内部リンクのSEO効果は設置場所でどう変わる? メインコンテンツの文脈に沿っているかが重要
ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「内部リンクのSEO効果は設置場所によってどう変わる?」です。この回答は「SEO効果はリンクの設置場所ではなく『メインコンテンツの文脈に沿っているかいないか』で変わります」です。
内部リンクの効果は、リンクの場所ではなくリンクの文脈で決まる
今回の質問は「ヘッダーやフッターのリンクの内部リンク効果が薄いというのは聞いたことがあるが、サイドバーのリンクは?」というものです。ペンネーム「igs」さんが寄せてくださいました。記事型のページでは、ページ内に設置されているナビゲーションリンクの多くが関連性の低いものになってしまっていることに、課題を感じておられるようです。
内部リンクの効果はリンクの場所ではなくリンクの文脈で決まります。ヘッダーやフッターという「場所」が内部リンク効果を小さくしているのではなく、ヘッダーやフッターはメインコンテンツと文脈が切り離されているために内部リンク効果が小さくなるのだ、と考えてください。ヘッダーやフッターのリンクはビジュアル的にもメインコンテンツと切り離されていて、メインコンテンツと関連のあるリンクではないことを明確に示していますよね。こういうリンクは内部リンク効果が低くなるわけです。
「igs」さんが気にしておられるサイドバーのリンクの場合、そのサイドバーがサイトワイド(サイト全体で共通)のものであるなら、そこに設置された内部リンクの効果は低くなります。サイトワイドのサイドバーの場合、個別のページのメインコンテンツとは文脈上の関係がないからです。おそらくビジュアル的にも、ページのメインコンテンツとは分けられているはずです。
一方、サイドバーがサイトワイドではなく、製品カテゴリや記事カテゴリごとに変化するものだった場合、個別のページのメインコンテンツと文脈上の関係がありますから、内部リンクのSEO効果はサイトワイドリンクよりは高いものになります。ビジュアル的にも、そのページのメインコンテンツを補足するものだとわかるようにデザインされているはずです。
内部リンク効果を高めるなら、サイトワイドリンクを減らそう
「igs」さんのサイトは長年にわたって運用されていてデザインも乱雑になってしまっているとのことです。これを改善していくには、まず「サイトワイドリンクを減らす」ことを考えてください。サイトワイドリンクの内部リンクSEO効果が小さいといっても、リンクの数が多ければ無視はできません。大量のサイトワイドリンクにSEO効果(ここではリンクジュースの配分を指しています)が消費されている状態では、細かな内部リンク施策が効果を発揮しにくいからです。
トップページや会社概要ページ、個人情報保護方針ページなど、サイトワイドであることに意味のあるリンクと、いくつかの主要なページ(サービス紹介カテゴリのトップページなど)だけを残して、サイトワイドリンクをバッサリ削るところをスタート地点にするとよいでしょう。サイトワイドリンクがほとんどない状態から、ナビゲーションを含めた内部リンクを設計するのが早道です。
そのうえでサイドバーを採用するなら、カテゴリごとに変化するものに差し替えましょう。また、2010年代からはサイドバーのない1カラムレイアウトが主流になっていますので、その形を採用するのもおすすめです。この場合、メインコンテンツ下部に設置する「関連リンク」がサイドバーと同様の役割を果たし、よりスマートです。より高いSEO効果も期待できます。
まとめ
内部リンクの関連度は、そのリンクが設置されている場所で変わるのではなく、そのページのメインコンテンツとの文脈上のつながりで評価が変わります。最も強く関連付けされるのはメインコンテンツの本文中から発せられるリンクで、メインコンテンツ下部がそれに続きます。ヘッダーやフッターのナビゲーションのように、文脈的にも視覚的にもメインコンテンツと切り離されたサイトワイドのリンクは、関連性の評価は極めて小さくなります。
内部リンクの設計や設置は、オンページSEO(内部SEOとも)の最重要課題の1つです。本コーナーではよく例として紹介していますが、ここでもよいお手本となるのがWikipediaです。そのページのコンテンツと関連のあるページに対しては本文中からどんどんリンクし、関連の小さいページへのリンクは徹底して排除することで、オンページSEOの効果は最大化します。積極的に真似ていきましょう。
また、内部リンクのSEOについては、筆者のサイトに詳しく解説した記事がありますので、そちらも参考になさってください。
P.S.
「うちのサイトは特殊だから質問しにくい」と、ひとりで悩んでいる方がいらっしゃるようです。本コーナーでは、ほかでは聞きにくい疑問にもどんどん答えていきますので、どしどしご質問をお寄せくださいね。
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