ネットショップ担当者フォーラム

大塚家具の2019年1~12月期のEC売上は約3億円で7.8%減

5 years 9ヶ月 ago

大塚家具の2019年1~12月期(第4四半期累計)におけるEC売上高は、前年同期比7.8%減の3億6600万円だった。減収要因としてシステム更新の遅れをあげている。

大塚家具はECの集客チャネルとしてバーチャルショールームを開設したほか、自社ECサイトの利便性改善などを通じてEC事業の強化を図っている。

リアル店舗での買い物を疑似体験できるWebコンテンツ「バーチャルショールーム」を開設し、自社ECサイトと連携して商品を購入できるようにした。2019年4月にイタリアのラグジュアリーブランド専門店「Poltrona Frau Tokyo Aoyama」、5月には大型照明専門店「Lightarium(ライタリウム)」、7月にはスモールオフィス・ホームオフィス空間を提案する「SOHO GALLERY」を公開した。

また、自社ECの視認性や商品検索性の向上、購入手続きの改善などを目的にサイト改修を12月に行った。

大塚家具のEC売上推移
EC売上推移(画像は決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

EC事業は自社ECサイトを中心に展開しているほか、「LOCONDO HOME」「Yahoo!ショッピング」「Amazon」「ライグ」に出店している。

大塚家具は2019年12月にヤマダ電機の子会社になった影響で、今期は16か月の変則決算。2019年1~12月期を第4四半期累計期間とし、2020年1~4月を第5四半期としている。

主力事業の店舗事業の売り上げが落ち込んでおり、2019年1~12月期の単体売上高は前年同期比26.8%減の273億7000万円、営業損益は56億8800万円の赤字だった。

渡部 和章
渡部 和章

楽天が「送料無料ライン統一施策」での退店店舗に補償や外部チャネルの案内を検討へ

5 years 9ヶ月 ago

「楽天市場」での買い物時にユーザーが3980円(税込)以上購入した場合の送料について、購入者負担を0円とし事業者が送料全額を負担する送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策に関して楽天は2月13日、施策が原因で退店する店舗に向けた支援を行う方針を発表した。

2月13日時点であがっている支援策は次の2つ。

  • 「楽天市場」での既存顧客に対する外部販売チャネルの案内支援
  • 「楽天市場」出店料の払い戻し
「楽天市場」での買い物時にユーザーが3980円(税込)以上購入した場合の送料について、購入者負担を0円とし事業者が送料全額を負担する送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策に関して楽天は2月13日、施策が原因で退店する店舗に向けた支援を行う方針を発表
退店店舗への補償・支援策(画像は決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

2月13日に楽天が開いた決算説明会で三木谷浩史会長兼社長は、「(「楽天市場」での運営が)厳しいという店舗にはお助けできないかなと。Amazonやヤフーに移るのであれば『移転しました』と表示する。自社ECサイトを開いたのであれば通知もする」と説明した。

「楽天市場」では原則、店舗ページ内に市場外部へのリンクを貼ることやURLを記載する行為を禁止している。説明会で三木谷社長は外部リンクやURLの記載については言及していない。

広報担当者は「これから具体的な取り組みについて検討」と回答。出店料の払い戻しと合わせて、2月中に出店者へ通知するとしている。

なお、これまで「送料無料ライン」と呼んでいた施策の名称をこの説明会から「送料込みライン」に変更している。「エンドユーザーにはわかりやすいと思っていたが、(送料はタダではないといった)誤解を生みやすかったと反省している。わかりやすい名称にした」と三木谷社長は説明した。

楽天は「送料無料ライン」と呼んでいた名称をこの説明会から「送料込みライン」に変更している
「送料込みライン」と記載されたスライド(画像は決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

楽天によると、3月18日から始める送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策で影響を受ける注文は全体の8%にとどまるという。

3月18日から始める送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策で影響を受ける注文は全体の8%にとどまるという
楽天の施策で影響を受ける注文の割合(画像は決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

「楽天市場」内で一定額以上購入した消費者の送料を店舗側が負担する施策は8割が実施しており、送料の店舗負担を行っていない割合は2割にとどまると説明。「送料無料ライン統一施策」の影響を受けるとする割合はこうした数値に基づいた試算だが、購入価格ラインは「2000円以上」「5000円以上」などと店舗ごとで異なっている。

楽天が出店者に対して今回の送料施策を公表したのが2019年1月。「退店者が増えている」との一部報道があるものの、2018年12月末時点で4万7007店舗だった出店者数は、2019年12月末で4万9887店に拡大している。

瀧川 正実
瀧川 正実

Amazon日本事業2019年実績まとめ/アフィリエイト市場が拡大【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

5 years 9ヶ月 ago
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  10. 楽天がオートロック付マンションにおける「置き配」の実証実験、独自配送「Rakuten EXPRESS」で

    マンションの共有スペースに簡易宅配ボックスを設置。「Rakuten EXPRESS」の対象商品を購入した顧客が置き配を選択すると、簡易宅配ボックスで商品を受け取ることができる。

    2020/2/10

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    内山 美枝子

    楽天の国内EC流通総額は約3.9兆円で、伸び率は13.4%【2019年度の実績まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

    5 years 9ヶ月 ago

    楽天の2019年度(2019年1~12月期)国内EC流通総額は前期比13.4%増の3兆8595億円だった。「楽天市場」を中心に2019年度における国内ECの状況をまとめた。

    楽天の2019年度(2019年1~12月期)国内EC流通総額は前期比13.4%増の3兆8595億円
    国内EC流通総額の推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    2019年度の決算において国内流通総額の遡及修正があった。2019年第2四半期から一部事業で内部取引消去を行ったため、2018年度の数値を遡及修正している。

    国内EC流通総額は「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、チケット、ファッション、ドリームビジネス、ラクー、ビューティ、マート、デリバリー、楽天ダイレクト、カーライフ、クーポン、ラクマ、楽天デリバリープレミアム、Rebates、Raxy、楽天西友ネットスーパーなどの流通額を合算した数値。

    2019年度の国内EC流通総額の四半期ベースの推移

    • 2019年10~12月期(第4四半期) 前年同期比8.1%増の1兆531億円
    • 2019年7~9月期(第3四半期) 前年同期比18.4%増の1兆128億円
    • 2019年4~6月期(第2四半期) 前年同期比14.5%増の9219億円
    • 2019年1~3月期(第1四半期) 前年同期比13.2%増の8717億円
    2018年度~2019年度の国内EC流通総額の四半期ベースの推移
    国内EC流通総額の四半期ベース推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
    「楽天市場」の注文件数および購入者数
    「楽天市場」の注文件数および購入者数(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    楽天エコシステム(経済圏)のメンバーシップバリューは5.5兆円

    楽天エコシステム内において会員の価値を示す「メンバーシップバリュー」は2019年10-12月期(第4四半期)で5.5兆円。前年同期比で19.7%増。

    楽天エコシステム(経済圏)のメンバーシップバリュー(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
    楽天エコシステム(経済圏)のメンバーシップバリュー(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    楽天スーパーポイントアッププログラム(SPU)などの施策によって2019年の年間ポイント発行数は3200億ポイントに拡大。クロスユースの堅調な推移、アクティブユーザーの増加によってメンバーシップバリューの拡大につながったとしている。

    過去12か月間で2サービス以上利用者数を同期間の全サービス利用者数(2019年12月末時点)で割って算出したクロスユース率は、2019年12月末時点で71.9%となった。

    楽天:クロスユース率の拡大について
    クロスユース率の拡大について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    楽天カード決済比率が拡大

    楽天カード会員数は2020年1月に1900万人を突破。100万人増加ペースは過去最高という。

    こうしたカード会員の増加によって、「楽天市場」流通総額における楽天カード決済比率は継続的に拡大。2019年12月時点で63.7%まで伸びた。

    楽天市場流通総額における楽天カード決済比率
    楽天カード決済比率(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    モバイル流通総額の比率は74.1%

    2019年10~12月期における「楽天市場」のモバイル流通総額の比率は73.4%に。前年同期比で3.2ポイント上昇した。

    「楽天市場」モバイル流通総額比率
    「楽天市場」モバイル流通総額比率(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    出店者数は順調に拡大

    「樂天市場」出店者数は2018年12月末時点で4万7007店舗だったが、1年後の2019年12月末で4万9887店に拡大。伸び率は6.1%。

    自社配送サービスの人口カバー率は61%まで拡大

    自社配送サービス「Rakuten EXPRESS」の配送対象エリアを、秋田県、岩手県、山梨県、静岡県、岐阜県、三重県、滋賀県、愛媛県、山口県、佐賀県および長崎県に拡大。「Rakuten EXPRESS」の配送対象エリアは合計34都道府県となり、国内人口におけるカバー率は約61%となった。

    楽天が手掛ける物流施設の拡充 / ラストワンマイルの拡大
    物流施設の拡充とラストワンマイルの拡大について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

    「Rakuten EXPRESS」では、楽天グループで生活用品や日用品を取り扱う「Rakuten24」などの直販店舗、「楽天ブックス」、ファッション通販サイト「Rakuten Fashion」、家電ECサイト「楽天ビック」の商品と、「楽天市場」出店店舗を対象とする物流サービス「楽天スーパーロジスティクス」で受託する一部の荷物を自社配送している。

    再配達においては、24時までの時間指定に対応するほか、不在再配達を減らす取り組みとして、住宅敷地内への置き場所指定配達「置き配」にも対応している。

    「ワンデリバリー」構想への投資計画は2000億円で、2020年内には新たな物流拠点として千葉(習志野)と神奈川(中央林間)が稼働する予定。物流拠点を増やすことで、楽天独自の配送サービス「Rakuten EXPRESS」の配送対象エリアを拡充につなげる。

    「Rakuten EXPRESS」は楽天が運営する配送サービスで、日用品のECサービスを提供する「Rakuten Direct」、「楽天ブックス」「Rakuten BRAND AVENUE」、「楽天スーパーロジスティクス」で担う「楽天市場」の出店店舗の一部商品を楽天が配送している。

    「楽天スーパーロジスティクス」ではAmazonが提供する「FBA」の価格帯よりも物流・配送業務のアウトソーシングコストが低減できるとする。

    楽天・他社A 物流サービス料金比較
    楽天・他社Aの物流サービス料金比較(出荷作業と配送費)(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
    瀧川 正実
    瀧川 正実

    「楽天市場」の送料無料ライン統一施策、「書籍」「雑誌」などは対象外へ

    5 years 9ヶ月 ago

    「楽天市場」での買い物時にユーザーが3980円(税込)以上購入した場合の送料について、購入者負担を0円とし事業者が送料全額を負担する送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策に関して楽天は2月13日、「書籍」「雑誌」など再販売価格維持制度が適用される新商品は対象外とすることを明らかにした。

    「楽天市場」での買い物時にユーザーが3980円(税込)以上購入した場合の送料について、購入者負担を0円とし事業者が送料全額を負担する送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策に関して楽天は、「書籍」「雑誌」など再販売価格維持制度が適用される新商品は対象外とする
    2/13の決算発表で明らかにした

