X(Twitter)に代わるSNSとして注目が集まっている「Bluesky」。
この記事では、Blueskyについて解説し、基礎知識やアカウント開設方法、企業アカウント事例を紹介します。
Bluesky(ブルースカイ・ブルスコ)とは?
Blueskyとは、2023年1月にスタートしたSNS。
ジャック・ドーシー氏がTwitter(現X)社のCEOだった2019年に立ち上げた、分散型オープンプロトコル開発SNSプロジェクトがベースとなっているテキスト共有アプリ。Blueskyの根幹となっているのは分散型プロトコル「AT Protocol」というものです。
β版として招待制でスタートしましたが、2024年2月6日に招待制を廃止。誰でも利用できるようになりました。
日本ユーザーからの愛称は「ブルースカイ」または「ブルスコ」となっています。
BlueskyとTwitterの関係
Bluesky は当初、ジャック・ドーシー氏が2019年にTwitter(現X)社のCEOだったときに始めたプロジェクトでした。Blueskyのリーダーにジェイ・グレーバー氏を選び、オープンソーシャルプロトコルを構築するために、当時Twitter社が出資しています。
Twitter is funding a small independent team of up to five open source architects, engineers, and designers to develop an open and decentralized standard for social media. The goal is for Twitter to ultimately be a client of this standard. 🧵
— jack (@jack) December 11, 2019
そのため、見た目や使用感は旧Twitterに似通っており、「Twitterからの移行先」として注目を集めています。
Blueskyのユーザー数
- Blueskyの利用者数:500万人以上(2024年2月23日時点)
Blueskyは、β版として招待制でスタートしましたが、2024年2月6日に招待制を廃止。誰でも利用できるようになりました。招待制廃止から2日後の2月8日には、85万人以上の新規ユーザーが利用を開始し、利用者が400万人を突破。X(Twitter)に代わるSNSとして注目を集めています。
参考:https://bsky.social/about/faq
Blueskyのロゴ、メディアキット
旧Twitterを想起させる明るいブルーと蝶のモチーフになっています。以下からプレスキットをダウンロードすることができます。ロゴを想起させる絵文字として「🦋」を用いた投稿も見受けられます。
参考:https://bsky.social/about/blog/press-faq
「分散型プロトコル」「分散型SNS」とは
企業による独占的管理がなく、多数のユーザーやグループが自由にサーバーを構築しながら運営し、データを共有するため、開発主体と運営が異なるのが特徴となっているソーシャルメディアのこと。企業が運営主体となっているわけではないため、コンテンツや機能が制限される、変更されるといった影響を受けづらいと考えられます。X(Twitter)のように買収などによって運営主体が変わることがないSNSといえます。
そのため、API制限などで様々な問題を抱えるX(Twitter)に代わるSNSとして注目を集めています。なお、分散型プロトコルを採用するソーシャルメディアサービスとしてはほかに、Mastodon、Threadsなどがあります。
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■Blueskyの使命・考え方
「分散型オープンプロトコルのためのテクノロジーを開発し、大規模導入を推進する」という使命を設立当初から追求しています。
これは、ひとつの企業(Bluesky)に依存することなく、相互に連携させることで、ソーシャルメディアのデータを公共財のように扱えることが重要であるということです。そのため、Blueskyは「たとえBlueskyが消滅しても、データが別の場所でホストされていれば、つながりを再構築できる」と説明しています。
Blueskyでは、フェデレーションの概念を体現する機能として、すでにユーザー名(ハンドルネーム)の変更機能、カスタムフィード機能などを提供しています。
