構造化データを設定する3つのSEOメリット
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構造化データを設定する3つのSEOメリット
リッチスニペット・カルーセル・コンテンツ理解の手助け (Google Webmaster Central office-hours)
構造化データを実装することで得られる3つの主要なメリットを、グーグルのジョン・ミューラー氏が説明した。次の3つだ。
- リッチスニペット
- カルーセル
- コンテンツ理解の手助け
リッチスニペット
構造化データをページに設定しておくと、そのページがグーグルの検索結果に表示された際に「リッチスニペット」を表示できる。構造化データによる最も代表的な機能だ。
ランキングにはまったく影響しないのだが、レビューや評価、価格などの付加的な情報を視覚的に掲載できるため、検索結果ページ内でクリック率の上昇が見込める。
カルーセル
検索結果内で複数のコンテンツがスライド形式で並べられる特別な枠が「カルーセル」だ。ここに掲載されるには、通常は構造化データが必要だ。
通常のオーガニック検索とは独立しており、オーガニック検索結果とは別に掲載される。(オーガニック検索の)ランキングには影響しないのだが、カルーセルは検索結果の上部に表示されることが多いため、実質的には上位に表示されるのと同じ効果があると考えてもいいだろう。
コンテンツ理解の手助け
構造化データを実装したからといって、検索エンジンがそのページの評価を直接的に上げることはない。しかしながら、検索エンジンがページに書かれているコンテンツを理解するにあたって、構造化データがその助けとなることもある。コンテンツが適切に評価されれば、結果的に検索結果(の上位)に表示されるチャンスが増すことがありうる。
順位アップに直結しないため、構造化データは後回しに なりがちだ。だが、自分のビジネスのメリットになると考えるなら積極的に実装するといいだろう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
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Search Consoleの時間は太平洋時間だって知ってた?
GAとは異なり一律 (John Mueller on Twitter)
検索アナリティクスを含め、Search Consoleが提供するデータはすべて太平洋夏時間(PDT、日本より16時間遅れ)でレポートされるということは、意外と知られていない。
Search Consoleのヘルプにもきちんと書かれている。
検索アナリティクスでは、太平洋夏時間(PDT)に基づいて毎日のデータをトラッキングしています。
Googleアナリティクスはタイムゾーンを設定できるが、Search Consoleは一律に太平洋夏時間でデータが集計される。そのため、日本時間と時間が合わないことがあるので知っておくといい。
注意してほしいのが、冬でもPDTであり、PST(太平洋標準時)ではないということだ(ややこしくなるので、サマータイムは無視しているのだろう)。
なぜ太平洋時間なのかというと、米グーグル本社があるカリフォルニア州のタイムゾーンだからだ。
ちなみに、ジョン・ミューラー氏はこの時刻の扱いを「GMT(Google Main Time)」と表現しているが、これは技術に明るい人向けのジョークだ。というのも、「GMT」というのは「グリニッジ標準時」を表す略語であり、本来ならばタイムゾーン調整をしていない時刻(とほぼ同じこと)を示す言葉だからだ。
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HTTPS移行後の内部リンクは相対パスと完全URLのどちらがいいの?
どちらでもお好みで (WebmsterWorld)
常時HTTPSを進めようとしていたサイト管理者が、HTTPS化のために必要な作業に関して次のような疑問を抱き、SEOフォーラムで質問した。
内部リンクのURLは相対パスと完全なURLのどちらにすべきだろうか?
内部リンクのURLを相対パスにするべきなのか完全なURLにするべきなのかというのは、よくある質問だ。そしてたいていの場合、SEOにはどちらが有利かという意図が含まれている。
念のためにおさらいしておこう。
「相対パス」とは、現在表示しているページのURLを起点として場所を示すURLの記述方法だ。同じディレクトリにあるpage1.htmlというページへリンクするなら、次のようになる。
<a href="page1.html">
そのページがあるディレクトリの中にある「2017」サブディレクトリ内のURLへリンクするなら次のようになる。
<a href="2017/page2.html">
「完全なURL」は、文字どおり「http:」や「https:」などのプロトコル名、サーバー名を含め、サーバーのルートディレクトリから順にパスを示すURLの記述方法だ。
<a href="https://example.com/page1.html">
さて本題に戻ろう。
内部リンクが相対パスで書かれていても、完全URLで書かれていても、検索エンジンにとっては何の違いもない。したがってSEOの観点から決める必要はまったくない。また、HTTPSだからどちらが適しているということもない。
ただし、これまで完全なURLで内部リンクを指定していたのならば、移行後はそのリンク先URLを「http:」から「https:」へと書き換えたほうがいい。リダイレクトを設定していればユーザーはアクセスできるが、リダイレクトが発生する分、スピードが遅くなる(もっとも体感するほどではないだろうが)。
また万が一再びHTTPに戻すことがあったとしたら、リンク先を「http:」に書き換える作業が再度発生する。
相対パスと完全URL(と、絶対パス)のメリット・デメリットについてはかなり以前にこのコーナーで解説したことがある。興味があれば読むといい。
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ページの一番下にある小さなh1タグはSEOにプラス? マイナス?
