初代編集長ブログ―安田英久

YouTuberタイアップ動画の態度変容データ8連発! 認知68%↑、好感44%↑、利用意向46%↑など

動画を視たユーザーの商材に関する認知度や購入意向は、非視聴者と比べてどの程度変わるのでしょうか。
Web担のなかの人

今日は、「YouTuberタイアップ動画による態度変容」の調査データをお届けします。動画を視たユーザーの商材に関する認知度や購入意向は、非視聴者と比べてどの程度変わるのでしょうか。

YouTubeユーザー1195人に調査「YouTuberタイアップ動画の態度変容効果」

UUUMは、YouTuberタイアップ動画による態度変容効果を検証するために、YouTube視聴ユーザー男女1195人に調査を行い、その結果を発表しました。

サービスや商品の「認知度」「興味・関心」「好感度」「利用意向」「購入意向」などや、各商材の特徴を理解している度合いをに関するアンケートを、その商材に関するYouTuberタイアップ動画の視聴者と非視聴者(それぞれn=200)に行ったものです。

調査を行った対象は8つの商材に関する7件の動画。

同社の自社アプリ「KiiiN」のほか、セブパシフィック航空「セブ島」「ボラカイ島」、壱岐市「壱岐島」、タカラトミー「うまれて!ウーモ ワォ」などBtoC商材が中心ですが、シマンテック「ノートン WiFi プライバシー」のようなB向け商材もあります。

認知度・興味・関心・利用意向など

まずは、認知度や興味関心などが視聴者と非視聴者でどの程度違うのかのデータです。

いずれも、非視聴者よりも視聴者のほうが、認知度・関心・利用意向などに関して積極的な回答している(「購入したい」「どちらかというと購入したい」「どちらでもない」「どちらかというと購入したくない」「購入したくない」といった5段階回答のうち、上の2つを選んだ)比率が高いという結果がでています。

なかでもタカラトミーの「うまれて!ウーム ワォ」は、次のように大きな違いが出ています。

  • 認知度: 非視聴者27.9% / 視聴者95.6%(67.7ポイント差)
  • 好感度: 非視聴者44.8% / 視聴者88.9%(44.1ポイント差)
  • 利用意向: 非視聴者36.2% / 視聴者82.4%(46.2ポイント差)

各商材の特徴に関する理解も大きな違いが

アンケートでは、各商材の特徴に関しても非視聴者と視聴者それぞれに調査しています。まずは、その結果をご覧ください。

こちらもすべての項目で、各商材の特徴を視聴者のほうが非視聴者よりも知っているという結果を示しています。特に「壱岐島」「SPINNS」では、多くの項目で非視聴者と視聴者の差が大きいようです。

YouTuberタイアップ動画は態度変容に効く?

ここまでがUUUMからの調査結果で、ここからは安田の判断です。

この結果をみるに、購買ファネルの上のほうから中ほどまで(知ってもらい、理解してもらい、興味をもってもらう段階)に対して、YouTuberタイアップ動画が効果を発揮するだろうことがわかります。

もちろん、場合によっては「興味・関心があるから」「知っているから」その動画を見たという可能性もあるでしょう。そのため、この調査データだけをもって「YouTuberタイアップ動画を見ると、ここで示したような態度変容を起こせる」と結論づけるわけにはいきません。

とはいえ、多くの場合YouTuberタイアップ動画の視聴者は、「何らかの商材に興味があるから動画を見る」よりも「そのYouTuberが好きだから動画を見る」ほうが多いでしょう。おそらく、タイアップ企業側がサイトから動画に誘導を図ったとしても、その傾向に大きな変化はないでしょう。

また、ここで示したような態度変容が起きた背景には、「そのYouTuberが好きだから」という要因の影響がかなりあることも想像できます。

多くのキャンペーンでは「いかにキャンペーンに触れてもらうために誘導するか」が大切です。しかし前述のような背景から、YouTuberタイアップ動画の場合、そうした誘導を多くしすぎると効果がまた変わってきてしまう可能性があるのではないかとも考えられます。

さらに言うと、企業側が最も注目すべき点として、「YouTuber」「動画」という点だけでなく、「視聴者の興味を惹きつける見せ方」があります。

今回の調査対象となった動画をご覧いただくとわかるのですが、どれも商材そのものをダイレクトに訴求するのではなく、視聴者の興味を惹きつける作り方をしています(そもそもYouTuberってそういうものですからね)。

企業側には常に「売りたいキモチ」があるため、企業がつくるメッセージはどうしても押しつけがましい企業視点のものになりがちです。しかしマーケティングとは、押しつけるものではなく、喜んで受け入れてもらうものにすべきです。

その点で、改めてこうした態度変容の効果を出していると想定されるYouTuber動画から、潜在的なお客さんが喜んで買うキモチになるコミュニケーションの作り方を学ぶというのは、大切なのではないでしょうか。

「YouTuber」というと、問題のある行動やモラルに欠ける考え方などの話題には事欠きませんが、そうした面には十分に注意しながらうまく協力を得て、御社のマーケティングをうまく進められるといいですね。

調査概要

本調査で対象とした動画はそれぞれ次のとおり。

本調査の調査概要は次のとおり。

  • 調査対象: 全国の12歳~39歳の男女
  • 有効回答数: 1195サンプル
  • 調査方法: インターネットリサーチ
  • 調査期間: 2017年11月
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