    新施策の対象外となるのは「書籍」「雑誌」「新聞」「音楽ソフト(音楽用CDやレコードなど)」など、再販売価格維持制度が適用される新品商品。中古品、DVDといった映像ソフト、電子書籍などは「送料無料ライン統一施策」の対象となる。

    「楽天市場」出店者は任意で共通の送料無料ラインから該当する製品を除外することが可能になる。

    • 酒類
    • 大型宅配便やクール便、国際配送
    • 沖縄や離島などが宛ての配送は9800円
    • 沖縄や離島などが出荷地の店舗
    • 同梱困難な商品は「単品配送設定」可能

    といった従来の除外対象に、再販売価格維持制度が適用される新品商品が加わる。

    こうした店舗からの意見を踏まえたルールの緩和・見直しを通じ、3月18日から始める送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策で影響を受ける注文は全体の8%にとどまるとの見通しを示した。

    3月18日から始める送料無料ライン全店舗(一部除く)統一施策で影響を受ける注文は全体の8%にとどまる
    新施策によって新たに影響を受ける注文について

    「楽天市場」内で一定額以上購入した消費者の送料を店舗側が負担する施策は8割が実施しており、送料の店舗負担を行っていない割合は2割にとどまるという。「送料無料ライン統一施策」の影響を受けるとする割合はこうした数値に基づいた試算だが、購入価格ラインは「2000円以上」「5000円以上」などと店舗ごとで異なっている。

    瀧川 正実
    瀧川 正実

    「デジタル・ネイティブ・ストア」をめざす丸井グループがDtoCビジネスの支援会社「D2C&Co.」を設立した理由

    5 years 9ヶ月 ago

    丸井グループは2月12日、DtoC(Direct to Consumer)のエコシステムを支援する新会社「D2C&Co.(ディーツーシーアンドカンパニー)」を設立したと発表した。「D2C&Co.」には「DtoCと仲間たち」という意味を込めた。

    DtoCビジネスは既存ビジネスの在り方を根本から変革する可能性を秘めていると判断。DtoCのエコシステムに関わる「仲間たち」と幅広く連携して互いに協力、成長・発展をめざすという。

    丸井グループは、DtoC(Direct to Consumer)のエコシステムを支援する新会社「D2C&Co.(ディーツーシーアンドカンパニー)」を設立
    エコシステムについて

    新会社を通じたDtoCスタートアップ企業への投資、年間2億人が来店するマルイ店舗や700万人を超えるエポスカード会員、モノ作りや接客・販売に精通した人材など丸井グループが持つリソースを結集。グループ一体となってDtoCの成長・発展に向けた取り組みを推進する。

    リアル店舗への出店をはじめ、協業によるカード発行、利用拡大によるLTV(生涯利益)の向上など、グループ全体の価値向上にもつなげる。

    オープンイノベーションを通じた企業価値創造に向けて、2023年3月期までの7年間で合計300億円の投資を計画しており、これまでに約130億円の投資を実行してきた。BASEやFABRIC TOKYO、SpartyなどのDtoCに関わる企業へ投資しており、今後は戦略投資の対象としてDtoCのスタートアップ企業にフォーカスして投資活動を展開する。

    DtoCブランドによるリアル店舗への支援も行う。ポップアップショップや常設ショップなど、展開期間や面積、メニューに応じてフレキシブルに出店機会を提供するほか、什器や店装など売場づくりのノウハウも提供する。

    DtoCブランドのキュレーションサイトを立ち上げ、DtoCブランド間の相互送客の促進も検討する。DtoCブランドにとって、ネットとリアルに続く第3の顧客接点として、より親和性の高い顧客を相互に紹介し合える場になり得ると見ている。

    丸井グループは2019年5月、今後の差別化戦略として「デジタル・ネイティブ・ストアへの進化」に取り組むと発表。DtoCやサブスクリプション型ビジネスなど、「デジタル・ネイティブ・ブランド」の出店を推進し、店舗を主体としたこれまでのビジネスモデルから、デジタル主体の店舗運営への移行をめざしている。

    丸井グループの差別化戦略:デジタル・ネイティブ・ストアへの進化
    デジタル・ネイティブ・ストアへの進化について(画像は丸井グループが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

    DtoCビジネスとは

    DtoCは小売店や広告代理店を介さず、消費者とブランドが直接つながる新しいビジネスモデル。直接販売を通じて得た顧客データをその後の戦略に活用。また、SNSやWebサイトを通じた顧客との直接的なコミュニケーションによって、提供する商品・サービスの背景にあるストーリーや世界観を表現できるのも特徴となっている。

    消費者とブランドが直接つながるのがDtoC
    消費者とブランドが直接つながるのがDtoC
    石居 岳
    石居 岳

    NIKEが物流倉庫にAI自動運搬ロボットを200台以上導入

    5 years 9ヶ月 ago

    人工知能(AI)を活用した物流ロボットを開発・提供するギークプラスは2月4日、自動運搬ロボット「EVEシリーズ P500R」をNIKEの物流倉庫に導入したと発表した。

    千葉県市川市内の新倉庫で200台以上が稼働。NIKEの倉庫の運営は、大和ハウスグループのアッカ・インターナショナルが担っているという。

    NIKEの倉庫で稼働する自動運搬ロボットのイメージ動画

    ギークプラスの自動運搬ロボットは、商品棚を持ち上げてピッキングスタッフの目の前へ運ぶため、倉庫内を人が歩いてピッキングする必要がない。ピッキングスタッフは棚から商品を取り、指定された「出荷BOX」へ入れる作業フローとなる。

    現在、豊田通商やアルペングループ、大和ハウスグループ、アッカ・インターナショナル、ビックカメラ、DHL、TSIホールディングス、DENSO、森永乳業、日立物流、SGホールディングス、ミドリ安全などが導入しているという。

    ギークプラスによると、日本で初めてギークプラスのロボットを導入したアッカ・インターナショナルは、800坪の倉庫敷地内で20人の作業スタッフを4人に減らした。1億5000万円の投資を3年で回収する見込み。

    渡部 和章
    渡部 和章

    【台湾EC】変化する台湾人男性の価値観と消費行動、押さえるべきポイントとは? | 台湾の最新ネット通販事情~トランスコスモス台湾からの現地レポート~

    5 years 9ヶ月 ago

    近年の台湾は日本と同様に消費行動が大きく変化しており、「自分の価値観に合う」サービスや商品を重視するといった新しい購買行動のトレンドが誕生しています。「台湾男性のライフスタイルの変化」というテーマで、現地企業が行った消費状況調査の結果に、筆者独自の観点を加え、マーケティング活動のヒントをお伝えします。

    台湾の若い男性は「良い品質=良いブランド」と認識

    Dongfang Online Consumer Research Groupが発表した「2018台湾男性消費者のライフスタイルトレンドレポート」の調査結果によると、ここ2年でデジタル技術が急激に進展したことによって、男性の価値観が劇的に変化しているとまとめています。

    一般的に、男性の“成功”は社会的地位や仕事の成功と定義されてきましたが、近年の若年男性にとっての“成功”は、人生に意義を見つけながら高品質で良いものに囲まれて生きることにシフトしているそうです。

    合わせて、ブランドに対する意識変化も起きており、「良い品質=良いブランド」と認識するようになっています

    たとえば、服を選ぶ際、ブランドの知名度より服のサイズ感、素材、品質などが購入の決め手になっていると回答。大企業や有名ブランドの商品は、広告費用が販売価格に含まれていることを認識し始めているため、有名ブランドへの信頼度が低下しています。

    調査結果では、自分の日常や生活レベルを向上させるために、関連する商品やサービスにお金をかける台湾男性が8割以上に上っていることがわかりました。

    すなわち、本当に必要なモノ・コト、気持ちを豊かにするモノ・コトであれば積極的に消費をするようになっているのです。

    ただ、「節約のために安いモノを買う」という傾向は減少しており、「不必要なモノ・コトはしっかり見定めたうえで、良いモノ・コトにはお金を使いたい」という傾向が高くなっています

    近年の台湾は日本と同様に消費行動が大きく変化しており、「自分の価値観に合う」サービスや商品を重視するといった新しい購買行動のトレンドが誕生しています
    本当に必要なモノ・コト、気持ちを豊かにするモノ・コトであれば積極的に消費をするようになっているという

    コスパを重視する台湾男性

    品質とセンスが良いものを追求する一方で、台湾国民の収入の伸び率(台湾行政院主計総処資料によると2016年の伸び率は2014年比で2ポイント増)に対して、支出の増加率(台湾行政院主計総処資料によると2016年の伸び率は2014年比で5ポイント増)が大きく上回っているため、消費者は「商品は支払った金額以上の価値があるか」を常に考えて購入するようになっています

    また、買い物をする際、55%の台湾人男性はより低価格な商品を探し、吟味してから購入する習慣があると答えています。日常生活の中で常に商品比較、価格比較をするのが現代の台湾男性のトレンドになっています

    一方、男性はファッション(美容室)やデジタル機器など、自分自身のためには積極的に投資する傾向があります。

    ◇◇◇

    台湾市場をターゲットにマーケティングを行う際、既存のブランドを時代や顧客に合わせてブランドを再構築する「リブランディング」、トレンドや消費の変化に合わせたプランニングが必要になるでしょう。

    トランスコスモス台湾
    トランスコスモス台湾

    インハウスシステムからebisumartへ。ヤマハミュージックジャパンのBtoB-ECリニューアル事例

    5 years 9ヶ月 ago

    ヤマハの100%子会社で、楽器・音響機器販売や教室事業を手がけるヤマハミュージックジャパン。業務委託先である国内約100社の修理代行店や、販売契約を締結している楽器店などに所属する約1000人の技術者から、アフターサービスに必要なサービスパーツの注文を受けるシステムをインハウスで構築・運用してきたが、「システムの老朽化」を受け、クラウドECプラットフォーム「ebisumart」に乗り換えた。

    運用開始から半年でWeb受注率が50%(旧システムでの実績)から70%を超えるなど、早くもリニューアルによる効果が出ている。

    アフターサービスで使用するサービスパーツを販売するBtoB-EC

    ベースシステムの老朽化を受け、リニューアル

    ヤマハミュージックジャパンの顧客は、業務委託契約をしている国内約100社の修理代行店、販売契約をしている特約店(楽器店など)に所属する1000人超の技術者。2001年から自前でシステムを構築し、オンラインでアフターサービス(エンドユーザーが購入した製品の修理、ピアノの調律や管楽器のメンテナンスなど)に使用するサービスパーツの在庫照会や価格照会、注文受付などを行ってきた。

    20年近くスクラッチ開発によるシステムで対応してきたことになるが、「ベースとなるシステムが老朽化しサポートも受けられない状況。早急な刷新が必要だった」(ヤマハミュージックジャパン カスタマーサポート部 技術サポートセンター センター長 今野文智氏)。そして、リニューアルの検討を開始した。

