ネットショップ担当者フォーラム

【モバイルファーストに最適な決済フローとは?⑥】「請求先住所 = 配送先住所」をデフォルトに設定する | モバイルファーストに最適な決済フローとは? 顧客体験調査で見えた自社ECサイト10の改善アイデア

5 years 11ヶ月 ago

お客様のお買い物は自分のためである場合が大半なので、請求先住所と配送先住所は同じであると仮定して構わないでしょう。しかし、ベイマードの調査結果によると、ECサイトの13%は、請求先住所を配送先住所にデフォルト設定していないことが明らかになっています。

このため、お客様は同じ情報を繰り返し入力する必要性に迫られます。これは、ECサイトに対するお客様の認識にマイナスに作用します

お客様が配送先住所を請求先住所として利用できるよう、チェックボックスを用意するだけで、二重に入力する必要がなくなります。重複または冗長した情報を入力することで、お客様の「作業」量は20%~60%増になるのです※1。

※1:baymard.com/ux-benchmark

「請求先住所 = 配送先住所」のチェックボックスを未チェックのまま表示しないでください(左)。代わりに、「請求先住所 = 配送先住所」オプションをあらかじめ選択しておき、請求先住所フィールドを非表示にします(右)

この問題は、モバイル端末上での入力作業となると、さらに悪化します。お客様の請求先住所を配送先住所に設定する以外にも、検討すべき最適化のポイントがあります。

1. 請求先住所フィールドを完全に非表示にする

あらかじめ選択された「請求先住所 = 配送先住所」のチェックボックス(または類似のオプション)を用意して、請求先住所フィールドを非表示にします。これによって、表示されるフィールド数が減り、大半のお客様は滞りなく決済を進めることができます。

2.「請求先住所 = 配送先住所」であり、その逆は成り立ちません

お客様にとって「配送先住所」に何ら不明な点はありません。単純に商品の配送先を示しています。これに対して、「請求先住所」は請求やクレジットカード認証など、複数の目的に用いられます。このため、お客様には配送先住所を尋ね、デフォルトで「請求先住所を配送先住所」に設定します。

3. 請求先住所をテキスト表示する

クレジットカード認証に請求先住所を使用する場合など、推測される請求先住所が配送先住所と同一であっても、これをお客様に表示することにメリットが伴う場合もあります。こうした状況では、決済時に請求先住所のテキスト表示を検討すると良いでしょう。

請求先住所をテキスト表示させた例
クレジットカード認証に住所情報を利用する場合には、お客様にとって、請求先住所のテキスト表示は便利です
◇◇◇

次回は決済が完了する前のちょっとした工夫について解説します。お楽しみに。

【モバイルファーストに最適な決済フローとは?】ここまでのおさらい

Amazon Pay
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6 years ago
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    ネットショップ担当者が読んでおくべき2019年9月2日〜15日のニュース

    2020/3/17

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    KDDIグループのECモール「au PAY マーケット」の看板娘に乃木坂46が就任

    6 years ago

    KDDIとauコマース&ライフは総合ショッピングモール「au Wowma!」(5月から「au PAY マーケット」に名称変更)の看板娘に、乃木坂46が就任したと3月19日に発表した。

    今後、乃木坂46と「au PAY マーケット」でさまざまな企画を実施。乃木坂46を支持する若年層などを中心に「au PAY マーケット」の認知を高める。

    「au PAY マーケット」の看板娘となった乃木坂46
    「au PAY マーケット」の看板娘となった乃木坂46

    乃木坂46の齋藤 飛鳥さん、堀 未央奈さん、与田 祐希さん、遠藤 さくらさん、久保 史緒里さん、岩本 蓮加さん、筒井 あやめさんの7名が出演するWeb動画を公開。計10種類の動画を通じて、「au PAY マーケット」の特徴を紹介していく。

    また、「au Wowma!」出店者の商品をオススメする紹介企画も行うという。

    「乃木坂46×au PAY マーケットオリジナルグッズプレゼントキャンペーン」も実施。エントリーした後、期間内に「au PAY マーケット」(au Wowma!)で税込200円以上買い物をした消費者を対象に、メンバーの直筆サイン入りポスター、イラストレーターの雪 まゆさん描き下ろしの限定イラストTシャツを抽選でプレゼントする。

    また、「au PAY マーケット」は3月23日から28日の期間、ポイントを最大で44%付与する「BIG SALE」を実施する。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    BtoB-ECをこれから始めたい企業必見!『BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020』3/26発売

    6 years ago

    インプレスのシンクタンク部門であるインプレス総合研究所は、新産業調査レポート BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020[今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]を、3月26日(木)に発売します。

    企業間(BtoB)の電子商取引の市場規模は344兆円に拡大し、EC化率は30.2%と、BtoC市場の19倍に成長する一方、BtoB-ECをこれから始めたい企業が、BtoB-ECを体系的に捉えられる資料はありませんでした。

    本書はBtoB-ECの背景や効果など基本情報から市場動向、ユーザー企業がBtoB-ECに取り組もうとするときに参照できる導入手順を掲載しています。また、製造業や卸売業の企業にアンケートを実施し、ユーザー企業の取り組み状況や意向もわかります。

    ユーザー企業動向調査のハイライト

    BtoB-ECへの取組状況に関わらず、調査対象の全企業に「企業内でBtoB-ECが重要なテーマになっているか」を聞いたところ、「非常に重要であり、最優先テーマの1つである」が11.0%、「重要なテーマの1つである」が26.7%、「 優先度は高くないがテーマにはなっている」が12.2%となった。合計すると、約半数の企業が「取り組むテーマになっている」と回答した。

    Rakuten OPTIMISM会場風景
    図表1 BtoB-ECが重要なテーマになっているかどうか

    すでにBtoB-ECを実施している企業を対象に取り組んでいることを聞いたところ、「業務フローの変更」が52.9%と突出して高かった。導入時にハードルになったことは「既存の業務フローの変更」で33.0%と最多

    図表2 BtoB-ECサイト導入にあわせて取り組んでいること・ハードルになったこと(複数回答)
    図表2 BtoB-ECサイト導入にあわせて取り組んでいること・ハードルになったこと(複数回答)

    販売チャネルにECサイトを追加し、販売に関する様々なデータやお金の流れをシステムで管理していくためには、これまでの業務フローを改革し、業務方式を変更しなければなりません。

    導入企業においては業務フローの変更に取り組んだ企業が多いものの、ハードルになったと感じた企業も多いことが読み取れました。社内で十分なコンセンサスをとり、業務フローの変更をスムーズに行うことが大きなポイントといえるでしょう。

    調査概要

    調査対象:NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社のNTTコムリサーチの保有するアンケートパネルおよびその提携パネル
    サンプリング条件:製造業・卸売業・小売業でBtoBの物販に取り組む企業
    職種:経営・経営企画/マーケティング/営業推進・営業企画/営業(外販)
    職位 :課長以上
    調査方法:インターネット上でのアンケート
    有効回答数 :1,105人
    調査期間:2019年12月12日~12月24日

    『BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020』の概要

    第1章「BtoB-ECとは」

    BtoB ECが注目される理由と背景を掲載。また、EDIとインターネット上のBtoB-EC(いわゆるEC)の違いも掲載しています。それぞれのメリット、守備範囲の違いも解説し、なぜ今取り組むべきなのかをマクロな視点も含め解説しています。

    第2章「期待される効果と必要な機能」

    期待される効果や必要となる機能、相性の良い業界など、BtoB-EC導入によるメリットを詳細に解説しています。

    第3章「ユーザー企業動向」

    本調査で実施した企業へのアンケートのダイジェストと、業界ごとのBtoB-ECの動向の整理から、ユーザー企業の取り組み状況を整理しています。

    第4章「関連事業者動向」

    BtoB-ECに関連する事業者とその役割を整理しています。必要なシステムや機能の提供・開発を行い、導入の中心となるカート・受発注システム事業者については、その類型を整理し、代表的なサービスの特徴をまとめ、導入しようとする企業がどのような点に注意してシステムを選定すれば良いかを解説しています。その他、決済や在庫連携、販売関連システムなど連携する事業者の動向も整理しています。

    第5章「BtoB-EC導入の手順(はじめ方)」

    BtoB-ECの導入手順を解説。システム導入のみに注目しがちですが、スムーズに導入し、導入後に十分な効果をあげられるように、現状把握や目標設定、業務フローの改善など、必要な手順を各段階に分けて詳しく解説しています。

    第6章「ユーザー企業動向調査」

    BtoBの物販を行っている企業を対象に実施したアンケート調査の結果を掲載。BtoB-ECの導入状況やその実態、非導入企業の今後の意向などを集計しています。

    ご予約はインプレス総合研究所で

    BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]は3月24日(木)発売。インプレス総合研究所で予約を受け付けています

    BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020[今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]

    BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]

    • 監修:鵜飼 智史
    • 著者:鵜飼 智史/森田 秀一/公文 紫都/インプレス総合研究所
    • 発行所:株式会社インプレス
    • 発売日 :2020年3月24日(木)
    • 価格 :CD(PDF)版、ダウンロード版 90,000円(税別) 、
      CD(PDF)+冊子版 100,000円(税別)
    • 判型 :A4判 カラー
    • ページ数 :200ページ
    ネットショップ担当者フォーラム編集部
    ネットショップ担当者フォーラム編集部

    オフィス家具のオフィスコム、「One to Oneマーケティング」めざしCRMツール「アクションリンク」を導入

    6 years ago

    オフィス家具のネット通販を手がけるオフィスコムは、「One to Oneマーケティング」の実現に向けて、CRMツールを導入した。

    EC業界では現在、新規参入企業の増加などによって新規獲得のCPA(顧客獲得単価)が高騰、既存顧客のLTV(顧客生涯価値)を向上させる手法の1つとしてCRMの重要性が高まっている。

    オフィスコムは課題だった既存顧客の売上拡大、LTV改善を実現するため、新たにアドブレイブが提供するCRMツール「actionlink(アクションリンク)」を導入した。

    「アクションリンク」は食品ECの有名サイト「北国からの贈り物」でECマーケティング、ECコンサルティングなどに従事してきたアドブレイブの中村隆嗣氏がが開発したCRMツール。ECに特化した機能を搭載し、既存ツールよりも導入コストを大幅に抑えているという。

