国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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激しい順変動が頻繁に発生するのは競合サイトと僅差で競り合っているから!?

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激しい順変動が頻繁に発生するのは競合サイトと僅差で競り合っているから!?
決め手になる違いを作り出すべし (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報

グーグルのアルゴリズム更新と関係なく、検索順位が頻繁に大きく変動する状況が発生することがある。そうした状況がおきる可能性の1つとして、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように説明した。

サイトの一部のページや一部のクエリでランキングが激しく変動するのは、普通にあることだ。

その原因としてよくあるのは、ほかにも僅差で競り合っているサイトがあり、どのサイトのページが個別のクエリに対して最適なのかをグーグルのアルゴリズムが確信できていないということだ。

ここにはヒントがある。つまり、ひと踏ん張りしてもう少しだけ改善できれば、僅かの差から抜け出して多少は順位が安定するかもしれないということだ。

ただ、うまいこと僅差から抜け出せたとしても、時間とともに状況は絶えず変化するものだ。アルゴリズムの再調整によって、結局は、ランキングの上下変動が再び起こることもある。

ここで大切なのは、「ちょっとの差」で競り合いから抜きん出るのではなく、「圧倒的な差」をつける取り組みをすることだ。それができれば、さらに順位を安定させられるだろう。

SEOに力を入れているのは、あなただけではない。同様の検索ニーズに応えようと努力している人は、ほかにもいる。そして、グーグルは完ぺきではなく、どのページを1位に表示すべきかの決定的な要因が見つけられない場合もある。そうしたときに、激しい順位変動が断続的に発生しやすいというのだ。

「甲乙つけがたい」のか「どんぐりの背比べ」のかはともかく、「どう考えてもこちらのほうが検索ニーズに応えている」という決め手になる差をつけられるようにするのが大切だ。

そのために重要なのは、

  • 検索キーワードや検索ボリュームを見るだけでなく、その背後にあるユーザーが検索しているコンテキストや検索ニーズを把握すること
  • それを、だれでも理解でき、ニーズが満たされたとユーザーが感じるように表現すること
  • 検索後の行動も含めた「検索エクスペリエンス」を考慮してコンテンツを設計すること
  • 可能ならば、ユーザーがもともともっていたニーズに応えるだけでなく、想定していない範囲までユーザーを助けるようにすること

ではないだろうか。決して簡単なことではないが、これがマーケティングの本質なのだ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

HTTPSに関してグーグル社員がSEOカンファレンスでコメント
検索結果での警告はやっぱり予定していないらしい (Twitter) 海外情報

HTTPSで配信されているウェブページを検索結果で優遇するアルゴリズムをグーグルは3年前に導入した。このアルゴリズム更新も手伝って、ウェブのHTTPS化は着実に進んでいる。HTTPSの普及を裏付けるデータを先日もピックアップしたばかりだ。

このHTTPSアルゴリズムに関するグーグルのゲイリー・イリェーシュによる最新のコメントを紹介する(ちなみに、イリェーシュ氏はHTTPSアルゴリズムを提案し、コードを作成した本人だ)。英ブライトンで開催されたSEOカンファレンスでの発言だ。

HTTPSアルゴリズムの影響度を上げることには、取り組んでいない。

筆者注: 現在はHTTPS化の検索順位に対する影響度はごく微々たるものだ。

HTTPSへ適切に移行したあと再インデックスするまでには3~4週間かかる。

筆者注: もちろんサイトの規模にもよるだろう。

HTTPSへの移行は、単独で実行すること。サイトのリニューアルとHTTPS化を同時にするようなことは、決してやってはいけない。大砲で自爆するようなものだ。

筆者注: 検索結果に影響しうる大きな変更をまとめて実行すると、問題が発生したときの切り分けがより困難になるからだ。

また、HTTPのページが検索結果に出たときに「保護されていないウェブページ」のようなセキュリティ警告を表示するかどうかには、次のように答えたそうだ。

僕が知る限りでは、そういう計画はない。

先週紹介したジョン・ミューラー氏のコメントと一致している。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

サイトがハッキングを受けた! でも復旧した! 検索順位はもとに戻る?
いつか被害にあう可能性を考えて知っておこう (John Mueller on Twitter) 海外情報

サイトがマルウェアに感染して、セキュリティの手動対策をグーグルから受けたとする。この場合、セキュリティ問題を解決できれば、その後は検索に悪い影響が出ることはないのだろうか?