    ヤマハミュージックジャパン カスタマーサポート部  技術サポートセンター センター長 今野文智氏

    より多くの技術者が便利に使えるサイトにするにはどうしたらいいのか――。サイトリニューアルにあたり、コスト面などのメリットから再度インハウスで構築することも検討したというが、「インハウスで運用してきたデメリットもあった。今、我々が構築したいサイトは? と考え、最終的にはアウトソースの方が自社の目的を達成できると判断した」(今野氏)。

    クラウドECプラットフォーム「ebisumart」を導入し、同サービスの開発・提供を行うインターファクトリーによるサポートの元、リニューアルプロジェクトが始動した。

    ヤマハミュージックジャパンが導入した「ebisumart」の特徴

    社内から9名がプロジェクトに参加。3か月の並行稼働期間を経て、正式ローンチ

    プロジェクトを先導したのは、静岡県・浜松市に拠点を構えるヤマハミュージックジャパンの技術サポートセンターだ。同センターには大きく3つの業務があり、チームも3つに分かれている。

    リニューアルプロジェクトを推進するにあたり、各チームから主要メンバーが招集された。参加したのは、IT関係のシステムを担当する「ITチーム」、サービスパーツの受発注を管理する「パーツチーム」、技術者向けの指導を行う「技術者教育チーム」。

    それぞれのチームからリーダーとサブリーダーが参加するとともに、ヤマハグループ全体の情報システムを統括している「情報システム部」の担当を交え、計9名でプロジェクトチームが結成された。

    リニューアルにあたって難航したのは、各アイテムに販売契約の情報付けをしていくことだという。「大改革だった」と今野氏は当時を振り返る。

    リニューアルプロジェクトを先導した技術サポートセンターの主な業務内容

    アフターサービスという意味では、商品の製造が中止になってから本格的に始まるものもある。これまでヤマハが販売してきた全モデルのサービスパーツを合わせると、約38万アイテムにもなり、リニューアルを機にそれら1つひとつに、販売契約の情報を紐づけたいと思っていた。そこが業務効率を悪くしていたところだからだ。アイテム数が多く、大変な作業だった。(今野氏)

    ヤマハミュージックジャパンのリニューアルプロジェクトをサポートしたインターファクトリーの取締役CMO 三石祐輔氏から、「旧システムからの移行について問題はあったか?」と質問があると、今野氏は「いろいろとカスタマイズしたが、非常にスムーズだった」とインターファクトリーの技術力の高さを賞賛するとともに、大きなトラブルを回避するため段階的に稼働したことが奏功したと明かした。

    並行稼働期間を3か月とった。まず部内、次に社内、最後に技術者の皆さまにご案内という形で進めていったので、問題が起きても段階的に運用していくうちに解消できた。(今野氏)

    インターファクトリーの取締役CMO 三石祐輔氏

    稼働から半年経過。登録者が200人増 

    豊富な修理事例を生かし、症状から使用される可能性の高いパーツを表示

    ヤマハミュージックジャパンのBtoB-ECサイトが2019年5月にリニューアルオープンしてから、約半年が経過した。旧システムの登録技術者数は1000人程度だったが、リニューアル後に約200人増加。現在は1200人近くが登録している。

    以前は、新しく登録いただいた200人の技術者からFAXで注文を受けていた。ECで受発注できるようになりお客さまの利便性が向上しただけでなく、当社の業務効率も上がった。(今野氏)

    前述した通り、ヤマハミュージックジャパンのBtoB-ECサイトを通して購入される商品の大半は、技術者がエンドユーザーの所有する楽器の修理などに使用する「アフターサービス用サービスパーツ」。

    修理はスピードが重視される環境が多い。お客さまが大事に使っている楽器が故障した、調律が狂ってしまったといった要望に対し、スピード感を持って対応することが重要。(今野氏)

    そこでリニューアル後のBtoB-ECサイトでは、ヤマハミュージックジャパンが長年の業務を通して蓄積した豊富な「修理事例データ」を役立てることにした。

    データというのは、AというモデルのBという製品において、Cという不具合が生じた場合、Dというパーツを修理に使用した、といった情報群だ。

    こうしたデータをベースに、製品モデルや起こっている症状(不具合)から使用される可能性の高いパーツを表示させ、そのパーツをまとめてカートに入れるという機能をカスタマイズ実装技術者からの評価も高いという。

    ヤマハミュージックジャパンのBtoB-ECサイトリニューアルイメージ

    「ユーザーのグルーピングをしたい」。サイト利用者から新たな要望

    BtoB-ECサイトの利用者が増えるにつれ、新たな要望も出てきているという。その1つが、「ユーザーのグルーピングをしたい」というものだ。

    ヤマハミュージックジャパンの顧客である特約店や修理代行店は、1つの会社に技術者が1人ということは珍しく、複数の技術者を抱えた会社がエンドユーザーからの修理要望に対応する。だが、現時点では、ユーザーID(UID)1つに対して1人の技術者がひも付く設計のため、各IDからしか発注することができない。

    5人の技術者を抱える会社でも、会社全体で注文したパーツを1つのUIDから一覧で見られるというニーズには対応できていない。(今野氏)

    現在、ヤマハミュージックジャパンのBtoB-ECサイトに登録している技術者の割合は、同社の顧客である特約店などに勤める技術者全体の6割程度。残りの4割がなぜ登録しないかというと、パーツを注文する権限が与えられてないからだ。

    また、パーツ注文は、管理部や技術部の管理者が代表して行うことが多い。パーツは会社に届くため、それぞれの技術者が勝手にパーツを注文すると「誰が頼んだ?」と混乱につながりかねない。

    そこで利用者からは、「誰がどのパーツをいつ、いくらで頼んだか。それを日次や月次で集計し、管理者が確認できるようにしたい」という要望が上がっている。こうしたデータを管理できれば、1つのUIDで、管理部、技術部など複数部門のニーズに応えられるからだ。

    その他、「注文履歴を検索したい」というニーズも紹介された。

    「このお客さまがおっしゃっている症状は、以前対応した案件と同じ。あの時と同じパーツを頼みたいけど、どの製品だったか?」と技術者が振り返るシチュエーションは多い。今は購入履歴が出るが、検索できない。何らかの形で検索したいというニーズがある 。(今野氏)

    これらのニーズに対し、インターファクトリーの三石氏は、「それは我々の課題だが、今期は、BtoB機能強化を優先度の高い戦略にしていることから、ヤマハミュージックジャパンから挙がっている要望のいくつかは今期中には対応できるだろう」と自信を覗かせた。

    ほぼ満席の会場。来場者のBtoB-ECサイト構築への関心がうかがえる

    EC経由の受注率が50%→74%に向上

    BtoBの受注率80%と、BtoC-ECの利便性向上をめざす

    セッションの最後に、BtoB-ECサイトリニューアルによる業務効率の変化について、三石氏から今野氏に質問があった。今野氏の回答は以下のとおり。

    以前運用していたインハウスのEC経由の受注率は50%くらい。残りの50%はFAXか別の受注システムからの注文だった。以前のシステムで一番使い勝手が良くなかったのが、販売店の商品種別契約の制御が不完全だったことだ。具体的には、A社には○○と△△商品に関するパーツの購入が可能、というように分類するもの。会社ごとの受注契約の制御の一部を人手で行っていたものを、すべてシステム化できたことで業務効率が向上した。(今野氏)

    すでに効果は出ており、運用開始から2か月で受注率は50%から60%に向上運用開始からは半年が経過した現在、他のシステムからの受注も合わせると、Web受注率は74%にのぼるという。今後はこの数字を80%にすることが目標だ。

    また今野氏は今後の展望について、「BtoC-ECサイトにも取り組んでいきたい」と語った。

    BtoBで実現したい機能はある程度達成したので、今後はBtoC向けで何ができるかを考えたい。ヤマハ製品(部品)を使っている顧客は全国各地にいる。たとえばリモコンのようなオーディオ機器の付属品や、クロスなどのピアノお手入れ用品など。こうしたアイテムを提供できるECサイトを作りたい。(今野氏)

    現在はこうしたアイテムを注文するには、ヤマハミュージックジャパンに電話で問い合わせるか、ヤマハ製品を扱っている店に電話注文するかしか選択肢がない。

    住んでいる地域によっては、ヤマハ製品の取り扱い店舗が近くにないこともある。また電話注文の場合、現状は代引き送付しかないため、決済手段についてもクレジットカードなど多様な手法を望む声も多い。今後は、あらゆる顧客ニーズに応えられるBtoC-ECサイトの構築をめざしていくという。

    公文 紫都
    公文 紫都

    “良質な顧客体験”の提供はモバイルシフトにあり。リアル店舗企業のチャネルシフトに役立つ3つのヒント | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    5 years 9ヶ月 ago

    世界各国でホリデーシーズンが終わりました。蓋を開けてみると、アメリカを含む多くの市場で、“オンラインショッピングの利便性が店頭での買い物よりも勝った”という結果が出ています。

    米国のホリデーシーズン売上は8割超がスマホ経由

    全米小売業業界(National Retail Federation)によると、2019年のホリデーシーズン全体の売上高は4.1%増加。また、Adobeの調査ではホリデーシーズンのオンラインショッピングの売上高は1,425億ドルに上り、その84%がスマートフォンからの買い物だったそうです。

    ホリデーシーズンのオンラインショッピング売上推移
    ホリデーシーズンのオンラインショッピング売上推移(2016-2019)。Adobe「2019 Online Holiday Shopping Growth Driven Primarily By Smartphones」より編集部が作成

    Amazonのベストセラー商品を見てみると、消費者はマスカラから調理鍋まであらゆるものを買いだめしていたことがわかります。

    eMarketerの調査では、モバイルショッピングへの移行を示す新たな数字が示されています。アンケートの回答者の50%以上が、1か月以内に商品やサービスを購入するためにモバイルアプリを利用したことがあると回答。モバイルからのコンバージョンはオンラインショッピング全体と比較しても急速に伸びています。

    1か月以内のスマホユーザーの利用動向
    1か月以内のスマホユーザーの利用動向。eMarketerの「Smartphones Will Account for More than One-Third of Ecommerce Sales in 2019」より編集部が作成

    この傾向は、最近までオンラインよりも実店舗に重点を置いてきた一部の小売業者にとっては難題かもしれません。多くの人にとって、物理的な店舗の存在はブランドのDNAと魅力を示す大きな要素です。

    しかし、モバイルは顧客と店舗をつなぐ強力なツールになり得ます。今日、多くの買い物客がブランドや商品を最初に目にするのは、オンライン上に掲載されたモノであることがほとんどです。

    今後、実店舗での強力な顧客体験とオンライン上での存在感を兼ね備えられる小売事業者が成功を収めることになるでしょう。では、小売事業者がモバイルに切り込む最善の方法は何でしょうか。いくつかのヒントを示します。