    EC事業者が抱えるCRMに関する課題
    「アクションリンク」はCRMに関する課題を解決するツールという

    手作業で設定していたデータ加工や計算を自動化することで、運用工数を大幅に削減。同時に、「アクションリンク」導入のECサイトではリピーター売上が平均2割増といった成果が出ているという。

    運営する公式ECサイト「オフィスコム」はオフィス家具や文房具、オフィス用品など、取り扱いメーカーは100社超、約11万点を販売する。2019年12月期の売上高は98億4600万円。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    [新型コロナ感染拡大の2月後半 消費指数]ECは前年比+4.6%、医薬品・化粧品小売+6.4%。娯楽系はほぼマイナス

    6 years ago

    Finatextホールディングスの子会社で、ビッグデータの解析・分析を行うナウキャストとジェーシービー(JCB)は3月16日、新型コロナウイルス感染拡大が続く「2月下旬の国内業種別消費動向データ」を公開した。

    それによると、マクロで見た「業種別消費指数」のうち、「EC」は前年の2月後半と比べて4.6%増、「医薬品・化粧品小売」は同6.4%増。一方、「旅行」「娯楽」「宿泊」などは総じて同マイナスとなっている。

    2月後半の消費動向によると、「総合消費指数」は「小売(財)」(0.0%)、「サービス」(-2.2%)と、ともに2月前半から改善。「総合」では前年比-1.2%までマイナス幅が縮小した。

    Finatextホールディングスの子会社で、ビッグデータの解析・分析を行うナウキャストとジェーシービー(JCB)は、新型コロナウイルス感染拡大が続く「2月下旬の国内業種別消費動向データ」を公開
    2月の国内業種別消費動向データ(出典:ナウキャスト、JCB)

    ミクロで見た「業種別消費指数」では、「スーパー」(+19.2%)「コンビニエンスストア」(+8.5%)「酒屋」(+15.5%)「医薬品」(+20.9%)「ディスカウントショップ」(+12.8%)が軒並み前年比で上昇している。

    「娯楽(-2.7%)」では「遊園地」(-11.1%)、「交通」(-2.7%)では「航空旅客(-12.7%)」がマイナスとなり、2月前半からも悪化している。

    Finatextホールディングスの子会社で、ビッグデータの解析・分析を行うナウキャストとジェーシービー(JCB)は、新型コロナウイルス感染拡大が続く「2月下旬の国内業種別消費動向データ」を公開
    主な業種別消費指数の推移(出典:ナウキャスト、JCB)

    ナウキャストおよびJCBが提供する「JCB消費NOW」は、クレジットカード会員の決済情報や属性などのデータを活用し統計化。これまで実態がつかめなかった業種別や販売形態別等の日本国内の消費活動の“今”を知ることができるサービスとなっている。

    石居 岳
    石居 岳

    新型コロナの影響で内定取消の学生を採用選考、「駿河屋」のエーツーが臨時で実施へ

    6 years ago

    ゲーム、DVD、フィギュアなどのECサイト「駿河屋」を展開するエーツーは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業から内定を取り消された学生の採用選考を臨時で実施する。

    臨時の採用選考は3月18日から。また、新卒以外にも、中途・アルバイト・登録制アルバイトなどさまざまな職種も積極的に採用するとしている。

    ゲーム、DVD、フィギュアなどのECサイト「駿河屋」を展開するエーツーのECサイト
    「駿河屋」のエーツーが展開するECサイト(画像は編集部がキャプチャ)

    エーツーの主力事業は、店舗やECサイトでさまざまなリサイクル商品の買取・販売を行うリサイクル事業。不況に強い業界と言われており、エーツーは過去の不況期に通販事業やホビー系商材の取り扱いを強化し、業績を伸ばしてきた。

    今後の事業拡大を見据え人材採用を強化する。経済産業省から各経済団体や業界団体へ内定取り消しの防止が要請されていることも踏まえ、緊急措置として、内定取消を受けた2020年4月入社予定の新卒学生を対象に臨時の採用選考を実施する。

    エーツーの2019年8月期における売上高は251億3887万円。

    募集要項は次の通り。

    • 職種:幹部候補・総合職・準総合職・一般職
    • 選考ステップ:通常選考ステップより短縮
    • 入社時期:2020年4月~6月(選考状況に応じて柔軟に対応)
    • 勤務地:静岡県静岡市、東京都千代田区秋葉原他
    • 採用情報https://www.a-too.co.jp/recruit
    • 問い合わせ先:エーツー 業務部 総務課
    • 電話番号:054-268-3000
    • メールアドレス:recruit@a-too.co.jp
    瀧川 正実
    瀧川 正実

    ウォルマートが始める有料会員サービス「Walmart+」とは。Amazonプライムとの差別化のカギは「実店舗」 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    6 years ago

    専門家達によると、Walmart(ウォルマート)がこれから始める有料会員プログラム「Walmart+」は、アマゾンのAmazonプライムとは異なるサービスを提供する予定です。Amazonプライムと差別化することには意味があるでしょう。

    競争が激しいスピード配送サービス

    Bloombergによると、「Walmart+」は、2019年にスタートしたウォルマートの食品配送サービス「Delivery Unlimited」の拡大版になるそうです。

    「Delivery Unlimited」は、Instacart Express(※編注:買い物をする人とスーパーマーケット、配達者をネット上でマッチングし、商品を最短2時間で届ける仕組みを提供するサービス)、Target(ターゲット)のShipt(※編注:主要小売業者と連携し、アプリを通じて食料品を当日配送するサービス。友人宅など、配達先指定も可能)、AmazonのPrime Nowなど、他のスピード配送サービスと競合しています。

    当初はヒューストン、マイアミ、ソルトレークシティー、タンパにある200店舗のみで提供していましたが、その後1400店舗に拡大しました。「Delivery Unlimited」の会員費用は、年額98ドルまたは月額12.95ドル。15日間の無料トライアルを利用してから会員になることができます。また、会員にならなくても、オーダーごとに配送料金を支払うことも可能です。

    Walmartのチーフ・カスタマー・オフィサーであるジャニー・ホワイトサイド氏が、「Walmart+」の開発と展開の陣頭指揮を執っていますが、それ以上のことはわかっていません。Walmartの広報担当者は、「Walmart+」の計画を認めましたが、詳細についてはコメントしませんでした。

    Amazonから顧客を奪うという発想ではない「Walmart+」

    Consumer Intelligence Research Partners社の推計によると、2005年にスタートしたAmazon Primeの全米の会員数は2019年12月時点で、1億1200万人でした。データ分析会社Kantar社のマーケットインサイト担当ディレクターティム・キャンベル氏は、「Walmart+」は全米に浸透しているAmazonと差別化し、消費者がAmazonプライムと「Walmart+」の両方の会員になりたいと思わせることが大切だと話します。

    Walmartは不利な立場に置かれていますが、このプログラムを大規模に成功させたいのであれば、困難な戦いに直面することも理解しています。Walmartが短期間でPrimeの独壇場に対抗できるようなサービスをスタートするとは思えません。「Walmart+」は収益を上げ、ロイヤルティを高めるための、Walmartが行う多くの取り組みの中の1つだと考えています。(キャンベル氏)

    Amazonが提供していない、あるいは提供できない特典を提供する必要があります。たとえば、Walmartの5,000以上に及ぶ広大な店舗ネットワークや関連店舗のどこかの店で買い物をする際に使える割引などです。これは、物理的な店舗数が数百店舗と限られているAmazonにはまだ真似できないことです。

    小売マーケティング会社RSR Research社の共同創設者で経営パートナーでもあるポーラ・ローゼンブラム氏によると、「Walmart+」がAmazonプライムとは異なる特典を提供するのは、ほぼ確実だそうです。

    たとえば、Walmartがストリーミングコンテンツの制作や提供を始めることはないでしょう。Walmartはすでに2010年に買収したストリーミングビデオサービス「Vudu」を所有していますが、このサービスは現在売りに出されている模様です。

    AmazonにはないWalmatの強みは店舗数の多さ

    Walmartの“驚異的なアドバンテージ”の1つは、アメリカのどこでもオンデマンドの食料雑貨宅配サービスを提供できることです。食料品配達サービスのみでAmazonの勢いを止めることはできませんが、Walmartはここで強みを発揮し、顧客のロイヤルティを高めることはできます」とローゼンブラム氏は言います。そして、次のように付け加えます。

    Walmartの最大の強みは、店舗数の多さです。Prime NowやPrime Freshの注文は流通センターから出荷されます。流通センターを出てから自宅に配送されるまでの間に、商品の劣化を防ぐためには大量の包装が必要になり、それが一部の消費者に不評です。そしてもちろん、Amazon Freshが利用できない地域もあります。

    キャンベル氏は、Walmartの目標は、Amazon Primeに倣うのではなくWalmartの顧客にとって意味のあるものを作り、時間をかけて構築することだと言います。

    たとえ「Walmart+」がAmazonほど大きく成長しなくても、売り上げと顧客ロイヤルティの観点から見たら成功するかもしれません。収益を上げ、ロイヤルティを高めるための、Walmartが行う多くの取り組みの中の1つだと考えています。(小売マーケティング会社RSR Research社の共同創設者で経営パートナー ポーラ・ローゼンブラム氏)

    Amazonプライムはアマゾンのビジネスの重要な部分です。CIRP(国際生産工学アカデミー)によると、同サービスの会員は直近の四半期でAmazonユーザーの約65%を占めており、2019年の決算報告では、Amazonプライム会費を含むサブスクリプションによる収入は192億1000万ドル。2018年の141億7000万ドルから35.6%増加しました。

    Amazonの2019年のセグメント別売上高
    Amazonの2019年のセグメント別売上高。DigitalCommece360「Amazon’s 2019 sales rise 20.5%」より編集部が作成

    WalmartはDigital Commerce360「全米EC事業 トップ1000社」の3位、Amazonは1位です。

    WalmartがPrimeのような会員プログラムを作りたい理由

    Walmartは以前にもAmazonプライムを真似たことがあります。「ShippingPass」と呼ばれる有料会員プログラムを試験的に導入し、年会費49ドルで2日以内の配達サービスを提供しましたが、2017年にプログラムを終了。代わりに、年会費なしで2日以内での商品発送という道を選択しました。しかし、Walmartが再び会員プラグラムに挑戦したい理由は十分に揃っています。

    マーケットプレイス技術ベンダーのFeedvisor社が米国の消費者2,000人を対象に2019年に実施した調査によると、Amazonプライム会員はあらゆるオンライン小売事業者が求める、ロイヤリティの高い頻繁に購入する顧客だそうです。調査には以下が示されました。

    Walmart's new loyalty program won't be an Amazon Prime clone
    DigitalCommerce360「Walmart's new loyalty program won't be an Amazon Prime clone」より編集部が作成

    新しいプログラムはSam's Clubと重複する可能性も?

