Googleが年内のサードパーティCookie廃止を延期! その背景から探る、今後とるべき対応とは?
2024年4月23日、GoogleはPrivacy Sandboxの公式サイトにおいて、サードパーティCookie廃止期限の再延期を発表しました。
まだまだ混沌とした状況が続いているサードパーティCookieの利用規制ですが、現在(2024年4月末時点)の規制対象は1%。これから徐々に規制対象が拡大していく予定ですが、すでに一部のパブリッシャー企業では、1%規制下でも売上減などの影響が出始めているといいます。
こうした状況を受け、企業のマーケティング部門ではさまざまな対応が検討されています。デジタル広告やWeb解析に携わる部署を中心に、サードパーティCookie規制による影響を危惧する声が上がっているのです。一方で、まだまだ危機感を持っていない企業もあり、企業によって対応への関心度は異なっています。
半数以上の企業がCookie規制の影響を感じている
インティメート・マージャーでは、2024年1月から、毎月実施しているセミナーの冒頭でサードパーティCookie規制に関するアンケートをとっています。設問は「サードパーティCookie規制による影響を感じているか」という内容で、1〜3月までの結果は、以下のようになっています。
2024年1月 | 2024年2月 | 2024年3月 | |
---|---|---|---|
1. 非常にそう思う | 28% | 26% | 24% |
2. ややそう思う | 22% | 43% | 36% |
3. どちらともいえない | 32% | 17% | 24% |
4. あまりそう思わない | 13% | 14% | 8% |
5. まったくそう思わない | 5% | 0% | 8% |
この結果からもわかるように、すでに多くの企業がサードパーティCookie規制の影響を感じている一方で、対策を具体的に行っている企業はまだまだ少ないように思われます。
なぜサードパーティCookieの規制が進んでいないのか
GoogleはサードパーティCookie規制への対応策として、新たな広告配信のインフラであるPrivacy Sandboxの開発を進めています。
Privacy Sandboxは、ユーザーのプライバシーを保護しつつ、一定のターゲティング広告を可能にする仕組みです。Cookieに代わるシステムを用いることで、現行の広告配信に近い効果が期待できると言われています。
ただし、Privacy Sandboxは技術的な課題が山積しているほか、規制当局の承認も必要です。また、広告主側の理解と協力を得るためのコミュニケーションも欠かせません。新技術の普及には、さまざまなハードルが残っています。
そのため、多くの企業はPrivacy Sandbox以外も含めた独自の対策を模索しています。自社サイトへの誘導経路の多角化、ファーストパーティデータの活用、コンテンツマーケティングの強化など、サードパーティCookieに依存しない施策にシフトする動きが活発化しているのです。
変革の波はチャンス
サードパーティCookieの規制による影響は、まだまだ実感しづらい状態(1%程度でしかテストを行っていないため)であるため、今後インティメート・マージャーでも広く影響を調査していく予定です。
Privacy Sandboxがリリースされることで、企業のマーケティングにどのような影響が出てくるのかについては、まだ多くの不明点があります。たとえば、「Privacy Sandboxによって顧客のロイヤルティを上げるのが難しくなっているのではないか」「実はCVRが下がっているのではないか」など、検討しなくてはいけない課題について、企業のマーケティング担当者は把握しきれていないように思います。
サードパーティCookie規制は、まだまだ混沌としている状態です。一方で、今後ITPのように継続的にデータ取得の難易度が上がっていくことも考えられます。この潮流に乗り遅れた企業は、競争力を大きく損なうリスクがあります。変革の波をチャンスと捉え、新たなマーケティングの形を模索していく。それが、今を生き抜く企業に求められる姿勢ではないでしょうか。
この連載では、これからもデータ活用に関する最新情報を提供していく予定です。直接のご相談はインティメート・マージャーにて受け付けていますので、お気軽にご連絡ください。
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