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コア ウェブ バイタルが良いページは検索順位も高いのか? ―― ウェブとCWVの現状【第3部】

CWVの指標は、検索順位とどんな関係があるのか。CWVが良い=順位が上なのか、悪い=順位が下なのか、その程度は? データからひもといてみよう。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

コア ウェブ バイタル(Core Web Vitals、CWV)の指標と検索順位は相関するのか。CWVが良い=順位が上なのか、悪い=順位が下なのか、その程度は?

「CWV」「Speed Index」「ページオーソリティ」が良好なページとそうでないページで平均検索順がどう違っているか、アップデートの前後でどう変わったのか、実データでみてみよう。

CWVの現状を専門家が解説するシリーズ「ウェブとCWVの現状」最終回だ。

第1部では、グーグルおよびウェブ全般が「ページエクスペリエンスアップデート」に向けて準備できていなかった状況について取り上げた。僕の見解はこうだ:

グーグルのCrUX(Chromeユーザーエクスペリエンス)のデータを得られるウェブサイトは少なく、大多数のウェブサイトが必要な基準をクリアしていなかった。

だからこそ、アップデートが長期にわたり延期された。

第2部では、評価指標それ自体について考察した ―― その薄っぺらさ、恣意性、操作のしやすさについて。これらの要因もグーグルが及び腰になっている理由だろう。

ここまでは概念の話だった。しかしシリーズの最後となる今回は、論より証拠だ。CWV指標とオーガニック検索順位のパフォーマンスについて、データから何がわかるかをみていこう:

  • CWVは、検索順位と相関関係があるのだろうか?
  • もしそうなら、それはページエクスペリエンスアップデートが行われる前より強まっているだろうか?
事前の注意

これは相関関係の調査にすぎない。提示しているデータは、

  • CWVが順位に与える影響(因果関係)

を示しているのではなく、

  • CWVと順位の関係(相関関係)

を示しているにすぎない。

検索順位に直接影響を及ぼさなくとも、順位と関連付けられるメカニズムはたくさんある。

たとえば、SEOを重視しているウェブサイトは検索順位良く、ページ読み込みのパフォーマンスにも取り組んでいる傾向があるだろう。そうであれば、直接的な因果関係がなくても、読み込み時のパフォーマンスと検索順位には相関関係がある。

潜在的な影響については後で説明する。

基準をクリアしているURL vs していないURL

僕はまず、CrUXデータがあるURLだけを調べてみることにした。

第1部で紹介したので覚えている人もいるかもしれないが、2021年8月にアップデートが行われた時点で、その割合はURL全体の38.3%ほどだった。この数字は、モバイルとデスクトップのデバイス全体で、「MozCastのキーワード1万件に対して表示された上位20件の結果から得られたものだ。

※Mozが提供している非常に便利なグーグルアルゴリズム解析ツール
CWVの3つの指標をクリアしているURLほど、平均の検索順位が良い

これらのURLはすべて上位20件から得られたもので、平均値がどれも僕たちの予想の10.5位を大きく上回っているのが興味深い。トラフィックの多いURLほど不釣り合いに上位になる可能性が高く、CrUXデータがある可能性も高くなるだろう。

CWVの3つの指標をすべてクリアしているURLは、少なくとも1つの指標をクリアしていないURLより、検索順位が0.39良いことがわかる。

つまり、これが検索順位決定要因なのか?