    「Walmart+」が成功するためには、Walmartの会員制スーパー「Sam's Club」をある程度犠牲にしなければならないかもしれない、とキャンベル氏は言います。すでに報道されているように、「Walmart+」会員が、Walmartのガソリンスタンドでガソリン代を節約したり、Walmartの薬局で処方薬を買うことができたりするなら、なおさらです。

    残念なことに、Walmartは「Sam's Club」との内部競争を避けられた実績があまりありません。「Walmart+」のスタートは、特典の組み合わせ次第では、新たな傾向を生む別の事例になる可能性があります。(データ分析会社Kantar社 マーケットインサイト担当ディレクターティム・キャンベル氏)

    キャンベル氏は続けて、「『Sam's Club』の買い物客の5人に4人はWalmartでも購入しているため、Walmartが重複を避けるように気をつければ、間違いなく「Sam's Club」にも大きな利益になるでしょう。しかし、「Sam's Club」のビジネス規模はWalmartよりもはるかに小さいため、「Sam's Club」のニーズが会社の構想と対立する場合、しばしば棚上げされることがあります」と話します。

    RSR Research社のローゼンブラム氏によると、「Walmart+」が「Sam's Club」に与える影響は、少なくとも今のところ「心配するほど」ではなさそうです。しかし、彼女は、新しい会員プログラムが長期的に「Sam’s Club」に影響を与える可能性があることを指摘しています。

    これは長期的に見て興味深い試みです。このプログラムが成功したら、「Sam's Club」とWalmartがより協業した方が良いでしょうか? そうなれば、市場を混乱させるかもしれません。個人的には、いろいろな割引は初期段階では実装されないと考えています。

    Internet RETAILER
    Internet RETAILER

    【モバイルファーストに最適な決済フローとは?⑤】「プログレスインジケーター」を表示させる | モバイルファーストに最適な決済フローとは? 顧客体験調査で見えた自社ECサイト10の改善アイデア

    6 years ago

    決済を完了させるためにお客様は多数のフィールドに入力しなくてはならず、これは非常に長いプロセスのように感じられることがあります(参考:カゴ落ちが発生する10の理由)。しかし、「プログレスインジケーター」を表示することで、その問題を緩和できます。

    「プログレスインジケーター」で進ちょく状況を確認することで、決済フローをどれだけ進めたか、どれだけのプロセスが残っているのかを正確に判断できます

    「プログレスインジケーター」には、主に2つの目的があります。1つ目はお客様が決済フローのどこにいるのかを伝えることであり、2つ目は入力した情報を修正する必要がある場合に前のセクションに戻れるようにすることです。

    特に、多数の入力フィールドを有するモバイル端末では入力も遅くなるため、この点が非常に重要になります。こうした指標を表示しなければ「決済フローが実際以上に長い」という印象を与えてしまい、カゴ落ちにつながります。

    NG例:決済フローにプログレスインジケーターが表示されていない
    決済フローには必ず「プログレスインジケーター」を表示する必要があります

    方法① パンくずリスト方式で表示させる

    サイトで「プログレスインジケーター」を表示させるには、いくつかの方法があります。モバイルでは画面トップに「パンくずリスト」として決済プロセスを表示させることができます。この場合、お客様はこれまでに経た決済プロセスのステップ、現在のステップ、そして残りのステップを把握できます。

    配送先 > 決済 > 確認」と表示させた例" width="300" height="548" loading="lazy" decoding="async">

    上の画像ではカートアイコンの隣の「請求先 > 配送先 > 決済 > 確認」という形で表示しおり、残りが2ステップだとわかる

    方法② タイトルとステップ数を表示させる

    モバイル画面ではスペースに限りがあるため、決済プロセスのすべてのステップを表示するのは難しいかもしれません。この場合の解決策として、「3/5 請求先」という具合に、タイトルと共にお客様のステップ数を表示することができます。お客様がクリックすると開いたり閉じたりするようにしても良いでしょう。

    2.配送 3.オファーコード 4.決済 5.注文の確認と、ステップを表示させた例
    ステップ数とタイトルを表示させる設計を実装することで、お客様が進捗状況を把握できます
    ◇◇◇

    次回は配送先と請求先について解説します。お楽しみに。

    【モバイルファーストに最適な決済フローとは?】ここまでのおさらい

    Amazon Pay
    Amazon Pay

    通販・EC業務を自動化して3000時間の工数削減を実現、フェリシモが導入したRPAの効果とは

    6 years ago

    フェリシモはPC上で行う作業を自動化するソリューションであるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、ECサイトの在庫管理やカタログの印刷原稿チェックといった業務を自動化、年間約3,000時間の工数削減を実現した。

    在庫チェック・受注予測を自動化。発注ロス率も軽減

    フェリシモが導入したRPAは、ブレインパッドが提供する「ブレインロボ(BrainRobo)」。データ入力などの定型業務やWebサイトの情報収集・調査といった人が行っていた作業を、ノンコーディングで自動化・効率化するソリューション。ブレインパッドのAI(人工知能)や機械学習技術などを付加し、人が判断しなければならない高度な業務の効率化を可能にしている。

    フェリシモの調達部門では、ユーザーからの受注数予測と合わせて、在庫の過剰や不足を算出する作業を毎日実施。業務の重要度が高いため属人化が進んでいた。

    「ブレインロボ」を用いて、在庫数の計測とシステムへの入力作業をすべて自動化するプログラムを構築し、月あたり約40時間の作業がゼロになった。また、削減した作業時間は仕入れ先との交渉などに充当、人が介在しなければならない業務へリソースを割くことで調達実績が向上したという。

    加えて、ロボットによる在庫チェック回数を増やすことで受注予測の正確性を向上、発注ロス率が大幅に軽減した。

    カタログ原稿チェックの自動化

    商品カタログを用いた通信販売事業において、印刷原稿のチェックはユーザーに正確な商品情報を伝えるために重要な業務。しかし、商品のマスタデータと印刷原稿を照合し、商品名・商品コード・価格などが正しく記載されているかの確認作業には、手慣れた社員でも1商品につき1分は必要で、商品数が300個の場合は約5時間かかっていた。1種のカタログに対して複数回チェックを行うため、膨大な工数が発生していたという。

    チェック業務の自動化に向け、原稿のPDFファイルからテキストデータを自動抽出してマスタデータと照合するプログラムを構築。その結果、原稿チェックが数秒で自動的に完了できるようになった。また、チェックの見落としがなくなり、業務時間の大幅な削減につながった。

    導入による工数削減に対し、フェリシモMC本部業務基盤グループリーダー兼経営企画室広報部部長の吉川貴志氏は以下のようにコメントしている。

    「ブレインロボ(BrainRobo)」の導入は、業務の効率化だけでなく現場スタッフが自分自身の業務を見直すきっかけになりました。社員発案による「フェリシモ こびと隊」によって「この作業は属人化しているから自動化できる」「自分がロボットを作るならこうしたい」といった意見がたびたび出てくるようになり、RPAの活用意欲が高まってきていると感じます。

    導入背景とフェリシモ発案の「こびと隊」

    導入の背景についてブレインパッドは、「フェリシモはかねてより積極的なIT活用に取り組んでおり、業務効率化を目的としたITシステムを導入してきた。結果、個々の業務効率は向上したが、複数のITシステムを併用することによって生じるシステム間の連携などを人の手で行うこととなり、煩雑化と属人化が課題となっていた。課題の解決およびさらなる業務効率化のため『ブレインロボ(BrainRobo)』を導入した」と説明。

    フェリシモは導入に際し、RPAの活用を社内に浸透させるためにロボットをキャラクター化して「フェリシモ こびと隊」と名付け、「社員とともに業務を行う仲間としてRPAを迎え入れる」という取り組みを行った。

    フェリシモ ブラインパッド RPA こびと隊 業務効率化 ブレインロボ BrainRobo
    藤田遙
    藤田遙

    楽天「送料込みライン」導入店舗での商品購入でポイント5倍付与の「39キャンペーン」

    6 years ago

    「楽天市場」での買い物時にユーザーが3980円(税込)以上購入した場合の送料に関し購入者負担を0円として事業者が送料を負担する「送料込みライン」統一施策をスタートした楽天は3月18日、この施策に参加した店舗で商品を購入したユーザーにポイントを5倍付与する「送料無料ライン39キャンペーン」を始めた。3月21日(土)9時59分まで。

    施策は出店者の任意で「送料込みライン」を導入する形式スタート。楽天会員はエントリーを行い、対象店舗で1注文あたり3,980円(税込)以上を支払うとポイント5倍(通常ポイント1倍+特典ポイント4倍)が付与される。

    「楽天市場」での買い物時にユーザーが3980円(税込)以上購入した場合の送料に関し購入者負担を0円として事業者が送料を負担する「送料込みライン」統一施策をスタートした楽天は3この施策に参加した店舗で商品を購入したユーザーにポイントを5倍付与する「送料無料ライン39キャンペーン」を開始
    「送料無料ライン39キャンペーン」のページ(画像は編集部がキャプチャ)

    楽天は「送料込みライン」統一施策のスタートに関し、「導入した店舗がやってきたことを何らかの形でお知らせすることを考えている」(楽天)と説明しており、今回の施策はその一環。

    一部店舗からは「今回は3日間と短い。今回の施策が継続されてどれだけ定着するのか注視していきたい」といった声もあった。

    楽天は「送料込みライン」を導入した出店者に今後、一定期間、支援金を提供する「安心サポートプログラム」を展開する。導入した全店舗が対象で、期間は数か月程度。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    ECプラットフォーム「futureshop」の「コマースクリエイター」とアイル「CROSS MALL」が連携強化

