイト「TOKYO MANGA BASE」、トランスコスモスがオープン。「葬送のフリーレン」「犬夜叉」「BANANA FISH」「うる星やつら」などを販売
越境ECサイト「TOKYO MANGA BASE」の全体図

決済方法は、クレジットカード(Visa、Mastercard、American Expressなど)とPayPalに対応。サイトの対応言語は英語としている。

トランスコスモスは、越境ECでは販売先の国・地域ごとのニーズや嗜好に合わせた商品選定が重要だと説明。国際EC事業で培った運営ノウハウを生かし、企業の海外販路拡大を支援するとしている。

同社は現在、世界46の国・地域を対象に、顧客企業の商品・サービスを販売するグローバルECワンストップサービスを展開している。今回の「TOKYO MANGA BASE」の開設は、日本の漫画IPを活用した越境EC支援の具体的な取り組みの1つと位置付けている。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

「鎌倉シャツ」のメーカーズシャツ鎌倉が取り組むOMO強化の施策とは

1ヶ月 1 週間 ago
「鎌倉シャツ」のメーカーズシャツ鎌倉が取り組むOMO強化の施策とは
メーカーズシャツ鎌倉は、OMO強化に向けて「口コミコム」を導入した。Google検索やGoogleマップでの露出強化に加え、各店舗の在庫情報を無料ローカルリスティングで発信し、ECと実店舗を横断した集客拡大を図る。
furukawa2026年7月9日

メーカーズシャツ鎌倉はこのほど、OMO施策の強化に向け、店舗・施設向け集客一元化プラットフォーム「口コミコム」(提供:mov)を導入した。Google検索やGoogleマップでの情報発信を強化するとともに、Google上で店舗情報や取扱商品を無料で掲載できる「無料ローカルリスティング」を活用し、各店舗の在庫情報を発信。ECサイトと実店舗の双方への集客拡大をめざす。

「鎌倉シャツ」のメーカーズシャツ鎌倉が取り組むOMO強化の施策とは
「無料ローカルリスティング」を活用し、各店舗の在庫情報を発信

メーカーズシャツ鎌倉は、日本製シャツブランド「鎌倉シャツ」を展開している。今回の取り組みでは、オンラインとオフラインを横断するOMO戦略の一環として、Google検索などで商品を検索したユーザーに対し、近隣店舗の在庫情報や店舗情報、ECサイトへの導線を表示する「ローカルインベントリマーケティング」を推進する。これにより、新規顧客の獲得と、Webから実店舗への送客の両立を図る。


「ローカルインベントリマーケティング」のイメージ

メーカーズシャツ鎌倉は、無料ローカルリスティングの活用を通じて、Google検索やGoogleマップでの店舗情報の露出を強化する。国内顧客に加え、訪日外国人旅行者との接点拡大も狙い、多言語での情報発信も強化。「Made in Japan」のシャツを求める海外顧客に向けて、店舗や商品の魅力を訴求する。

メーカーズシャツ鎌倉によると、これまでは無料ローカルリスティングへの商品マスターの連携を手作業で行っており、運用負荷が課題となっていた。今回、「口コミコム」の導入にあわせてmovの初期構築支援を受け、商品情報と在庫情報の連携を自動化。これにより、Google検索やGoogleマップ上で各店舗の商品情報を、より正確かつタイムリーに発信できる環境を整えたという。

今後は、顧客の声や各種データを店舗運営とECサイト双方の改善に生かし、国内外の顧客にとって商品を探しやすく、安心して買い物できる環境づくりを進める考えだ。

「口コミコム」は、店舗情報や口コミ、投稿内容などを一元管理できる店舗向け集客支援プラットフォーム。Googleマップをはじめとする複数の媒体と連携し、営業時間や商品・メニュー情報の更新、口コミの管理・分析、情報発信の効率化を支援する。多言語での情報整備やインバウンド対応にも活用でき、実店舗への送客や来店機会の創出を後押しするサービスとなっている。