    「Nordstrom」の組織体制に学ぶブランドロイヤリティ向上策

    消費者が特定のチャネルに依存しなくなると、すべてのタッチポイントで同じ購買体験を期待するようになります。そうなると、多くの小売事業者は店舗とオンラインの目標を確実に一致させるために、大きな構造的な変化が求められるようになります。部門間の関係強化や、新しいチームの構築などがあげられるでしょう。

    米国の大手小売事業者「Nordstrom」は、この流れをすでに理解しています。Nordstromは最近、新設したCOO(最高執行責任者)にケン・ウォーゼル氏(編注:Nordstromの最高デジタル責任者を歴任した人物)を任命しました。

    この動きは、Nordstromおよび小売業界全体に大きな変化が起きていることを示すものとして解釈できるでしょう。Nordstromによると、ウォーゼル氏は「Nordstromのデジタル資産と店舗資産を統合し、消費者に一貫した購買体験を提供する」ための活動に尽力するそうです。

    オンラインとオフラインの両方のビジネスのあらゆる側面を組み合わせて、統一された購買体験を消費者に提供するために、Nordstromは縦割りのチーム体制を壊す必要があります

    このアプローチは、多くの小売事業者にとって運用レベルでもメリットがあります。たとえば、売り上げがそれほど多くない実店舗でも、実は大量の店舗受け取りを行っているということがデータでわかる可能性があります。総合的なデータに基づくアプローチを採用し、すべてのタッチポイントが消費者と意味のある関係を構築する機会であることを認識することが、ブランド・ロイヤルティ構築の鍵になるのです。

    分析データを使用して消費者のエンゲージメントを高める

    データは、デジタル化が店舗にもたらす最大の利点であり、データに基づく洞察によって、ブランドのビジネス戦略全体を強化することができます。

    モバイルデータは従来、非常に縦割り型で活用されてきましたが、近年、モバイルが企業にとって消費者と最も近い接点であることがわかってきました。世界的に見ても、アプリ内で費やされる時間は2016年から2018年にかけて50%増加しており、この数字は今後数年で急増することは間違いありません。

    パーソナライズされたコンテンツに対する消費者の需要が高いことから、消費者の目を引くモバイル広告を作成するには、データも不可欠です。これらの広告は、人口統計データや心理学的属性データ、過去の行動(閲覧したアイテムなど)に基づいて作成することもできますし、消費者がマーケティングチャネルのどこにいるかに合わせて調整することもできます。

    その後、分析データを使い、どの商品やメッセージが最も消費者の共感を得るかを決定することで、キャンペーンをより効果的に研ぎ澄ませていくことができるのです。

    モバイルへの移行に成功したブランドから学ぶ

    モバイルの変革を始めようとしているブランドにとっては、困難な戦いのように見えるかも知れません。しかし、成功している実店舗ブランドはたくさんあります。

    ファッションブランド事業を手がけるAbercrombie & Fitchの事例はとても重要です。Abercrombie & Fitchのアプリには、eコマースに必要なすべての主要機能を備えています。

    洗練されたユーザーエクスペリエンス、注文のトラッキング、特定の商品の店内在庫があるかどうかをチェックできる店舗検索、カスタマーサービスオプションへの簡単なナビゲーション。また、決済サービスのVenmoとKlarnaとの提携により、消費者に多様な支払いオプションを提供しています。

    Abercrombie & Fitchのアプリ
    Abercrombie & Fitchのアプリ(AppStoreよりキャプチャ)

    さらにこのアプリには、単なる買い物のための機能だけでなく、お気に入りのアイテムを保存する機能(カートへの追加とは別機能)、会員制クラブ、店内プレイリストもあります。これらのコンテンツはブランドへの親近感を醸成するための大切な要素であり、ユーザーがその時点では買い物をする気がなくても、アプリに再度チェックインする理由となり得るのです。

    この戦略は、かつてのショッピングモールの猛者に恩恵をもたらしています。Abercrombie & FitchのCEOであるフラン・ホロウィッツ氏は2019年、「デジタルトラフィックの3分の2以上がモバイルからで、自社アプリはブランドの中で最も急速に成長しているプラットフォームになった」と述べました。

    ◇◇◇

    モバイルは、従来の実店舗型小売事業者に、消費者にリーチして、理解するための新たな方法を与えてくれます。そして、最も個人的で普遍的なチャネルとして、消費者のカスタマージャーニー、嗜好、ネットサーフィンの習慣に関する重要なデータを提供してくれるでしょう。優れた店舗戦略とモバイルを組み合わせることで、小売事業者は競争の激しい市場で成長を続けることができるのです。

    Internet RETAILER
    Internet RETAILER

    Web・アプリのサービス改善で成長へつなげるためのグロースマーケティングイベント「GROWTH SUMMIT 2020」【2/20開催】

    5 years 9ヶ月 ago

    ロケーションバリューは、Webやアプリのサービス改善を通じて成長へとつなげるためのグロースマーケティングイベント「GROWTH SUMMIT 2020」を2月20日(木)に東京・港区で開催する。

    ▼「GROWTH SUMMIT 2020」セミナーの詳細はこちら

    イベントの目的は「部分最適化なマーケティングではなく真にサービスのグロースを推進していく」。

    セミナーではユーザー行動分析のAmplitude、リクルートライフスタイル、タイムツリー、Rettyが登壇。「サービスの本質を無視したコミュニケーションが増えていないか」という疑問に対し、各領域のスペシャリストたちが自社の経験や知見を共有する。

    キーノートセッションには、IBMやMicrosoftなど全世界で1万2000社以上サービス改善を支援してきたAmplitudeのCEO・Spenser Skates氏が登壇。「グローバルで急成長している企業は何をやっているのか?」をテーマに、急成長している企業の裏側やデータドリブンの行動分析などを披露する。

    セミナー内容

    • 【オープニングトーク】
      (ロケーションバリュー 河野 恭久氏、Amplitude 米田 匡克氏)
    • 【キーノートセッション】
      「グローバルで急成長している企業は何をやっているのか?」
      (Amplitude Spenser Skates氏)
    • 【セミナー①】
      「プロダクトを習慣化させるということ」
      (TimeTree 吉本 安寿氏)
    • 【セミナー②】
      「4,000万ユーザーRettyのグロース組織の裏側」
      (Retty 野口 大貴氏)
    • 【セミナー③】
      「データドリブングロースハック~組織デザインと案件推進~」
      (リクルートライフスタイル 坂東 塁氏、前田 周輝氏)
    • 【パネルディスカッション】
      「データドリブングロースハック〜組織デザインと案件推進〜」
      (TimeTree 吉本 安寿氏、リクルートライフスタイル 坂東 塁氏、前田 周輝氏、Retty 野口 大貴氏、電通デジタル 上野 雅博氏)

    こんな人にオススメ

    • 自社マーケティング及びデータ分析/サービス改善の責任者、プロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダーの方
    • データに基づいたグロースに取り組まれている方
    • DXプロジェクトに取り組まれている方
    • 広告のみのマーケティングに限界を感じている方

    セミナーの概要

    • 日時:2020年2月20日(木)13:40~17:00(13:00受付開始、17:00~18:00で懇親会を実施)
    • 会場:SUBIR AKASAKA TOKYO(シュビア赤坂)(東京都港区赤坂2-14-5 Daiwa赤坂ビル)
    • 参加費:無料
    • 定員:100名(応募者多数の場合、抽選)
    • 詳細と申し込みhttps://growth-summit.jp/
    藤田遙
    藤田遙

    2019年度のアフィリエイト市場は8.7%増の3133億円、2023年度には4654億円に拡大と予想

    5 years 9ヶ月 ago

    矢野経済研究所は2月7日、国内アフィリエイト市場に関する調査結果を発表した。それによると、2019年度の国内アフィリエイト市場規模は前年度比8.7%増の3133億円になると予想。

    国内アフィリエイト市場は今後も拡大するとしており、2023年度の国内アフィリエイト市場は4654億円にまで拡大すると予測している。

    矢野経済研究所は国内アフィリエイト市場規模は前年度比8.7%増の3133億円になると予想。2023年度の国内アフィリエイト市場は4654億円にまで拡大すると予測している
    国内アフィリエイト市場について

    業種別にアフィリエイト市場をみると、金融分野、特に仮想通貨やロボアドバイザーなどの投資や資産運用に関する商材で市場が拡大。EC分野も大きく伸長しているほか、2019年のゴールデンウィークが通常より長期間だったことによる旅行分野、2019年10月の消費税増税前の駆け込み需要により家電分野が拡大したという。

    販売手法をみると、単品商材を中心とした定期購入(サブスクリプションモデル)が増加するなど、単価の高い案件が増えており、アフィリエイト市場の拡大に寄与している。

    アフィリエイトを取り巻く環境

    外部環境に関しては、ITP(Intelligent Tracking Prevention:サイトトラッキングの抑止機能)によるクッキーの制限、Googleアルゴリズムのアップデートによる検索順位の変動、ヤフーのレギュレーション強化によるアフィリエイトサイトの広告出稿の厳格化など、アフィリエイトサイトにとってネガティブと考えられるレギュレーションの変更が行われた。

    広告出稿の厳格化に関しては、Facebookなどのソーシャルメディアにおいても、広告出稿専用アカウントの閉鎖といったレギュレーションの厳格化が図られるなど、アフィリエイトメディアに対してもネガティブなインパクトを与えている。

    しかし、現状のプラットフォーマーによるレギュレーションの厳格化に関しては、景品表示法や薬機法などの法規制を順守しない一部のアフィリエイトパートナーや広告代理店に大きな影響を与えているものの、優良なアフィリエイトメディアや広告代理店においてはほとんど影響を受けていないという。

    違法サイトが追放されるという観点においては、アフィリエイト業界にとってはプラスになるため、長い目で見ると決してネガティブ要因ではないとしている。

    今後の市場予測

    今後も国内アフィリエイト市場が拡大する理由は、広告主として自社ブランド製品を持つナショナルクライアントのインターネット広告への出稿が増えていることがあげられる。

    この流れは、ダイレクトレスポンス系の広告やECサイトなどでの広告出稿増加につながる可能性が高く、アフィリエイト市場においてもプラスに影響するとみている。アフィリエイトの提案による広告出稿効果がこれまで確実に出てきており、アフィリエイトへの評価が高まっていることも市場拡大の背景にある。

    さらに、EC化率の拡大も主たる要因となり、商品購入時のEC化率の拡大やEC決済サービスの導入障壁が低くなっていくこともあげられるという。

    分野としては、女性向けのダイエット商材やコスメ商材等が期待され、加えてサブスクリプションモデルの浸透も市場を牽引する要因になると期待されている。

    石居 岳
    石居 岳

    「アマゾンエフェクト」の脅威に打ち勝つには? 小売業の商機は実店舗の強みを生かしたオムニチャネル戦略にあり

    5 years 9ヶ月 ago

    Amazonが経済にもたらす影響「Amazon Effect(アマゾンエフェクト)」に始まり、EC専業には提供できない実店舗での顧客体験に小売事業者が注目し、リアル店舗を通じた“顧客接点”によって、新規顧客作り、リピーター作りに取り組む企業も増えている。米国では、Amazonに打ち勝つためには、実店舗とネットの双方向で付加価値を創造し、いかに最高の顧客体験を提供するかといった対抗軸で競争、生き残りをかける必要があると考える小売企業が増えているためだ。