昔流行ったテクニック、今は効果なし (Gary Illyes on Twitter)
グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏に、ツイッターのフォロワーが次のように質問した。
フッターに書かれているテキストにh1タグが表示されているサイトを見つけました。ですが、HTMLのコードでは先頭にあって、CSSで表示上は、ページの下に配置しているようです。
これは問題になりますか?
イリェーシュ氏はこう答えた。
グーグルは、そんなの気にしないね。
一般的に言えば、セマンティックのルールに従うのはいいことだ。だけど従っている人はとても少ない。もし僕たちが気にかけたとしたら、大きな問題になってしまうだろう。
We don't really care. It's a good idea in general to stick to the semantics, but since very few do, we would be in big trouble is we cared
— Gary Illyes ᕕ( ᐛ )ᕗ (@methode) 2017年6月19日
こうした「小細工SEO」のテクニックが使われていたのは、10年ほど前のことだろうか。もう知らない人も多いのかもしれない。
ご存じのとおり、h1タグは大見出しに使うタグだ。はるか昔のグーグルでは、h1タグに含まれるキーワードはランキングに目に見えるほどに影響を与えることもあった。
h1タグは大見出しなので先頭に来るべきだ。しかし、望むようにキーワードを入れると見出しとしてふさわしくなくなることもある。
そこで、HTMLコードでは最初に登場する見出しとて記述するのだが(もちろんキーワードを含んでいる)、CSSで表示位置を下げて文字サイズを小さくする、こんなテクニックが流行った時代があったのだ。
その名残を質問者は見つけたに違いない。
こうしたテクニックは、今はまったく通用しないので、真似しても意味はない。というのも、グーグルはすでに「HTMLを分析」するのではなく、「実際のユーザーが見る表示」を判断するようになってきているからだ。
そもそも、h1タグにキーワードを入れれば検索順位が上がるような単純なアルゴリズムでないのも、ご存じのとおりだ。
では、こうした名残によってグーグルの評価にマイナスはあるのだろうか? おそらく、マイナスの影響もないだろう。
実際のところ、大見出しがページの最後に小さく表示されるというのは、おかしな話ではある。「主要な内容を示す」ためのHTMLタグであるh1の役割をまったく果たしていないからだ。
しかしながら、ウェブにあるサイトのすべてがタグの本当の意味を正確に守って使われているはずがない。よって、グーグルはおかしな使い方をしていても、それをマイナス要因として評価したりはしないのだ。
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IPアドレス地域判定でのリダイレクトはSEOにもUXにもよくない
ユーザーに任せる (John Mueller on Twitter)
多言語・多地域サイトにおいて、アクセスしてくるユーザーのIPアドレスに応じて、適切だと思われる言語版のページへ自動でリダイレクトすることができる。こうした構成を採用しているサイトの管理者に、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように助言した。
ほとんどの場合、IPアドレスの位置情報によるリダレクトは使わないほうがいいだろう。(グーグルの)インデックスを妨げたりユーザーをいらいらさせたりしがちだ。
I'd avoid redirects by IP location in most cases; it's easy to break indexing & frustrate users.
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2017年6月20日
IPアドレスに基づく強制リダレクトは、SEOの観点からも、ユーザー体験の観点からも、推奨できない。
Googlebotは、原則的にアメリカ(のカリフォルニア州マウンテンビュー)からアクセスする。強制リダイレクトすると、他の言語や地域向けのページを適切に認識できないことがある。
米国以外からもクロールする地域分散クロールという仕組みをグーグルは実装しているが、これに完全に頼るべきではない。
また、ある国にいるユーザーが必ずしも、その国の言語のページを閲覧するとは限らない。
たとえば、ドイツ人ユーザーが日本に旅行中だとする。日本に滞在中なのだが、ドイツに帰国してから仕事で使うレンタカーを予約しようと考えた。使いなれたドイツのレンタカーサイトを見に行ったら、IPアドレスが日本のものだったので、自動で日本語ページに連れて行かれた ―― これは良い体験だろうか? 日本語を解釈できなければ、途方に暮れるだろう。
このように、SEOとUXの観点からIPアドレスに基づくリダイレクトは多言語・多地域サイトではお勧めできない。
一方的に判断して強制的に特定の言語ページを開かせるのではなく、ユーザーが任意で選択できるようにすることが望ましい。
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