ユーザー名については、初期設定では「(ユーザー名).bsky.social」というサブドメインの形で提供されます。サブドメインについてはユーザーが管理するドメイン名に変更可能となっています。そのため、「(ユーザー名).com」など、自分でドメイン名を取得し管理しているユーザーは、Bluesky上のユーザー名も、データのホスティングも、自分が管理するドメイン名やホスティングサーバーで行うことができます。ドメインを取得しているような企業であれば、「なりすまし」などのリスクを回避できると考えられます。
Blueskyの機能
実装済み機能(Blueskyでできること)
- 最大4枚までの画像投稿
- リンクカードの挿入及びアプリ内再生
- 投稿へのいいね、コメント、リポスト、引用ポスト
- 他ユーザーへのフォロー、ミュート、ブロック
- タイムラインに広告が表示されずに閲覧できる
- タイムラインを自由にカスタマイズ
- ユーザー名検索、キーワード検索
- 複数のアカウント作成
- タグのミュート、閲覧機能
追加が待たれる機能(Blueskyでできないこと)
- DMの送信
- アカウントの非公開化(鍵アカウント)
- 画像と動画の同時投稿
- テキスト文章と動画の同時投稿
- 話題化ポストの確認(トレンド)
- 広告配信
- 分析機能
Blueskyの推奨画像サイズ
ヘッダー画像
- モバイル推奨:2340×900px (2.5:1)
- PC推奨:1196×300px (3.9:1)
ヘッダーサイズはモバイルとPCで異なります。モバイル推奨で作成するとPC上では上下が切れてトリミングされた表示となり、PC推奨で作成するとモバイル上では左右が切れてトリミングされます。自分のフォロワーがモバイル、PCどちらで閲覧することが多いか考えて設定するようにしましょう。
投稿画像
- 1080×1080px(1:1)
Blueskyでは、4枚までの画像投稿が可能です。1枚のみ添付した投稿ではおおよそのサイズで問題ありませんが、2枚以上画像を投稿する場合は正方形にトリミングされます。そのため、正方形画像を用意することをおすすめします。
アイコン画像
- 480×480px (1:1)
Blueskyでは、アイコンが円形にトリミングされて表示されます。モバイル、PC共に同サイズで問題ありません。
OGP画像の表示
縦横比を維持し、1074×564px程度まで縮小されて表示されます。
Blueskyのテキスト上限
ユーザー名
- 64文字まで(全角/半角問わず)
投稿テキスト
- 300文字(全角/半角問わず)
Blueskyのテキスト上限については、全角かな、半角英数字ともに同数を上限とされていました。(コムニコ検証)
Blueskyの利用方法
- .Blueskyのアプリ「Bluesky Social」(iOS、Android)をダウンロード、またはPCからBlueskyへアクセスします。
ここではPCでの作成方法を紹介します。
- 指示に従って情報を入力します。
Blueskyのアカウント作成に必要な情報:
・メールアドレス
・パスワード
・生年月日
・SMS受信可能な携帯電話番号
・ユーザー名
- 興味関心やセキュリティ情報を設定します。
ヘイトグループ関連のコンテンツ、スパムコンテンツ、なりすましについて、「非表示/警告/表示」を選択できます。
アダルトコンテンツについてはPC版のみで設定可能となっており、「ポルノ(性的)な画像/性的ではないヌード(裸体)コンテンツ/ヌード(裸体)ではない性的コンテンツ(水着など)/暴力的な画像、流血性のあるもの(グロテスク・自傷行為・拷問等)」の表示設定を行うことができます。
全てデフォルト状態の「非表示」にしていて問題ありません。
- 設定確認画面が表示された後、続行するとBlueskyのタイムラインが表示され、利用できるようになります。
アカウント作成時の注意点:
メニュー表示が英語表記となっている場合は、「設定」から日本語表記へと変更することができます。「第一言語」と「コンテンツの言語」を「Japanese」に設定するとよいでしょう。
また、タイムラインにメンション投稿が溢れている場合は「ホームフィールドの設定」を確認しましょう。メンション人だけではなく、全ての人のタイムラインに表示されている場合があります。
Blueskyを独自ドメイン(自社ドメイン)へ変更する方法