一見すると、上記のデータはCWVが検索順位決定要因として非常に有望のように見える。しかし、少し落ち着いて考えてみてほしい。

同じデータを、ページエクスペリエンスアップデートが行われる前の2021年5月の時点と比べてみよう。

8月の方が全体的に平均の検索順位が悪い結果に

ここで、いくつかの点に気がつく:

  • CrUXデータのあるURLの平均順位は、5月より8月の方が全体として悪かった。これは、8月にはCrUXデータのあるURLが増えたため、検索順位はさらに悪化したのだと予想される。

  • CWVの基準をクリアしているURLは、アップデートの前から順位が良かった。つまり、基準をクリアしているURLは、CWVが検索順位に組み込まれる前の時点ですでに他の理由で優位にあった可能性があるということだ(たとえば、優れたユーザーエクスペリエンスのURLほど上位になっていたかもしれない)。

  • 基準をクリアしていたURLとクリアしていなかったURLの差は、5月の0.37から8月には0.39に拡大しているが、これは言うまでもなく誤差の範囲内だろう。

読み込み時のパフォーマンスと検索順位の潜在的影響

Lighthouseのラボデータに示される「Speed Index」との対比も興味深い(これは、ページエクスペリエンスアップデートに含まれていなかったパフォーマンス指標だが)。

CWVの3つの指標をすべてクリアするとこの指標でURLの上位36.3%に入ることになるため、Speed Indexでも同様に上位36.3%で分け、検索順位の差を比較した。

Speed Indexで上位36.3%に入るURLも平均順位が良い結果に

このグラフから、「Speed Index」は明確な検索順位決定要因でないにもかかわらず、パーセンタイルの内訳に関連して平均順位が上がっていることがわかる(ただし、その差はわずかで、CWVの3つの指標すべてをクリアしている場合の差が0.39に対し、Speed Index上位の場合は差が0.17だった)。

これはSpeed Indexが検索順位決定要因であることを意味するわけではなく、これらの要素がもっと複雑に関連し得ることを意味する

(僕のような数学オタクで、2つのグループの加重平均順位が同じでないことに気づいた人のために説明すると、これはサーバーのエラーなどによってCrUXデータは取得できたが、ラボデータは取得できなかったURLがごく少数あるからだ)

で、結局CWVで何か変わったの?

答えはイエスだ。ただし、その変化は微妙なものである。

大きな影響が感じられたのは、3つの指標のいずれもクリアできなかったページだ。

  • これらのURLの多くは当初、上位に表示されていたが(その多くが著名な大手ブランドのものだったからだろう)、今回のアップデートで打撃を受けた。

  • CrUXデータのあるURL全体では0.2位ほど悪化していたのに対し、これらのURLは1.15位も悪化している。

指標を1つもクリアしていないURLは平均順位が大幅に悪かった

第1部で述べたように、これはグーグルが意図していた状況とは異なる。2020年のアップデートに向けた当初のFAQで、グーグルは次のように述べている:

ページが3つの指標のすべてで推奨される目標値に達していれば、ウェブバイタルの評価をクリアしている。(中略)ページエクスペリエンスの検索順位への影響は、個々のCWVのスコアに関係なく、CWVの3つの指標が「良好」の範囲にあるすべてのページで同じになる。

(出典はこちら

第1部で取り上げたデータの問題が理由で、グーグルはおそらくこれを実現できなかったのだろう。やや間に合わせで準備しなければならず、「1つまたは2つの指標をクリアできなかったURL」ではなく「いずれの指標もクリアできなかったURL」にのみ相対的なペナルティを適用した(あるいは加点しなかった)可能性が高い

では、1つの指標をクリアすればいいのか?

いや、必ずしもそう考えていいわけではない。

3つの指標すべてをクリアすべきだと考える理由は他にもたくさんある。しかし、もっと重要なのは、全体として優れたページエクスペリエンスをしてもらうことだ。グーグルはこれらの要素を拡充する方法を、今後も時間をかけて模索していくだろう。

それに、SEOの残りの部分も重要だ。たとえば、ページオーソリティに関連する顕著な違いも確認してみよう。

ページオーソリティが高いURLほど平均順位が良い

みんなの健闘を祈る。

君のサイトのページがCWVを1つクリアしているか、あるいは1つもクリアしていないかを確認する準備はできただろうか?

Moz Proにアクセスして、Site Crawlツールセット内にあるPerformance Metricsのベータ版をチェックしてみてほしい:

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