    6 years ago

    SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」のフューチャーショップは3月16日、複数ECサイト一元管理システム「CROSS MALL」を提供するアイルとの連携を強化したと発表した。

    「futureshop」内の新しいCMS機能で、パーツ単位でECサイトを構築する「commerce creator(コマースクリエイター)」と、「CROSS MALL」の連携を強化。「commerce creator」と「CROSS MALL」を利用しているEC事業者は、「CROSS MALL」を通じて商品情報を一括で更新・登録できるようになる。

    注文・在庫情報の連携もするため、受注処理・在庫管理面の運営効率化も実現する。

    「commerce creator」はECサイトの要素1つひとつを「パーツ」単位に分割し、システム提供分と、独自に作成できるパーツとを組み合わせてECサイトを構築する仕組み。SaaS型の弱点とも言われるデザインのカスタマイズ性を向上。アップデートなどによる機能の拡張性も確保している。

    「CROSS MALL」は複数のECサイトの商品データや受発注、仕入れなどを一元管理できるASPサービス。複数の店舗を運営するEC事業者の業務を効率化する。

    瀧川 正実

    日本郵便、宮崎県内の郵便局で窓口業務を担当している社員が新型コロナウイルスに感染

    6 years ago

    日本郵便は3月17日、宮崎県内の郵便局で窓口業務を担当している社員が新型コロナウイルスに感染したことを確認したと発表した。

    新型コロナウイルスに感染した社員が勤務していたのは田原郵便局(宮崎県西臼杵郡高千穂町河内96)。

    保健所による指導の下、田原郵便局に勤務する社員について濃厚接触者の特定を行っているという。濃厚接触が判明した社員に対しては、自宅待機の指示を行う。

    消毒などのため、3月17日から当面の間、窓口業務を休止する。田原郵便局の利用客に対しては、上野郵便局、高千穂郵便局など最寄りの郵便局の利用を案内している。

    日本郵便では新潟県や大阪府内の郵便局に勤務する社員が、新型コロナウイルスに感染。ゆうパックなどの引き受けを一時停止するなどして、集配業務に影響が出ていた。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    セブン-イレブンが顔認証決済や商品案内用サイネージの視聴時間測定の実証実験を開始

    6 years ago

    セブン-イレブンジャパンは3月16日、省人化の実験店舗として運営している「セブン-イレブン麹町駅前店」において、顔認証決済を社員向けに導入した。

    専用端末を使って事前に顔の画像やクレジットカード情報、確認用コードを登録しておくと、セルフレジで顔認証決済を行える。

    顔認証決済の利用者は、セルフレジで商品代金を支払う際、顔と確認用コードで本人認証を行って決済する。

    顔認証決済のようす

    商品案内サイネージの視聴時間を顧客の年齢や性別別ごとに測定

    「セブン-イレブン麹町駅前店」では2020年5月中旬をめどに、店内の商品案内用サイネージを来店者が視聴した時間を、画像認識技術で測定する実証実験を開始する。

    サイネージに設置したカメラの映像を分析して来店客の視線を検知する。映像から顧客の年齢や性別を推定し、年齢や性別ごとにサイネージの視聴時間を可視化するという。こうしたデータを効果的な販促につなげられるかを検討する。

    視聴時間の測定は、日本電気(NEC)のAI技術「NEC the WISE」を使っている。NECによると、カメラで撮影した映像のデータは即時に破棄され、個人を特定可能な情報は保存されないという。

    「セブン-イレブン麹町駅前店」はセブン-イレブンジャパンの直営店。コンビニにおける課題に対し、技術や設備で解決を目指す実験店舗として2019年12月にリニューアルオープンした。

    渡部 和章
    渡部 和章

    EC+生放送の動画コマースに挑むネット版テレビショッピング番組が右肩上がりで成長している理由

    6 years ago

    インターネットテレビ局「AbemaTV」内で生放送型のショッピング事業などを手がける、買えるAbemaTV社。「AbemaTV Shopping(以下アベマショッピング)」の名称で展開しているショッピング事業は、「ネット+動画+EC」を生放送で行うビジネスモデルだ。いわゆる、“インターネット版テレビショッピング”で、このビジネスモデルを展開する企業は、テレビショッピング系の企業以外ではほんの一握り。右肩上がりでECの売上が伸びているという「買えるAbemaTV社」、それをシステム面で支えるGMOメイクショップのマーケティング責任者に取材した。写真:吉田浩章

    「AbemaTV」での「インターネットテレビショッピング番組」、売上は右肩上がり

    買えるAbemaTV社はサイバーエージェントが55%、テレビ朝日が40%、ロッピングライフ(テレビ朝日のテレビ通販子会社)が5%出資する合弁会社。「アベマショッピング」という通販ブランド、ECサイト名でショッピング事業を展開する。

    インターネットテレビ局「AbemaTV」のAbemaSPECIALチャンネルでは、毎週木曜日23時から1時間、通販バラエティー番組をライブで放送。番組で紹介した商品は約1週間、番組連動のECサイトで販売する。つまり、ECサイトは生放送番組を見た視聴者が商品を購入するための役割を主に担う

    通販バラエティー番組連動のECサイト「アベマショッピング」
    通販バラエティー番組連動のECサイト「アベマショッピング」

    「AbemaTV」の決算発表によると、開局から3年9か月となる2019年12月時点で「AbemaTV」アプリのダウンロード数は4800万を超えており、「AbemaTV」視聴者数は右肩上がりだ。こうした視聴者数の増加を背景に、買えるAbemaTV社の売り上げも右肩上がりで増えているという。

    “インターネット版テレビショッピング”の番組の内容は、MCにオリエンタルラジオの藤森慎吾さんを起用。さまざまな分野で活躍する著名人をゲストに迎え、自身が本気で売りたい商品を持ち寄ってプレゼンし、著名人同士がその商品の販売個数を競い合うというもの。販売状況をリアルタイムで視聴者に知らせる表示の仕組みも導入。販売個数を競い合うバトル形式の番組を盛り上げる1つの演出ツールとなっている

    販売する商品は、著名人がお勧めするモノのほか、コラボ商品、アニメオリジナルグッズなど。たとえば、ボクシングの元世界チャンピオンである亀田興毅さんらの父親・亀田史郎氏とコラボした「亀田史郎オリジナル3150(最高)Tシャツ」は、「アベマショッピング」でしか購入できない商品。

    「買えるAbemaTV社でしか買えないコラボ商品を増やしている。“ここでしか買えない”という限定感がある商品を数多くそろえているのが、買えるAbemaTV社の強さです」と、事業立ち上げ時からショッピング事業に携わる山岸杏子さん(Webプロデュース Div. プロデューサー)はこう言う。

    亀田史郎氏とコラボした、買えるAbemaTV社オリジナルの「亀田史郎オリジナル3150(最高)Tシャツ」
    亀田史郎氏とコラボした、買えるAbemaTV社オリジナルの「亀田史郎オリジナル3150(最高)Tシャツ」

    ショッピング事業のスタートは2018年2月。2016年4月の開局時、「AbemaTV」で放送していた番組はは麻雀や将棋、スポーツ番組が多かったため、ショッピング利用者の多くは30~40代の男性だったという。その後、「AbemaTV」に恋愛リアリティーショーをはじめ、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんが登場する番組などのコンテンツが拡充されることによって、女性視聴者が増加。それに伴い、ショッピング利用者の属性も変わっていき、現在は若年層を中心に女性層の割合が増えているという。

    スクラッチではなくカスタマイズ可能なASPを導入した理由は「コスト」「機能」

    「AbemaTV」にとって初となるショッピングコンテンツとなった「アベマショッピング」。ランニングコストとイニシャルコストを抑えつつ、トラフィックの急増にも耐えられるショッピング環境を整えたい――。ゼロからECビジネスに参入した買えるAbemaTV社が選んだECプラットフォームは、GMOメイクショップが提供する「MakeShopエンタープライズ」だった。

    「MakeShopエンタープライズ」は、企業の細かい要望に対応できるようにカスタマイズにも対応するECプラットフォーム。クラウド環境で提供するASP型のショッピングカート「MakeShop」の最上位プランになる。

    機能が充実していて、スクラッチよりもコストを抑えることができ、スピーディに導入できることを重視しました。また、追加開発費用を支払えば独自のカスタマイズができる。こうした点が「MakeShopエンタープライズ」の導入の決め手になりました。(山岸さん)

    買えるAbemaTV社 Webプロデュース Div. プロデューサー 山岸杏子さん
    買えるAbemaTV社 Webプロデュース Div. プロデューサー 山岸杏子さん

    インタビューで山岸さんが幾度も強調したのがカスタマイズ。買えるAbemaTV社の番組コンテンツの特長であるバトル形式を盛り上げる要素の1つ「販売個数のリアルタイム表示」もカスタマイズで実現した。

    「販売個数のリアルタイム表示」のイメージ
    「販売個数のリアルタイム表示」のイメージ

    こうした買えるAbemaTV社について、「MakeShopエンタープライズ」を提供するGMOメイクショップの田村淳さん(MakeShop事業部 カスタマーグループ 部長)はこう言う。

    まさしく当社が期待していた使われ方です。「MakeShopエンタープライズ」はカスタマイズ、機能拡張といった点でEC事業者の皆さまが選択するケースが多いプランです。「販売個数のリアルタイム表示」は、APIによって外部基幹システムと連携する機能を使って実現しました。また、買えるAbemaTV社さまはテレビのように瞬間的にトラフィックが増大するケースがあるので、トラフィックの急増に対応できることも考慮して「MakeShopエンタープライズ」を選ばれたのもベストな選択だったと思います。

    GMOメイクショップ MakeShop事業部 カスタマーグループ 部長 田村淳さん
    GMOメイクショップ MakeShop事業部 カスタマーグループ 部長 田村淳さん

    ショッピング事業のスタートから売り上げは昨対比200%成長という買えるAbemaTV社。今後のビジネス拡大という視点を踏まえ、スクラッチへの移行も検討したという。だが、最終的には「MakeShopエンタープライズ」を継続利用することに。それはなぜか。

    「MakeShopエンタープライズ」の機能やスペックは、多くのECサイトを構築・運用した経験値などを基に開発されています。スクラッチでECシステムを構築しなくても、「MakeShopエンタープライズ」で自社でやりたいことが実現できるという結論に至りました。また、月額コストは5~10万円。コストメリットも大きいと感じています。(山岸さん)