Blueskyでは、アカウント作成時に「●●●.bsky.social」といった「.bsky.social」がついたハンドルネーム(ユーザー名)が自動生成されます。しかし、ユーザー名が未使用であれば誰でも作成可能できるため、アカウントが本物かどうか信頼性が担保できません。
そこで、自社ドメインを持つ企業であれば、自社独自ドメインへの変更を推奨します。DNSレコード設定を変更できるのはドメインを持つ企業だけですから、本物のアカウントであることをユーザーの負担なく証明することができるのです。設定はシステム管理部門に相談して進めるようにしましょう。
- 設定>高度な設定>ハンドルを変更を選択
- DNSレコード設定に必要な「Domain」「Type」「Value」をメモ
- 自分が契約しているドメインのDNSレコード設定画面を開き、上記の「Domain」「Type」「Value」の値を登録します。難しいと思われた方は、システム管理部門に依頼して進めてみましょう。
なりすましアカウントのリスクについては「なりすましアカウントから自社ブランドを守る対策」記事を参考になさってください。 - DNSレコード設定が完了したらBlueskyのハンドルネーム設定画面に戻り、画面上部の入力欄に自社のドメインを入力して「Verify DNS Record」を選択。
- その後「Domain verified!」と表示されたら「Save」することでドメイン変更が可能となります。
Blueskyのビジネス活用-企業はどう活用すべき?
招待制が廃止され、利用者も増えてきていることから、すでに活用を開始している企業もあります。
基本的にはX(Twitter)と同様の使い方ができそうです。
以下に現状の活用例をまとめます。
- 自社ドメインを使用してなりすましを防ぐ
企業活用においては、自社ドメインを活用することで信頼できるアカウントであることを示すことができる。 - オウンドメディアなどへ遷移させる
リンク投稿では、OGPが表示されるため、メディアアカウントでの活用がすでに行われている。 - 呼びかけ投稿やアクションを促す投稿でユーザーとコミュニケーションを図る
「試しにコメントしてください」「〜ならいいね」はX(Twitter)などでも高エンゲージメントとなる。 - 他媒体キャンペーン投稿へ遷移させる
リンク投稿を活用してX(Twitter)やWebへの遷移を促すことができる。
X(Twitter)同様拡散させる機能がありますが、スパム・なりすまし対策があり、分散型SNSの仕組み上、買収によって機能制限などの利用者にとってマイナスなことが起きづらいことはメリットになりそうです。ただし、広告配信やキャンペーン活用はまだ行われておらず、利用者もまだまだ少ないといえます。
黎明期から運用を開始して大きなアカウントに育てる、もしくはアカウントだけ取得しておいて様子を見る、という企業が現状(2024年2月現在)は多いようです。
Bluesky運用代行
We Love Socialを運営する株式会社コムニコは、日本におけるSNS黎明期である2008年に創業。FacebookやTwitter(現X)の日本語版リリースと同時期から企業向けにSNSマーケティング活用支援を行ってきました。大手企業を中心に、これまで1,800件(2023年3月時点)のSNSアカウント運用実績があります。
BlueskyはまだまだこれからのSNSプラットフォームですが、コムニコはこれまでの知見から成果につながる運用支援を行います。Bluesky運用代行やコンサルティングについて、ご相談ください。
>>コムニコとは?サービス資料をダウンロード
>>運用代行やコンサルティングをコムニコに相談する
Blueskyの企業活用事例
ここからは、Blueskyに公式アカウントを開設し、運用を開始した企業の事例をいくつかご紹介します。
■靴下屋-Tabio タビオ株式会社
招待制が廃止された当日にはアカウントを開設。「投稿頻度高く更新中」として、靴下を活用したコーディネートの提案やフォロワーとの交流を実施。開設当初「.bsky.social」のドメインを使っていたが、「なりすまし防止のために自社ドメインを活用しては」というユーザーの声を受けて1時間後に対応し注目を集めました。
https://bsky.app/profile/tabio.com
■セガ公式アカウント
セガ公式サイトは、招待制が廃止された翌日2月8日にアカウントを開設。