    ただ、その実現には、ネットとリアルの融合を前提にした物流基盤の強化が欠かせない。いわゆるオムニチャネルを通じた顧客体験向上のためのインフラはどのように作ればいいのか。サプライチェーンとオムニチャネル分野のテクノロジーリーダー企業であるマンハッタン・アソシエイツが、小売企業がオムニチャネルに取り組むべき理由、その実現方法などを解説する。

    伸びが見込めない小売市場、差別化は店舗の有効活用にあり

    顧客体験向上のためのインフラ作りとして重要なのが、全社規模で在庫情報を一元管理し、実店舗を出荷拠点としても機能させる仕組みの整備。なぜ今、こうした仕組みが求められるのか。まず市場環境から見ていきたい。

    小売業販売額とEC市場

    1990年代の小売市場は右肩上がりで成長したが、その後は頭打ち。2010年代に入って持ち直しているが、今後は大幅な成長は見込めない。一方、小売市場の中のEC市場は右肩上がりを続けており、EC化が加速している。(清水氏)

    マンハッタン・アソシエイツ日本・韓国代表 清水博氏

    このように日本の小売市場の変化を振り返るのはマンハッタン・アソシエイツの日本・韓国代表である清水博氏。

    ECサイトを通じての消費が増える一方、清水氏が指摘するように全体の消費は今後、少子高齢化などの影響によって大きな成長は見込めない。つまり、小売市場における競争が今後、さらに激化することが予想される。

    その競争激化の牽引役がAmazon。会員サービス「Amazonプライム」やスピード配送などを武器にグローバルで事業を拡大する。日本でもAmazonの成長とともにスピード配送を求める消費者は増加傾向で、商品を届けるまでのリードタイムをできるだけ短縮しようとする小売事業者やEC事業者が増えている

    EC専業の場合は複数の倉庫を消費者の近くに置き、リードタイムの縮小に取り組んでいる。こうしたEC専業の動きに従来の小売業は押されている。米国では多くの小売業が店舗を閉店。日本でも大手アパレルメーカーが大量の店舗閉店を発表している。

    EC専業が消費者の求めているサービスレベルに対応するには倉庫を増やさなければならない。EC専業ではない従来の小売企業は、競合との差別化に店舗の有効活用が重要になる。(清水氏)

    EC専業モデルと従来の小売業における物流管理体制について

    付加価値の提供は「スピード配送+α」の対応、物流面から実現を

    配送料金の低減、BCP(事業継続計画)、リードタイムの短縮などの観点から、3PL事業者が運営する複数の物流拠点に在庫を分散するEC専業企業もあるが、決して多くはない。

    一方、従来の小売事業者はどうだろうか。「店舗という出荷ポイントをすでに保有している。つまり、顧客の近くで在庫を持つ体制が整っているのだ。小売企業がEC専業企業に勝つには、この店舗在庫を有効活用していくべきだ」と清水氏は説明する。そして、次のように付け加える。

    配送スピードだけでなく、顧客要望に対する柔軟性、サービスの向上には、店舗の有効活用が重要。配送先に対して遠く離れた倉庫からではなく、もっとも近い店舗の在庫を活用してお客様に商品を配送すればリードタイムの短縮、配送コストの低減につなげることができる。また、店舗での商品受け取り、店舗での返品受け取りが実現できれば、お客様の利便性を上げることができる。このように、小売事業者はEC専業に対抗していく計画を、今後立てていくことが求められる。(清水氏)

    小売業に求められるネットとリアルの融合策

    小売事業者やEC専業も含めた競争の激化が予想される小売市場。消費者が求めるスピード配送に加え、事業者には「+α」の対応が求められる。その「+α」の筆頭にあげられるのが利便性の向上だろう。「商品の受け取りに関しても、単に自宅で受け取るのではなく、今後は消費者のライフスタイルに合わせ“どのように受け取ることができるのか”といったニーズへの対応も重要になる」(清水氏)。

    商品の配送に関しても、倉庫に在庫がなければメーカーから直送するのか、店舗から発送するのか、複数拠点からの発送であれば、どこかの拠点で荷合わせを行い一括配送するのかなど、利便性向上に向けた「消費者のライフスタイルに合わせる」「消費者のニーズに応える」といった「+α」の実現には、複雑な業務を処理するオーダー管理が必要になる。

    EC化が進むことで倉庫も大きな影響を受ける。倉庫はこれまで、大量ロットを効率的に処理して小売向けの商品をさばいてきた。ECの台頭によって、1件1件異なる配送先や注文内容が入り、倉庫内作業が複雑になってきた。まだ、卸向け・小売向け・EC向けで在庫をばらばらに管理するケースが多い。

    しかしその方法では安全在庫量を押し上げることになり、且つ非効率で、多様化する消費者ニーズに対応することが難しい。複数倉庫の在庫を一元管理し、コストを抑えたオペレーションを実現しなければならない。それを達成するのが、ネットワーク全体から受注したオーダーを満たす最適在庫を特定し、店舗や倉庫などへの配送指示やその自動化を担うOMS(オーダー・マネジメント・システム)になる。(清水氏)

    増大する顧客ニーズへの対応には「OMS」が重要になると清水氏は説明する

    マンハッタン社の小売事業者向けソリューションとは

    LACOSTE、Everything But Waterなどマンハッタン社のオムニチャネルソリューション「Manhattan Active Omni」は、グローバルで活躍する小売企業の利用が多い。

    さまざまなチャネルのオーダーを一括管理するオーダー管理機能

    「Manhattan Active Omni」のOMS (オーダー管理) 機能を利用すると、顧客との取引に関わるライフサイクル全体を把握し、ECサイト、マーケットプレイス、BtoB、店舗、などさまざまな販売経路からのオーダーを一括管理することが可能。小売事業者は、クレジットカードの不正利用チェックから、支払い決済、購入物品の配送まで、注文から配送までのライフサイクル全体のオーダーを一元管理できるようになる。

    「Manhattan Active Omni」のOMS (オーダー管理) 機能を利用すると、顧客との取引に関わるライフサイクル全体を管理することが可能。EC担当、顧客、コールセンター、出荷スタッフ、店舗スタッフが、オーダートランザクションと全体在庫の状況をリアルタイムに把握できる

    生産性向上に寄与するWMS、ニトリが導入

    マンハッタン社の倉庫管理システム(WMS)は、高度な特許アルゴリズムを使用して作業効率を向上し、在庫、労働力、スペース全体を統合的に一元管理するソリューション。日本では家具・インテリア用品のSPA企業であるニトリが導入している。

    ニトリホールディングスの物流子会社であるホームロジスティクスは、2017年に「川崎DC」で運用をスタート。2019年、新たに関西物流センターへマンハッタンのWMSを導入した。

    目的は業務の標準化および、物流ネットワーク全体の効率化と処理能力の向上。現在はベトナムのハノイにある製造拠点と連携し、WMSソリューションを利用した商品の輸送情報管理も試験的に実施するなど、物流拠点間での業務標準化を進めている。

    マンハッタンが提供するソリューションの価値とは

    こうしたマンハッタンのソリューションを利用した企業にはどんな価値をもたらすのか。清水氏はこう語る。

    マンハッタンのOMS、WMSなどのオムニチャネルソリューションは、どんなスピードでどのように受け取りたいのかといったお客さまのニーズに対して、全社ネットワークの在庫から、(倉庫や店舗など)どこの在庫を引き当てれば、最小コストで顧客のニーズに対応できるかということを最適化するソリューション。たとえば、店舗在庫をEC向けに活用する場合、店舗在庫をEC用に優先して引き当てたり、注文者に最も近い倉庫および店舗からの配送を実現したりするといったことが可能になる。(清水氏)

    商品配送は、コストの削減などの観点から最適なDCからの配送などを実現することができる

    たとえば、単一倉庫で店舗向け、卸向け、EC向けの在庫管理や発送業務を一緒に行うことができれば倉庫、在庫、人員といった資産の重複を回避することができる。また倉庫の稼働率を最大化しながら、自動倉庫、マテハン(マテリアル・ハンドリング)の稼働を最大化させつつ、スタッフの作業時間を削減することもできる。こうすることで、資産の有効活用、ならびに人件費を抑制することが可能になる。(清水氏)

    マンハッタンが提供するOMSとWMSを利用した場合の効果について

    顧客満足度を上げる物流プラットフォーム

    店舗を持っている企業の強みは、多種多様なニーズを持っている実店舗来訪者のニーズを満たすことで顧客満足度を向上させることができること。

    たとえば、店舗を出荷ポイントの1つとして使用することで、既存資産を生かして物流網を強化できる。ただ、こうした物流網を構築するには、今まで以上に精度の高い在庫管理や、オーダーに対応する為のフルフィルメント能力が店舗にも求められる。その為にマンハッタン・アソシエイツはこうしたソリューションも提供しているのだ。

    管理者向けには、オンライン購入客の実店舗への来店実績、来店予定など、店舗で発生する作業が一目でわかるような管理機能を提供。作業者向けには棚卸しを容易にしたり、RFIDと連携した在庫管理、店舗在庫の効率的なピッキングなどを実現したりする機能もある。(楢崎氏)

    店頭在庫管理とフルフィルメントに関する機能

    このようにマンハッタンが提供するソリューションの内容について説明するのがソリューションコンサルタント 楢崎芳樹氏。マンハッタン社が提案する物流プラットフォームは、クライアントのニーズに合わせて3つのレイヤーにわけて提供しているという。

    マンハッタンが提案できる領域について

    1つ目が「サプライチェーンを可視化」するレイヤーで、「EEM (EXTENDED ENTERPRISE MANAGEMENT) と呼ばれる拡張サプライチェーン管理システムである。

    グローバルに調達及び販売を行っているクライアントに対し、在庫やシップメント、またスケジュールや進捗に対する可視性を提供することで、サプライチェーン全体の最適化を提案できる。(楢崎氏)

    マンハッタン・アソシエイツ ソリューションコンサルタント 楢崎 芳樹 氏

    2つ目がオーダーを管理するレイヤーで、「MANHATTAN ACTIVE OMNI」というソリューションが担う領域である。「DC在庫」「店舗在庫」「移動中在庫」「発注済み在庫」「サプライヤー在庫」を一元的に把握するのと同時に、BtoB、店舗、ECと販売チャネルを問わずオーダーの一元管理も行う。各オーダーの特性や制約(納期)に合わせ、複数拠点の中から最もコストが安くなる方法での在庫引当や配送指示を可能にする仕組みである。

