LINEの国内MAUは7,500万人を突破。LINE以外は、2018年に入ってから国内MAUの公式発表がなく、最新の状況がわからないものの、InstagramはグローバルのMAUが10億を突破し、国内MAUも伸びていることが予想されます。

それでは、早速各SNSプラットフォームについて解説します。

引き続き、絶好調!ストーリーズの進化とインフラ化が進む Instagram


2017年に引き続き、ストーリーズの強化を続けるInstagram。2016年3月に導入されたストーリーズのグローバルのDAUは、今では4億にまで達し、SnapchatやFacebookの同機能のDAUを大きく引き離しています。

※データ参照元 記事末尾記載*2:2018年7月10日時点の各社発表最新のグローバルDAUより

リッチ化が進むストーリーズ「GIFスタンプ」・「タイプモード」・「絵文字スライダー」・「カルーセル」・「シェア」

ストーリーの導入時は「24時間で消える」ことが一番のウリでしたが、今ではさまざまな機能が追加され、この半年だけでも、GIFスタンプ、テキストだけで投稿できるタイプモード、新たなアンケート機能、絵文字スライダーなどの機能が追加されました。また、ADメニューには、最大3つのクリエイティブを使用できるカルーセル が追加され、よりリッチな表現が可能となりました。このようにリッチ化が進むストーリーズですが、その60%以上が音声あり*3で再生されているというデータも発表されており、リッチなコンテンツをユーザーが楽しんでいることが見て取れます。

その他、前回の記事で触れた「シェア」機能も、フィード投稿をストーリーズでシェアする形で実現されました。

3つの最新注目機能「ショッピング機能」・「IGTV」・「ビデオチャット」

Instagramの進化はこれだけにとどまりません。6月には、投稿から商品がスムーズに購入できるショッピング機能 が日本国内でもスタート。ブランディングのみならず、ECプラットフォームとしても、今後ますます重要度が増すことでしょう。

また、60分までの縦型動画を投稿できる新アプリ「IGTV」が登場。コンテンツの配信先として注目が集まっている一方、長尺コンテンツの配信先として定着するか、ストーリーズとの棲み分けがどのようにされていくのか、今後の動向は要チェックです。

最長60分までの動画を投稿できる「IGTV」


さらに、6月下旬には、ダイレクト機能にビデオチャットが登場し、1対1または4名までのビデオチャットができるようになり、Instagramだけで十分コミュニケーションが事足りる状況になりつつあります。

このように、ECプラットフォーム化、youtube化、さらにはLINE化が進むInstagram。この拡張がどのようにInstagram、そして他のSNSに影響を与えていくのか今後も注目です。

問題山積み? 運用者の悩みのタネ・・・Facebook

順調なInstagramと対照的に、2018年前半はプライバシー問題に揺れたFacebook。また、2017年12月には、いいね・シェア・コメントを募る投稿の格下げ、2018年1月には、Facebookページのリーチを減らすことが正式に発表され、Facebook運用にとっては、大変悩ましい状況となっています。特にパブリッシャーにとっては深刻な問題で、Facebook離れが加速していると報じられています。

一方で、今後の新機能として「デート機能」の導入を発表。企業のFacebook運用にはあまり影響はないと思われますが、活性化につながるのか、迷走となるのか…気になるところです。

初黒字化も達成!コンテンツ強化中!Twitter

ページ運用やコンテンツの配信先としてFacebookに黄信号がともる一方で、これまで以上に注目を浴びているのがTwitterです。事実、初の黒字化も達成しており、そのうち日本は売上高ベースで2番目の市場となっていて、特に動画広告が好調です。Instagram同様、Twitterもコンテンツの動画化・リッチ化が顕著で、1日当たりの動画視聴回数は、世界では14億、日本では3億回に上ります。

新機能「インストリーム動画広告」・「ツイートブックマーク機能」・「タイムスタンプ機能」

また、ニュース、スポーツなどのコンテンツパートナーの開拓を強化していて、日本でも『センバツ高校野球』や『DAZN』によるJリーグのLIVE配信などが実施されています。昨年10月からスタートした、コンテンツ動画の前にプレロール広告を配信する「インストリーム動画広告」も拡大し、6月にはセルフサービス方式の導入も発表されました。

その他、気になったツイートを保存できるブックマーク機能、ライブ配信のシェアしたい部分をピンポイントでシェアできるタイムスタンプ機能を追加するなど、「コンテンツを閲覧する」機能も強化されています。魅力的な動画コンテンツの増加により、動画の活用やコンテンツタイトルとの組み合わせによって、これまで以上にいかに消費者を惹きつけ、エンゲージさせていくかが肝になるでしょう。

世界的に見ても“ツイート大好き民族”な日本人

一方で、「ツイート」に関しても興味深いデータが発表されました。かねてより、日本人とTwitterは相性が良いと言われていましたが、今年上半期に行われた2つのビッグスポーツイベントで「最もツイートした国」に、冬季オリンピックが全世界2位、ワールドカッププレ期(2017年12月〜2018年5月)が全世界1位、期間中が全世界2位となり、Twitterがいかに日本に根付いたSNSかを裏付ける結果となりました。*5  また、スポーツ以外でも、6月のソーシャルトレンドで紹介した通り、ドラマ『おっさんずラブ』が世界トレンド1位に入り、その相性の良さを改めて実証しています。