プログラミングの最初の言葉「Hello world」をもじって「Hello Bluesky」と投稿し、X(Twitter)と同様の運用をしています。2月28日現在、7,600人以上のフォロワーを獲得しています。
https://bsky.app/profile/sega.jp
■ウェザーニューズ公式
気象情報会社ウェザーニューズ(WNI)公式アカウントでは、気象ニュースを紹介した記事を投稿しています。プロフィールには「震度3以上の地震が観測された場合に自動ポストします。」と記載されています。
https://bsky.app/profile/weathernews.jp
■産経ニュース【公式】
産経新聞の公式ニュースアカウントは、ニュース速報や解説記事を投稿。X(Twitter)でアカウント開設を告知し、プロフィール文でもBlueskyへのリンクを貼って誘導しています。
https://bsky.app/profile/sankeinews.bsky.social
■ナウル共和国政府観光局
ナウル共和国政府観光局日本事務所のアカウントは「試験的に運用」としながら、X(Twitter)アカウント同様に人気を集めています。
https://bsky.app/profile/nauru-japan.bsky.social
■箱根ガラスの森美術館
神奈川県にある箱根ガラスの森美術館のアカウントは、「エックスやフェイスブック、インスタグラムには投稿しにくいことをあげたいです」としてX(Twitter)で告知。Mastodon、Threadsと合わせてBlueskyも運用開始しています。
https://bsky.app/profile/hakonegarasunomori.bsky.social
■江ノ島タクシー株式会社【公式】
江ノ島タクシー株式会社のアカウントは、公式キャラクターを活用してX(Twitter)と同様の運用を行っています。「#企業公式が毎朝地元の天気を言い合う」といったX(Twitter)でも人気のタグを活用しています。
https://bsky.app/profile/enoshima-taxi.jp
■GIGAZINE
ニュースサイト「GIGAZINE」(ギガジン)公式アカウントは、private beta版からBlueskyを活用。Blueskyでは記事紹介をメインに運用されているようです。
https://bsky.app/profile/gigazine.net
■ナガノ
ちいかわなど人気キャラクターを手掛けるイラストレーターのナガノ氏もアカウントを開設。イラストを投稿しています。Bluesky公式がX(Twitter)投稿で「Find your favorite artists on Bluesky 🦋(お気に入りのアーティストを探してください」として紹介。
https://bsky.app/profile/ngntrtr.bsky.social
まとめ
この記事では、元Twitter CEOだったジャック・ドーシーが立ち上げた「Bluesky」について解説しました。混乱が続くX(Twitter)からの移行先として、「Twitter」のような雰囲気を持つテキストアプリとして注目を集めており、企業公式アカウントの開設も増えています。企業としては、自社ドメインが活用でき、なりすましアカウント発生のリスクが少ないことや分散型SNSとしてX(Twitter)のような混乱に巻き込まれにくい点がメリットとなりそうです。
まだまだ利用者は少ないところですが、今後の機能改善などによって利用者も増えていくことでしょう。
BlueskyなどのSNS運用について、「これから活用したいが、どのように実施していくべきか悩んでいる」という場合は、コムニコへご相談ください。日本のSNS黎明期である2008年に創業し、1,800件以上の運用実績(2023年3月時点)があります。
2018年に株式会社コムニコへ入社。コンテンツクリエイターとして、企業・自治体のSNS企画・運用・コンテンツ制作を行う。コムニコが持つ知見を広めるために編集経験を活かして「We Love Social」運営・編集・記事執筆などのコンテンツマーケティングを担当。一般社団法人SNSエキスパート協会認定講師としてSNSに関する安全で正しい知識の啓蒙にも努めている。
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