「口コミコム」のサービス概要

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

バズワードに踊らされないEC戦略。急成長D2Cブランドがオムニチャネル投資を見送った決断の裏側

1ヶ月 1 週間 ago
バズワードに踊らされないEC戦略。急成長D2Cブランドがオムニチャネル投資を見送った決断の裏側takikawa2026年7月9日世界を先読み!日本独占配信 米国でもっとも有名なEC専門メディア『Digital Commerce 360』からの最新記事海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

アウトドアブランド「Cotopaxi」は、店舗出荷やBOPIS(店舗受け取り)といったオムニチャネル施策を試験導入したものの、本格的な投資を見送りました。共同創業者が明かした「オペレーションの複雑化」というリアルな課題と、流行のバズワードに左右されない最適なEC・店舗戦略の引き際について解説します。

Cotopaxiの共同創業者が語る決断の裏側

実店舗を持つことはオムニチャネル戦略の本質を引き出す重要な要素ですが、すべての施策が投資に見合うわけではありません。アパレル・アウトドアギアブランド「Cotopaxi」の共同創業者は、米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』の取材に対し、そのリアルな経験を明かしました。

バズワードに踊らされないEC戦略。急成長D2Cブランドがオムニチャネル投資を見送った決断の裏側
「Cotopaxi」のWebサイト

デジタルネイティブ(D2C)ブランドとして約12年前に誕生したCotopaxiはその後、実店舗へと進出し、現在は20以上の拠点を運営しています。長年、多様なオムニチャネル機能を試験的に運用してきましたが、最終的にはシステムや現場のオペレーションを大規模に変えてまで、それらの施策へ本格投資することは見送りました

Cotopaxiのチーフ・グローバル・オフィサーであり共同創業者のステファン・ジェイコブ氏は、かつてオンライン注文された商品を実店舗から発送する「店舗出荷」を試みた時のことをこう振り返ります。

Cotopaxiの店舗は平均1200平方フィート(約33坪)と比較的小さいサイズです。そのため、店内でフルフィルメント(配送業務)を回すための物理的なスペースがほとんどありませんでした。

物理的スペースとオペレーションの壁

店舗の在庫をオンラインの需要と結びつければ、商品の消化スピード(セルスルー率)が上がるというメリットはあります。しかし、それだけでは継続する理由にはならなかったとジェイコブ氏は言います

スペースの確保、スタッフの教育、システムの統合、そして在庫管理。これらがもたらす現場の複雑さを天秤にかけた結果、「少なくとも現時点では、運用負荷に見合う価値はない」と判断したのです。

現在、Cotopaxiはすべての発送業務を物流センター(ディストリビューションセンター)に集約しています。

Cotopaxiのオムニチャネル販売戦略

ジェイコブ氏によると、創業当初のCotopaxiは100%D2C(直販)モデルでした。そこから5~6年が経過した頃、卸売ビジネスへと舵を切ります。

卸売は急速に成長し、一時は総売上高の50%以上を占めるまでになりました。しかし現在は、より健全なバランスである25%~30%程度に抑えています。大半はD2Cが占めており、その他に法人向けビジネスや、急成長中の海外チャネルがあるという構成です。

また、モバイルアプリも運用しており、アウトドアのアドベンチャーイベントと連動。このデジタル体験を実店舗と結びつけることで、ユーザーのオムニチャネル体験を高めてきました。

これにより、何万人もの人々に自然な形でブランドを知ってもらい、熱狂的なファンになってもらう素晴らしい動線を作ることができました。店舗やイベントを通じたリアルな接点は、Cotopaxiの戦略の大きな柱です。もちろん、主要プラットフォームでの従来型のパフォーマンスマーケティング(運用型広告)も実施しており、アトリビューション(貢献度)計測の難しさはありつつも、投資対効果を慎重に見極めています。

Cotopaxiは長年、ソーシャルメディアやSEOなど、「投資対効果の高い領域へのスポット的な投資」を試みるなかで、コストの肥大化にも直面してきました。

数年間、私たちは売り上げを伸ばすための資金投入と成長の追求に追われ、少し視野が狭くなっていた部分がありました。現在はそこから舵を切り直し、長期的な利益につながるかを厳しく見極めながら、より慎重に予算を配分する体制へと移行しています。

