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LINE公式アカウント、どう使うのが正解? コムニコ後藤さんが、迷えるSNS運用者に推薦する必読書4冊!

SNSとりわけLINE運用者におススメの4冊を紹介する。企業のSNS活用コンサルとして数々の実績を持つ後藤真理恵さんに選んでいただいた。

個人でSNSを楽しむのと異なり、企業アカウントでは「何らかの成果」を出すことを求められる。しかも一朝一夕に成果が出るものではなく、コツコツと積み上げが必要だ。だからこそ方向性を決める「はじめの一歩」が重要になる。

そこで、SNSのなかでもLINEの公式カウント担当になったばかりの方、しばらくやっているけれど「これでいいのかな?」と不安を感じている方にオススメの本を、企業のSNS活用コンサルとして数々の実績を持つ後藤真理恵さんに推薦いただいた。

*写真:永友ヒロミ

一般社団法人SNSエキスパート協会 代表理事 / 株式会社コムニコ カスタマーサクセス局 プロダクションチーム マネージャー
後藤真理恵さん

SNSのエキスパートも、全体を把握するのには「紙の本」を愛用

後藤真理恵さんは、SNSエキスパート協会 代表理事を務めており、いわばSNS担当者を指導する先生といえる。しかし、そんな後藤さんも、日進月歩で変化し、目まぐるしくトレンドが変わるSNSについて把握するのは至難の業。そこで、新しいSNSが登場した際はもちろん、正しくスピーディに新情報をキャッチアップために、日頃からおおいに本を活用するという。

やはり全体像を網羅的に捉えて、体系立てて学ぶためには、本を利用することがベストではないでしょうか。わからないままWeb上で情報を検索して、トライアルを重ねて学ぶ方法よりも、本で自分の知識の"ベース"をつくり、そのベースを起点に、もっと詳しく調べてみる、新しい情報を取り入れるというやり方のほうが、断然効率的だと思います(後藤さん)

今回は、後藤さん自ら付箋を付けて活用している愛用本などをご紹介いただいた。

LINE初の公式本。手元で見ながらステップバイステップで進められる

1冊目:『はじめてでもできる! LINEビジネス活用公式ガイド』(LINE株式会社:著 インプレス:刊)

本書は、日本最大のユーザー数を誇るLINEをビジネスで活用するための公式本。Q&A方式でLINE公式の運用の仕方や広告の出し方がわかりやすく紹介されている。

『はじめてでもできる! LINEビジネス活用公式ガイド』
(LINE株式会社:著 インプレス:刊)

SNSで公式本が出ているのは珍しいんです。それだけLINE社がたくさんの方にビジネスでも使ってほしいと考えていることが伺えます。公式本なので、情報の信頼性も大きなポイントです(後藤さん)

とはいえ、LINEはサポートページがかなり充実しており、最新情報の更新もWebの方が速い。それでも本をオススメするのは、「基本的な全体像を体系的に学べるから」だという。

確かにサポートページを見ればいいじゃないかという声もあります。でも、あまりに情報が多過ぎて、初心者は迷子になってしまいがち。この本は基本的なことが順を追ってしっかりまとめられています。手元において読みながら画面を操作すれば、基本操作ができるようになります。全ページカラーでイラストも多く、文字を読むのが苦手という人でもすんなり頭に入ると思いますよ。見直したい部分も「このあたりかな」とすぐに探すことができます(後藤さん)

元編集者が「伝わる文章の書き方」を指南。セルフチェックにもおススメ

  • 2冊目:『才能に頼らない文章術』(上野郁江:著 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊)

次は、元編集者が書いたという『才能に頼らない文章術』。必ずしもSNS専用ではないが、SNSを運用する上で必要な文章術を身につけるために、有効な考え方や方法がまとめられている。

『才能に頼らない文章術』
(上野郁江:著 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊)

よくある文章術と異なるのが、ライターや作家など文章を書くプロが書いたのではなく、企業のPRやコンサルティングを経験してきた編集者が書いていることです。その暗黙知やスキルを体系化して文字化したものなので、文章としての上手さではなく、「伝え方」が重視されています(後藤さん)

確かにSNSの運用では、SNSへの投稿はもちろん、キャンペーンコンテンツや広告、社内へのレポートまで文章を書くことが多い。特にSNSへの投稿には内容の面白さやユニークさなどを求めがちだが、書き方によっては誤解や炎上を生んだり、伝えたいことが伝わらなかったり、それ以前にクリアすべきことがあるという。

しかも、多くのSNS担当の新人は何をどう調整すれば良いか指導を受けるチャンスもなく、ただ文章を書き続けている傾向にある。何をどうすれば良いものになるのか? そんな悩みに応えるのが本書だ。必要な文章の要件として、①正しさ、②読みやすさ、③伝わりやすさの3点を上げ、それぞれ気をつけるべき要点を31項目にまとめている。

さらに、編集者目線での添削の実例も掲載されているので、この本を読めば、自分の文章のどこをどう修正すべきか具体的に想像することができるでしょう。また、身近に添削してくれる人がいなくても、付録のセルフチェックシートと照らし合わせながら、自分で自分の文章を添削し、ブラッシュアップしていくことができます(後藤さん)

共感を軸に戦略を立て、形にするためのアイディアを生み出す法則を知る

  • 3冊目:『共感PR 心をくすぐり世の中を動かす最強法則』(上岡正明:著 朝日新聞出版:刊)