    BtoB、店舗、ECと販売チャネルを問わず同一拠点で管理できるメリット

    マニュアルでは対応が難しい引当ロジックを、「シーズン」「販売動向」さらには「地域気候」に合わせて柔軟かつ簡単に調整が行える構成となっている。在庫の硬直化をなくすことにより、物流費を押さえながら(最小限の在庫量および、最も安い配送方法)、多種多様な顧客要望を満たすことで顧客満足度を高めることを目指しているクライアントに向けて提案している。

    「MANHATTAN ACTIVE OMNI」について
    複数拠点の在庫の中から、最もコストの安い方法で配送を指示する仕組み

    3つ目が、オーダー管理からの指示を受け、フルフィルメントを実行するレイヤーである。こちらは拠点規模や用途に合わせて、WMS(DC、TC管理)、SIF(店舗在庫&フルフィルメント管理)、ハブ管理、サプライヤー向けモジュールなどを用意している。

    こうしたマンハッタンのソリューション内容を踏まえ、サービス説明に登壇した楢崎氏は次のように講演を締めくくった。

    マンハッタンの物流ソリューションは、“物流プラットフォーム”としてお使いいただく事も足りない機能だけを利用するといった使い方も可能である。今ある企業資産(システム)を十分に活かしたうえで、弊社ソリューションを部品として組み合わせていただく事で、投資を抑えつつ短期間で複雑化する物流に対応できる仕組みの構築を実現できる。(楢崎氏)

    柔軟な導入が可能なマンハッタンの物流プラットフォーム ソリューション
    吉野 巨人
    吉野 巨人

    送料無料ラインを下げるとCVRが上がる? 「売上対物流費」を計算してみましょう【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    5 years 9ヶ月 ago
    ネッ担まとめ

    売上対物流費(売上高物流費、売上高物流コスト)をちゃんと計算している人は少ないのでは? これを計算してCVRを見ていけば採算ラインがわかるはず。

    送料はしっかり計算をしてから調整を

    楽天出店者が送料無料で成り立つか否か?カンタンに検証する方法|ごとうてっぺい|note
    https://note.com/teppeigoto/n/n6dd296b1c127

    まとめると、

    • 「Tshirt.st 楽天支店」ではすでに3,980円以上で送料無料に踏み切っている。変動費を考慮した粗利と売上対物流費を算出して判断した
    • 送料無料ラインを8,000円から3,980円に引き下げたところ、現時点では売上対物流費が1%程度減少している
    • 物流費というのは運賃はもちろん作業をするコストや保管費用などが複雑に影響するが、影響が大きいのは客単価

    ここで重要なのは同時に送料が払いたく無いという理由で注文に至らなかった、これまでの離脱のお客様が送料設定が引き下がった事で注文するため、売上対物流費が上昇するというデメリットが発生する事と、お客様の満足度が向上してCVR(転換率)が上昇することが考えられるという事だ。

    最終的にはやってみないとわからないものの、CVRが上がれば十分に採算が合うということが重要です。これは三木谷社長が言っていることと同じですよね。「購入するユーザーの立場で冷静に自分の商いと向き合いたい」と書かれているように、買う側がどう判断するのかを考えていきたいですね。そして、そうするために自社をどう変えるのかを追求していくしかありません。くれぐれも自社中心で考え過ぎないように。

    2020年は楽天全体でAmazonに対抗

    楽天・三木谷社長が語った「送料無料ラインの全店舗統一」実施への決意&2019年の総括と今後の取り組み | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/7235

    楽天が取り組む「優良店の露出強化」「送料無料ライン統一」「RMS再構築」など2020年上期施策まとめ | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/7250

    まとめると、

    • 顧客ロイヤルティ指標において楽天市場はAmazonに肉薄してきた。負けている理由は送料。送料で離脱するユーザーが7割近くいる
    • タウンミーティングで寄せられた店舗からの意見を受けて取り組んだのは「楽天ペイ補償サービスの拡充」「不審ユーザーの取り締まり強化」「露出を強化することができる優良店舗施策」の3つ
    • 違反点数制度スタート後、規約違反店舗は73%減少した。執行役員の野原彰人氏は今後「RMSの再構築」、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー受賞店などの露出を強化する「優良店舗施策」などを強化すると説明した

    ほとんど話題になっていないですが、楽天ペイ補償や不審ユーザーの取り締まり強化は良い対応ですよね。Amazonと比較してわかりづらいところをわかりやすくしつつ、楽天の特徴である多様性を維持するために優良店の露出強化を進める。そして、不審ユーザーも排除して全体としての信頼性を高めていく─。

    くどいようですが、楽天はこの動きを何年も前から進めていて、やり切らないと成長できないレベルになってきたということ。それに乗るかどうかを決めましょう。

    関連記事

    ファッション関連もピンタレストが伸びてくるかも

    ピンタレスト で知っておくべき、4つのショッピング機能 | DIGIDAY[日本版]
    https://digiday.jp/platforms/what-to-know-about-shopping-on-pinterest/

    Pinterestで購入前にリップカラーを試せるAR技術、米国で先行実装 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/7222

    まとめると、

    • ピンタレストで使えるショッピング機能は、プロダクトピン、アイテムタグ広告、「ショップ」タブ、画像検索の4つ
    • 拡張現実(AR)によってリップカラーを自分の顔で試せる「バーチャルトライ」が新機能として実装された
    • 写真を検索する際にPinterest レンズカメラのアイコンを開き、「バーチャルトライ」をクリックすると利用できる
    写真投稿サービス「Pinterest(ピンタレスト)」の新機能として、拡張現実(AR)によってリップカラーを自分の顔で試せる「バーチャルトライ」が実装された

    ピンタレストのショッピング機能が拡充されてきました。売る側に便利な機能はもちろん、買う側にも便利な機能です。ARの機能に関して、私はもちろんリップを塗ったことはないのですが、SNS上での女性の反応は良いようですね。ユーザーの声を受けて実装したとのことなので、こういった機能は増えてきそうです。

    EC全般

    月額制ファッションレンタルサービス『airCloset』が5周年!働く女性・ママは時間や手間をかけずにファッションを楽しむ「タイムパフォーマンス」を重視 | ASCII.jp
    https://ascii.jp/elem/000/004/001/4001689/?rss

    開始当初は大丈夫か?と言われていましたがもう5年。

    PayPay、登録者数2400万人超え 19年度4Qも「積極的に投資」とZHD | BCN+R
    https://www.bcnretail.com/market/detail/20200205_156991.html

    メルカリとメルペイ、NTTドコモが業務提携。「メルカリID」と「dアカウント」の連携でシームレスな電子マネー決済が可能に | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/7236

    メルカリへのオリガミ売却価格は1株1円、事実上の経営破綻で社員9割リストラ | ダイヤモンド・オンライン
    https://diamond.jp/articles/-/228034

    ○○Payは再編が進んで再びキャンペーン合戦になってきましたね。

    EC事業者にも関係するSameSite属性!カートに入れたはずの商品がない? ログインが何回も求められる? Chrome 80の仕様変更とその影響・対策 | E-commerce Magazine
    https://www.future-shop.jp/magazine/info-samesite

    ここはちょっと注意。特にオリジナルのシステムの場合は要チェックです。

    売上が伸びるECサイトの必須条件。不快な体験を徹底的に取り除く顧客体験設計とは | Web担当者Forum
    https://webtan.impress.co.jp/e/2020/02/07/34990

    ポップアップを使わない、梱包などの物理接点を強化する、広告は自然な流れで。やることはたくさんあります。

    置き配依頼にも完全対応!再配達いらずで荷物を受け取ることができるサービス「TODOCU」が全国で利用可能へ | ASCII.jp
    https://ascii.jp/elem/000/004/001/4001536/?rss

    宅配ボックスの利用をIoTで効率化、京セラと横浜市が実証実験 | ケータイ Watch
    https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1232626.html

    置き配のサービスがどんどん増えていますね。自宅にいるのに置き配ということもあって、まだまだ改善の余地がありそうです。

    今週の名言

    夫は元商社マンなんですけどまったく英語が話せなくて、「This is おいしい!」とかそういうので押し通してますね(笑)

    金沢の未来のためになるビジネスでファンを増やし続ける OTAに依存しない宿運営を実現する株式会社こみんぐるの林佳奈さん・林俊伍さんご夫妻 | Marketeer
    https://marketeer.jp/hayashi/

    越境やインバウンドなど外国人向けのサービスをしている方々は、こういった発言が多いです(笑)。ウダウダ考える前にやってみないと何も変わりません。

    森野 誠之
    森野 誠之

    【メーカーEC事例】文具事務用品のキングジムが「EC事業部」を設置した理由とは | 通販新聞ダイジェスト

    5 years 9ヶ月 ago

    文具事務用品メーカーのキングジムは2019年6月に「EC事業部」を立ち上げて、ライフスタイル雑貨を中心に通販事業での新規販路を開拓して、売り上げ拡大を図っている。

    元々、同社では2014年に買収した家具通販の「ぼん家具」をはじめ、フォトフレームなどの企画・販売を行う「ラドンナ」など、グループ傘下にEC実施企業を抱えていた。今回、グループ会社とのシナジー拡大を前提に、文具・事務用品以外での幅広い商材を開拓して、それぞれ専門店という形で仮想モールに出店。ECという新規販路での顧客獲得に乗り出している。

    まず19年5月に「楽天市場」に出店したのがグループ内のアスカ商会の造花を軸に取り扱う「はなどき」で、平均客単価は3000円弱程度。「母の日」をボリュームゾーンに商品の作りこみを行っている。ギフト向けを意識したドライフラワーをボトルに入れた商品や仏花などが安定して売れている。

    キングジム EC戦略 はなどき 通販戦略 おもいでの国 ToffySHOPONLINE
    「楽天市場」に出店した「はなどき」(はなどきECサイトから編集部がキャプチャし追加)

    同年11月にはペット用仏壇や仏具を販売する「おもいでの国」を同じく楽天市場に出店。ペット専用の仏壇や仏具、遺骨カプセルやフォトフレームなどの販売を行っており、商品の平均単価は8000円~1万円程度。

    キングジム EC戦略 はなどき 通販戦略 おもいでの国 ToffySHOPONLINE
    楽天市場に出店した「おもいでの国」

    また、14年より先行して楽天市場に出店していたラドンナのキッチン雑貨を扱う「ToffySHOPONLINE」では、平均客単価は比較的低価格路線の5000円台で、機能を絞り込んだデザイン性で訴求するキッチン家電を販売。売れ筋のオーブントースターを筆頭に、コーヒーメーカー、ウォーターサーバーなど若年層の1~2人世帯向けを中心に売り上げを伸ばしている

    キングジム EC戦略 はなどき 通販戦略 おもいでの国 ToffySHOPONLINE
    2014年から楽天市場に出店している「ToffySHOPONLINE」(ToffySHOPONLINE ECサイトより編集部がキャプチャし追加)