こうした質問に、ジョン・ミューラー氏は次のように説明した。

クローキングのリダイレクトをはじめ、マルウェアはやっかいだ。だがいったん解消できれば、検索結果の露出に長期的な影響を与えることはないだろう。

ハッキングされた場合は、検索結果にセキュリティ警告が表示される。

しかし、問題を解決し手動対策が解除されたなら、しばらくすればグーグルの警告は消える。そこまで戻れば、その後も検索結果の掲載にマイナスな影響が出ることはないはずだ。

これはセキュリティ問題に限らずに手動対策全般に当てはまることだ。手動対策を受けたとしても、解除されたあとは通常どおり扱われる。「前科持ちだから」ということで、何らかの形でずっと評価が下がったまま状態にはならない。その時点で白か黒かのどちらかというわけだ。

ただし、注意してほしい。コンピュータウイルス全般に言えることだが、一見すると問題なくなったように見えても、実際にはシステムの奥深くにマルウェアが潜んでいることもある。

また、ハッカーに攻撃を受けた原因のぜい弱性を解決しなければ、システム全体をインストールし直したとしても、またすぐに攻撃を受けて同じ状況になることもある。

こうした場合には、自分では復旧したと思っていても警告が消えないこともあるだろう。

さらには、手動対策を繰り返すと、その分、解除が難しくなったり対応が厳しくなったりする場合もある。

そうしたことを理解して、セキュリティ上の問題が発生したときには、専門家の助けを得て、問題を確実に解決することをお勧めする。

★★★☆☆
  • すべてのWeb担当者が(念のために)知っておくべき

フォーブスがPWA対応で手にしたのはありがちな成果だけではなかった
PWAは改善の1つにすぎない (DIGIDAY) 国内情報

フォーブス(Forbes)がモバイル向けサイトをPWAで構築した。次のような成果が出たそうだ。

  • ページ表示にかかる平均時間が6.5秒から2.5秒に短縮
  • PWA利用者のセッションあたりのインプレッションは、旧モバイルサイト利用者と比べて、10%向上
  • セッションあたりの閲覧時間が最大40%長くなった
  • 閲覧ページ数が15%多くなった
  • 記事の4分の1までで読むのをやめた人が、20%減少

ここまでならよくあるPWAの成功事例だ。さほどのインパクトはないだろう。だが、さらに注目すべき点が、このフォーブスのケーススタディにはある。それは、PWA対応はあくまでもユーザー体験の向上の一部にしかすぎないという点だ。

フォーブスはUX向上のために、たとえば次のようなことも併せて行っているという。

  • インタースティシャル広告や、カウントダウンタイマーが表示されるようなものなど、「わずらわしい広告」の掲載をモバイル向けサイトではやめた

  • 複数ページにまたがっていて使いづらかった採用応募ページを1ページにまとめた

  • HTTP/2に移行することで、ページ表示時間を短縮した

さらには、組織体制の見直しも図っている。

PWAの普及を促進するため、Forbesは今年1月、製品および技術部門の各チーム同士の連携を強める措置をとった。具体的には各製品開発チームに担当マネージャーを置き、チームメンバーであるデザイナーやWeb開発者、データアナリストを管理するようになった。これによってそれまで各チームがバラバラに動くことで発生していた無駄の削減に成功している。

PWA対応だけでもなんらかの成果は出るだろうが、プロジェクトの主眼を「ユーザー体験の改善」におき、PWAだけでなくサイト運営の全体にわたって取り組むのは、見習うべき動きだ。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 注目!

日付を差し替えて最新記事に見せかけるトリックは今でも有効か?
古い、古すぎる! (John Mueller on Twitter) 海外情報

検索結果のスニペットには、そのページの公開日が表示されることがある。そこに目を付けて、「記事に記載する公開日時のテキストだけを修正して、あたかも新しい記事のように見せかける」ことで検索順位を上げようとする策略がある。大手の新聞サイトが過去に実行しうまくいっていたこともある。

だが今のグーグルにはもはや効かないようだ。

ジョン・ミューラー氏は「古くさいごまかし方だ」と一蹴している。

もしかしたら、ちょっと違う手法でだますことは、今でも可能なのかもしれない。たとえば、構造化データで偽りの発行日を設定するなどの手法が思いつく。しかし、一時的にうまくいったとしても、いずれグーグルが気づいてスパムだと判断する可能性が高いので、(まっとうなWeb担当者ならば)絶対にやってはいけない。

★★☆☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

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