    視聴者の購入意欲を下げずに決済完了してもらうために「Amazon Pay」を導入

    “インターネット版テレビショッピング”は生放送番組を見ている視聴者をECサイトへ誘導するビジネスモデル。この点が、主にコンタクトセンターやECサイトへ誘導するのが基本的な仕組みであるテレビショッピングと大きく異なる。

    そして、番組からネットでの受注へと誘導した後では、視聴者の購入意欲を下げることなく決済完了することが重要視される。テレビショッピングではその対応方法として電話受注があり、視聴者に手間をかけることなく電話での会話によって企業側が対応するケースが圧倒的に多い。

    しかし、“インターネット版テレビショッピング”の場合、受注はECサイトがメイン。番組を見ている視聴者には、商品紹介動画を閲覧する時のモチベーションを維持したまま、ECサイトのフォームに購入者情報、発送先、クレジットカード情報を入力してもらうことが重要になる。

    「手間がかかる」「めんどくさい」――。テレビショッピング形式の通販ビジネスは視聴者の購入意欲をかき立てやすいというメリットがあるものの、フォームなどにおける情報入力でマイナスの心理を抱かれてしまうと、カゴ落ちへつながりやすいという側面がある。

    視聴者のモチベーションを下げることなく買い物が済むよう、買えるAbemaTV社が導入したのが、Amazonが提供するID決済サービス「Amazon Pay」だった。Amazon Payを選択すれば、顧客はAmazonアカウントに登録されている配送先・クレジットカード情報をそのまま利用できるので、こうした情報を入力することなくAmazon以外のECサイトへのログインや決済ができる。スムーズな購買体験により、買い物カゴに商品を入れてから、最短2クリックで決済することが可能になる。

    ショッピング番組は1時間。放映されているうちに早く購入したいというお客さまが多い「Amazon Pay」は購入時における情報入力の“めんどくさい”を解消することができます。私自身、他の自社ECサイトで「Amazon Pay」を使ったことがあるのですが、とても便利だと実感しました。(山岸さん)

    買えるAbemaTV社の立ち上げメンバー全員にAmazon Payを使った経験があり、「一度経験すればあの便利さはすごい」と山岸さん
    買えるAbemaTV社の立ち上げメンバー全員にAmazon Payを使った経験があり、「一度経験すればあの便利さはすごい」と山岸さん

    ちなみに、GMOメイクショップは、「Amazon Pay」のグローバルパートナープログラム(公式認定制度)の「Premier Solution Partner」に認定されている。そのため、GMOメイクショップのECプラットフォームを導入しているECサイトでは、追加開発などを行うことなく「Amazon Pay」を導入することが可能。買えるAbemaTV社も管理画面の設定から簡単に「Amazon Pay」を利用することができた。

    新規購入者のほとんどが「Amazon Pay」で決済

    「Amazon Pay」導入から2年弱。直近3か月(取材は2019年12月)の決済全体に占める「Amazon Pay」の割合は3割ほど。クレジットカード、代金引換も同様で約3割程度という。

    「Amazon Pay」経由での購入における、新規顧客と既存顧客の比率を聞くと、「ほとんどが新規のお客さまです」(山岸さん)。出演する著名人に左右されやすい、逸品が多いといった商品の特性上、アベマショッピングでは一般的なECサイトよりも「リピート購入が起きにくい」(同)。

    そのため、新規訪問者を購入に導き、売り上げを積み上げていくことがビジネス上重要となる。「Amazon Pay」の導入から1年ほどは、Amazon Payの決済全体に占める割合が4割を超えたこともある。さらに、2年目に入ると月次ベースの売上高は4桁万円で推移、売り上げの母数が右肩上がりに増える中で、決済全体の3割を「Amazon Pay」が占める状況が続く。

    つまり、新規アクセスから商品をカートに入れた後の商品買い上げに至るまでのプロセスにおいて、顧客が「簡単に購入できる」環境作りを支援することで、「Amazon Pay」は新規顧客獲得などによる売上増に大きく貢献しているのだ。

    「AbemaTV」の視聴デバイスは約7割がスマホ。アベマショッピングでの購入者が利用するデバイスもスマホが圧倒的に多い。こうしたことを踏まえて、田村さんは以下のように話す。

    一般のECサイトではカートに商品を入れた後、個人情報やカード情報を入力する際に何回もクリックするなどの作業が発生します。スマホの場合、何回もタップするのは億劫ですよね。「Amazon Pay」を使えば外出時、手元にクレジットカードがなくてもAmazonアカウントを使って簡単に購入することができます。スマホで商品を購入する現代の消費行動に適した決済手段と言えます。

    「アベマショッピング」の買い物カゴ。「Amazon Pay」は画面右下に表示している
    「アベマショッピング」の買い物カゴ。「Amazon Pay」は画面右下に表示している

    「Amazon Pay」経由で、受注やカスタマーサポートにおけるバックヤード業務の負荷が軽減

    「Amazon Pay」の導入によって、買えるAbemaTV社には他にも好影響があるという。

    スマホ経由での購入、および生放送による“早く購入しないと”という買い物心理によって、フォームで個人情報を入力する際、一定の割合で入力間違いが発生しています。そうすると、受注やカスタマーサポートの負荷が大きくなってしまうんです。たとえば、住所情報が不十分なために配送できずにキャンセル扱いになってしまったり、商品が戻ってきたり……。しかし、「Amazon Pay」経由の購入ではこうしたことが起きません。(山岸さん)

    Amazon.co.jpは日本で最も利用されているECサイトの1つといえる。そのため、Amazonアカウントに登録されているクレジットカード情報、配送先などの個人情報は、常に最新の状況になっているケースが多いと考えられる

    カスタマーサポートの負荷ならびにキャンセル件数の軽減につながっている「Amazon Pay」の導入効果について、田村さんも同様の意見を示す。

    買いやすい、簡単に決済できる――。という側面だけではなく、注文ロスをカバーする効果もあるんですよね。あるECサイトでは、比較的年配の購入者層が多く、入力ミスが決済全体の10%もあり、受注担当やカスタマーサポートが注文者に電話確認を綿密に行うなどの手間が発生しているんです。こうした注文ロスをカバーし、業務負荷を軽減できるのは大きな効果です。

    「『Amazon Pay』は売上面だけではなく、バックヤード業務の負荷軽減にもつながる」と田村さん
    「『Amazon Pay』は売上面だけではなく、バックヤード業務の負荷軽減にもつながる」と田村さん

    買えるAbemaTV社では生放送番組との連動販売に加え、番組でヒット商品となった商品の定期販売を開始。歯ブラシや美容パックなどの販売を始め、売上拡大に向けた新たな取り組みがスタートした。

    山岸さんは、「ショッピング事業を、『AbemaTV』のプレミアム会員による課金、広告に次ぐ収益の柱にしていきたい。将来的には『AbemaTV』内に通販チャンネルを作る計画もある」と説明。買えるAbemaTV社をシステム面からサポートするGMOメイクショップの田村さんは「『買えるAbemaTV社』など、クライアント企業の売上増加をサポートし、選ばれるカートシステムとなり、ASPカートの中で1番の位置を取りたい」と目標を述べ、インタビューを締めくくった。

    MakeShopからのお知らせ

    ◆2020年3月5日から2020年4月30日まで、MakeShopにてAmazon Payキャンペーンを実施中◆

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    なぜ楽天の「送料込みライン」はこじれたのか? 元出店者が語る競争環境の変化、出店者の意識、打開策 | 竹内謙礼の一筆啓上

    6 years ago

    「楽天市場」において3980円以上の買い物で送料を無料にする楽天の「送料込みライン」施策。1月には楽天ユニオンが4000件の署名を公正取引委員会(公取委)に提出、公取委は2月に楽天へ立入検査を行い、その後、東京地裁に施策の緊急停止命令を申し立てた。

    楽天は店舗に送料無料を強制している――。そんな声が上がる中、3月5日、楽天の有力店舗が集まった「楽天市場出店者 友の会」が楽天の方針に理解を示すことを記者会見で発表した。推進派と阻止派が入り乱れる形となったまま、新型コロナウイルス感染拡大の影響も考慮し、施策の延長措置を取った上で3月18日、一部の店舗で導入日を迎えた。

    「そんなことしたら大赤字だ!もう我慢できない!」

    騒動の最大の焦点は「楽天は出店者に送料無料を強制している」という点に尽きる。振り返れば、2002年に「楽天市場」の出店料を定額制から従量課金制に変更したことを皮切りに、写真の背景画像の変更や罰則規定など、店舗側はさまざまな施策変更に振り回されてきた。楽天に対する不満は頂点に達していたと言ってもいい

    しかし、楽天も今回の件に関しては、相当慎重に取り組んでいるように見える。1年前から「楽天は3980円以上の買い物を送料無料にしますよ、だから準備してくださいね」と店舗側に言い続けてきた。退店したい店舗に対しては出店料を返金したり、「送料込みライン」施策を導入した店舗には支援金を出すなど、今までにない手厚いフォローで対応している。

    また、全国でタウンミーティングを開催し、物流事業にも力を入れて店舗に理解してもらう努力もしている。出店者の中に「送料込みラインは仕方がない」と理解を示す店舗が多い理由は、楽天がそのような努力を見せてきたことにもある

    2002年4月従量課金を軸とした料金体系を導入
    2008年6月個人向け出店プラン「一坪ショップ」終了
    2008年10月即日申し込みでメルマガ配信できる有料の「エクスプレスメール」導入
    2010年2月全店舗共通ヘッダー部分に検索窓を新設
    2011年5月メルマガの配信回数制限
    2011年10月オプトアウトでの参加意志を採用した「楽天S4」
    2012年11月重量課金の新たな対象として送料に手数料を課金
    2014年11月銀行振り込み先として楽天銀行に統一する施策
    2015年1月消費税分に対する手数料課金(外税と内税の条件を同一するため)
    2015年1月モバイル経由売上に関するシステム利用料の改定
    2015年4月メルマガ配信の完全有料化(0.75円/通、税別)
    2016年9月「レビューへの傾聴施策」と「違反点数制度」スタート
    2017年4月楽天ペイ(楽天市場決済)の標準搭載
    2019年1月商品画像登録ガイドライン改訂
    「楽天市場」で実施された主な制度変更。制度変更のたびに、一部店舗から不平・不満の声があがっていた。しかし、こうした制度変更を振り返ってみて、今の「楽天市場」にどう影響していると感じるだろうか? たとえば固定料金から従量課金制度の導入。固定料金のままでは、5万店の店を抱え、膨大なトラフィックに耐えられるインフラを構築することはできなかっただろう

