文章の書き方にはコツが! わかりやすい文章の構成まとめ方10大原則
「Web文章入門」では、ウェブサイトで求められる文章表現とコピーライティングのエッセンスを解説します。 第2回は「わかりやすい文章の10大原則」。論旨を明確に伝えること、ストレスを感じさせないことが、わかりやすい文章のポイントです。
10大原則に照らして、ふだんの自分の「書きグセ」を把握し、ウェブサイトの文章だけでなく、ビジネス文書やメール、ソーシャルメディアでも、常にわかりやすい文章を心がけましょう。
わかりやすい文章にはコツがある
文章は「文才」がなければうまくは書けない、と思っている人も多いでしょう。しかし、高度な創作性が求められるものを除いて、ウェブサイトやブログなどで日常的に書く文章は、ちょっとしたコツを身につけるだけで驚くほど上達します。
わかりやすい文章のポイントは、
- 論旨を明確に伝える(理解しやすさの向上)
- ストレスを感じさせない(読みやすさの向上)
のふたつです。
では、わかりやすい文章の10大原則を見ていきましょう。
論旨を明確に伝える
1. 一文を短く
一文が長い(句点のない)文章は、読み手の思考に切れ間を与えないので、けっきょくなにがいいたいのかがわかりづらくなります。特に「が」は、文を転回させるのに便利で、安易に使いがちなので要注意です。
話し言葉でも、「~が、~で、~が、~が」と一文を長く話す人よりも、「~です。~ました。~でした。」と短く言い切りながら話す人から、より強い説得力を感じるものです。慣れないうちは文章をひととおり書いたあとでよいので、なるべく句点(。)を入れられないか検討しましょう。
2. 結論を最初に
企画書や提案書などのビジネスライティングでは、結論を最初に示すのが鉄則です。ウェブサイトも基本的に同じで、読み手に伝えたい結論を最優先で書きましょう。「理由 → 結論」ではなく「結論 → 理由」という文の流れを意識し、クセづけることが大切です。
結論を最初に書こうと意識すると、自然とムダのない文章が書けるようになります。さらに、文章全体がわかりやすくなるだけでなく、ななめ読みや拾い読みがしやすくなる(冒頭に注目すればよいため)、という大きなメリットも生まれます。
3. 主語と述語を近づける
論旨を支えるのは主語(だれ/なにが)と述語(○○する/○○した)です。ふたつの間に文章があれこれとはさんであると、論旨がぼんやりとしてしまいます。述語まで読み進んだときに「主語はなんだったけ」と読み返す手間が発生する場合もあります。
主語と述語以外は、うまくまとめて冒頭に置いたり、別の文とするとよいでしょう。
4. あいまい表現をしない
あいまいな表現が多い文章からは、歯切れのよさやリズムが感じられません。説得力も弱くなってしまいます。迂回した表現や「思います」はなるべく使わず、ハキハキとした文章にしましょう。
「など」も要注意です。「そのほか」「余地」「可能性」を表すのに安易に使いがちですが、不要なケースがほとんどです。英語の文章で考えると、頻繁に「etc.」や「and so on」が出てくるのがおかしいように、「など」をつける必要が本当にあるかよく考えて使いましょう。
5. 受け身表現をしない
「~される」という表現を受動態(受け身)といいます。「使われています → 使っています」「作られる → 作る」と、受動態を能動態に変えることで、文章があとずさりではなく前傾姿勢になり、論旨が読み手にはっきりと伝わるようになります。
ストレスを感じさせない
6. 句読点をわかりやすい位置に
読点(、)は「息つぎ」の位置に入れるのが自然です。読点がたくさん打たれた文章からは、ひっきりなしに息つぎをしているような印象を受けてしまいます。読点は息つぎが必要な場所だけ、と意識しましょう。
読点の別の効果として、「主語と述語の対応関係をはっきりさせる」というものがあります。たとえば「彼は不愉快に感じて出口に向かった彼女を呼び止めた」という文章では、彼が不愉快に感じた(から呼び止めた)のか、彼女が不愉快に感じた(から出口に向かった)のかがわかりません。「彼は不愉快に感じて、出口に向かった彼女を呼び止めた」と読点を打つことで、「不愉快に感じた」のは「彼」であることを明らかにできます。
句点(。)については、「1. 一文を短く」を参考にしてください。
7. 接続詞を少なく