    それぞれの商材の選定に当たっては、出店先のモールの特性を考慮し、足りない商材、売れている商材などを見極めて決めている。特にペット用仏具については、近年、社会問題にもなっている“ペットロス”も踏まえて、需要が伸びていく分野になると判断した。

    なお、販促活動としては「ツイッター」も活用。セール告知を行うほか、家電であれば機能のアピール、季節商品であればタイミングに応じた訴求などを実施。その上で、商品検索がされやすいユーザビリティを整えて備えているという。

    他モールへの出店も視野に

    同事業運営に当たっては、ぼん家具でのEC事業経験者を担当につけており、グループ間での人材交流は積極的に行っている。「今後は木製の組み立て家具に強味のあるぼん家具のリソースを生かし、(現状のメーカーからの)仕入れ販売ではなく、ペット用仏壇の企画から行っていく可能性もある」(同社)とする。

    5年後にはEC事業部で10億円の売上高をつくることを目標に掲げる。販路については楽天市場がメインだが、売り上げ拡大に向けては他モールへの出店や、商品の横展開なども視野に入れている。「ECは出店してすぐに成果が出る市場ではない。横展開も重要だが、集中して販促を行ったり、商品やページの改廃を地道に繰り返していくことが大事。社内でその空気を共有しながら腰を据えてやっていきたい」(同)とした。

    通販新聞

    広告主向けアフィリエイト運用セミナー in 大阪梅田・2月21日

    5 years 9ヶ月 ago

    日本アフィリエイト協議会は2月21日、大阪・梅田で「広告主向けアフィリエイト運用セミナー」を開催する。

    第一部は日本アフィリエイト協議会事務局が、最新のアフィリエイト業界動向やアフィリエイト広告主の成功例などの情報共有を行う。また、これからアフィリエイトに取り組む広告主向けにASPや広告代理店の選び方、アフィリエイトサイトの評価方法について解説する。

    第二部は「アフィリエイト再入門講座」の筆者・鈴木珠世氏が登壇。広告主側としてどのようにアフィリエイト運用を行うべきか、実体験や事例を交えながら解説する。

    イベント名称 広告主向けアフィリエイト運用セミナー
    日時 2019年2月21日(金)13:00~16:45
    (受付開始 12:30~)
    場所 梅田ビルB1Fレンタルスペース貸会議室
    大阪府大阪市北区堂山町1-5 三共梅田ビルB1F  【MAP
    定員 60名(先着順)
    参加費
    (税込)
    現地参加
    • 日本アフィリエイト協議会 正会員:無料
    • 日本アフィリエイト協議会 無料会員:無料
    • 日本アフィリエイト協議会 非会員:5,000円
    主催 日本アフィリエイト協議会
    詳細・申込み https://www.japan-affiliate.org/news/koukoku200221/
    藤田遙
    藤田遙

    楽天がオートロック付マンションにおける「置き配」の実証実験、独自配送「Rakuten EXPRESS」で

    5 years 9ヶ月 ago

    楽天は2月5日、独自の配送サービス「Rakuten EXPRESS」でオートロック付マンションにおける「置き配」の実証実験を開始した。マンションの共有スペースに簡易宅配ボックスを設置。「Rakuten EXPRESS」の対象商品を購入した顧客が置き配を選択すると、宅配ボックスで商品を受け取ることができる。

    実証実験は東急が運営する神奈川県川崎市内のオートロック付マンションで、2月5日から2月29日まで実施する。

    楽天は、独自の配送サービス「Rakuten EXPRESS」でオートロック付マンションにおける「置き配」の実証実験を開始
    オートロック付マンションにおける「置き配」の実証実験のスキーム

    マンションの共用スペースに設置する簡易宅配ボックスは、Yperが提供する「OKIPPA」を採用した。

    マンションのエントランスのドアは、ビットキーが提供するスマートロック「bitlock GATE(ビットロック ゲート)」に対応しており、配送ドライバーは入り口付近に設置されたタブレット端末で解錠する。

    商品の配送は東急のホーム・コンビニエンスサービス「東急ベル」が担う。

    実証実験の対象商品は「Rakuten24」などの直販店舗、「楽天ブックス」、「Rakuten Fashion」、「楽天ビック」、「楽天スーパーロジスティクス」で配送する一部の荷物。

    渡部 和章
    渡部 和章

    Eストアーがコマース21に続いて2件目の大型買収、4億円投じてウェブクルー傘下企業を子会社化

    5 years 9ヶ月 ago

    Eストアーは2月6日、ウェブクルーの子会社で広告代理事業を手がけるウェブクルーエージェンシーの全株式を取得し、連結子会社化すると発表した。

    株式の取得価額は4億円。株式譲渡実行日は3月2日を予定している。

    Eストアーによると、ウェブクルーエージェンシーは「大企業を中心とした幅広いクライアントを抱えている」「ネット販促、リアルも含めた幅広いプランニング」「Google、Yahoo、Twitterといったネット広告の正規認定パートナー」といった特徴を持つ。

    ウェブクリーエージェンシーの取得で、販促サービス領域において今まで以上に処理量とクオリティーが高められると判断、株式取得を決めた。株式取得価額は4億円、株式取得にかかる費用等400万円で、4億400万円(概算額)で買収する。

    1月29日付で子会社化したコマースニジュウイチ(コマース21) とともに、ECシステムと販促サービスの領域において、大企業から中小企業まで幅広く顧客ニーズに対応できる体制が整う。

    一連のグループ形成により、中期線戦略である「より大型案件&より販促サービスを強化」の早期実現が可能となり、引き続き企業価値の拡大をめざしていくとしている。

    Eストアーグループがカバーする領域とターゲット層
    Eストアーグループがカバーする領域とターゲット層

    ウェブクルーエージェンシーの2019年3月期業績は、売上高が33億8500万円、営業利益・経常利益はともに5900万円、当期純利益は3800万円。

    Eストアーは2019年12月23日、ヤフーの100%子会社でECサイト構築システムを提供するコマース21の全株式を約13億円で取得し、連結子会社化すると発表。2020年1月29日付で全株式を取得している。

    パッケージ型インテグレーションECシステムのコマース21を子会社化することで、大企業から中小企業までを対象とするECシステムをフルラインアップで提供する体制を整えた。

    Eストアー、コマース21、ウェブクルーエージェンシーは連結で売上高100億円超のグループに
    Eストアーは連結で売上高100億円超のグループを形成することになる
    石居 岳
    石居 岳

    「ベイクルーズ」「シップス」の自社EC強化策――カギは「ネットと店舗の併売促進」 | 通販新聞ダイジェスト

    5 years 9ヶ月 ago

    セレクトショップ各社が自社通販サイトの強化を進めている。自社ECの場合、出店する仮想モールに比べてサービスやブランディングをコントロールしやすいというメリットがある。とはいえ、仮想モールの売り上げ比率が高いケースが多く、モールに比べて集客力に劣る自社ECを軸とした運営に切り替えるのは簡単ではない。そうした中でアパレル大手のベイクルーズは他社に先がけて自社ECの拡大に成功し、売上高構成比で自社ECが仮想モールを大きく上回る。シップスはシステム刷新を機にメディアプラットフォーム化とオムニチャネル化を推進し、成果が出てきている。両社の自社EC強化策を追った。

    【ベイクルーズの事例】オムニチャネル化進め自社EC比率が7割超

    ベイクルーズは自社通販サイト「ベイクルーズストア」を運営する。そのほかに外部の仮想モールとしてゾゾタウン、マガシーク、アイルミネ、マルイウェブチャネルの4サイトに出店している。

    自社ECサイト 自社通販サイト ベイクルーズ シップス オムニチャネル クロスユース 通販新聞
    自社通販サイト「ベイクルーズストア」

    前期(2019年8月期)の仮想モールを含めたEC全体の売上高は前期比18%増の395億円。そのうち自社ECは同45%増の284億円だった。EC売上高に占める自社ECの割合は72%と売り上げの多くを自社通販サイトが占めている形だ

    同社は以前から自社ECを中心に事業を組み立てていくことを目指し、エンジニアやマーケッター、ウェブデザイナーらを直接雇用して内製化を進めてきた。自社EC強化を行う上で、意識しているのがネットと店舗をシームレスにつなげること

    具体的には品ぞろえや提供するサービスをできる限り均一化する。そのために、ECと店舗の在庫を一元化したほか、双方の販売チャネルでの価格差をなくし、会員情報を統合してポイントプログラムもECと店舗で統一した。

    ECと店とでサービスにばらつきがあると顧客はどのタイミングにどこで買っていいのか判断がつかず、購入を見送ることもある。これを均一化することでベイクルーズの売り場であればオンラインでも実店舗でもどこで買っても条件が変わらないので客は悩まずに購入ができる

    ベイクルーズ上席取締役でEC統括の嶋田純氏は、「(ECと店舗の)どちらかのチャネルを最適化するというよりも、お客様は両方のチャネルを行ったり来たりして最終的にどちらかで買うので、どちらでも買っていただける状況を作った」と説明する。

    この「どちらでも買える状況」を構築したことで、ECと店舗の両方のチャネルで買い物をしている「クロスユース」の売り上げが大きく伸びている

    クロスユースの売上高は前期比でおよそ40%程度拡大。ベイクルーズの会員数は全体で約280万人抱えている。うちクロスユースの割合は人数ベースでは2割だが、金額ベースで見ると5割にのぼる。つまりクロスユースの顧客が同社の拡大を支えている

    会員をクロスユースにつなげる上で自社通販サイトが重要な位置づけを担っている。サイトでは商品ごとに店頭在庫を表示しているほか、これまでブランドサイトで発信していた店舗ブログを昨年の11月から自社EC内に統合した。

    同社はオンラインからオフラインへの送客効果を測定しているが、ブログ経由の店舗送客は大きいという。そのブログをトラフィックが多い自社通販サイトへ統合したことにより、店舗への送客がさらに伸びるのではないかと期待を寄せる。

    このように「ベイクルーズストア」は店舗を含めたすべての情報を閲覧することができるプラットフォームになっている。

    自社ECを強化し、ECと店舗でサービスを均一化したことで双方のチャネルでの粗利率の差が年を追うごとに減っているという。以前は店舗に比べてECのほうが粗利率は悪かった。しかし最近ではECで扱う商品の割引を減らしたことにより粗利率が改善し、店舗に近い数値になっているようだ。

    ベイクルーズによると、オンラインからオフラインへの送客効果を測定しているが、ブログ経由の店舗送客は大きいという
    ブログは店舗送客の効果が大きいという

    ECの内製化で100人規模に

    当然ながら、ベイクルーズのECと店舗の連携は一朝一夕に達成されたわけではない。

    同社がオムニチャネル強化を打ち出したのが14年。そこから会員情報統合や在庫一元化、ポイントプログラムの統合などを着々と進めてきた。

    これらが徐々に結果として表れ、17年8月期には自社EC売り上げがEC全体の半分を占めるまでに拡大。18年8月期には58%になり、前期の19年8月期は12ポイント増えて72%にまで拡大した

