成長を続けるBtoB-EC市場。経済産業省が発表した調査では、BtoB-ECの市場規模は344兆円に上昇。EC化率はついに30%を超え、業界全体でますます盛り上がりを見せています。
ハイペースでEC化が進行する巨大市場
経済産業省が2019年5月16日に公開した「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、日本のBtoB-EC市場規模は344兆2,300億円(前年比8.1%増)、EC化率は30.2%(前年比0.8ポイント増)となっています。

BtoB-EC 市場規模の推移(2014年〜2018年)
※経済産業省の資料をもとに編集部で作成
2017年のBtoB-ECの市場規模は318兆1610億円、2018年が344兆2300億円。ということは、およそ26兆円分のアナログな業務がこの1年間でEC化されているのです。
ちなみに、下の表は2018年の日本のBtoB-EC市場規模の内訳です。
BtoB-EC市場規模の業種別内訳
EC市場規模
(億円)
対前年比
EC化率
建設
建設・不動産
166,510
10.4%
11.0%
製造
食品
244,040
6.2%
55.6%
繊維・日用品・化学
341,950
7.9%
40.6%
鉄・非鉄金属
214,900
8.9%
35.8%
産業関連機器・精密機器
156,640
11.0%
33.1%
電気・情報関連機器
358,000
6.3%
53.5%
輸送用機械
500,560
5.8%
63.2%
情報通信
情報通信
133,990
5.6%
18.8%
運輸
運輸
97,550
4.7%
15.9%
卸売
卸売
1,039,510
10.5%
27.7%
金融
金融
128,620
6.1%
20.9%
サービス
広告・物品賃貸
38,210
4.7%
12.8%
その他
小売
17,860
19.8%
─
その他サービス業
3,960
27.7%
─
合計
3,442,300
8.2%
30.2%
BtoC-EC市場と比較してみると……
ちなみに、BtoC-ECの市場規模は17兆9845億円(前年比8.96%増)、EC化率は6.22%(前年比0.43ポイント増)。BtoB-ECは市場規模で約20倍という圧倒的な規模とスピードでEC化が進んでいることがわかります。

BtoC-ECとBtoB-ECの市場規模とEC化率の比較(2018年)
もちろんこの数字は物販に限定した話ではないので、これですべてがわかるわけではありませんが、企業としてBtoB-ECを取り組む価値がありそうなことはおわかりいただけると思います。
アナログな業務がEC化されていく
次にEC化率に注目してみたいと思います。市場規模が約344.2兆円ということで、割り戻して計算してみると、EC化率が30%を超えているといっても、まだおよそ800兆円がEC化されていないことがわかります。

BtoB-EC導入済み企業と未導入企業の比率(2018年)
EC化されていない取引というのは、電話やFAX、対面営業など、昭和の時代から行われてきた取引ということになります。例えば「在庫確認をFAXで依頼する」「価格表を毎週作成して、取引先にメール」「受注したデータを社内システムに手入力する」……など、効率的とは言いがたい業務フローが、日本じゅうにまだまだたくさんあるということです。
必ずしもすべてのケースに当てはまるわけではありませんが、発注する側も受注する側も、「こんなに手間がかかるのは何かかおかしいな……」と思いつつ、状況を変えられず、いつも通り、非効率な業務を行っているという妙な現状があります。
BtoB-ECが盛り上がりを見せている理由は、そんな妙な状況を改善しようと考える企業が増えてきたことが一因だと思います。まだアナログな受発注業務を行っている皆さん、業務のEC化を検討してみてはいかがでしょうか?
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オリジナル記事:成長を続けるBtoB-EC。市場規模は344兆円に上昇。EC化率はついに30%を突破! | 鵜飼智史のBtoB-EC早わかり講座
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