誰もが実践できるSEO。でも意外と間違った認識を持っている人も多いのでは?
そこでみなさんが抱えているSEOの不安や疑問をプロが解消します。
SEO関連ツールがありますが、ツールでSEOができるものなのでしょうか?
まず、SEO関連ツールを利用する上で覚えておいて頂きたい注意点が2つあります。
利用価値があるツールは「SEO作業支援」系ツールに限られる
SEOの基本的知識がないとツールは活かせない
1つ目ですが、世の中には無数の「SEOが簡単にできます」と謳うツールが存在しますが、それを種類で分類すると、①最適化作業そのものを自動化する自動化系ツールと、②作業工数・負荷を減らしてくれる支援系ツールがあります。
前者①は、キーワードを指定すると勝手に最適化されたHTMLソースを出力してくれるタイプのものを指します。後者②は、指定したURLのバックリンク(特定のページに対して張られているリンク、つまり被リンク)の情報を自動的に収集・集計してくれるタイプのものを指します。
私は国内と海外含めて10年前からいろいろと見て触っていますが、前者の自動化系に属するものはほとんど役に立ちません。これは、指定したキーワードをh要素やa要素で囲ったHTMLを自動で吐き出したり、ページの指定箇所にキーワードを含む文章を一文挿入させたりするだけのものといった、単なる「キーワード埋め込み代理ツール」に過ぎず、HTMLソースの最適化はしてくれないからです。
対して後者は、自ら1つひとつ実行すれば膨大な時間がかかる作業を自動で行ってくれます。このツールが出力するデータそのものは役に立ちませんが、それを分析し、読み解くことで今後のSEOの指針を決定したり競合他社の状況の把握に役立ったりします。こうしたSEOの施策を支援するタイプのものは、取得するデータの項目次第で役立ちます。「意味のないデータばかり取得するツール」は意味がないのでご注意下さい。
また、ツールは所詮ツールに過ぎません。SEOの理解があって、その作業を効率的に進める手段としてツールがあるのです。巷には無数のツールがありますが、中には「そのデータを取得してどうするの?」と首を傾げたくなるツールも山ほどあります。たとえばキーワード出現頻度データはその最たるものでしょう。自分が何の情報を欲しいのか、それがわからないとツールは役に立ちません。
※記事の内容は、執筆時点のものです。検索エンジンの仕様は頻繁に変わるため、将来においてもこの内容がそのまま該当することは保証できません。
あなたの疑問・質問を募集 SEO相談室で相談したいこと、取り扱って欲しい内容があれば件名に「SEO相談室」相談係と書いてメールにてお送りください(宛先:web-tan@impressrd.jp)。
※本連載の質問受付は終了いたしました。今後の企画をご期待ください。
コメント
渡辺さんを信用できなくなりました。
ツールはほとんど役に立たないと言い切られてますが、いいのでしょうか?
渡辺さんといえば、この業界の有名人かもしれませんが、そんな方が他社のサービスを否定する記事を書けば社会的に及ぼす影響は大きく、場合によっては倒産に追い込まれるケースも考えられます。たとえその会社がツールで優秀な成果を出していてもです。
今まで渡辺さんのことは尊敬してましたが、この記事を読んで、独りよがりの専門家だったんだと思いました。
ふと思い立って、YahooでSEOと検索してみましたが渡辺さんの会社は50位までに出てきませんよね。
その点も疑問に思いました。
役に立たないとは書かれていませんが
編集部の安田です。
どうも、記事内容を読み誤っているように思われます。たしかに、
とは書かれていますが、記事全体として
と言っている記事ではありません。
改めて記事に書かれている内容を読んで理解されることをおすすめします。
編集部の見解としては、渡辺さんの記事の内容には全面的に同意しています。現状のSEOは、特に企業サイトのSEOの場合、検索エンジンの状況や他サイトの状況だけでなく、ネットユーザーの行動やひいてはその企業のビジネス自体の構造をよく理解したうえで施策を行う必要がある段階にまだまだあります。単に「1位になる」ことを目的としているならば、それはおそらくWeb担で考えているSEOとは違います。
落ち着いてこの記事を読み直して、再考していただけるとありがたいです。編集部としても、記事の主旨を誤解する方が1人でもいることは悲しいことですので。
また、
そういったツールで一般的に入手可能なものをご存じでしたら、ぜひコメントまたはメールにて編集部までお教えいただけるとありがたいです。記事で紹介することでみなさんに使っていただければと思います。
自動化系に属するものはほとんど役に立ちま...
私もこの記事には違和感を感じました。
「自動化系に属するものはほとんど役に立ちません。」
と言う一文で、
「ツールは使ってはいけないんだ」
と言う印象を強く持ちました。
「ほとんど」という言葉で100%ではないと逃げてはいるものの、読者(私)は99.9%以上の印象を受けます。
さらに渡辺氏が「私は国内と海外含めて10年前からいろいろと見て触っていますが」と書いていますので、その印象は強烈になります。
また、「役に立たない」という言葉も複数回使用されているので、読者側は「ツールは役に立たない」と言う印象を持つと思います。
逆に「編集部の見解としては………」
は、この記事だけを読んだとすれば、感じ取ることは無理ではないでしょうか?
編集部はSEOのプロかもしれませんが、読者には今日SEOを始めた初心者もいるわけですから、その点では配慮が無いように思います。
渡辺氏といえばこの業界の第一人者なのですから、今回のように特定のサービスを駄目と位置づける記事の書き方は避けられた方が良いのでは無いでしょうか。その影響力は非常に大きいと思います。
いかがでしょうか?
ある人がどこかのツールを利用して順位が上がり、問い合わせが急激に増えたということを言ってました。
一般的に利用できるサービスだったと思います。この件につきましては、改めて編集部へメールさせていただきます。
ご意見ありがとうございます
アイレップ渡辺です。
皆様、ご意見ありがとうございます。
この記事で私が伝えたかったことは、『SEOツールにはいろいろな種類のものが存在するけれども、ツールは手段であって目的ではないから、何をしたいのか、目的に応じて適切なものを選択してほしい』『Webページ自体を自動的に最適化する類のツールは、単にキーワードを埋め込むだけのものであって、”最適化”ではないので利用価値は低い』ということです。あらゆる種類のツールを否定しているわけではありません。私もバックリンク分析ツールなど利用しているものもあります。
SEOとは広告ではありませんし、またその目的は検索エンジンでの順位を上げることではありません。Webサイトを検索エンジンに理解・評価されやすい(=検索エンジンフレンドリー)ように構築することが本来の目的です(=その結果として、関連キーワードで検索上位に表示されやすくなる)。この観点から、ソースコードやコンテンツに手を加えずに指定された文字列だけを埋め込むタイプのツールを”最適化に役立つ”とはいえないのです。
もちろん、ページ中にキーワードが入っていないとそもそも検索エンジンにヒットしない、といった基本的知識がないユーザが使うことを想定すれば、そうした類のツールも短期的に”役立つ”といえるかもしれませんが、それはツール云々の問題ではないと思います。
渡辺隆広
(株)アイレップ SEM総合研究所 所長