    不満があるのに退店できない理由

    この機会に「楽天市場」を退店しようと思っている人も少なくないだろう。しかし、彼らには「楽天市場」を簡単に辞められない事情がある。不平不満はあるものの、「楽天市場」は稼がせてくれるマーケットなのである。「Yahoo!ショッピング」や「Amazon」に比べて通販慣れしているお客さまが多く、商品力が弱くても「楽天市場」は景気よく売れる店舗が多い。

    「楽天市場」を飛び出して、自分のECサイトで売った方が良いと思うかもしれないが、今のGoogle検索の攻略の難しさと、リスティング広告の高騰を考えれば、「楽天市場」で「購入金額3980円以上の送料」を自社負担すること以上にコストと手間がかかるのは明らかである。楽天からきつい条件を突き付けられても、ぐっとこらえてECサイトを運営し続けるしか生き残る道はないのである。

    楽天もまたGoogleに振り回されている

    楽天に対して「店舗にきつい条件を出すのは止めたらどうだ」と思う人もいるかもしれない。しかし、楽天も好きで規制を強化しているわけではない。ネットの世界はGoogleの検索結果の支配下に置かれているため、楽天はGoogleの仕様変更に振り回される立場にある。たとえば、先述した商品画像のガイドラインの変更に関しても、Googleの検索エンジンとの相性を考えて、やむを得ず行った施策と言える。

    規定を変えたり罰則を設けたりすることも、ユーザーの変化とコストの上昇などを考えれば、やむを得ないことだ。私も出店者だった頃は「楽天は一方的だ!」と怒っていたが、ネットの知識を身に着けた今となっては、楽天の仕様変更に納得するところが多い

    実店舗の商売のように、状況の変化が緩やかなビジネスであれば、決断を急ぐ必要はないが、ネットの世界は変化が速いため、秩序を守るためにはストレスのかかる判断をスピーディにしなくてはいけない。楽天が「強引」「強制」と見えてしまうのは、このようなネット特有の事情、EC市場を取り巻く環境の変化がある。5万店舗の出店者の意見を1人ずつ聞いて、全員がハッピーになれる答えが出せるほど、時間の流れは緩やかではないのだ。

    できることなら共通の「送料込みライン」は止め、店舗側に負担をかけない運営をした方が良い。しかし、楽天は「送料込みライン」を実行しなければ生き残れないと判断したというのが厳しい現実だ。ネット通販を利用するほとんどの人が送料無料を意識して買い物をしており、送料無料のECサイトに人が流れていくトレンドは、今後も変わることはない

    また、「楽天市場」の送料のわかりにくさはユーザー離れを引き起こす要因にもなり、商品の価格を下げて送料を高くする悪質なネットショップ(いわゆる送料で粗利を稼ぐ出店者)の存在は、「楽天市場」利用者の不信感を招いてしまうのは明らかである。

    こうした買い物経験をしたユーザーは二度と「楽天市場」では買うことがなくなり、送料がわかりやすいAmazonへの顧客流出にもつながる。楽天の「送料込みライン」施策は、店舗にとっては厳しい措置かもしれないが、楽天が企業としてお客さまを守る立場に立ったサービスと考えれば、致し方ないルール変更とも言える。

    共通の送料無料ラインを導入し購買頻度増加や新規ユーザーの獲得を見込む楽天
    共通の「送料込みライン」の導入について(画像は2019年に楽天が公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャして追加)

    遅かれ早かれ、送料はどんどん上がっていく。梱包スタッフの人件費、段ボールなどの資材、配送コストは値上がりしていくからだ。「楽天市場」に集客するためのSEO施策やリスティング広告の費用も年々高騰しており、ここ数年のシステムエンジニアの人件費の高騰も、楽天の市場運営費に大きな影響を与えているだろう。「楽天市場」にいると当たり前に思えてしまうが、楽天が市場への集客にかけているお金だって無限ではないのだ。

    楽天が叩かれる理由

    今回の騒動の根底にあるは、ECサイトは「ちゃんとした会社」でないと運営できない時代になったということがある。少し前までは競合は少なく、送料も人件費も安く、誰でも簡単にECサイトを運営することができた。

    しかし、時代が変わった。優秀な人材を集めてゼロから商品を開発し、損益を考えて需要予測をしながらきちんと在庫を抱えられる、そこそこの規模の企業でなければネット通販で成果を上げられなくなったのだ。この状況が、これまで「楽天市場」で頑張ってきた小さなECサイトを追い詰めている最大の要因なのである。

    「昔の楽天に戻って欲しい」「もっと店舗のことを考えて欲しい」と、古き良き時代を振り返る出店者も多い。その気持ちも十分に理解できる。しかし、eコマースが弱者に厳しいビジネスになってしまった現実は理解しなくてはいけない。

    今回、楽天がメディアに叩かれている理由は、「送料込みライン」だけが問題ではない。楽天は長引く景気低迷の中で、数少ない成功企業であり、そのために世間から激しい嫉妬を買ってしまっているところもある。

    楽天が出店者に送料を負担させるのは、わかりやすい「地主」と「小作人」の構図であり、「送料込みライン」の問題が、世間に対して不満を抱えている人達の鬱憤(うっぷん)のはけ口になってしまっているところも大いにある。マスコミが判官びいきネタを大好物にしていることも、問題に拍車をかけている要因の1つだ。

    世の中で商売がうまくいく人は2割で、残りの8割はうまくいっていないという「2:8」のパレートの法則が、仮に「楽天市場」にも当てはまるとすればどうだろうか? おそらく8割近くの店舗は公取委のアンケートに対して「送料負担は横暴だ」「楽天に不満はある」と答えるはずである。街角インタビューで消費税の増税に「賛成」と答える人が少ないのと同じで、「送料負担に大賛成」「楽天の強制大歓迎」と答える店舗はいるはずがない

    友の会は御用組合ではない

    楽天に不満を抱えている人が多い中で、「楽天市場」の有力店舗が集まって「送料無料に賛成です」と言えば、仮に上記の法則が当てはまるとした場合、2割の店舗は応援に回るかもしれないが、8割の店舗はさらに不信感を募らせることになってしまう

    今回の原稿執筆にあたり楽天と距離を置いている複数の店舗にヒアリングをしたところ、「楽天市場出店者 友の会」設立準備会の記者会見を見て「楽天と裏でつながっているのではないか」と不信感を抱いた店舗は少なくなかった

    しかし、ここは彼らの名誉のために言っておくが、楽天の方針に賛同した店舗が楽天とつながっていることは「絶対にない」と断言していい

    楽天は忖度を非常に嫌う会社であり、裏で手を回したりすることが実際のところあまりうまくない。

    私も過去に楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを受賞した経験があり、さぞかし忖度してもらえると思いきや、せいぜいイベントで周囲の人からチヤホヤされるぐらいの恩恵しかなかった。わがままもたくさん言ったが「それはそれ、これはこれ」と受け入れられず、広告もたくさん買ったが、そこで特別に優遇された経験は一度もなかった。

    たとえ有力店舗であっても優遇しないところが、楽天の良い点でもあり不満な点でもある。そのような中で「楽天市場出店者 友の会」は、楽天の将来を本気で心配して、出店者を純粋に大切にしたいと思って、有志を集めて立ち上がったのだ。

    楽天 楽天市場 友の会 送料込み統一ライン 三木谷氏 楽天ユニオン 公正取引委員会
    「友の会」設立準備メンバーの山田岳人氏(中央)、原和正氏(右)、高尾太郎氏(左)

    楽天に対する暑苦しい程の愛

    一般の人には信じられないかもしれないが、「楽天市場」の主要店舗は仲間意識が非常に強く、楽天に対する愛も暑苦しいぐらいに強い。吉本興業の騒動の時、闇営業をした芸人や売れない芸人のために松本人志さんが先頭に立って動いたのと同じで、今回も純粋に、楽天と店舗のことを考えてアクションを起こしたのだと筆者は考える。

    ただ、いかんせん2:8のパレートの法則が当てはまるとすれば、そのうちの8の店舗の心境を汲み取れなかった感は否めない。送料が自己負担だろうがなんだろうが、楽天に従うしかないと覚悟を決めた店舗がおそらく大多数である。楽天で栄光に輝いた店舗の影になってしまった店舗にとって、光の部分に嫉妬と不信感を募らせる機会になってしまった側面は否めない。

    今後、楽天、公取委、楽天ユニオン、楽天出店者友の会の4者の間で、さまざまなやり取りが行われるはずである。3月10日、楽天ユニオンは送料込みラインの延長を不服とした会見を行い、同日、公取委は緊急停止命令を差し戻した。しかし、緊張感のあるやり取りはまだ続きそうである。

    筆者が考える3の打開策

    打開策は3つあると考える。1つは、楽天が「送料込みライン」の反対店舗に対して、時間をかけて説得することである。

    根っこを辿れば楽天側のコミュニケーション不足と、店舗側の理解不足の両方が原因である。eコマース業界の現状を丁寧に説明し、なぜ「送料込みライン」を導入しなくてはいけないのか、それぞれの店舗の置かれている立場を理解した上で、個別に時間をかけて説得していかなければいけない。

    「楽天市場」の店舗はネットのリテラシーが高くない事業者が多く、一筋縄では納得してくれない。感情的になっている人を理論で説いていくことは非常に難儀であり、説得できるかどうかは現時点では予測不可能である。

    しかし、楽天を今まで支えてきたのは、有力店舗もさることながら、物言わず、楽天の勉強会やカンファレンスにも出ず、ECC(楽天市場のECコンサルタント)とも連絡を取らず、黙って出店料や従量課金を払い続けてきた、9割近い店舗たちなのである。そんな彼らに対して広告やポイント、セールやクーポンの話をしても心を通わすことはできない。彼らの悩みを親身になって聞く姿勢を見せることが、態度を軟化させるきっかけになるではないだろうか。