こうした数々の実験を通じて、Cotopaxiは「どのオムニチャネル連携から撤退すべきか」の引き際も学んだと言います。

オムニチャネルの「バズワード」に踊らされない引き際

Cotopaxiは一時期、実店舗の在庫状況をオンライン上に表示。また、Webサイトの店舗検索機能や、製品を扱う小売パートナーの情報を掲載し、消費者がどこでブランドと物理的に接点を持てるかを可視化していました。

「この施策については、何度も導入と撤退を繰り返してきました」とジェイコブ氏は明かします。

数年前には、BOPIS(Buy Online, Pick Up In Store:オンライン購入・店舗受け取り)や、エンドレスアイル(店舗でEC在庫を注文できる仕組み)などにも投資しました。一定の成果は出たものの、現場のオペレーションは確実に複雑になります。私たちは今でも、何が本当にユーザーに価値をもたらし売り上げを牽引するのかと、業界でその時々に流行している「バズワード」とのバランスを測っているところです。店舗向けテクノロジーに関しては一通り実験しましたが、最終的には、ユーザーがどのようなルートでCotopaxiと関わりたいかに対して、システム側を特定の手段に固執させないという結論に達しました。

Cotopaxiの実店舗のほとんどは米国西海岸に集中しており、北東部には数店舗しかありません。海外では日本と韓国に数拠点を持っています。年末年始などの主要なセールス期間には、配送締切日が近づくにつれて、これらの店舗をフックにして顧客を呼び込む戦略を取っています。

しかし、Home Depotのように全米を網羅するネットワークがあるわけではありません。オンラインでCotopaxiを利用する消費者の大多数は、近所に店舗がない環境にいます。その観点から見ると、オンラインとオフラインの融合という「真のオムニチャネル」の恩恵を受けられるのは、現在の店舗網ではごく一部のユーザーに限られます。だからこそ、本格的なインフラ投資を急がず、まずは実験的な運用に留めてきたのです。

コロナ禍での検証と、撤退のリアル

Cotopaxiがオムニチャネル施策を集中的にテストした背景には、コロナ禍の存在がありました。当時は「北米EC事業トップ1000社」に名を連ねる小売事業者が、BOPISやカーブサイド・ピックアップ(店外受け取り)、店舗在庫の可視化といった機能をこぞって導入した時期です。

『Digital Commerce 360』の「2026年版オムニチャネルレポート」のデータによると、2021年から2025年にかけて、これらのサービスを提供している大手小売チェーンは、提供していない企業に比べて平均して高いコンバージョン率(CVR)を維持し続けていました。

「確かに、サービスを提供した店舗では一定の利用がありました」とジェイコブ氏は話します。

しかし、BOPISを導入したからといって、その店舗単体の収益構造が劇的に好転するわけではありませんでした。それどころか、準備が整っていない個別の店舗にECの需要が一気に流れ込めば、店内の在庫補充や人員配置の計画など、裏側の複雑さは増すばかりです。

このオペレーションの負荷は、リスクに見合うものではなかったというのが結論です。「要するに、労力に見合うだけの成果が得られなかったのです」。ジェイコブ氏はこう語ります。

そのため、いくつかの施策からは撤退しました。これらのオムニチャネル戦略自体を否定するつもりはありません。企業の規模や地理的なカバー率によって正解は変わりますが、当時の私たちの規模においては、これがリアルな経験値だったということです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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[ 転載元 ] Digital Commerce 360

世界最大級のネット通販業界の専門誌『Digital Commerce 360』(旧『Internet Retailer』)は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

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地方食品の販路は「探される」から「見つけてもらう」時代? 老舗水産会社が「TikTok Shop」開設5か月で累計売上2000万円突破

1ヶ月 1 週間 ago
地方食品の販路は「探される」から「見つけてもらう」時代? 老舗水産会社が「TikTok Shop」開設5か月で累計売上2000万円突破
ヤマニ野口水産は、「TikTok Shop」開設から5か月で累計売上2000万円を突破。既存ECを上回る販売チャネルへ成長した背景には、ショート動画やクリエイター活用、広告配信を組み合わせた運用がある。
furukawa2026年7月9日

