【レポート】デジタルマーケターズサミット2021 Winter

Google アナリティクス 4はいつ導入すべき? UAとGA4の違いは? 担当者が知っておくべきポイント

2020年秋に突如正式版となったGoogleアナリティクス4(GA4)。旧GAとの違いはどんなところなのか?GA4の特徴は何か?どのように活用していくべきか?など担当者が知っておくべきポイントをまとめて紹介する。
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もはやWeb解析には不可欠なツールである「Google アナリティクス」。2020年秋に突如、「Google アナリティクス4(GA4)」の正式版がローンチされ、大きな話題となった。従来のGAとは多くの部分で異なり、戸惑った人も多いだろう。データ計測の基本単位やレポート画面などメイン機能が大きく変化しており、まさに“別ツール”といっても過言ではない。

その目的や活用法など、担当者が知っておくべきポイントについて、デジタルマーケティングやDX支援を行う株式会社プリンシプルの木田和廣氏が「デジタルマーケターズサミット 2021 Winter」で解説した。

株式会社プリンシプル 取締役副社長 カスタマーサクセス室長 木田 和廣 氏
チャットQA質問回答者
株式会社プリンシプル DXディビジョン チーフテクノロジーマネージャー 山田 良太 氏

GA4は従来のGAとは全く別モノ!
サイトの他、アプリやSNSなども含めた統合分析基盤へ

冒頭、木田氏より、セッションの参加者の「GA4に関する現在の取り組み状況」についてリアルタイムアンケートが行われた。その結果によると、最も多いのが「これから調査するが、ほぼ何もしていない」で54%、そして次に多いのが「調査中だがまだ理解できていない」とあり、ほとんどの企業でGA4は暗中模索の状況にあるようだ。

現状のGAに対する取り組み(セッション中のアンケート結果)

多くの人が戸惑うのは、GA4がこれまでで最も大きく変わったからだろう。GA4は2020年の10月に正式版となった際にGA4と名称変更されたことで一般には“GAの最新バージョン”と認識されているが、ベータ版では「App+Webプロパティ」と呼ばれ、WebサイトだけでなくアプリやSNSなども統合して分析できる基盤として開発された。

従来のGA(Universal Analytics:UA)とGA4は全く別のツールであると思って使っていく方がいい。同じ分析を行っても同じ結果が出るとは限らない(木田氏)

またGA4は、“作り込みが甘い”部分があるとされ、2月上旬にはオーガニックトラフィックが捕捉できていなかったり、自己参照トラフィックが除外設定できなかったり、データインポートで拡張したディメンションがレポートに上がってこなかったりなど、不具合も生じている。

Googleアナリティクス4とは?

GA4とUAの違いを3つのポイントで比較

それでは、担当者が慣れ親しんだ従来のGA=UAと、GA4はどのように違うのか。次の3点について比較し、GA4の特徴を把握していこう。

  1. データ取得
  2. レポート
  3. BigQueryエクスポート

1. データ取得

まずは、「データ取得」における変更点について紹介する。ここでのポイントは、以下の3つだ。

① ユーザー特定の精度が向上

異なるデバイス(スマホやパソコンなど)でアクセスしてきたユーザーを同一ユーザーとして特定する、「クロスデバイストラッキング」の精度が上がった。UAではCookieを用いてユーザーを特定しており、サイトの会員ID(ログインID)を利用したユーザー特定については「User IDビュー」という特別なビューで実現していた。それがGA4では、① 会員ID、② Googleシグナル、③ Cookieと確度の高い順に優先してユーザーを特定する方法を順に使っている。特に会員制度を設けているサイトには有効だ。

GA4はユーザー特定の精度が上がった

② 標準で取得できるユーザーインタラクションが増えた

標準的に(=GTM経由でのタグのカスタマイズを行わずに)取得できるデータが大幅に増えた。UAはページビューだけで、他のものを取得しようとすると、イベントトラッキングやカスタムディメンションなどの設定が必要だった。一方GA4では、「90%スクロール数(読了したか)」「離脱クリック(クリックボタンから他のサイトへ遷移)」「サイト内検索」「動画エンゲージメント」「ファイルのダウンロード」などユーザーのインタラクションを標準的に取得できる。

GA4は標準的に取得できるデータが大幅に増えた

③ データモデルが2階層に変更

UAでは、トラッキングビーコン1つ1つを「ヒット」として捉えつつも、それを意識させることなく、収集してセッション単位に加工してレポート画面に出していた。なお「ヒット」は、単一階層のデータ構造であり、「どのユーザーが、いつ、どのページに、どんなページタイトルに、1ページビューを発生させたのか」というものになる。

GA4ではイベント + パラメータという2階層でデータ収集するようになった

一方、GA4では、ページビューも含めて、前述の「標準で取得できるユーザーインタラクション」をすべて「イベント」として収集する。一見、「ヒットがイベントに変わった」だけのようだが、「イベント」はパラメータという下位属性を持つ2階層構造になっている。

木田氏は実際にBigQueryに吐き出した「ヒット」を見せた。それによると、page_viewという「イベント(event_name)」に、複数の「パラメータ」がデータ取得されているのが確認できる。1ヒットに対して、「ページのURL」や「ページタイトル」「ページリファラ」など、多くの情報が紐付いているわけだ。

