GoogleがサードパーティCookie廃止の新アプローチ撤回、「選択プロンプト」も見送り

「シークレットモード」はデフォルトでサードパーティCookieを追跡できず保護を強化

小島昇(Web担編集部)

4月24日 7:02

米国Googleは4月22日(現地時間)、Chromeブラウザの「プライバシーサンドボックス」の今後の方針を発表し、23日に日本語訳を公表した。Webサイトをまたいで閲覧履歴を共有する「サードパーティCookie」に関するユーザーの選択管理方法は従来通りとし、サードパーティCookie専用の新たな「選択プロンプト」の導入は見送る。ユーザーはChromeの「プライバシーとセキュリティ設定」から最適なオプションを自身で選択する。

Google、サードパーティCookieの取り扱いを見直しへ「Privacy Sandbox」の新たな方針を発表

デフォルト(初期設定)でサードパーティCookieの追跡ができないChromeの「シークレットモード」は、トラッキング保護を引き続き強化する。ユーザーのIPアドレスを匿名化する「IP Protection」機能は2025年第3四半期に提供する予定。「セーフブラウジング」「セーフティチェック」「組み込みのパスワード保護」「AI(人工知能)を活用したセキュリティ保護」などの技術でChromeを信頼されるブラウザにする投資も継続する。

Googleは、サードパーティCookieを廃止してChromeに代替機能を導入する新しいアプローチを検討していると2024年7月に発表したが、パブリッシャー、デベロッパー、規制当局、広告業界にはサードパーティCookieの利用に影響を及ぼす変更にさまざまな意見があるとが分かった。業界全体でプライバシー強化の技術導入が進み、企業が新たなソリューションを構築して積極的に採用していることから、昨年夏の方針を撤回した。

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