北海道・留萌市に本社を置き、サケとばやいくらなどの海産物を販売するヤマニ野口水産は、「TikTok Shop」開設から5か月で累計売上2000万円を突破した。2026年2月に「TikTok Shop」を開設し、初月は売上118万円でスタート。3月には512万円を記録し、開設から73日後の4月22日に累計売上1000万円を突破、その後も成長を続け、5か月で累計売上2000万円に到達した。


ヤマニ野口水産は「TikTok Shop」開設から5か月で累計売上2000万円を突破

ヤマニ野口水産によると、この売り上げはAmazonや楽天市場など既存ECチャネル全体の売上を大きく上回る規模になったという。「TikTok Shop」が最大級の販売チャネルへと成長し、地方の食品事業者にとって新たな販路開拓の可能性を示す事例となっている。

ヤマニ野口水産は、加工場の臨場感や商品のシズル感を伝えるショート動画を継続的に投稿するオーガニック施策に加え、晩酌・グルメジャンルを中心とした約160人のクリエイターによる成果報酬型アフィリエイト施策、さらに反応の良かったコンテンツを活用した「TikTok Shop」広告を組み合わせて運用した。こうした施策により、広告への依存を抑えながら効率的な売上拡大を実現したとしている。

購買データによると、購入者の中心は25〜34歳で、男性が過半数を占めた。地域別では東京都、埼玉県、神奈川県を中心とした首都圏の購入者が約半数となった。北海道・留萌で製造した水産加工品を、「TikTok Shop」を通じて首都圏の若年層へ継続的に販売する構造が生まれたことが特徴という。

ヤマニ野口水産の事例は、地方食品の販路が、検索やECモールで商品を「探して購入する」モデルから、動画コンテンツとの偶然の出会いをきっかけに購買へつながる「見つけてもらう」モデルへ広がりつつあることを示している。

地域や知名度に左右されず、全国の消費者へ直接商品を届ける販路として、「TikTok Shop」を活用したディスカバリーコマースの有効性がうかがえる。

今回の運用では、KASHIKAが提供する食品SNS運用支援サービス「2nd Buzz」を活用した。動画ごとの再生数やエンゲージメントデータを分析し、市場で支持されるコンテンツの共通点を把握したうえで、企画立案から運用までを支援するサービスで、食品メーカーを中心とした事業者のSNSを活用した販路拡大を後押ししている。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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(function(){ try{ var googletag = window.googletag || {cmd: []}; googletag.cmd.push(function() { const adUnitPath = '/49282802/ipc-netshop/pc-all/hyb101', adSizes = [[["fluid"], [728, 90]]], slotElementId = 'div-gpt-ad-1549503899339-0'; const iOr=/^https:\/\/([^.]+\.)+safeframe\.googlesyndication\.com/; googletag .pubads() .addEventListener('slotResponseReceived', function(evt) { if (evt?.slot?.getAdUnitPath() != adUnitPath) { return; } if (!evt?.slot?.getResponseInformation()) { const targetElem = document.querySelector('#'+slotElementId); if (targetElem) { targetElem.style.display = 'none'; } } }) .addEventListener('slotRenderEnded', function(evt) { if (evt?.slot?.getAdUnitPath() != adUnitPath) { return; } const postMessageWithDebounce = Drupal.debounce(function() { const viewportWidth = window.innerWidth; const wIfr = document .querySelector('#'+slotElementId) ?.querySelector('iframe') ?.contentWindow; if (!wIfr || !wIfr.postMessage) return; wIfr.postMessage( { slot: adUnitPath, type: 'banchoSetViewportInfo', data:{ viewportWidth: viewportWidth } }, '*' ); }, 250, false); postMessageWithDebounce(); window.addEventListener('resize', postMessageWithDebounce); window.addEventListener('orientationchange', postMessageWithDebounce); }); }); } catch (e) { if (drupalSettings?.bancho?.userInfo?.insider) { console.warn(e); } } })();
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