    「以前から自社EC比率7割を目標にして運営してきたが、前期で達成できた」と嶋田氏は明かす。今期(20年8月期)については、自社ECの構成比は7割を維持させていく方針だ。

    自社ECを強化し内製化を進める中で人員も拡充している。現在ではベイクルーズのEC事業を担う組織は100人超えの規模になっている。エンジニアらがおよそ40~50人、運営担当が50~60人といった構成だ。

    今期は顧客とのコミュニケーションの最適化を進める。顧客によってメルマガやLINEなどコミュニケーションのチャネルは異なる。また、同社は30以上のブランドを展開しているため、欲しいブランドの情報も違う。オンラインで買い物をする時間帯も通勤時間帯であったり就寝前など人によってさまざま。そこで顧客別に状況を分析し、最適なチャネルで・最適な情報を・最適なタイミングで届ける仕組みを開発中

    一方、現在出店している外部モールについては、自社ではリーチできない顧客に接点が持てることと、他社商品と並べて売られることで商品競争力を測ることができるという2点をメリットと考えているようだ。そのため、引き続き活用していく意向。

    【シップスの事例】オムニサービスを拡充へ

    シップスが自社EC強化に向けて大きく舵を切ったのは2018年11月のことだ。自社ECとコーポレートサイト、オンラインマガジン「シップスマグ」の3サイトを統合したのと同時に、機能面やサービス面の強化に本格着手した。

    3サイトの統合については、ウェブルーミングをしてから実店舗を訪れる顧客も多く、シームレスに情報を届けられるメディアプラットフォームの構築がユーザーエクスペリエンスの観点から不可欠と判断。利便性を考慮して分かれていたサイト、サービスを一本化した。

    サイト統合後、セッション数やPVは約1.5倍となり、単純に3サイトのセッション数を合計した数値よりも伸びたほか、店舗検索も増えたという。訪問者数の多い自社ECで店舗のニュースを発信し始めたことで、実店舗により興味を持って足を運ぶユーザーが増えたと見ている。

    一方、サイト統合で売り上げは大きく伸びたものの、商品以外の情報が増えことから、EC本来の検索性については改善の余地があるという。直近では、画像AIを使った類似検索機能を導入するなどして対策を講じている。

    自社ECサイト 自社通販サイト ベイクルーズ シップス オムニチャネル クロスユース 通販新聞
    シップスは、自社ECとコーポレートサイト、オンラインマガジン「シップスマグ」の3サイトを統合した

    シップスはサイト刷新に合わせて後払いなどの決済手段を増やしたりEC欠品時に店舗の在庫を引き当てる店舗客注を始めたほか、チャットボットも実装した。運用面ではインスタグラムの投稿写真をハッシュタグで収集し自社ECに活用できるツールを導入した。

    店舗客注は、商品詳細ページの「カートに入れる」ボタンの横に「店舗お取り寄せ(3~11日でお届け)」と表示され、通常商品よりも届くまでに時間がかかることが一目で分かる。

    店舗客注は機会ロスの低減に寄与しており、常時、自社EC売上高の10%以上を占めている。ただ、同社では実店舗でもしっかり売る環境を守るため、商品単位で店舗客注の対象外アイテムを設けている。店舗客注の設定は簡単にできるため、毎週、店舗の代表メンバーや営業部などとの打ち合わせ時に対象外商品を決めてすぐに反映させるという。

    また、昨年11月には自社ECで気になった商品をリアル店舗で試着できる「店舗取り置き・試着サービス」をスタートした。実店舗の在庫状況を確認できる機能は以前からあったが、試着予約機能を実装することで顧客の利便性を高めた。同サービスは事前決済をせずに利用できる。

    試着サービスの利用者数は想定よりも多く、初動では利用者の60~70%程度が来店し、そのうちの約60~70%が試着予約品を含めて何らかの買い物をしているという。従来から店頭や電話でも取り寄せ依頼を受けているが、その際の来店率と比べても遜色ない水準のようだ。

    リアルとネットをシームレスにつなぐサービスとしては、来期(2021年2月期)中をメドに、実店舗で欠品している商品でEC在庫があれば、タブレット端末を使って販売し、自宅に届けるEC客注のサービスを始める考えで、実店舗とECの欠品を補填し合える体制を整える。加えて、ECで購入した商品の店舗受け取りなど、販売チャネルに関係なく顧客の利便性を幅広く支援していく。

    MAツールの刷新で成果も

    昨年春には、マーケティングオートメーション(MA)のリプレイスを実施。代理店に頼った運用方法を改め、自社のチーム内で回せるツールに変更した。

    新着商品のメルマガ配信で買い上げにつながっているほか、カート放棄メールでは従来のウェブ完結型だけではなく、メール配信後に店頭で購入するという顧客行動も見えてきた。これは、ウェブルーミングをよく行うユーザーがお気に入り機能のようにカートを使い、メールを機に来店して購入するという間接コンバージョンの成果が数値に表れているようだ。

    また、ウェブプロモーション以外の新客開拓施策としては、昨年11月末からゲスト購入に対応。「自社の会員を増やし、CRMを回しながらLTVを高める施策は当然必要だが、会員登録まではしたくないというユーザーとのつながりを持つことも大切」(萩原千春デジタルマーケティング課課長)とする。

    ゲスト購入に対応して以降も新規会員数は減っておらず、ゲスト購入分が純増となっている。

    来期については、約1年前のサイト統合でメディアプラットフォーム化を実現したが、同社の強みである商品とスタッフの魅力をもっと発信していく。とくにスタッフによるスタイリングコンテンツの人気が高いことから、お気に入りのスタッフや店舗をフォローする機能を用意し、当該スタッフがコーディネートをアップしたときなどに情報を届ける

    自社ECサイト 自社通販サイト ベイクルーズ シップス オムニチャネル クロスユース 通販新聞
    スタッフによるスタイリングコンテンツの人気が高いという

    同社では店頭スタッフが目の前の顧客以外にも商圏を越えてアプローチできる機会を作っていく考えで、その際には評価制度にデジタル貢献度を盛り込むなどの動きも出てきそうだ。

    また、自社ECのパフォーマンスや機能の向上にも投資を継続する。サイトスピードの改善や決済手段の多様化といったユーザビリティーに直結する部分を候補に取り組む意向だ

    なお、シップスの19年2月期におけるEC売上高は前年比約10%増で、自社ECは同80%程度伸びた。20年2月期のEC売上高は同10%弱の伸びを、自社ECは同30%の成長を見込んでいるという。

    通販新聞

    アマゾン日本事業の売上高は約1.7兆円【Amazonの2019年実績まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

    5 years 9ヶ月 ago

    アマゾン日本事業の2019年(2019年1~12月)売上高は円ベースで1兆7442億1900万円だった(2019年の平均為替レートを1ドル=109円で換算)。円ベースの伸び率は前期比13.6%増。米Amazonが1月30日に公表した「年次報告書」などから、2019年のAmazonの日本事業、米Amazonの状況をまとめた。

    アマゾン日本事業について

    ドルベースの売上高は160億200万ドルで前期比15.7%増(2018年の日本事業売上高は138億2900万ドルで、前の期比10.3%増)。

    アマゾン日本事業の2019年売上高推移(ドルベース)
    アマゾン日本事業の売上高推移(ドルベース)

     

    日本銀行が参考計数として公表している「東京外為市場における取引状況(2019年中)」の2019年平均レート「1ドル=108.99」を参考に、1ドル=109円で換算で換算すると、日本事業における円ベースの売上高は前期比13.6%増の1兆7442億1900万円となる。

    アマゾン日本事業の日本円ベースの売上高推移(年間平均為替レートで円換算)。平均為替レートは、2010年が87円、2011年は79円、2012年は79円、2013年は97円、2014年は105円、2015年は120円、2016年は108円、2017年は112円で換算、2018年は111円で換算、2019年は109円で換算
    アマゾン日本事業の日本円ベースの売上高推移(年間平均為替レートで円換算)。平均為替レートは、2010年が87円、2011年は79円、2012年は79円、2013年は97円、2014年は105円、2015年は120円、2016年は108円、2017年は112円で換算、2018年は111円で換算、2019年は109円で換算)

    アマゾン日本事業の売上高は直販ビジネスのほか、第三者による販売(マーチャント売り上げ)の手数料収入、定期購入サービスなどが含まれる。

    米Amazon、アマゾンジャパンともに流通総額は公表していないが、2018年における「Amazon」のグローバル流通総額に占める販売事業者(「Amazonマーケットプレイス」出品・出店者)経由の割合は58%にのぼっている

    また、アマゾンジャパンは「Amazonマーケットプレイス」に出品する日本の中小企業による2018年の流通総額が9000億円を超えたことを明らかにしている

    アマゾンに詳しい業界関係者は、「全体の流通額のうち4割超が第三者による販売で、手数料収入は平均して第三者の販売額の約10%と考えられるとの推測を前提にすると、『Amazon.co.jp』の流通総額は3兆円規模になっている」という。

    なお、通販新聞も同様に、2019年の流通総額を「関係筋によると3兆円程度となっている模様」と推測している。

    グローバルの販売状況

    2019年度(2019年1~12月)の総売上高は前期比20.5%増の2805億2200万ドルだった。2018年の伸び率は30.9%増。規模拡大を続けながら高成長を維持している。純利益は同15.0増の115億8800万ドル。

    売上高の内訳は次の通り。

    • 仕入れ商品などによる製品売上(デジタルメディアコンテンツなど含む)
      → 1412億4700万ドル(前期比14.8%増)
    • 第三者販売サービス売上など(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)
      → 537億6200万ドル(同25.8%増)
    • 定期購入売上(サブスクリプションサービス売上)など(「Amazon プライム」の会員費など)
      → 192億1000万ドル(同35.6%増)※プライム会員は世界中で2019年末までに1億5000万人を超えたことを明らかにしている
    • AWS(Amazon Web Service)
      → 350億2600万ドル(同36.5%増)
    • 実店舗売上(主にホールフーズの売り上げ)
      → 171億9200万ドル(同0.2%減)
    • その他(広告サービスやクレジットカード契約などの売上高)
      → 140億8500万ドル(同39.3%増)
    Amazonの売上高の内訳(2019年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合算
    Amazonの売上高の内訳(2019年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合

    地域別の売上高は次の通り。Amazon全体の売上高に対して日本事業が占める割合は5.7%。2018年よりも0.2ポイント減。なお2017年は6.7%。

    • アメリカ → 1936億3600万ドル(前期比20.9%増)
    • ドイツ → 222億3200万ドル(同11.8%増)
    • イギリス → 175億2700万ドル(同20.7%増)
    • 日本 → 160億200万ドル(同15.7%%増)
    • その他 → 311億2500万ドル(同27.0%増)
    Amazonの売上高の内訳(2019年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合算
    Amazonの地域別売上高(2019年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合
    瀧川 正実
    瀧川 正実
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