スマホジャック型のアイドルMV、世界が注目したオフィスチェアなど13作品が揃った「コードアワード2016 贈賞式」
D2Cは7月27日、デジタルマーケティングアワード「コードアワード2016 贈賞式」を都内会場で開催した。2014年に始まったコードアワードは、デジタルを活用したマーケティングコミュニケーション事例を広く募集し、その施策を企画・実施したチームを称えるもの。前身である「モバイル広告大賞」の対象作品を拡大し、今年で3回目を迎える。
贈賞式では、事前に発表されていた受賞12作品の贈賞のほか、ファイナリスト29作品から一般投票によって選ばれる「パブリックベスト」を受賞したメルセデス・ベンツ日本の「Next Stage with You」が発表された。本年度のグランプリは該当無しとなったが、デジタルならではの表現力や体験を生み出した魅力的な作品が贈賞された(受賞作品一覧は記事末尾参照)。
一般投票で選ばれた「Next Stage with You」は、若年層に向けた新たなマーケティング施策を切り開いた。「Perfume×貞本義行×中田ヤスタカ」といった豪華コラボレーションは、ユーザーが楽しめる体験の提供だけでなく、広告費換算で4億6,000万円相当の露出を獲得、2015年に過去最高の売上台数を達成するなど「車のマーケティングを手のひらの中へと進化させた」と、広告としても高い評価を得た。
新しいメディアの形を創造した施策に贈られるベスト・ユース・オブ・メディアを受賞した「Native Mobile Music Video」は、スマートフォンでの再生を前提にした縦型のMusic Videoとして公開直後から話題を集めた。スマートフォンのカメラやSNSなどを舞台にした映像は、まるでスマートフォンがジャックされたかのような体験を得られる。カンヌライオンズのサイバー部門も受賞。
グッド・イフェクティブおよび審査員特別賞を受賞した「INTELLIGENT PARKING CHAIR」は、日産自動車の自動駐車技術を幅広い層にアピールするために作られた作品だ。オフィスチェアという日常の生活シーンを舞台にしたことで、車や技術に関心がないユーザー層にまでブランドイメージを伝えることに成功した。世界でも話題となり、自動運転・駐車技術といえば日産自動車という企業戦略としても重要なイメージを作り上げた。
グローバル基準のクリエイティブアワードへ
本年度のアワードは、国内向けのアワードでありながら初めて海外からのエントリー(タイ、中国)があり、グローバル化のきざしが見えている。また、今年から海外審査員を招いており、審査委員長の佐藤カズー氏は、グローバルの視点を持ち込んだことで議論の底上げがされたと話す。
その結果、クリエイティブの質はもちろん、グローバル視点のレリバンシーが求められたため審査時間は過去最長となり、議論は厳しいものになった。残念ながら、本年度のグランプリは該当無しとなったが、佐藤氏は「デジタルコンテンツには国境がなく、グローバルの視点が大事になってくる。来年はコードアワードにふさわしいグランプリ作品が生まれることを信じている」と述べた。
コードアワード2016 受賞作品
- ベスト・イノベーション
「G・U・M PLAY」(サンスター) - グッド・イノベーション
「mineoフリータンク」(ケイ・オプティコム) - ベスト・クラフト
「GREEN NAME」(キリンビール) - グッド・クラフト
「Deja vu | KAMRA」(インビジブル・デザインズ・ラボ) - ベスト・イフェクティブ
「GIGA Selfie」(オーストラリア政府観光局) - グッド・イフェクティブ/審査員特別賞
「INTELLIGENT PARKING CHAIR」(日産自動車) - ベスト・ユース・オブ・メディア
「Native Mobile Music Video」(キングレコード) - グッド・ユース・オブ・メディア
「くばら あごだしチャレンジ」(久原本家グループ本社)
「Family Reminder」(江崎グリコ) - グッド・ユース・オブ・データ
「長崎新聞配達ルート データMAP化プロジェクト The Way」(長崎新聞社)
「YASKAWA BUSHIDO PROJECT / industrial robot vs sword master」(安川電機)
エゴサーチ採用(面白法人カヤック) - パブリックベスト
「Next Stage with You」(メルセデス・ベンツ日本)
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