接続詞は文を接続する語で、「および」「または」「しかし」「そして」「なお」「だから」「あるいは」などがあります。あまり頻繁に用いると、なんとなく文がダラダラとつづいている感じを受けます。接続詞をなるべく使わないようにすると、文章全体がすっきりします。
文の途中で出てくる「および」や「または」は、「と」「や」「、」でつないであげるとスマートです。
8. ひらがなを多く
漢字が多すぎる文章からは、仰々(ぎょうぎょう)しさ、かた苦しさを感じます。本や雑誌などの紙媒体でも、むずかしい漢字はひらがなにする傾向があり(このことを「ひらく」といいます)、ウェブサイトの文章もそれにならって、ひらがなを多めにするように心がけましょう。
固有名詞、四字熟語、慣用句、漢字でなければ雰囲気が伝わらない言葉は、漢字のままでかまいません。これらのなかでも難解な漢字には、カッコ書きで読みがなを振るのが親切です。
9. カタカナを効果的に
日本語の文章はひらがなが多いため、擬音語(音を表す言葉)、擬態語(動作や状態を表す言葉)、食材をカタカナにすると、ひらがなのなかに埋没しないので目に止まりやすくなり、文章全体が華やかになります。
ほかにも、「コツ」「ブレ」「ヘン(変)」「ワケ(訳)」などにカタカナを使うと、独特のニュアンスが伝えられます。カタカナにするのが明らかにおかしい場合は、ほかの単語と区別しやすくするためにカギカッコで囲む、というテクニックも覚えておくと便利です。
10. クドい文末にしない
文末は短くすっきりとしていたほうが、読んでいて気持ちがよいものです。特に「~できます」に注目し、短く表現できないか考えてみましょう。たとえば「つけることができます → つけられます」「いただくことができます → いただけます」というようにです。
最近、「~させていただきます」という、やや過剰な敬語をよく見聞きします。「明日は定休日のため、休業させていただきます」「この案で決定とさせていただきます」「書類を送付させていただきます」という表現です。
表現として過剰なことに加えて、文末が長くなるので次の文にスムーズに入りづらい、というデメリットがあります。「~させていただきます」とせずに、「明日は定休日のため、休業いたします」「この案で決定とします」「書類を送付いたします」としたほうがスマートです。
まとめ
わかりやすい文章の10大原則は、次のとおりです。
- 一文を短く
- 結論を最初に
- 主語と述語を近づける
- あいまい表現をしない
- 受け身表現をしない
- 句読点をわかりやすい位置に
- 接続詞を少なく
- ひらがなを多く
- カタカナを効果的に
- クドい文末にしない
これら10個のうち、自分がよくやってしまいがちなクセを把握し、ウェブサイトだけでなく、日々、ブログやメールを書くとき、ツイッターやフェイスブックに投稿するときに気をつける(きちんと読み返して、なおす)ことが大切です。
第3回では、飲食店のウェブサイトを例に、お店の「こだわり」を伝える方法を解説します。
(第3回につづく)
このコラムを動画で見る
※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました動画コンテンツ※「はじめてWEB」は
サービスを終了しましたわかりやすい文章の10大原則~前編~※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました出演:益子 貴寛(サイバーガーデン)※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました動画コンテンツ※「はじめてWEB」は
サービスを終了しましたわかりやすい文章の10大原則~後編~※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました出演:益子 貴寛(サイバーガーデン)※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました
このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。
- はじめてWEB※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました
「はじめてWEB」掲載のオリジナル版はこちら:
Web文章入門(全6回)「第2回:わかりやすい文章の10大原則※「はじめてWEB」は
サービスを終了しました」(2012/07/25)
ソーシャルもやってます!