GA4の1ヒットに対して複数のパラメータ情報が紐づいている

2. レポート

次に「レポート」における変更点について紹介する。レポートを見る目的として、「モニタリング(見張り)」と「分析」があるが、UAではこの2つが明確に切り分けられていなかったため、ランディングページレポートやユーザータイプレポート、デバイスレポートなど100を超えるレポートができていた。そこでモニタリングや分析を行うため、カスタムレポート機能があったが、実質的にはクロス集計表に過ぎず、少々非力と言わざるを得なかった。

しかし、GA4では「モニタリング(見張り)」と「分析」を切り分ける“思想”のもとで設計されている。たとえば、「モニタリング」用には、数を絞ってレポートを提供し、見張りやすくする。一方、「分析」用には分析メニューが提供されており、たとえば、「キャンペーンの成果を確認する」「今後どういうセグメントに広告が出せばいいのか」など、テーマに応じた分析が可能だ。

「モニタリング」と「分析」におけるUAとGA4の対比

UAとGAの比較:モニタリング

木田氏は、ここで実際にUAとGA4の違いを、GA4の画面を操作しながら解説していった。モニタリング用のレポートとしての違いを見せるために、以下2つについて解説した。

UA:「参照元/メディアレポート」
GA4:[集客]>[トラフィック獲得]で確認

UAの「参照元/メディアレポート」は、GA4の場合「集客」>「トラフィック獲得」で閲覧できる。表示されたレポートには、「参照元メディア」「ユーザー数」「セッション数」などが表示されている。

どの参照元メディアから、自分たちのサイトに来てくれたのかは常に確認しておく必要があるが、UA場合、参照元別のグラフを表示するには、自分で操作する必要があった。一方、GA4では標準レポートとしてその機能が備わっている。そのためモニタリング「見張り用」のためのレポートであるということがわかる。

GA4「集客」>「トラフィック獲得」のレポート

UA:ランディングページレポート
GA4:レポートはない

また「ランディングページレポート」については、残念ながらGA4からは、なくなってしまった。そのため、GA4で「ランディングページレポート」に相当するぺージを閲覧するには、セッションが始まったイベントを確認しに行く必要がある。

具体的には、「エンゲージメント」>「イベント」をクリックして、表示されたイベントの中から「session_start」に絞り込む。すると、「page_title」や「page_location」の値が、UAの「ランディングページレポート」に相当する。先術の「データ取得」で触れた「データモデルが2階層に変更」が、このあたりの理解に必要となる。

GA4の「エンゲージメント」>「イベント」で「session_start」に絞り込こんだレポート

UAとGAの比較:分析

さらに木田氏は、「分析」におけるUAとGA4の違いを説明していった。GA4で「分析」する場合は、「分析」メニューの「分析ハブ」と「テンプレートギャラリー」のいずれかを利用することになる。「分析ハブ」はゼロから自分で作る。一方、「テンプレートギャラリー」はどのような分析ができるかの見本(テンプレート)を活用して分析する、という違いがある。

なお、「テンプレートギャラリー」には、ファネルや経路、セグメントの重複、ユーザーエクスプローラなど7種類のチャートが用意されており、いずれも大変使いやすいものになっている。これについても、カスタムレポートよりも強力なレポート機能が追加されたと評価できるだろう。

GA4の「テンプレートギャラリー」では7種類のチャートが用意されている

木田氏は、デモアカウントの分析ハブを使って、「クリアランスページのページにもっとユーザーを誘導すれば、トランザクションが増えるのではないか?」という仮説検証のデモンストレーションを行った。

3. BigQueryエクスポート

最後に「BigQueryエクスポート」について紹介する。BigQueryエクスポートとは、Googleが提供するクラウドデータベース「BigQuery」にGAデータをエクスポートすることだ。UAでは有料のGA360に実装されている機能であり、GA4では無料版にも実装された。いわゆる「生データ」が手に入るが、保管するデータ量とスキャン量に応じて、別途BigQueryの料金が発生する(無料枠あり)。

この生データの活用によって、「標準レポート」や「分析ハブ」などに依存しない分析ができる。ただし、分析にはSQLのスキルが必要となる。

BigQueryエクスポートの概要

そして、木田氏はBigQueryを利用するべきケースとして、次の5つの場面を紹介した。

  1. 「分析ハブ」で作成したレポートの数値に疑義があり、「生データ」にあたって検算したいとき
  2. TableauやPower BIなど、強力なビジュアライゼーション機能を持つBIツールでGA4のデータを利用したいとき
  3. ユーザーのサイト内検索利用体験を改善したいとき
    (サイト内検索について「特定の検索ワードを使ったユーザーが再検索をした場合、そのキーワードは何か?」といったような「分析ハブ」では可視化できない問いに対する答えを抽出)
  4. オフライン購入履歴などの別のデータと結合して分析したいとき
  5. BigQueryに用意されている機械学習(BigQuery MLなど)を使った予測・分類を行いたいとき

結論:UAと並行運用で導入し、すぐにデータ蓄積と学びをはじめよう!

そして、最後に木田氏は「結論として、すぐに導入してUAと並行運用すべき」と断言した。ただし、GA4はサブとして位置づけ、しばらくはデータ蓄積と学び(慣れ)を開始するべきだという。

背景として、UAに一切影響しないこと、今後の機能追加はGA4に対して行われるはずであろうことなどが紹介され、木田氏は「データを蓄積しておけばいつでも参照可能となり、全く違うツールだけに慣れや学びに一定の時間が必要となる。さらにGA4でしか確認できないレポートもある」と語り、「現状ではベストと思われるが、今後の機能追加や仕様変更などがあれば、ベストでなくなる可能性や導入し直しが発生する可能性もある」とリスクについても言及した。

GA4はどう活用すべきか? 結論
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