    一連の報道を見る限り、「送料込みライン」に対して反対派が多いようなイメージを持ってしまうが、電話で複数店舗にヒアリングした感触では、「本音は反対だけど、納得もしている」と受け入れている店舗の方が多いのではないかと実感している。

    マンションの修繕費の値上げと同じで、その環境を受け入れる人のほうが圧倒的に多く、実のところメディアが騒ぎ立てるほど、「送料込みライン」施策に“猛反対”している店舗は少ないかもしれない。表立って声をあげない“声なき声”には、「反対だが受け入れるしかない。その環境でどのように利益を伸ばしていくかを考えなければならない」といった、現実を直視した見方をする出店者も複数存在する。

    そう考えると、楽天が「送料込みライン」を説得する店舗数は思いのほか少なく、本当に不満を抱えている店舗を一店舗ずつ説得していくことは、そこまで非現実的な話ではないように思われる。

    2月24日現在、楽天ユニオンのホームページには5992署名が集まったと記載されているが、このうち、現役の出店店舗がどのくらい占めているのか興味深いところではある。もしかしたら、ネット業界の事情がわからない人達が「弱い者いじめをするな!」と怒りで署名している可能性もある。署名した人達の割合は楽天ユニオン側にもぜひ公表してもらいたいところである。

    より魅力的な店に変わるチャンス

    2つ目は、「送料込みライン」の必要性を店舗側が理解した上で実施することである。店舗側の負担を考えれば、「送料込みライン」の施策は回避した方がいいのは事実。しかし、Amazonが送料無料を強化して、資本力の大きい出店者が多い「PayPayモール」が送料無料の商品を増やしていけば、「楽天市場」の集客力が弱まるのは時間の問題と言える。

    「送料込みライン」施策も長期的に見れば決して悪い施策ではない。送料込みの商品価格になれば、送料を上乗せして利益を取ろうとする店舗が増えるので、販売価格が上昇していく。そうなると、生き残りを模索する店舗側は「高くても買ってもらう方法」を模索し始めるので、セールや広告、ポイントに利益を圧迫されない売り方をするようになる。

    より店舗の個性が前面に出てくる売り方をするようになり、リピート客を増やすことに力を入れる店舗も増え、今まで以上に「楽天市場」の魅力が増していくのではないかと予想している。

    3つ目は、お客さまにも送料の一部を負担してもらうことである。楽天には月額利用料金を支払って、Amazonプライムのような特典が受けられる「楽天プレミアム」というサービスがある。現在は前面に打ち出していないが、お客さまにも会費として送料の一部を負担してもらうような形を取れば、店舗の負担も若干は軽減されるのかもしれない

    楽天ユニオン賛同者への提案

    楽天ユニオンに賛同する店舗の気持ちも理解できる。送料の負担や価格競争、広告費や人件費の高騰など、今のネット通販の環境は小さな会社にとってあまりにも厳し過ぎる。しかし、仮に楽天がここで「送料込みライン」施策をやめたとしても、恐らく競争環境は変わらない。むしろ「楽天市場」の集客力が落ちて、さらに厳しい状況に追い込められる可能性が高い。

    これからの小さな会社は、ネット通販への依存度を下げて、実店舗の集客を主体にした地域密着型のビジネスに回帰するべきだというのが私の考えだ。

    規模の小さな会社ではeコマース事業を展開することが年々厳しくなってきている。小さな会社が付加価値を付けて利益率の高い商売を展開するには、人と人がリアルに会える商売の方が向いている。楽天で培ったeコマースの知識と経験を生かせばオムニチャネル戦略やSNSを駆使した集客も可能なので、今までにない新しいビジネスを構築できる可能性だってある

    「楽天市場」で成功体験を積み重ねてしまうと、どうしても楽天にこだわってしまうところがある。しかし、楽天に不平不満をぶつけてネガティブな気持ちになるぐらいなら、新しい商売の道を探った方が成功する確率が高いのではないだろうか。

    楽天ユニオン 楽天市場 楽天 送料込みライン施策 公正取引委員会
    楽天ユニオン代表の勝又勇輝氏
    ◇◇◇

    プロ野球球団やサッカーチームを持ち、FCバルセロナのスポンサーでもあり、日本を代表するIT企業として、多くの人が「楽天は強い会社」というイメージを持っている。しかし、背後にはAmazonとヤフーが迫り、海外進出も思いのほかうまくいかず、新しい携帯事業も100点とは言えない事業運びで、おっちょこちょいな会社という一面が見え隠れする会社でもある。

    良くも悪くも、事業規模が大きくなっても、楽天は挑戦を続けるベンチャー企業なのである。

    それらを全部ひっくるめて、「守ってあげなきゃいけない会社なんだ」という思いにさせてくれるのが楽天なのではないだろうか。出店者も消費者も、もう少し優しい目で、この純国産のIT企業を見守っていっても良いのではないだろうか

    楽天創業~『楽天市場』誕生初期
    従業員6人、サーバー1台、13店舗でスタートした創業当初の「楽天市場」トップページ(画像は編集部が楽天のHPからキャプチャ)
    竹内 謙礼
    竹内 謙礼

    ビームスがZ世代向けのオンライン専用レーベル「BeAMS DOT(ビームスドット)」、EC責任者は24歳の入社1年目社員

    6 years ago

    ビームスは3月17日、1990年代後半から2000年後半の間に生まれたZ世代(約11歳~24歳)を対象にしたオンライン専用のレーベル「<BeAMS DOT(ビームスドット)>」を扱うECサイトを「BEAMS公式オンラインショップ」内に開設した。

    モールでは「ZOZOTOWN」へ3月25日に単独出店。3月10日にはECサイトの公開に先駆け、「beams_dot」という名称のInstagramアカウントを開設した。

    ビームスによると、Z世代は「カジュアルやモードのスタイルを日ごとで楽しみ、1つのブランドに固執することなく、今着たいと思ったアイテムを手持ちの服と合わせて選ぶ」傾向がある。

    幼少期からインターネットに触れている「デジタルネイティブ」層へオンライン専用ブランドを展開することで、Z世代が共感するブランド作りを進める。

    ECサイトではZ世代の柔軟な着こなしに対応するカジュアルからモードの幅広いラインナップを用意する。なお、「<BeAMS DOT(ビームスドット)>」のEC責任者は入社1年目の社員で24歳の米山友里恵さんが務めるという。

    ビームスは、1990年代後半から2000年後半の間に生まれた世代(約11歳~24歳)を対象にしたEC専用のレーベル「<BeAMS DOT(ビームスドット)>」を展開するECサイトを開設した
    「<BeAMS DOT(ビームスドット)>」のECサイト(画像は編集部がキャプチャ)

     

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    【2019年の広告費】ネット広告は2兆円突破でテレビ広告費超え、ECプラットフォーム広告は1064億円

    6 years ago

    電通が3月11日に公表した「2019年 日本の広告費」によると、2019年1~12月における「インターネット広告費」は前年比19.7%増の2兆1048億円だった。

    新聞やテレビなどマスメディア由来のデジタル広告が伸びたほか、今回から調査対象に追加された「物販系ECプラットフォーム広告費」が市場規模を押し上げた。「インターネット広告費」はテレビメディア(1兆861億円)を超え、媒体別で初めて首位になった。

    電通が公表した「2019年 日本の広告費」 テレビメディア広告費とインターネット広告費
    「テレビメディア広告費」と「インターネット広告費」

    「インターネット広告費」の市場規模には、今回の調査から「物販系ECプラットフォーム広告費」の金額が追加された。「物販系ECプラットフォーム広告費」とは、「Amazon」や「楽天市場」といったECプラットフォームに出店している事業者がプラットフォーム内で投下した広告費。2019年の「物販系ECプラットフォーム広告費」の金額は1064億円だった。

    「物販系ECプラットフォーム広告費」を除外し、前回調査と条件を合わせた場合の「インターネット広告費」の市場規模は同13.6%増の1兆9984億円。

    インターネット広告費の内訳

    インターネット広告費のうち「運用型広告」は1兆3267億円(前年比15.2%増)。

    マスコミ4媒体(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)の事業者が主体となって提供するデジタル広告は「新聞デジタル」が146億円(10.6%増)、「雑誌デジタル」が405億円(20.2%増)、「ラジオデジタル」が10億円(25.0%増)、「テレビメディアデジタル」が154億円(46.7%増)となっている。

    電通が公表した「2019年 日本の広告費」 媒体別広告費
    媒体別広告費

    国内の総広告費は6.9兆円

    2019年の国内の総広告費は6兆9381億円だった。

    調査対象を前回調査と同じ条件に揃えた場合の市場規模は、前年比1.9%増の6兆6514億円。市場規模は8年連続でプラス成長となっている。

    渡部 和章
    渡部 和章

    新型コロナウイルス感染拡大で「BtoC」ビジネスへの影響が顕著、衣服など身の回り品小売で「すでに影響が出ている」が83%

    6 years ago

    東京商工リサーチは3月12日、2回目の「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」の結果を発表した。

    産業を細分化した業種別分析結果によると、「すでに影響が出ている」と回答したのは、「織物・衣服・身の回り品小売業」が83.6%、「各種商品小売業」が80.6%などで、一般ユーザーをターゲットした「BtoC」ビジネスへの影響を直撃している。

    「新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしているか」聞いたところ、最多は「現時点ですでに影響が出ている」で54.8%。次いで「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」が39.8%となり、合計94.6%の企業が企業活動への影響をあげた。

    このうち、大企業(資本金1億円以上)が64.2%、中小企業(同1億円未満・個人企業等)は52.7%だった。前回調査との比較では大企業が32.6ポイント、中小企業が32.1ポイント、それぞれアップしている。

    東京商工リサーチが実施した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」
    「現時点ですでに影響が出ている」は54.8%

    産業別で見ると「すでに影響が出ている」の最多は、「サービス業他」の62.2%。「卸売業」62.0%、「小売業」60.6%が続いている。「小売業」は「今後出る可能性がある」を含めると95.0%を占める。

    東京商工リサーチが実施した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」
    「すでに影響が出ている」の最多は、「サービス業他」の62.2%