合言葉は「リデザイン」。半端ない進化を目指すLINE

新機能もりもり発表! LINE CONFERENCE 2018LINE

「Redegisn(リデザイン)」を合言葉に、これでもか!という怒涛の新機能、方針が発表された「LINE CONFERENCE 2018」。1年前の同イベントで掲げられた“生活の全てが完結する「スマートポータル」”を実現すべく、実に多岐にわたる内容が発表されました。その中で、特にSNS視点で企業活用にインパクトがありそうな情報を2つピックアップします。

LINE公式アカウントが月0円から始められるように

まず、企業活用として大きなインパクトがあるのが、LINEアカウントの新プランです。「LINE公式アカウント」と「LINE@」が統合し、月に250万円必要だった公式アカウントが月額0円から使用できるようになります。※導入時期は未定

プランは「友だち」の数に応じて3つあり、さらにメッセージの配信は従量課金制になります。

※導入時期:未定 ※データ参照元:記事末尾記載*6 LINE CONFERENCEの発表を元に作成

これまで価格が障壁になっていた企業が始めやすくなる一方、従量課金制になることや、参入ハードルが低くなることで、現在多くの友だちを有するアカウントにとっては、より戦略的な活用が必要になるでしょう。

Clova スキルプラットフォームのオープン化

AIアシスタント「Clova」のスキルをオープン化することを発表。スマートスピーカーの企業活用への注目が高まっていますが、Clovaの場合、LINE公式アカウントやLINEの機能と組み合わせた活用も考えられ、ユーザーにとっていかに価値のあるサービスを届けられるかが成功のカギとなるでしょう。

その他、ショッピングレンズ、LINEトラベルなどなど、InstagramがSNSとしてのプラットフォーム化を進めているのに対し、LINEはオンライン/オフラインに跨がって、生活全体のプラットフォーム化を本気で推進しています。

その他 2018年上半期に導入された注目機能「LINE絵文字」・「インフィード広告」・「LINEインスタントウィン」

トーク画面の進化としては、これまで公式のものだけであったLINE絵文字の発売がスタート。今は有料のみですが、今後スポンサードスタンプのように、企業活用もされることが予想されます。また、これまで友だち追加は「LINEスタンプ」に頼る部分が大きかったのですが、「友だち追加」を目的としたインフィード広告をタイムラインで配信できるようになりました。他にも、セールスプロモーションをよりスムーズに実現させる「LINE SP Solutions」の新メニューとして、「LINEインスタントウィン」の提供をスタートするなど、販促に活用できるメニューも増えています。

最後に

2018年上半期 4大SNSまとめ、いかがだったでしょうか? ここ数年のキーワードだった「動画」への注力はもはや当たり前となり、Instagram、Twitter、LINEでは、「コンテンツのリッチ化」「役割の拡充」が進んだ半年となりました。

企業のデジタル活用として、できることが増える一方、いかにプラットフォームやユーザーの変化に対応していくかが今まで以上に重要になるでしょう。

データ参照元:

*1 LINE:https://scdn.line-apps.com/stf/linecorp/ja/ir/all/2018042502JP.pdf
   Twitter:https://twitter.com/TwitterJP/status/923671036758958080
   Facebook:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-53856/
   Instagram:http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1710/03/news064.html

*2 Instagram Stories:https://business.instagram.com/a/stories-ads?locale=ja_JP
   Snapchat:https://investor.snap.com/~/media/Files/S/Snap-IR/press-release/q1-18-earnings-release.pdf
   Facebook Storieshttps://jp.techcrunch.com/2018/05/22/2018-05-17-facebook-stories-150-million-users/

*3 https://business.instagram.com/a/stories-ads?locale=ja_JP

*4 https://markezine.jp/article/detail/28594?p=2

*5 オリンピック:https://blog.twitter.com/official/ja_jp/topics/events/2018/2027winter.html
   ワールドカップ(プレ期):https://blog.twitter.com/official/ja_jp/topics/events/2018/The-Global-Conversation-about-the-2018-FIFA-World-Cup.html
   ワールドカップ(期間中):https://blog.twitter.com/official/ja_jp/topics/events/2018/2018-World-Cup-Insights.html

*6 https://blog.twitter.com/official/ja_jp/topics/events/2018/2027winter.html
    https://live.line.me/channels/1116796/broadcast/8715515

 

 

SNSトレンドを探る。こちらの記事もどうぞ!

Twitterハッシュタグ分析【2017】

>>「もっとも使われたハッシュタグ分析!流行の理由って?」

 

フォトジェニック疲れ? 

>>「Instagramストーリーが流行るワケ。」

 

フォロワーを獲得できるインスタ投稿とは?

>>「人気のインスタグラムアカウント10選!」

 

【2017版 SNS総まとめ】

>>Instagramの進化が止まらない