続いて紹介するのは、放送作家からPRに転身した著者による『共感PR 心をくすぐり世の中を動かす最強法則』だ。

『共感PR 心をくすぐり世の中を動かす最強法則』
(上岡正明:著 朝日新聞出版:刊)

少し前に、『ジャポニカ学習帳の表紙に昆虫の写真が使われなくなった』という記事がバズったことを覚えているだろうか。その結果、1ヶ月で6,000万人にニュースが届き、学習帳を大人買いする人たちが続出したが、その仕掛け人が著者の上岡正明だ。

ジャポニカ学習帳のような実例を複数紹介しながら、低予算で"バズらせる"ための一連の仕掛けについて紹介しています。プレスリリースやオウンドメディアに向けて書かれたようですが、SNSにも十分応用できると思います(後藤さん)

そもそもバズるとはどういうことか、バズらせるにはどうすれば良いのか、そうした基本的な考え方を整理し、著者が編み出した「8×3の法則」に基づいて戦略を立て、さらに具体的に形にするためのアイディアを生み出す方法が網羅されている。練習問題を解くように、自分の案件に紐付けて考えることでトレーニングにもなるという。

正直、はじめから狙ったとしても、意図的にバズらせるのは大変難しいことです。しかし、戦略を立てて、話題になるようなコンテンツを見つけ、表現を工夫することで、多くのユーザーの共感を得ることはできるでしょう。それがあって運が良ければバズるという流れ。そう考えれば、地道に共感を得るためのSNS活用が、企業にとって大切であることを実感できるのではないでしょうか(後藤さん)

さらにSNSだけでなく、マスメディアを活用した戦略にまで言及されている。

現場では、SNSだけやっていれば良いというわけではなく、マスメディアも含め、さまざまな施策が組み合わされて目標を達成していきます。本書は、PRやマーケティング施策について、「何のためにどう仕掛けるのか」を考えさせてくれると思います。その結果、SNS担当者のキャリアや仕事の発展性などにまで影響するかもしれませんね(後藤さん)

SNS初心者向け「教科書」として上梓。いつも手元に置いてほしい本

  • 4冊目:『SNSマーケティングはじめの一歩 無理なく成果を出し続ける運用のコツ』(後藤真理恵:著 技術評論社:刊)

後藤さんが「はじめてSNS担当者になった人にとって、教科書的に長く頼れる存在になってほしい」という思いを込めて書いたのが、『SNSマーケティングはじめの一歩 無理なく成果を出し続ける運用のコツ』だ。

後藤さんが講師を務める講座やセミナーの内容が活用され、網羅性に優れていることはもちろん、新人の久野さん、ベテラン社員だがSNSに疎い猿田さんといったキャラクターによる対話形式が用いられており、読むだけでスルスルと理解できる。

『SNSマーケティングはじめの一歩 無理なく成果を出し続ける運用のコツ』
(後藤真理恵:著 技術評論社:刊)

本書を上梓するにあたり、後藤さんは2つの目的をもたせたという。1つ目は、最初に全体を見渡して「こういうことをするのか」と把握するため。2つ目は、常に手元に置いて、迷ったり困ったりした時に該当部分を読み返すことで、「解決策やそのためのヒント」を見出してもらうためだ。

そこで、「SNSとは何なのか」の説明に始まり、「何のために使うのか」という目的や企画の立て方、実装・運用のコツ、効果測定や炎上対策まで時系列で紹介し、「SNS担当者の心得」を伝えている。また、初心者だからこそ陥りがちなトラブルや悩みなどにも着目。後藤さんの分身が「マリエ先生」として登場し、問題解決のヒントを提供しながら励ましたりなだめたり、まさに悩めるSNS担当者に寄り添う内容となっている。

特にメッセージとして強く伝えたいのが、「一人で頑張らないこと」です。企業のSNS運用は明確な効果が見えにくいこともあり、一人で担当している方も少なくありません。しかし、それでは長続きせず、効果も出しにくい。そこで、本書では、社内体制の立ち上げ方、共有すべきドキュメントについてなど、チームとしてSNSを運用していく具体的な手法やコツなどについても紹介しています(後藤さん)

読者からは、「SNSで成果をあげるのって担当者のセンスありきだと思っていた自分には、まさに目から鱗の内容でした」との声も寄せられているという。

情報をアップデートし続けるための情報源

上記の本を読んだ上で、情報をアップデートし続けるために、LINEがオンラインで提供している情報サイトも上手く活用すると、さらに知識や知見を定着できるという。その一部が以下になる。

また、LINEはLINE自身およびFacebook、Twitter、noteにも公式アカウントを持っている。常に公式からの情報にふれることができるので、友だち登録やフォローをしておくと良いだろう。

◇◇◇

以上、4冊の推薦本をトータルに読めば、戦略的にSNS活用を捉えることができるようになるだろう。まさにSNS担当者のスキルアップ、モチベーションアップを手助けしてくれるはずだ。

SNSの担当になると、日々のネタ探しや投稿ばかりに気を取られてしまいがち。まずは全体を見渡し、なぜ行うのか、どんな効果を得るのかを常に考えることで、他の施策にも活きるスキルや知見を得ることができます。その意識を養うためにも、ぜひいろんな本を読んでみてほしいと思います(後藤さん)

後藤さんに紹介いただいた4冊。SNS、とりわけLINE運用者には必読の本ばかりだ
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