    規模別では大企業の小売業で「影響なし」は1社だけ。国内外で広く店舗展開する大企業は、外出自粛や買い占めなどの影響を受けやすく、同時にインバウンドは都市部の百貨店など大企業を中心に恩恵があった反動と見られる。

    業種別で「すでに影響が出ている」割合が最も高かったのは、「道路旅客運送業」の100%。上位15業種中、「繊維・衣服等卸売業」「飲食料品卸売業」の2業種以外は、一般個人を主なターゲットとしている。いわゆる「BtoC」ビジネスへの影響が顕著となっているとした。

    東京商工リサーチが実施した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」
    「BtoC」ビジネスへの影響が顕著となっている

    2020年2月度の売上高について、前年同月を「100」とするとどの程度だったか聞いたところ、68.7%の企業が前年割れ。中小企業では「80未満」が20.5%で、大企業では13.3%にとどまった。中小企業では「50未満」まで売り上げが落ち込んだ企業が3.6%。中央値は全企業が「90」、中小企業は「90」、大企業は「95」だった。

    東京商工リサーチが実施した「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」
    68.7%の企業が前年割れとなっている

    調査は2020年3月2日~8日、インターネットでアンケート調査を実施。有効回答数1万6327社を集計・分析した。

    石居 岳
    石居 岳

    ECに漂う閉塞感を打破するキーワードは「ヘッドレス・コマース」。デザイナーやエンジニアが挑戦できる環境を【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    6 years ago
    ネッ担まとめ

    長年ECに関わっている人ほど感じているの「閉塞感」ではないのでしょうか。ツールの導入の繰り返しに飽きた人は「ヘッドレス・コマース」について勉強してみると良いかもしれません。

    作り手にも楽しいECサイトを

    「これまでのECはたしかにつまらなかった」 いまこそECにクリエイターが必要なワケ | CreatorZine
    https://creatorzine.jp/article/detail/735

    まとめると、

    • デザイナーやエンジニアがECにネガティブなイメージを抱く理由は、①自由度が低い② 管理の煩雑 ③情報の取り扱いに慎重にならなくてはいけない ④努力が評価されづらい ⑤単純にECがつまらなさそう
    • ShopifyはシステムとのつなぎこみもAPIでできる。こうした仕組みは「ヘッドレス・コマース」と呼ばれ、デザインや開発側の制限を最小限にできるため注目されている
    • ECの自由度が増すことで、デザイナーやエンジニアがより挑戦しやすい環境が整ってきている。これからはECを作ること自体ではなく、EC上でどうコミュニケーションをとれるかが重要になってくる

    河野氏はデザイナーやエンジニアがECに携わるメリットとして、以下の3つの内容をあげた。

    ひとつめは、実際にモノを売り、広告費がいくらで、あるひとつの機能がどれほどユーザーに利用してもらえるか、などを体感することで、ビジネスの全体像をインスタントに体験できること。

    ふたつめは、世界に対して商売ができること。日本国内の需要が下降気味であるため、日本のモノを販売する市場を、世界へと広げていく必要がある。今後はますます、越境ECの仕組みが必要になるだろうと、河野氏は語る。

    3つめは、成果物を世界に体験してもらえること。世界に向けてモノを販売していくことが当たり前になっていけば、当然のことながら、自身が作ったサイトのデザインや開発した機能が世界中のユーザーの目に触れたり、評価されるという体験をすることもできるはずだ。

    私もECの運営はつまらないというか飽きてきている部分があります。そして、その理由も河野さんがお話された5つの理由。大変な割に減点評価でしかないんですよね。ECに漂う閉塞感を壊すのはクリエイティブを担うデザイナーとエンジニア。今までのECの人にない新しい発想でECサイトを作れるかどうかがポイントのようです。売れる喜びから体験してもらう喜びに変わらないといけないですね。

    関連記事

    良い体験=楽しいことを提供するには組織改革から

    “1年間、言い続けること”から変化は生まれる? コメ兵・藤原氏×メガネスーパー・川添氏に学ぶ、カスタマーエンゲージメントを実現する組織の作り方 | engagemate
    https://engage-mate.jp/article/interview/fujihara_kawazoe/

    まとめると、

    • 店舗販売は別の角度から提案ができることが強み。製品自体の性能はどの店でも変わらないが、ライフスタイルからの提案は人がいるからこそできること
    • 人員削減ではなく、カスタマーエンゲージメントの向上を目的としたテクノロジーの導入はプラス。テクノロジーを使えば業務は属人化しにくくなり、統一された接客がより容易に実現でき、顧客体験をさらに豊かにすることにエネルギーを使える
    • 過去の成功体験を引きずっている会社は、投資を行わないためにブランドという資産の価値をすり減らしている

    「アイケアカンパニー宣言」をきっかけに、店舗のメンバーはその日その日の利益を考えながらもお客様への最適な提案していくようになり、本部のメンバーも短期的な利益の最大化だけでなく、少し先の未来を構想するようになっていったように思います。ある程度の役割分担とそれぞれの協力体制ができたことで、長期的なカスタマーエンゲージメントの向上を考えられるようになりました。

    最初の記事に関連して読んでみるととってもわかりやすい記事です。店舗やECサイトを通しての体験が重要で、リアルでしかできないこと、ネットでしかできないことをやっていくのがポイント。実現するにはクリエイティブが不可欠で、そのためには組織から変えていく必要があるということです。

    藤原さんと川添さんのお話は答えなので、これを参考に1年後を目指して動いていくときっと上手くいくはず。

    公取委の捜査は継続ながらも一部店舗で始まる「送料込みライン」

    楽天の「送料込みライン」施策、公取委の捜査がまだまだ続く理由 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/7367

    楽天の「送料込みライン」施策、支援金は「メール便100円、宅配便250円」(上限あり) | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/7378

    まとめると、

    • 公正取引委員会は3月10日、「共通の送料込みライン」施策について、東京地方裁判所に施策の一時停止を求めて申し立てていた緊急停止命令を取り下げた
    • 次の焦点は3月18日からスタートする「共通の送料込みライン」施策が独占禁止法違反(優越的地位の乱用)に該当するか否か。公取委の審査および判断に移る
    • 楽天は一部出店者から導入する予定の「共通の送料込みライン」施策に関し、注文1件あたり「メール便は100円」「宅配便は250円」を支援金として導入店舗に提供すると発表

    こうした公取委の動きについて疑問を投げかける識者もいる。慶応義塾大学大学院法務研究科の石岡克俊教授は楽天からの依頼を受けて公取委に意見書を提出。

    「共通の送料込みライン」施策が実施された場合、公取委が指摘する「相当数の出店事業者の自由かつ自主的な判断による取引を阻害し、自由な競争基盤に悪影響を及ぼす」可能性は低いと指摘。たとえ、そうした効果があったとしても、長期にわたって固定化・長期化することは考えにくいと説明している。

    また、「共通の送料込みライン」施策が独禁法違反になった場合、「Amazonやヤフーとの競争に置いていかれる危険性もある。プラットフォームは社会的責任をという人もいるが、プラットフォーム事業者は過酷な競争にさらされている。ビジネスモデル間の競争も配慮も取り入れる必要がある」といった見方も指摘している。

    先週も動きが激しかった「送料込みライン」の動き。支援金を出すなどしてスタートすることとなりましたが、公取委の捜査はまだまだ続いています。それはそれでよいとしても、引用文にあるように競争環境が激化する状況も考えていかないといけないですよね。親方がなくなってしまっては送料どころの騒ぎではないですから。

    関連記事
    • 楽天の「送料込みライン」巡り有力店舗が声を上げた理由――三木谷氏との面談、楽天叩きへの反論、市場への思い【会見要旨】 | ネットショップ担当者フォーラム
      https://netshop.impress.co.jp/node/7353
    • 楽天の「送料込みライン」施策の任意スタート、楽天ユニオンの見解は? | ネットショップ担当者フォーラム
      https://netshop.impress.co.jp/node/7366

    EC全般

    ASP型ショッピングカートで初!カートページも独自ドメイン利用が可能に 全ページで安心感のある買い物や、より正確なアクセス解析を実現 | 株式会社ロックウェーブ
    https://www.value-press.com/pressrelease/237950

    これは素晴らしい! 現場で悩んでいることがスッキリサッパリ解決。

    ECサイト事業者をかたるフィッシング詐欺が1.32倍に増加 | Online Security
    https://www.onlinesecurity.jp/reports/2020/202002.html

    怪しいメールは無視ですよね。

    ヤフーショッピング | 2019年 エリアアワード 受賞ストア紹介 | Yahoo!ショッピング
    https://shopping.yahoo.co.jp/stores/beststores/area/

    いつものようにやっていることをじっくり観察して真似していきましょう。

    1月に詐欺発生の「Paidy」、再発防止にAI活用 顔認証で本人確認、不正取引を早期に検知 | ITmedia NEWS
    https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/12/news125.html

    今度は問題ないことを祈ります……。

    「2019年 日本の広告費」 | 電通
    https://www.dentsu.co.jp/news/sp/release/2020/0311-010027.html

    ネットがTVを抜いて1位に。つまりネットは競合しかいないということ。

    インターネットの主戦場は、「自宅内」かつ「スマホ」 | ウェブ電通報
    https://dentsu-ho.com/articles/7193

    自宅はネット使い放題・完全プライベート空間となればこうなりますよね。

    キャッシュレス化で財布に変化?キャッシュレス派の約半数が「財布に入れる現金が減った」 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/7359

    私は財布を持つことすら減ってきました。現金だけのお店は辛くなるかも。

    Amazonのネットショップ・EC運営で月商50万超えるためにやるべき10のこと(ひとりぼっち部署)|てんのお店づくり|note
    https://note.com/i2x_l7v/n/na3f9b0bf4d92

    王道的なAmazonでの売り方です。参考にしない手はないです。

    今週の名言

    私たちの目的は「施策」を行って「検証」することです。限られた時間と費用の中で、分析から結果を出していくには、人間の研ぎ澄まされた感覚やストーリーを助けにする方が、費用対効果と効率の面では正しい場合も多いのです。

    正しく退化していくデータ分析のススメ | アナリティクス アソシエーション
    https://a2i.jp/column/post-27271/

    そう。人間の感覚ってすごいんです。そこにAIなどを加えて相乗効果を出していきましょう。

    森野 誠之
    森野 誠之
    確認済み
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